2006中国(蘇州)
今回も実は社員旅行である。日程は3泊4日で、上海蘇州と汽車に乗り(火車ではない)、盤門、拙政園、寒山寺、周庄、豫園、東方明珠、上海蟹に松鼠桂魚と名の通った名所はすべて網羅されている、至れり尽くせりのツアーである。しかも3泊4日と言っても、富山上海便の時間帯の悪さもあって、自由時間などは皆無であり、旅行というよりはオリエンテーリングに近い。と、文句を言いつつもまぁ、連れていって頂けるだけ有難い話である(来年も旅行よろしくお願いします!)。
今回、かなり珍しく窓際の席になった。北陸のどんより雲も上から眺めるとなかなか綺麗だ。綿の上に浮いているような奇妙な恍惚感のフライト。機内食は和食っぽいものが出てきたが、太巻の具が福神漬だったり細かく勘違いがあり、いまいち感がある。無理をせず中華を出した方がいいのではないかと思う。やがて、意識が戻ってきて、高度が下がり、海が見えてくる。その海の色が、藍色から黄土色に変わる境目がはっきり確認できた。近いらしい。船の時は黄色い海を随分走ったが、飛行機はすぐに浦東机場に着陸する。
そのまま観光バスに乗り込み、高速公路で蘇州へ。富山便は午後の便なので、これでもう一日が終わってしまう。ツアー自体は富山の旅行会社だが、現地旅行会社が仕切っているので、料理は香辛料の効いた結構中国らしいものが出てくる。夕食は蘇州料理。松鼠桂魚という料理が出る。淡水魚に衣を付けて揚げたものにあんかけのたれをかけてある。しかし、そのたれが鮮やかな紅色をしていて、どうしてもイチゴジャムに見えてしまう。
食事の後は、今回唯一の貴重な自由時間である。蘇州の街を歩けるのは今しかない。しかし、そこは至れり尽くせりのツアー。蘇州の夜景を船から眺めるオプショナルツアーが用意される。当然ほとんどの人は参加となり、参加しないのは私だけという状況になった。付き合いの悪い扱いにくいヤツである。結局付き合いの悪いヤツに何人か付き合っていただけることになって、蘇州の夜の街へと繰り出す。こじんまりしたお茶屋を見つけ入ってみる。すると、流暢な日本語を話す人がいる。店員が綺麗な日本語を話すとはさすが観光地と思ったが、実はその人は店員ではなく、この店の常連さんで、日本に住んでいた為に流暢な日本語を話すのであった。そして、その人がいろいろ世話をしてくれたおかげで、上手にお土産を入手できた。また、店員さんに日本語を勉強中のワカモノがいたので、「勉強がんばれよ」とえらそうなことを言って店を出る。
街は碁盤の目で迷うことは無いが、今日は大事なゲストを連れていて街灯の無い路地に入るわけにも行かず(それでもまず観光客は歩かない路地を歩いているが・・・)、結構遠くまで歩くことになってしまった。運動の後はビールと行きたい所だが、10時頃になると蘇州の街は次々と灯りが消えていく。仕方なく、可的(コンビニ)で三得利を買って部屋で飲む事に。オプショナルツアー組も合流。四ツ星の高級な飯店であるが、部屋に備え付きのドライヤーは断線があるらしく、コードをいい角度にしないと風が出ないというシロモノで、皆さん早速チャイナの洗礼を受けながら、夜も更けていく。
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翌朝はきっちり早起き。バイキングの朝食の後、集合までの15分の間隙を捻出し街へ。やはり中国は朝を見ないと始まらない。盤門、拙政園と無駄なく名所をこなして寒山寺へ。寒山拾得の名前はなんとなく聞いたことがあるが、除夜の鐘の元祖でもあるらしい。ここで白檀のいい香りのするお香があったので買ってみる。仏様の前でもしっかり値切る罰当たりである。しかも、写真を撮りながら列から遅れたりしているので、尋遊(ガイドさん)はいい迷惑である。
昼食は東坡肉。これは日本人にも食べやすく大好評で、デジカメで記録しようと回転テーブルを回し、目の前まで引き寄せたときには、もう半分くらいになっていた。当然のごとく、よく冷えた三得利も出てくる。昼のビールはなぜかうまいのである。日本に残って仕事をしている皆さんに懺悔しつつ・・・もう一杯・・・。
次に向かったのはシルク工場。繭から糸を引く工程が見られたり、できた綿を引っ張って遊んだりできる。ここでの営業は尋遊の腕の見せ所である。工場直売だから贋物を掴まされることもないし安いのだろう。しかも先ほどの手触りは心地よい安眠を想像させる。しかしいくらなんでも布団なんか持って帰れない、いやいや圧縮されて手提げサイズになっているものが既に用意されているのである。「買わなくてもいいですよ」この言葉に日本人は弱いのである。これは売れるだろうなぁ。現地ツアーの営業センスには感心させられる。
語学
かつて、中国を旅した人の話で、中国の評判はすこぶる良くない(最近は変わってきていると思うが)。曰く、トイレが汚いだの、ぼったくられるだの、寝台バスで足が臭いだの。そして、結構よく聞くのが、人が冷たいということ。しかし、私の印象は随分違っていて、日本以上に親切にしてもらっている気がする。中国語が堪能な人にその話をすると、「そう言えば、中国語ができなかった頃は随分親切にしてもらったが、最近は親切にしてもらえなくなってきたなぁ」と。なるほど、そういう事ですか。
ところで、今年ある実験を試みた。ふと、某公共放送の語学番組で、果たして本当に喋れるようになるのだろうかという疑問を持ち、ちょうど4月なのでやってみようと思い、、半年間テレビとラジオを欠かさず聴いてみた。一応テキストだけは購入し、予習復習などはしないが、番組中はなるべく集中するという程度のスタンスである。それと同時に、やはりふと、100円ショップで中国語会話のCDが売られているが、みんな高いお金を払って駅前とかに留学しているのに、100円でしゃべれるようになるなんていう、うまい話が世の中にあるだろうかと疑問を持った。という訳で、これも実験してみた。営業の運転中に流してオウム返しに声を出すという、極めてシンプルな練習法である。
さて、その成果は?旅遊用としてはまずまずではないかなと思う。今まで、3回くらい聞き返された後相手が諦めてしまうということがままあったが、1〜2回で聞き取ってくれる事が多くなった。また相手の言うことが断片的に分かるようになった。(もちろん、商売をしようとしてる方や、資格を取ろうとしている方は駅前に留学してくださいね)せっかくなので、もう少し続けてみる事にする。目標は・・・?もちろん、中国人に冷たくされるまでである。