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マンガについて
目次
2002年5月23日 木曜日午後10時 目次
『東京物語』について……
草次郎(そうじろう)と平介は怪事件に挑んでいく。東京物語とは、ありがちなタイトルですが、読んでいくうちにぴったりくる名前です。東京物語は風の谷のナウシカも連載されていたアニメージュに連載されていたのですが、絵がでかい。コミックスも大判なので、目が泳ぎながら読みました。この作品でふくやまけいこ先生の名前を知ったのですが、他にも不思議な雰囲気の作品を描かれています。瞳子(とうこ)姫とのエピソードはやきもきしながら読んでいましたが、ラストはいい雰囲気でした。一番好きなエピソードは某童話作家の話しで、これをきっかけにこの人の本に興味を持っていき、いまは彼の代表作を読んでいます。アクションシーンよりも人のドラマに重点が置かれ、瞳子姫はかなりほりさげられてその存在が語られていました。草次郎のエピソードがだんだん姫に重点が映っていき、二人の方向性を問うところがよかったです。脇役もかなり豪華で読んでてほんわかできました。こんな作品にまた出会えるといいな。
詩
草次郎歩くところ事件あり
平介行くところネタあり
二人飛ぶ先にいまあり
探すには遠く見つけるには近い物
答えは二人のあいだにあった
旅立つには遠く逢うには近い友
こんな人たちと出会いこんなお話が生まれた
この時代には足りないこと
この時代には必要なこと
この二人には大事なこと
まだ行くべきではなかったから
この先は光りを発しているのだった
こんな不思議は旅をする
こんな日常は積み重ねる
もう誰もいない地にみんないるから
静かに静かにさよならを流した
2002年4月7日 日曜日午前12時 目次
『EAT・MAN イートマン』について……
不思議な世界不思議な人々不思議な事件。冒険屋はそんな事件に挑みます。主人公ボルトはそんな冒険屋のひとり。ボルトは言います。「冒険屋は死ぬまで冒険屋だ」冒険屋は人を殺さない事件解決のプロフェッショナル。いるべき時にいて、去る時に去る。この広大な偉大さ。吉富昭仁先生は異世界を描かせたらうまいです。冒険屋は旅します。この世界を。どこにも束縛されず束縛を喰らうボルト。本当にボルトが喰らうのは、人の情念なのかもしれません。ボルトのコートは翼のようでさえあります。どこまでも飛べるなら、それは地平線という翼を持つ歩く天使なのかもしれません。ボルトがその旅を続けるまで、では、では……。
詩
旅のチケットならもう持っていた
ただ歩くだけだった
事件というには時間があまって
また歩きだす
なにもない道を行く
越えていく山脈
ビルの群
人の波
あるがままにあり
するりとすりぬける
ばかんと破壊し
すっと再生する
冒険屋が必要なら
いい人がいます
ボルト・クランクがいます
では、その翼が羽ばたく時にまたまた……
2002年3月23日 土曜日午後11時 目次
『ヨコハマ買い出し紀行』について……
今日最新巻である9巻買ってきてまだ読んでません。買ってくるとすぐ読んでしまう漫画ですが、いや〜さわやかな心洗われる内容ですなあ……。芦奈野(あしなの)ひとし先生の作品としては最高傑作のひとつになるに違いないすごやかさ。アルファさんたちの繰り広げるちょっと不思議な世界。けっこうこの世界観にしては大事件も起こり、なにかほとほと疲れる話しなどいろいろあります。癒やしの世界観をベースとして、人が活き活きしていきます。ココネさんはちょっとしたコーヒーのミルクみたいなものでしょうか。なんかこんな、いとこがいるといいなあ……。この世界では鳥になれたり魚になれたりします。私は風になれる時が一番好きです。まるでこの世界が……な、気がします。では、また……。
詩
広がる世界
狭まる世界
今いる世界
生まれた時はこんな感じだろう
いまってこんな時だろう
続く時の流れの中で、私は歌いだす
縦(たて)にまわるより
横のほうがいいに決まっている
丸くなる心の中心にアルファさんがいたよ
度重なる半壊
積もる綿にも
この世界はすべてを地平線に包みこむ
いるべき時にいて
まわる時にまわり出す
こんなにも駆け出して
すべてを捨てて転がりたい
もう得ていたこの世界観
心に描いて眠りにつこう
もういいかいときみが言う時まで……
2002年3月17日 日曜日午前12時 目次
『パタリロ!』について……
魔夜峰央(まやみねお)先生はユーモアの師匠的存在です。パタリロは天才で奇才で天涯孤独のようでいて親戚も友人もとりまきもたくさんたくさんいて、こういう破天荒な人生……死んでもいや〜っ! は言い過ぎとしても、すでに漫画界では国民的存在のパタリロにいまさらなにを言うでもないのですが……(いや、知らないなら知らないでいいんです。あなたの人生まっとうしてください)。どんな事件もドラマもマジメにおもしろ悲しくいく主人公としてはこんな破天荒な人(!?)は読んだことない。バンコランは危険危険といいつつ、いつもかっこよくいいとこ持っていきます(マライヒといると、たまにかっこわるいバンコランが見られます)。マライヒはその過去や経験からまるでヒーローのようですが(実際手練れだし)、わきのわきをかためています。いろんなジャンルが物語がこれでもかと作品に詰め込まれ、ある程度の生きる智恵ならこれだけでも充分まかなえます。パタリロという世界に赤いバラの花束を……。では、また……。
詩
軟体動物だ
宇宙人だ
妖怪だ
人だ
未確認生物だ
いや、パタリロだ!
銃だバンコランだ浮気だマイラヒだぁ〜
パタリロが歩くと地球がまわる
パタリロが眠ると夜となる
パタリロが活躍するとすべては丸くなるといいなあ
パタリロは神の光臨!?
パタリロは悪魔の手先!?
この頭脳に不可能はない
この図体に首はない
まだ試してないのなら、お試し期間中です
たとえ夜が昼になろうとも
この星にパタリロがいるかぎりだいじょうぶ
この夜空が再び闇を彩るまで
パタリロの冒険は旅は続くのだから……
おしまいおしまい
2002年3月10日 日曜日午前12時 目次
『動物のお医者さん』について……
佐々木倫子(ささきのりこ)先生をメジャーに押し上げた作品で私もこれで佐々木ナイズされました。とぼけた感じでするどいツッコミ。意味あり気でとつとつと主人公たちの日常が描かれるのがうれしくて、ついつい読み込んでしまいます。チョビをはじめとする数々の動物が風景画のようにさわやかに私の心を彩ってくれました。実は私は菱沼(ひしぬま)さんが大好きで、キャラにほれたのはミンメイが初めてですが、漫画ではたぶん菱沼さんが初めてではないでしょうか。ああ、菱沼さんのまわりを飛んでいるこうもりの一羽になりたい。主人公が少女漫画にしては男性であまり個性のあるキャラではないので、まわりの個性あるキャラたちや動物たちが主人公になにかを残す。まあそんなたいそうなものではないのですが、それでいい作品世界がほかほかした雰囲気を私を包みこんでくれるのです。本当の動物のお医者さんってきっとこういう人なのかも知れません。ではでは。
詩
チョビがいる
ハムテルがいる
二階堂(にかいどう)がいる
菱沼がいる
漆原(うるしはら)教授がいる
こんな空があった
こんな動物たちがいた
こんな人たちがいた
なにもしなくたってみんな元気だった
続くみんなにまわる地球(そら)
こんな日常もいいだろう
こんなつぶさな世界もいいだろう
みんなの痛みも動物たちが癒やす
動物たちを動物のお医者さんがみる
だからみんなここにいよう
変わりゆく時の中で
こんな日々の奥行きはただ深く広い翼に包まれたのだった
代わる代わる来る時よこの人を守れ
つまりこの人たちと動物たちの心つなげ
この空間に迷い込んだ私は少しくすくすと笑ったのだった
まわれこの舞いに
踊れこの地に
動物たちよ人たちよ
こういう時間に生きたのさ
こういう人生に生きたのさ
こういう動物に生きたのさ
だからまたみてね
動物のお医者さん
2002年2月24日 日曜日午前12時 目次
『魔法陣グルグル』について……
この作品の内容はアニメで知ったのですが(前にも似たこと言いましたね)、すぐコミックス全巻集めました。おもしろい。ファンタジーは好きなジャンルナンバーワンですが(私の作品ファンタジーばっか)、この世界にもすぐどっぷりと、はあーどすこいとハマッてしまいました。こんな世界で暮らせるならなんにもいらない。私は全財産はたきますね。あまったるくて、詩が絵になったような雰囲気(まあ、それがファンタジーの一角でもありますが)。衛藤ヒロユキ先生と言えばぐるぐるというくらい定番作品ですが、私はこの言葉が繰り返されるのが大好きなんです。ぐるぐるなんて、これは大発明ですよ。タイトルだけで心うきうきです。これからもがんばってください。ではでは。
詩
ククリってさかわいくってさ
ニケがかっこよくってさ
おやじの踊りが世界を救うってさ
勇者は魔女の心で眠る
つぶさにこの杖が踊りだす
ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる
こんな踊りがあって
こんな魔法があって
こんな勇気があって
戦いに彩られた世界よ
この朝に眠りこの夜に動き出す
翼よ我が空に舞え
作られた鏡より
こぼれ落ちた水面よ
なにも変わらないと世界は笑ったのだった
2002年2月17日 日曜日午前3時 目次
『ここはグリーンウッド』について……
続くには早すぎて……つまり魔王は勇者にやぶれるのだった……。私が好きなジャンルに学園物がありますが、まさにこれは学園物でした。それだけでなく、ファンタジーあり、不思議な話しあり、そしてなんといっても絶妙な人間関係。一番好きなシーンはやはりすかちゃんが最終話で言う言葉です。一人増えていた女の子が部屋の上から言う言葉も良かった。一番好きな話しは雨やどりです。二人の関係がもっともよく描けていたと思います。最後の巻のほうで、二人が最後には行ってしまうのはどうかという意見もありましたが、それでも私は幸福であろう二人が容易に想像できました。これが最善だと私は歩き出しました。すかちゃんの同室の彼女(ふふふ)はすかちゃんの相方としてよくやってくれたと思います。グリーンウッドはなんだったのか。それは最大の謎です。きっと、みんなの雨やどりだったのだと信じています。
詩
続くには遅すぎて
勇者は魔王と旅立つのだったから……
もう戻らないと決めたこの場所にまた立っている
戻ってきたのではない
もともとここにいたのだ
グリーンウッド
この樹の下で私たちはいたから
勉強はしょう
遊戯はしょう
人生はしょう
ここですることも生きることも
きっとここにいることに変わりないと
私は知っていたから……
みんなで輪を作ってまわってメリーゴーランド
こうしている自分たちに明日待ち
この時をこの果実をこの樹からもぎとって
私はここを離れた
もう戻ることはないよと言って……
時間はきっとそのままでいて
ぼくたちには変えられなくて
ずっと時間のどしゃぶりに耐えていて
なにもすることがないとたかをくくっていて
みんな、笑っていた
から
もういいと君は言うだろう
ぼくはそれにうんと答えるだろう
続いた時代よ巻き戻れ
この樹よタネと成りて宇宙になれ
たずさえる手と手
この砂漠さえ君と行けること
思い出として……
2002年2月10日 日曜日午前12時 目次
『ファミリー!』について……
これってアニメ化されていて、主人公のフィーの声はナウシカでおなじみ島本須美(しまもとすみ)さんです。アニメの出来については満足できないものがありましたが、それでもアニメ化はうれしかったです。渡辺多恵子先生は私のヒューマンドラマのカリスマの一人です。小学生の時、母が漫画雑誌を買っていて、それに連載されていたのがファミリー! でした。コミックスは自分のこづかいで買いました。最後の11巻は読み終わるのが怖くて買えませんでした。20代半ば、古本屋で最終巻を見つけ、買って読みました。かなり印象は変わっていましたが、それはまぎれもなく、私の青春の一ページでした。一番好きな話しは5巻にある黄昏(たそがれ)の魔法使い(クッキーモンスター)。「タイミングが悪いのよね」の一言はいまも心に残っています。おばさんとおじさんの恋愛話しも良かったな。ジョナサンの名前が思いだせず、ひさしぶりに本を発掘して、名前を確かめました。フィーとジョナサンはいつまでも家族だと思います。この家族に雨あがりの朝日を!
詩
フィーが言っていたよ
クッキーモンスターが踊っていたよ
ジョナサンが笑っていたよ
そこに家族がいたよ
どこへ行ってももらえたよ
こんなみんなに感謝して
ありったけの笑顔を返したよ
続く時間の中で離れていく二人
もう逢えないのかな
もう遊べないのかな
もう飛べないのかな
いつまでも別れてもあなたがあなたでいるように
ここから思っています
間違っているかな
正しいことなのかな
こんな答えもありだと言ったから
この笑顔に答えよう
ありがとう
最後に歌の花束を
なにもない場所に花束を
もう夕暮れ時の街の中
夜も悪くはないけれど、
もうお母さんが呼んでるよ
だからお別れだね
さよならだね
ついにだね
そして明日の鐘にぼくは卵となってかえっていったから……
2002年2月3日 日曜日午前12時 目次
『エルフを狩るモノたち』について……
この作品はアニメ化された時知ったのですが、作者の矢上裕(やがみゆう)先生のデビュー作を読んでいまして、これがむちゃくちゃおもしろかった。エルフというのはファンタジー界では自然で美しく荘厳華麗な存在……のはずなのですが、この世界では主人公たちに脱がされてしまい、他人がいようが街中だろうが、素っ裸にされてしまいます。それが見所かと思っていたのですが、人間ドラマが不条理な設定の中に打ち立てられるさまは、爽快(そうかい)です。淳平(じゅんぺい)は熱血ヒーローもとい熱血脱がし魔。律子(りつこ)はヒロインかと思うと兵器マニアで戦車(ミケ)も思いのまま。一番まともそうで一番怖い人が愛理(あいり)さん。セルシアさんは涙なくては語れない方です(幸福になってね)。これからもがんばってエルフ脱がしてください。ではね。
詩
この狩るモノたちよ
脱がし脱がし脱がし
つくし
この罪に背負った瞳の輝き
脱がし続けろ
星がたとえ笑っても
大地が笑い転がっても
この絵が笑い続けても
なにもかもこの胸にしまって
続く使命に命かけ
この世界を冒険だ
たとえ大地が砕けても
たとえエルフが脱がなくても
こうしている仲間が一緒にいるよ
この思いだけ駆けてみて
答えにすがる日もあるさ
こんな日常いかがでしょう
もう忘れられない人たちで
もういない人たちで
こうして続く脱がしに
みんなは吸い込まれていくんだね
がんばって、脱がしていく姿が素晴らしい
いまだけが答えじゃないけれど
続く道信じて歩き出せ
それが自分だと信じる時まで……と
2002年1月27日 日曜日午前12時 目次
『ラブひな』について……
赤松健先生はAI Love Networkというホームページも持っていて、日記やイラストや掲示板が楽しめます。なんかいきおいで女の子とどたばたという主人公の浦島はうらやましいかぎりです。また、女の子に囲まれて軟派ですな。しかし話しは普通の恋愛話しなんですが……。なるとの関係も決着して、これで丸く収まる……かな? なんか話しが進む限りこれでもかと嵐が吹き荒れ、キャラが吹き飛ばされまくるという内容は、つい巻き込まれてしまいます。素子は収まるところに収まり、瀬田さんは、はるかと行ってしまい、それぞれ落ち着くところに落ち着いてしまいました。最後の最後に新キャラとは以外でしたが、こういう終わりかたがラブひななのかなと思いました。旺盛なサービスシーンは毎回目が釘付けになりました。スゥちゃんのメカ的活躍は最後には国の姫様ご乱心話しまで発展しますが、なかなか見応えがありました。キツネは一歩引いたところからみんなを見ていましたが、はるかさんの後役にはちょうどいいと思います。しのぶと自信のないキャラですが、一番マイペースな人生を送っていくようです。むつみさんはなるの最大のライバルかと思えましたが、暖かく二人を包んでくれていたようです。こんなひなたな縁のみんなすべての人たちにありがとうを送ります。涙なくまたね……。
詩
ラブひな
物語ははじまった
なると景太郎の物語がはじまった
つながる思いここに重ねて
すべては愛のため
なんでかサービスサービス
集まるひなた荘にこの人々
こんな世界もあるだろう
たとえ困難あったとしても
二人がいればなんだってできた
結婚が最後とは限らないけど
ここをはじまりにして
さあ冒険だ
人生という冒険だ
つくす人生あったって
なにかにはなるはずさ
二人が二人であるために
この道はひなた荘へと続いていた
バージンロードを歩き出す
なにもかも解っているから……
なにに巻き込まれたって大丈夫
続きは未来は解らないから
生きる意味がある
二人に花束を
この思いとともに……
続けこの先へ
終わりなく進むために
こうしている日々があった
そうしてみんな包みはじめた世界に羽を開いた
もう大丈夫だよと……
2002年1月20日 日曜日午前12時 目次
『神星記ヴァグランツ』について……
漫画はまだ『サイレントメビウス』直前の麻宮騎亜(あさみやきあ)先生、原作はヴォクソール・プロというグループで複数の人で脚本を作るという珍しい体制です。話しは主人公が異世界を旅する力を持つヴァグランツのテレスと関わったことから自分の世界から異世界に連れて行かれてしまう主人公ライという内容で、色々な異世界の中でライが冒険を繰り広げるのが新鮮で楽しかったです。『妖精探偵社』と同じく、その世界観を獲得しょうと何度となく読み返している作品です。その作品の感覚には感動しか言葉がありません。テレスの不可解な行動に殺意を抱くライ。ライがヴァグランツであることが解り、二人は異世界を旅する仲間となる。ライが出会う仲間たちは時にサイボーグだったり、ロボットであったり、剣士だったりします。いつかこんな壮大な世界を作れたらいいなあ……などと考えたりしています。ライとテレスに異世界を!
詩
ライが叫ぶ
テレス舞う宇宙の空
戦い合うのはなにもかも足りないから
この手につかめない夢
この扉さえ開けばと
この空に願う
異世界こそが冒険の足がかり
ワールドジャンプしてしまう少女
テレスに連れて行かれてしまった少女
もういない少女
いろんな人たちとの関わりの中で
ライは何かをつかんでいく
もうテレス以外いらないから
この世界に別れを告げ
また冒険だ
この次の世界こそ
故郷の雰囲気がするから
まだ届かない風に
世界へとまた届かない手をのばして………
2002年1月13日 日曜日午前1時 目次
『エクセルサーガ』について……
エクセルはイルパラッツォ様一筋でいじらしく一途で……という話しではないのですが、コメディタッチで話しはどんどん進んでいきます。ハイアットはいつもおいしいところを持っていく死んでいくキャラなのですが、新参者のエルガーラ、通称エルは大女……ではなく、いつもマイペースでどこか優雅な感じを受けます(あくまで外見上)。リーダー初めその他の仲間は変身はしませんでしたが、リーダーの死を乗り越えていってほしいです。作者の六道神士(りくどうこうし)先生はこれ以外の作品はほとんど知らないのですが、やはり多作ではなく、年1冊のペースが定番となっていますが、絵が洗練されています。この世界観ではエクセルも以外と地味かも知れないと思えてしまいます。最初はアニメの方を見ていて、原作漫画には7巻が出てる中そろえたのですが、これがおもしろいのおもしろくないのって(さて、どっちでしょう)こんな漫画にはなかなかありつけないので狂喜乱舞でした。またエクセルたちの活躍を期待して失礼します。
詩
エクセル走るあの方のもとへ
ハイアット吐くこの血ヘド
エルガーラ独り言(だから聞こえてるって)
イルパラッツォ様の元に集い
世界を征服せんとする
なにもないにはないが愛だけはあるから
この戦いに祝福を
この争いにドレスアップを
なにもしないのは平和の印し
この日常に戦い
この日々に眠る
なにも変わりはしないとしても
彼らがここにいたのは確かだから
またこの心空に放って
まだ続く空に吸い込まれた
だからまた忠誠を誓うのだった……
2002年1月6日 日曜日午前1時 目次
『バスタード!!』について……
衝撃の第一話目はいまも脳裏に焼き付いています。見せ場は戦闘の作品ですが、ダーク・シュナイダーとヨーコとの関係も見逃せません。萩原一至先生はあまり多作なだけでなく、連載はほぼこれだけという意味で先生のファンならバスタードなくして語れません。小学生から中学生にかけてくらいの私には、あんなシーンでも充分エッチで、鼻血ものでした。性の洗礼は色々な作品でありましたが、この作品にはダーシュの悪びれないところが新鮮でした。色々なキャラクターたちの苦悩や楽しみが詰まっていました。戦うとは生きるとはなにかが詰まっていました。ともすると派手な戦闘シーンに目が奪われてしまいますが、それはそれでみせてくれます。ファンタジーとしてはかなりの世界観だと思います。設定も良く出来ており、私も多分に影響を受けました。これからも続巻が待たれる一作です。
詩
ヨーコさんはいつもぼくで
ダーシュはいつも俺様でいて
そんな人たちになにかを待っていて
ある意味そんな現実は戦いへと駆り立てた日
いつもそうしていて
いつも笑っていて
いつも嘆いていて
いつも生きていて
この日常にうがたれたただ一つの夢
この者たちに啓示を
あるべき姿になるまで……
この涙枯れるまで
この日々にいつづけるから……
また逢う日まで……
この罪が積み重ねるまで
この嘆きに私はうなだれるのだった
2001年12月30日 日曜日午前1時 目次
『辺境警備』について……
ほんわかした雰囲気は『ヨコハマ買い出し紀行』を連想します。しかし、後半はだいぶハードな内容となり、魔法物としてもかなりの世界観です。紫堂恭子先生の作品はまだこれしか読んでないのですが、これがデビュー作とは思えない出来です。まあ、『ロードス島戦記』もデビュー作とは思えない広大なソードワールドを作る水野良先生もいますが……。神官さんや隊長さんだけでなく、忘れられた英雄、剣の賢者様もかなりひとクセもふたクセもある人たちですが、なんといっても兵士たちのおだやかな顔に癒やされます。なんだか大自然の中で私も町の一人になってその場で踊ってしまっている気分です。こんな世界で暮らせたら私は幸せです。そんな一時をくれたこの作品に感謝です。また彼らに出会えますように……
詩
神官さんは美しく舞い
隊長さんは荒々しく舞い
賢者さまはぎこちなく舞う
兵士たちはいろいろ舞い
町の人たちもそれに続く……
なにもない人間たちの憎悪さえ越えて行け
名も知れぬ人々よ
居たことさえ一瞬の人々よ
なにも変わらない日々とてここではいいことなりて……
次はいないかも知れないこの思い出となりて終焉と成す……
ただここに居たかっただけ
ただここで眠りたかっただけ
ただここの空気にとけたかっただけ
だから……
もう夢さえ口に出さずボクは歩き出した
なにもかもここに置いて……さ……
2001年12月23日 日曜日午前1時 目次
『ファイブスター物語 TheFiveStarStories』について……
私の大好きなジャンル、学園物、魔法物、ロボット物で、ロボットではなく、モーターヘッドが活躍する世界……。それでファンタジックな設定とは、これは文句なくハマりました。緻密なメカ描写、心理描写、不思議描写となにもかもが混在するこの世界には相当時間がいりました。壮大な世界観は読み応え充分です。作者の永野護先生は富野アニメ『エルガイム』のデザイナーでも有名ですが、こんな途方もない作品を作っていただいてもう感謝感謝です。あまり多作品ではなく、マイペースな刊行ですが、それでも待つ価値のある内容です。ファティマや騎士のあり方が辛く悲しいです(でも、マスターと呼ばれてみたいっ!)。ファイブスター物語はアニメ化されたこともあるのですが、それもかなりの出来でした。ロボット物の一つの完成形の一つなので、これを読まずしてロボット物は語れません。もちろん中心は人間ドラマですが、それはお約束ということで……。重量感のある戦闘シーンには圧倒されます。ラキシスとソープのゆくえが気になります。二人の祝福を信じて……では、また……
詩
ラキシス舞い踊るこの要塞
アマテラス駆るこのモーターヘッド
なにもかもがはじまりの歌であって
この花はなにもできなくて
私はこの世界の重力に引き連れられた
まわる現実にまわる星たち
あるべき数のドラマに我々は血を吐いた……
なにもかもが終わりの歌であって
すべてはここに集約された結果であったから……
まだたどり着けないこの道に
光り見いだすこの話しに
まるでなにもかも埋まってしまった星の光りのように
続き舞うこの日
妖精は唄うのだった
命の詩
続けこの思い
なにもかもすべてつなげてしまえ
この陽光に輝く機体にもえて……
しまいながら……と……て……な………
2001年12月16日 日曜日午前1時 目次
『てきぱきワーキンラヴ』について……
竹本泉先生の作品との出会いはガンマ連載作品(だったよなあ…)『さよりなパラレル』からでした。最初の感想は変でそこそこにおもしろいかなあ……?…というあやふやなもので、2000年になって突然竹本ビッグバンになり、手当たり次第に竹本先生の作品を漁りました。以外にも、先生の作品は再販される機会があり、結構作品を手に入れました。『てきぱきワーキンラヴ』は、2、3巻でいつも完結してしまう竹本作品にあって最長の6巻(完結)までいきました。竹本作品といえば不思議な話しにテーマが隠されているというのが黄金のパターンなのですが、この作品もそうで、SFな設定にこれでもかと不条理が主人公たちを襲います。またこれがハマると心地よいのです。なにもしてないというのに浮遊感に包まれるのです。漫画でこんな感覚は初めてでした。竹本先生の作品はどれも1話のページが短いので、1日に1話づつ読んでいます。竹本作品を読むとなんだか安眠できるような気がするのです。ヒカルは個人的にもえもえな顔なのですが、天然ボケの性格には毎度難儀します。エダルトはしっかり者で、なんでもできそうな感じを受けます。ナオミは強情で強気で一本気……とは違いますが、なにかほっとけない感じの娘(こ)です。こんな感じでまだまだヒカルたちは冒険……じゃなくて仕事していくのですね。がんばってください。では、また……
詩
なにもない地面
落ちていく今日
こんな明日なんてあり?
ヒカルが一言いいました
ナオミがゆっくりいいました
エダルトが早口でいいました
三人一緒に言いました
だけど答えは出ませんでした
これでいいに違いない
これで行こうと決めたに違いない
これからなにかが起こるに違いない
三人に幸福された不思議をあるままに
なにもなくともこんなままで三人はいくのだった……
だから言おう
ありがとうと……
だから笑おう
この不条理に……
つながり見つけにいこうよみんなで……
また見つけたら、またね
きっとね
さよならはこの花のようにまた咲いたのだった………
2001年12月9日 日曜日午前2時 目次
『マスターキートン』について……
浦沢直樹先生といえば漫画界のベテランの一人ですが、原作の勝鹿北星先生は誰でしょうか?……浦沢先生のリアルセンスな絵やコンテ、勝鹿先生の絶妙な話し。これ以上の組み合わせは無いでしょう。なによりもその感覚は独特で、大人のドラマが展開されます。大人が安心して読める作品になっています。キートンはなにか人間に課せられた業を横目で見ながら歩いて行きます。まだまだ世の中には不幸があふれているからキートンは必要とされます。まだまだなにか謎があるからキートンが必要とされます。私にはキートンが必要でした。まだキートンには出会えずにいます。いつか誰もがキートンに出会える日が来ることを願って……また、私はページをめくり続けます。ここはまだ誰も来たことがない場所だからです。歩き出すにはとてもいいどこの方向へも行ける場所だからです。キートンを胸に私はゆっくりイスを置きました。だから、また………
詩
ぼくたちはこうしてこの道と空と風を手に入れた
なにもない荒涼広漠たる大地に投げ入れられた
この道はきっと続いている
この空はきっとつながっている
この風はきっと螺旋している
まだまだこの私には小さかったから
まだまだあの私には大きかったから
もう私にはめぐり来るめまぐるしく
この日はやさしい
まだだと言うあなたに……
この雪はゆっくりと積もり思い出は埋もれていく
こんな日常なら戦い
こんな日々なら笑う
こんな日暮なら失う
もういらないと私は首をふった
まずこの先を見ておかないとならなかったから……
さあこの先へ
ゆっくりと先へ歩を進めた
道は終わりを告げていた……
2001年12月2日 日曜日午前1時 目次
『妖精探偵社』について……
世界は混合して、妖精と人間が戦った夢見戦(ゆめみいくさ)の後の話し……。明義は記憶を失った妖精と色々な事件に挑む……。何度も何度も読み返している作品で、確か高校生の頃に読んだのですが、最近になっても読み返していて、こんな作品が作れたらと、色々と模索しています。米村孝一郎先生の作品は他にもあるのですが、同時期の作品は絶版になっていて手に入れられませんでした。『妖精探偵社』も有名な作品ではありませんが、偶然出会えてラッキー!…カコは妖精としては一人前かも知れませんが、明義にその存在を分けているようで、二人のその後が気になります。夢見戦はなぜあったのか、これからはもうないのか、二人を分け、そして二人を出会わせたこの衝撃はなんだったのだろう……。独特の語り口は独創性の証明。この雰囲気を獲得したいと何度も読み直しました。懐かしい作品に入るこの『妖精探偵社』はいまも私の中で息づいている。またこんな作品に出会えますように……
詩
ふたりはどこで出会ったのだろう
こんな日常はつまらない
こんなふたりはいつまでも
なにもならない気持ちぶらさげてこのままの空へ
ありつづける果て
この思いはゆっくりと二人をとらえた……
こんなことだけじゃない
こんな日々だけじゃない
こんな思いだけじゃない
作り続けたのはいつもならば
さらばならばこの鼓動はいらない
この夢ならばもう届いただろうか……
夢なら大事と思った
夢ならたいしたことなかった
だからこの二人にゆるやかな夢の日々を……
いまから
すこしだけ
あるったけの思い並べて行こうこの先へ……
いつまでも………
2001年11月25日 日曜日午前2時 目次
『くおん…』について……
なんと週間少年ジャンプに載っていた作品です。でも、打ち切られました(シクシク……)。当時、中学生だった私にとって『超人ロック』と『ファミリー!』と並ぶ三大ハマり作品のひとつです。『くおん…』の作者の川島博幸先生はのちに鷹城冴貴(たかしろさえき)と改名して、私のペンネームはこの鷹の部分をいただいちゃいました。あまり多作品なペースでもなく、やっと連載を初めたと思えばなぜか打ち切られ、ファン泣かせな作家だなあと思います。『くおん…』は全2巻(のちに一冊になって再発行される)で発売され、その内容はといえば、二人の幼なじみの人間ドラマを描くというベターな内容で、主人公が強くなっていくジャンプのパターンをはずしたというようなことをおっしゃる通り、内容は実にジミ〜です。そんな作品が私には新鮮で、少女まんがくらい心理描写がしっかりとした内容に涙しました。これだけ感動した人間のあり方というものにはそうは出会えません。私の作品が人間ドラマに重点を置くのはここが原点と言っても過言ではないかもしれません(きっと)。これからも気長に作品を待ちたいと思います。
詩
くおんとくおん
二人がいればこころは草原
なにもかも失ってもこの思い出は真実だから……
もう泣かないで
もう悲しまないでいてほしいから
この歌は涙まじりなのだろう……
つまりみんなはここに息づいていて
ここに答えはもうあったのだった
兄弟だから幼なじみだからこの思いはつばさを持つと
夢はなんですか
いまはなにをしていますか
だから希望はこの雰囲気だけが示しているのでした
だから……だから……この物語は続いていくのでした
このこころの中で砂の明日が見えるその日まで
まで……と……さようならの前についての言葉なればこそ……
この風にそよげ
この気持ちよ
この胸のままに………いつまでも…いつまでも…いつまでも…きっとずっとそっと………
2001年11月18日 日曜日午前1時 目次
『ああっ女神さまっ』について……
原作の藤島康介先生は『逮捕しちゃうぞ!』でも有名ですね。好きになる女の子がやって来るというのは『うる星やつら』でもおなじみですが(雪女も原点……かな)、なによりもやってくるのが女神様というところがいい感じで男心をくすぐられますが、その設定でファミリードラマしてしまっているところがまた秀逸な出来です。美麗で調和のとれた作画はかなりのクオリティですが、変なリアルさでなく、センスのいいバランスのとれた感じです。ベルダンディーという銘々がいい。マニアックな設定や話しにもかかわらず、その話しには常に感覚が広がる感じがします。蛍一とベルダンディーが幸福でありますように……
詩
ベルダンディー舞う空の夕日の光り
まるでなにもなかったようにキミは笑うんだね……
その日から生まれたこの思いはコマに吸い込まれた
疾走する気持ちはこの胸から生まれた
ありったけの力で勝利を信じていくこの瞳
勝ち気なまでの腕はグリップをにぎりしめる
この見る雨に涙まじりこの唄を口ずさんだ……
まるで子供みたいなぼくをキミはゆっくりと包みこんだ
まだまだぼくたちは女神の子供だったから……
この幸福に歌おう
そんな日もいいものさと、ぼくは歩きはじめる
女神の道を………このつばさとともに……ね…
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目次
2001年11月18日『ああっ女神さまっ』について
2001年11月25日『くおん…』について
2001年12月2日『妖精探偵社』について
2001年12月9日『マスターキートン』について
2001年12月16日『てきぱきワーキンラヴ』について
2001年12月23日『ファイブスター物語』について
2001年12月30日『辺境警備』について
2002年1月6日『バスタード!!』について
2002年1月13日『エクセルサーガ』について
2002年1月20日『神星記ヴァグランツ』について
2002年1月27日『ラブひな』について
2002年2月3日『エルフを狩るモノたち』について
2002年2月10日『ファミリー!』について
2002年2月17日『ここはグリーンウッド』について
2002年2月24日『魔法陣グルグル』について
2002年3月10日『動物のお医者さん』について
2002年3月17日『パタリロ!』について
2002年3月23日『ヨコハマ買い出し紀行』について
2002年4月7日『EAT・MAN イートマン』について
2002年5月23日『東京物語』について
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