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はじめに

そうとうまいってる時に書(か)いてた作品(さくひん)で書いててたのしい作品を、自分のために書いた作品をてなてのーるめいていてう〜んけっこうな内容(ないよう)です。なにを書いていいのかさっぱり見当(けんとう)がつかなくなってゆられていた頃(ころ)にはじめたもので…、いまだとあまり迫力(はくりょく)は感じません(最後のほうは最近の構想<こうそう>です)。また作品創(さくひんづく)りに迷(まよ)った時には更新(こうしん)していきたい作品です。


『ドラマにドラマ』


ドラマを作る集団(しゅうだん)ケラ
「最近(さいきん)、むしょーに腹(はら)がたつことがあるんだ」
「なんだ、またメシのうまいまずいか?」
「そんなことじゃない。どうしてオレの母親はもっと背(せ)の高いのと結婚(けっこん)してくれなかったかということがだな」
「おやすみ」
「父親のほうでもいいんだ。そのことを考えるとね、夜もこう眠(ねむ)れなくてね…、聞いてる?」
「ぐーぐー…」


「このまえの脚本(ホン)、好評(こうひょう)だったな。どうやったんだ」
「これで読者投票(どくしゃとうひょう)もよければもっといいんだがな。あ」
「ああ、そうだな」
「…んで」
「え?」
「いや、だから、あのホンは、自分が言われてみたいと思ってたことを書いてみたんだ」

「またずいぶんな言われかたしてましたね」
「しかたないですよ」
「要所要所(ようしょようしょ)ではいい展開(てんかい)があったのに、ですぎてるかもしれませんが、もっといいセリフがあったんじゃないですか」
「ええ、ありました。でもね…、あの人物(じんぶつ)はあそこで、そんなことは言わないだろうなとおもったんです」
「そんなことでですか」
「ええ、まあ……」
「そんなだから、万年佳作作家(まんねんかさくさっか)なんて言われるんですよ。もっととれるのに」
「今日はこの閉塞的(へいそくてき)ないま、ドラマを作る意味(いみ)について考えましょうよ」
「あたしねあたしね男にもてたーい」
「車(カー)がほしーい」
「取材(しゅざい)にかこつけた旅行(りょこう)っ!」
「あんた達の辞書(じしょ)に読者とか視聴者(しちょうしゃ)という言葉はないのっ!?」
「なぁーい」
 全員(ぜんいん)の声がハモる。
「あんた達にドラマはだれのものか教えてあげましょう…」
「ふふ、できるかしら…みんなっ、かえる討ちよ」
「おうっ!!」
「いまは古典(こてん)と言われる作品も、当時(とうじ)は斬新(ざんしん)な表現方法(ひょうげんほうほう)だとか、伝統(でんとう)を軽視(けいし)しているとか言われたもんさ。ただ、時代(じだい)というふるいにかけられた作品は古典(こてん)と言っていいと思う」
「つまりだ、これは…」
「おいおいやめてくれよ、自分の欲望を正当化するヤツがほんとのスケベってもんだ」
「このまえ監督(かんとく)の注文で、主人公が自分が生きるのは他人と違うことを証明(しょうめい)し続(つづ)けるためなんだという脚本(きゃくほん<ホン>)を書いたんだ。だけどそれはオレ自身(じしん)にもあてはまることなんじゃないかなと思うんだ。存在する、自己同一性(じこどういつせい)っていうのは自分であり続けること。他人とは違(ちが)い続けることなんじゃないかな」
「私がほしいのは権力(けんりょく)ではない想像力(そうぞうりょく)だ」
「最近(さいきん)、ホンの中でなにをやっても人のマネしてるみたいで、才能(さいのう)がないんじゃないかって、思うことばかりです」
「オレもそんなことはしょっちゅう感(かん)じるよ。ファンからも展開(てんかい)に新鮮味(しんせんみ)がないとか、ひどい時には二番煎(にばんせん)じだとか、誰かの盗(ぬす)んでんじゃないかとか言われるしな」
「先生でもそんなことがあるんですか」
「いわゆるスランプにしろなんにしても、作品を作り続けるしか打開(だかい)の道はひらかれないんじゃないか」
「そんなもんでしょうか…」


「人間、逆境の時こそ、その真価(しんか)がためされるもんだ」
「ぎゃっきょう…どういう時が逆境なんです」
「そりゃおまえ、苦しい時がそうだよ」
「は? はあ」
「ま、つまりだ、人は常(つね)に正しいことをしてるわけじゃないさ。間違(まちが)いを犯(おか)すこともある。でもな、その時が人生の執念場(しゅうねんば)というかな、自分(じぶん)の力が試(ため)される時(とき)なのさ」
「解(わか)ったような解(わか)からないような…」
「そこいらへんをウロウロするのが人間てなもんよ。オレの後(あと)をついてくりゃだいじょうぶよ」
「それはとっても心配です」

「私にとってのエンターテイメントは、おもちゃ箱をひっくり返した、そんな感じです」
「なるほど…オレなんかは、苦労(くろう)に苦労(くろう)を重(かさ)ねて開(あ)ける宝箱(たからばこ)かな」
「あたしなんかはビックリ箱(ばこ)開(あ)けてドッカーン心臓(しんぞう)の悪い人はご遠慮(えんりょ)くださいってなもんかね」


「盗作(とうさく)で人(ひと)のいのちがほうとうに救(すく)えるのか」
「なみいる大家はみんなとうさくしている。ドンキホーテきどってなにができる。マルクス気どりで共産結社(きょうさんけっしゃ)でも作るのか!? オマエひとりでなにができる。昭和天皇(しょうわてんのう)は戦争容認(せんそうようにん)で天皇制(てんのうせい)は資本主義社会(しほんしゅぎしゃかい)にとってかわられた。その資本主義社会(しほんしゅぎしゃかい)もあぐらをかけなくなってきたというだけじゃないか。盗作派(とうさくは)の連中(れんちゅう)は時代(じだい)にのまれる。だからなんだってんだ。まきこまれるな。オマエがいまなにかしら失(うし)なう理由(りゆう)がどこにある?…そうだろうさ」
「作品(さくひん)が諸悪(しょあく)の根源(こんげん)ではないんだ」



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