図書館員日記 2017

2018年2月1日(火)

2017年度になってから10ヶ月が過ぎようとしている。時の流れとは恐ろしいものである。最近のできごとを少し書く。11月6日に名古屋大学附属図書館友の会「ふみよむゆふべ」で「郷土資料、郷土人資料のおもしろさについて ―思いもよらぬ発見が続々―」という題の講演をした。年齢層の高い方ばかりかと思っていたら、若い方もいらしていた。ちかごろ郷土資料を調べる人の数が減っている気がする。変梃な資料がいっぱいあり、うっかりすると世界史とつながっていたりもする。調べ物が好きな方はさぐってみられると良いと思う。12月18日に岐阜で、日本図書館協会主催「図書館基礎講座2017in東海」の「出版流通と資料」の講師をした。受講者には司書資格のある図書館で働いている方が多くいたのだが、出版社や編集者について、かなり知られていないことに気づく。20年程前から、我が国の司書資格に疑問が生じている私である。おそらくは、これくらいは基礎知識と判っている人達が受講する、との前提でカリキュラムが組まれていると思われる。しかし、論文どころか、普通の本を全く読んだことがない人や、出版社の名前を一つも知らない人であっても司書講習を受けることができ、また単位を全て取得することが可能である現実にそろそろ向き合うべきではなかろうか、という気がする。

今年1月20日には、中部図書館情報学会の研究発表会があり、司会をつとめた。3人の発表者のテーマが和綴本整理、明治期の豊橋における出版物、漢籍の保存、と近いものであり、興味深かった。理事のひとりが教え子の図書館員になりたいという大学生を連れてきていた。ずっと図書館で働き続けるのが難しい我が国の状況をなんとかしないといけないとしみじみ思う。