◆ラインスドルフ/テアトロ・コロン歌劇場管弦楽団(1959年9月 LIVING STAGE)★★★★☆
(ユリナッチ/ルートヴィヒ/ゲッツィ/ベリー)
ブエノスアイレスのテアトロ・コロン歌劇場の『ばらの騎士』のCDはこれで2種類目。ライヴ録音でありながら極めて高い水準の演奏になっています。ラインスドルフというと日本ではニ流の指揮者としてろくな評価をもらっていませんが、この演奏を聴くと決してそう簡単にかたづけてはならないことがよくわかります。筆者はラインスドルフが亡くなる5年前、80歳を過ぎて尚かくしゃくとした姿をシカゴで見ていて、そのときは派手さはないものの曲の本質を見据えた堅実な音楽作りをしているという印象を得てますが、50歳代後半のこの『ばらの騎士』においても同じような指揮をしているように感じられました。録音の状態は非常によい(ノイズがほとんどない)のですが、舞台の歌手もオーケストラの各楽器が皆同じ平面から聞こえてきて、シンフォニックな楽しみはありませんが、歌手の声が細部までしっかり聴き取れます。