◆コンヴィチュニー/ライプチッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(1958年6月 BERLIN Classics)★★☆☆☆
この年代にしてはもう少しいい音で入っていていいのにという録音です。随所にいい感じで演奏されているのに録音が悪くてその良さが伝わりません。1960年に録音された5番はそれほど悪い録音ではないのであと2年後に録音してくれれば評価もちがったでしょう。しかし、この7番を初演したオーケストラによる最初の録音としての意義は大きいかもしれません。
◆セル/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団(1968年8月 SONY 原典版)★★★★☆
ハンガリー生まれの名指揮者セルは、1946年から亡くなる1970年までアメリカのクリーヴランド管弦楽団の常任として数々の名演をレコードに遺しましたが、ヨーロッパのオーケストラとの共演のレコードはあまり多く残されていません。しかし、演奏会となるとその関わりは決して浅くはなく、ザルツブルグ音楽祭でウィーンフィルとは1949年のデビュー以来度々共演しています。最近になってこうした演奏会のライヴ録音が正規にCDとしてリリースされることはたいへん喜ばしいことです。このCDは、セルとウィーンフィルとの出会いという記念碑的な記録というのにとどまらず、のちのブルックナー演奏を先取りしているところに注目したいと思います。なんとこのセルの演奏は、1992年にウィーンフィルと録音したアバドと極めてスタイルが近い点に興味を覚えます。演奏時間の比較はあまり意味はないのですが、共に64分前後で各楽章の時間もほとんど同じです。