縮刷版96年8月下旬号


【8月31日】 寝溜めの土曜日。7時にいったん起きてパソコンいじり、読みさしの「黄金の魔獣」(タニス・リー)を読み終えてからまた寝てしまい、気がついたら午後の1時を回っていた。駅にいって新聞を買い、本屋に行って漫画の新刊を買い、朝食兼昼食兼夕食の材料を買い込んで家に帰る。今日のお出かけはこれで終わり。あー、やっぱり不健康。

 新刊の漫画は2冊。1冊は何日か前には店頭に並んでいたヒラマツ・ミノルの「ヨリが跳ぶ6」(講談社、520円)で、もう1冊は第1巻が出てから1年ぶりとなる酒見賢一原作、近藤勝也画の歴史ファンタジー「ダーク第2巻」(徳間書店、980円)。「ヨリが跳ぶ」の方は、バレー界のタカラヅカことモンテル・ジャパンとの試合が続いていて、鳴海ユリがようやく仕事を始めたあたりで次の巻へ。連載時に全部読んではいるけれど、まとめて読むとちょっとしたことで流れがガラッと変わるバレーボールってスポーツの特徴が出ていて面白い。

 さて「ダーク」。ジャンヌ・ダルクを描いた漫画ってのは、先に完結した安彦良和さんの「ジャンヌ」がオールカラーで結構話題になったけど、「ダーク」だって「後宮小説」の酒見さんにスタジオジブリ期待の近藤さんというコンビで、中世に生きる少女の純真でけなげな生き様を描き出している。もっとも2巻分じゃあジャンヌはまだまだフツーの女の子。ゆくゆくは救世のために立ち上がって戦うことになるんだろーけど、やっぱ安彦さんの「ジャンヌ」みたく、史実に忠実に刑死してしまうのかなー。

 そうこうしているうちにサッカーJリーグの「ヴェルディ川崎対横浜フリューゲルス」の試合がテレビで始まる。10人になったフリューゲルスに苦戦するヴェルディだったけど、後半の終盤から怒涛の責めが始まり、長身マグロンの特徴も生き始めて、結局ベルディが逆転勝ちしてしまった。ロングボールとマグロンのポストに頼る今のヴェルディのプレーをつまらないって意見もあるけれど、ポストプレーが見事に決まる瞬間ってのも見ていて結構気持ちいい。問題はマグロンにうまく合わなかったり、落としたところに人がいなかったりして、攻撃が途切れてしまう場面が多かったこと。この辺りがちゃんと整って来れば、ヴェルディ川崎にもまだまだ優勝の芽は十分にある、かもね。

 産経新聞の「斜断機」はなんだかなーとゆー1文。海外特派員の質の違いを言いたいってよりも、朝日の悪口を言いたいが為に、証券投資委員会がロンドン金属取引所について行った調査の、中間報告の話を持ち出しているよーにしか見えない。「世界の金属取引業者などからの意見ともとにしたもの」ってのが「SIBがLMEの求めに応じて作成した75ページの中間報告書」をわかりやすく言ったものだとしても、ノー天気な誤訳と断ずるほど酷いものだとは思わない。

 また「日経」その他は中間報告について送稿してきてないとも言ってるけれど、送稿してたのに編集サイドが載せなかったのかもしれない。この辺りをはっきりしないで「海外特派員の挙惜の問題」なんて言い切ってしまっていいのか、ちょっと心配になる。冒頭に「自分が今購読している新聞の報道をどこまで信用していいのか疑問をもつことは必定だ」なんて文章があるだけに、よけいの事鼻白む。恣意的かつ憶測で書かれた文章もまた、信頼性を崩すことを、自身キモに命じていきたい。恣意的かつ憶測な情報しか載せないこっちの"裏"日本工業新聞は別だけどね。


【8月30日】 金曜日はアニメの日。って決めたわけじゃなくって、たまたまアニメ関係の取材が重なってしまった。まずはパイオニアLDC。どーゆーわーけか大ヒットしている恋愛シミュレーションゲーム「ノエル」の話を聞きに行ったんだけど、エレベーターを降りたフロアにでっかいポスターが貼ってあって、柾木阿知花のCDシングル「ALCHEMY OF LOVE」が、オリコン初登場で20何位だかに入ったとゆープロデューサーのコメントが書き込んであった。

 柾木阿知花ってのは映画「天地無用! in LOVE」に登場した天地のお母さんで、よーするにアニメのキャラクターがCDシングルを出したって体裁を取ってるんだけど、シングルのジャケットにはしっかりと「歌/柾木阿知花(林原めぐみ)」って入ってる。単純に「林原めぐみ」って入れられないところに、レコード会社どーしのつばぜり合いとゆーかなれ合いとゆーか、とにかく複雑怪奇な事情があるらしー。ちなみに映画「天地無用! in LOVE」のLDは、はや6万枚を売ったとか。こー聞くと欲しくなるのが僕のイケナイところで、明日あたり売れ残っているLDボックスを探して、あちらこちらのレコード店に出没するかもしんない。

 取材の主題だった「ノエル」の方では、プレスが間に合わなくって現在品切れ状態が続いていて、誠にもーしわけないとゆー担当部長の弁を聞く。間にお盆休みが入ってしまったため、イニシアルに若干追加した後は、プレスしてもらえなかったのだとか。8月の末になってよーやくプレスが再開となったそーだから、もーじき店頭にも並ぶでしょう。口コミでファンが広がり始めたところだから、タイミング的に遅すぎるとゆーことはなく、うまくすれば30万枚くらいまでは行くかもしれない。

 OVAから音楽CD、テレビシリーズ、ラジオ、コミック、映画と発展していった「天地無用!」とは逆に、ゲームから音楽、アニメ、映画、テレビなんかへと発展していったら面白いんだけれど、そこまで広げて保つだけの世界観を、これから醸成していけるのかが課題だろーね。帰りがけに紙袋にごっそりのアニメ関連のCDを貰う。週末はこれでアニソンづくしが決定。あー、とっても不健康。

 恵比寿から山手線と有楽町線を乗り継いで江戸川橋へ。アニメCDにかけてはパイオニアLDCの大先輩にあたるキングレコードに行って、アニメ関連レーベル「スターチャイルド」の話を聞く。最近「新世紀エヴァンゲリオン」とか「スレイヤーズ」とかで注目を集めているレーベルだけど、歴史は以外と古くって、昭和56年の創設から今年で、ちょうど15年を迎えたのだとか。「機動戦士ガンダム」のアルバムがヒットしたのに気を良くした会社が、アニメは儲かるかもしんないと作ったのだろーね。実際、映画版「機動戦士ガンダム」のテーマソングは3曲ともまずまずヒットしたし、「戦闘メカザブングル」に「伝説巨神イデオン」に「重戦機エルガイム」に「聖戦士ダンバイン」に「装甲騎兵ボトムズ」にって、順番がちょと無茶苦茶だけど、その辺りのアニメが当たって音楽も売れる、良い時代があったそーな。

 昭和60年代の前半は冬の時代。人数もぐっと減らされて、雌伏の時を4年くらい続けたのだけれど、平成に入ってからはアニメブームの再燃で、再び前の勢いを取り戻し、今年の「新世紀エヴァンゲリオン」の超絶的大ヒットで1つの頂点を究めた。ってことは後は墜ちるだけなのって話になるけれど、そーならないよーにいろいろと秘策を練ってるみたい。とりあえずは秋から始まる「機動戦艦ナデシコ」に期待。しっかしどーゆーアニメなんだ、これって。


【8月29日】 「ぶんか社オンライン」が仮オープンしていたので中をのぞく。アイドルの写真がたくさん掲載されていて賑やかだったけど、紙の写真集で出来ることの限界は越えていなかった。確かにヘアヌードはあるけれど、きょう日「週刊プレボーイ」にだって、ヘアヌードくらい出てるもんね。

 面白かったのはバラバラにした写真集を並べ替えていくパズルゲーム。「できるんです」みたいなゲームだけど、ショックウエーブなんかは使っていなくて、並べ替えられた何百ものパターンがあらかじめ用意してあって、パズルの進み具合によって次々に画面に登場してくるとゆー、なんとも「原始的」なゲームだった。完成すると登場するのがやっぱりヘアヌード。苦労して完成にたどりついた分達成感はあったけど、同時に徒労感も覚えて少なくないムナシサが残った。

 「リクルート」の発表は、インターネット上に「フロム・エー」「フロム・エー A to Z」のオンライン版を創刊するとゆーもの。アルバイト情報もついにインターネット上で見られるよーになった。見るのはいったい誰なんだろーか。それにしてもリクルート、「ダヴィンチ」に「ビーイング」に「じゃマール」に「エイビーロード」にその他もろもろの雑誌の「オンライン版」を作って、次々とインターネット上に創刊している。

 情報を集めてインデックス化、ディレクトリ化するのがリクルートの仕事の真骨頂だとしたら、あふれる情報をとりまとめて、インデックス化して提供することが求められているインターネットの世界にこそ、リクルートのノウハウが生きてくるってもの。集まった情報を見に読者が集まり、そんな読者を目的に広告主が集まる。広告を見たいといって読者が集まり、それでますます広告主が集まってしまう。これの繰り返しによって、いつぞやのショックをものともせずに発展し続けるリクルートに、マイナー・メディアの1員として妬み嫉みは感じるけれど、新しいものへの目敏さと、それをビジネスに結びつけてしまう実行力には、やはり素直に脱帽する。

 基本的に広告のインデックス化によって雑誌を作るリクルートと違って、フツーの雑誌は記事が主で広告が従とゆー関係が、暗黙のうちに認められている。それ故に文藝春秋の雑誌「ナンバー」の400号記念号で行われた、記事と広告のあからさまなミックス展開に、嫌悪感とゆーか忌避感と覚えた人は少ないと思う。

 79ページから150ページまで掲載されている企画「煌めきの記憶 傑作写真で綴る思い出の16年」は、見開きで左に記事と写真、右に広告が入るという体裁を取っているが、記事と広告がモロ関係しあっていることがバレバレの見開きが、結構な頻度で入っている。たとえばマイケル・ジョーダン。ブルズで3連覇した時の方が印象が強いはずなのに、なぜかロス五輪での試合の写真が使われ、その時の話が書かれている。右面の広告はデサント。そして左面の記事中の写真で、マイケル・ジョーダンが着ているユニホームの胸には、3本矢印のデサントのマークが輝いている。

 例は枚挙にいとまがない。中野浩一の世界選手権10連覇は讃えられてしかるべき業績。しかしその右面が、中野をモデルにしたアートネイチャーの広告というのは、ちょっとないんじゃないかと思う。パジェロで砂漠を駆け抜けた篠塚健次郎の横に三菱自動車の広告、F1チーム・ロータスの右面はいわずとしれたシオノギ製薬で、マイク・ピアザはもちろんコマツ。セリエAのジェノアで活躍しているカズの右は、当然のことながらジェノアをスポンサードしていたケンウッドの広告だ。大林素子と小林浩美に至っては、右面に当人が登場した広告が掲載されていて、読者はステレオでスポーツ選手の顔を見せられることになる。

 あるいははなっから、広告特集として企画されたページなのかもしれないけれど、それなら堂々と「広告でっせ」と割り切って見せて欲しかった。こと雑誌のテーマが「スポーツ」だけに、近年のスポーツイベントの商業化と絡めて、なんともいえないやるせなさを感じてしまった。(新聞だって雑誌のコトいえないんだけどね)


【8月28日】 嫌だけど仕事をする。ぶんか社がインターネット上にオンラインマガジン「ぶんか社オンライン」を開設するとゆー話を雑誌の広告で見つけて記事に仕立てる。九鬼なんかが運営している「THE CITY」のよーに毎月一定額の会費を取るんじゃなくって、とにかく6時間まで200円とゆー、半分従量で半分定額の料金制度にしたところが1つの特色。会員になったら先着1万人にぶんか社が発行してる写真集を1冊づつ配っちゃうってのもグッとくるね。

 もっとも中身は、当面は雑誌のグラビアなんかの写真が中心になるってことで、雑誌ほどのクオリティーはなく、切り抜いて壁に貼ったり、枕元に立てかけて別の作業に使ったりできないモニター上の写真に、どれだけの需要があるのかちょっと解らない。アングラじゃないから、絡みとか裂け目とかが写った、国内法規の1線を越えた写真を載せられるはずもない。勝ち目があるとしたら量とスピードあたりしかないってことで、謳い文句にあるよーに毎日更新、アーカイブ1万枚をキチンとやれば、それなりのニーズはあるんじゃないだろーか。

 テレビや新聞は鳩山新党の話題で持ちきり。さして魅力もないつり目でおちょぼ口でおまけに長髪というおじさんの言動に、どーして大勢の人々が群がり、一言一句を聞き漏らすまいと張り付き、一挙手一投足を見張るのか理解に苦しむ。どうせ3年もたてば、「新党さきがけ」でさっそうと登場した武村正義が、今では老害とまで言われてしまっているのと同じよーに、飽きられ(たように見せかけられ)てしまうに決まってる。フランスの大統領のよーに8年も政権の座が保障されているのも考えものだけど、それこそ年変わりで政治家のヒーローが出ては消えていくってのも、ちょっと異常だと思う。それを助長しているのはマスコミじゃないかっていわれると、とっても弱いんだけど・・・・。

 それに比べてスポーツマンは、実力さえ出し続けていればずっと人気を保つことができる。巨人の落合なんてもう10年も野球界のトップスターだし、ゴルフの尾崎なんて20年に及ぶからね。彼らの行動なり発言の方が、政治家の移り気な行動とか日替わりの発言なんかより、何10倍も何100倍も面白いし、ためになる。NBAのシカゴ・ブルズで大活躍したデニス・ロッドマンの自叙伝「BAD AS I WANNA BE」(徳間書店、1700円)が出たので読んでみたけど、やっぱり実力さえあれば、そしてその実力を出してさえいれば、何をやっても何を言っても、実力に裏打ちされた重みってのが出ているよーな気がする。

 川上弘美さんの芥川賞受賞作「蛇を踏む」を含んだ短編集「蛇を踏む」(文藝春秋、1000円)も出たので買う。日常生活で出会う非日常ってシチュエーションは前の「物語が、始まる」といっしょ。幻想的とゆーよりは妄想的って感じが表題作(つまり芥川賞受賞作)についてはやっぱりする。ただ連作風のショートストーリーを集めて1つの短編にした「惜夜記(あたらよき)」は、妄想から幻想へと傾いた作品のよーな気がして、幻想小説ファンというかSFファンの僕には楽しめた。日常を襲う非日常を何の抵抗感もなく受け入れるシチュエーションには登場人物の妄想を感じてしまうのに、なんでもありの世界でなんでもありの話が展開されるシチュエーションには、作者の想像力を感じてしまう。両者の差は微妙で、明確な基準もなにもないのだけれど、やっぱりどこかが違う。どこなんだろーと考えていると眠れなくなっちゃうので、どっちだっていーじゃんと納得させて本を閉じる。


【8月27日】 新橋の第一ホテルに珈琲と苺のショートケーキのセットを食べに行く、んじゃなくって珈琲と苺のショートケーキのセットがおやつに付いた、アスキーの96年度下期雑誌展開発表会に出る。記者向けの発表会じゃなくって、広告クライアントとか代理店とかを対象にした媒体説明会。だから会場もおやつも豪華だし、エレベーターを降りたところで関係者がズラリと並んで出迎えたりする。なんだかんだで話題の会社だから、関係者の挨拶にも当然のごとく、なんだかんだはなんでもないんだといった話が出てくる。信じるか信じないかは別として、ともかくも雑誌を出し続けていられる限りは、出版社としての命脈は保たれているんじゃなかろーか。

 新雑誌の創刊は今回はなかったけど、「マックピープル」や「ログイン」の月2回刊化とか、アスキーのなかでも異色の出版物「テックジャイアン」の月刊化とか、それなりに前向きの話が発表された。知らない人のために説明すると、この「テックジャイアン」はCD−ROM付雑誌「テックシリーズ」の1冊で、コンセプトはズバリ「美少女CD−ROMマガジン」。ゲーム業界で根強い人気を持つ「美少女ゲーム」の情報誌って位置付けで、クライアントや代理店に配った媒体資料には、アヤシクもウツクシイ少女たちが、イケナイ格好をして横たわっているイラストが、何枚も掲載されていた。ゲーム専用機向けでは絶滅化が進められている種類のソフトだけど、パソコン向けではまだまだ元気みたい。

 「彼女が死んだ夜」を読んだ以上は、先に発表されている続編とでもいえばいいのかどーなのか迷う「解体諸因」(講談社ノベルズ、880円)を買って読む。西澤保彦さんのデビュー作。「彼女が死んだ夜」が栗本薫さんの「ぼくらの時代」も似た雰囲気の青春キャンバスミステリー仕立てだったのに対して、元になった「解体諸因」はバラバラ事件の連作とゆー異色作。劇中劇ならぬ劇中演劇シナリオなんてのも登場して、話を複雑かつ重層的にしている。メタ・ミステリーっぽい雰囲気もある。それにしても、「解体諸因」といー「彼女が死んだ夜」といー「人格転移の殺人」といー、ずいぶんといろんな手法、いろんな文体で作品が書ける人だなんだなー、器用な人だなーとゆー印象を持つ。

 今月は妖怪変化物の当たり月らしく、吸血鬼ファンタジーとか狼男ファンタジーとかが相次いで店頭にならんだので良い機会だと思って購入する。1冊は発売から2週間くらい経ってるのかな、グリーンッバーグ&ハムリー編によるアンソロジー「死の姉妹」(扶桑社、700円)で、もう1冊が最近出たタニス・リーの「黄金の魔獣」(ハヤカワ文庫FT、740円)。タニス・リーは「死の姉妹」も短編が入っているから、読み比べてみることができて楽しい。「黄金の魔獣」は加藤俊章さんの表紙が耽美的でなかなかな出来。はじめ金子國義かとも思ったけど、違ってた。ハードSFで脳みそをぐろんぐろんと働かせるのも悪くないけど、怠惰な日常には頽廃的なファンタジーの方がしっくり来るってことで、ジョン・クレイマーの「重力の影」はちょとおあずけ。でも明日には気が変わってるかもしれないし、もとっと別の小説に鞍替えしてるかもしれない。ともかくも9月の講談社ノベルズが出るまでに始末しないと、本の山に埋もれて2度と出てこなくなるから、急がなくては。


【8月26日】 当たり前だが仕事をする。先週取材した大広の新社長へのインタビュー記事を書いて入稿したり、日本IBMから届いた「小錦のホームページ」オープンの記事を書いたり。なんで曙じゃなくって小錦なんだろーって思ったけど、横綱じゃーやっぱりホームページには登場させられないんだろーね。小錦関は29日に日本とハワイのホノルル、英国のロンドンとを専用回線で結んで、世界中の子供たちとお話するとのこと。でもいったい、何語で話すんだろーか。

 お昼休みに近所のレコード屋をのぞく。いろいろと新しいCDが出ていて、みんな欲しくなって困ったけど、その中でぐいっと視線を引きつけた1枚のCDだけ買って帰る。タイトルは「御中元明和電機」。土佐正道・土佐信道兄弟によるアートユニット「明和電機」のセカンドアルバムで、ファーストアルバム「提供明和電機」ではサビの部分しか入っていなかった「明和電機社歌」が、フルコーラスになって入っていたので嬉しかった。楽譜も付いているから、これでバッチリ練習して、運動会とか遠足の時にみんなで盛大に歌おう。

 「明和電機」の歌では、ファーストに入っていた愛唱歌「地球のプレゼント」もとっても良い曲。「明和電機社歌」とペアで歌うのが最高かも。でも「明和電機」って、カラオケに入っているのかな。あと「御中元明和電機」では、製品(楽器)を使って演奏している「ワン・ノート・サンバ」と「子像の行進」がなんともいえずヘナチョコでグッド。ラストの「亡き王女のためのパヴァーヌ」にはちょっと泣ける。今年はじめに全国各地で開かれた「明和電機」の製品発表会(コンサート)、その名も「日本公演」の美味しいところを集めたビデオ「明和電機画報2」も出たみたいだし、年末の賞レースに向けて、いっそうの活躍を見せてくれることだろー。年末には「御歳暮明和電機」を出してね。

 日本出版販売から届いた9月の新刊情報をながめていると、どーやら9月は講談社ノベルズの当たり月らしい。森博嗣さんの「笑わない数学者」、太田忠司さんの「摩天楼の悪夢・新宿少年探偵団」、歌野晶午さんの「正月十一日、鏡殺し」、倉知淳さんの「星降り山荘の殺人」が出る。そして真打ち(なのか?)、あちこちで話題になっている清涼院流水さんの「コズミック−世紀末探偵神話」が満を持しての登場だ! でも、どうして清涼院流水さんってあんなに話題になってるの? 読んでみれば解るのかなー。オマケは講談社ブルーバックス「マンガ・パソコン通信入門」(荻窪圭著、永野のりこ絵)。この取り合わせで面白くないはずがない、よね、たぶん。

 雑誌「1000万人のPC」に大原まり子さんへのインタビュー記事が載っていて、略歴のところを読んでいて目が点になる。「星雲賞」とゆー字に「ネビュラ賞」ってルビが振ってあるじゃないか。そーだったのか「星雲賞」はヒューゴー賞と並んで世界最高峰のSFの賞として君臨している「ネビュラ賞」だったのか、ってことは「ファイナルセーラークエスト ひと夏の経験値」で今年の「星雲賞」を受賞した火浦功さんも晴れて「ネビュラ・ウィナー」になったのか。とはまったく思わず、単なる記者の勘違いか、単なる記者の確信犯的間違いのどちらかだろーと推測して、そっと雑誌を棚に戻す。


【8月25日】 3カ月くらいに1度の割合で回ってくる日曜出勤のために、朝9時には家を出る。会社に入る前に、ゲラが上がってくる間の待ち時間に読む本でも漁ろうと、神田神保町あたりの本屋を攻める。10時開店という三省堂書店の入り口に10時少し前に到着すると、シャッターの前にちょっとした人垣ができている。別にチケットぴあで有名人のコンサートチケットの発売があるわけでもなし、どーしてこんなに本屋に朝から詰めかける人が多いんだろーと、自分のことを棚に上げて考える。30分ほどして移った書泉でも、やっぱりシャッター前に人垣が出来ていたから、東京という街はパチンコなみに本好きの人が多いのだろーと勝手に納得する。

 まず目についたのが「クイックジャパン」の第9号。これまで買ったことのない雑誌だけど、この号はかの「新世紀エヴァンゲリオン」の大特集が組まれていたため、ついつい手にとってしまった。メインはジャーナリストの大泉実成さんによる庵野秀明監督へのインタビュー。「さるマン」の竹熊健太郎さんも交えての座談会みたいになっていて、そのボリューム、その中身の濃さは過去幾つかの雑誌に発表された「庵野秀明インタビュー」をはるかに凌ぐ。売れてる雑誌は記事も盛り沢山になるけれど、スキマを狙った雑誌は1つの特集に大きくページを割ける。これはわが日本工業新聞でもいっしょね。ともかくも「クイックジャパン」が、「SFマガジン」や「デラべっぴん」以上の話題となることは間違いないであろう。

 大泉実成さんといえば、やはり「クイックジャパン」に連載していた問題企画、「消えたマンガ家」が単行本となって発売された。雑誌に発表された順番とちょっと違っているようで、「聖マッスル」のふくしま政美さんの記事が抜けている。2巻以降で掲載されるのか、それとも問題があって再掲が認められなかったのか、事情はわからない。しかし代わりに「マカロニほうれん荘」の鴨川つばめさんへのロングインタビューが入っていて、これがなかなかに読ませる内容となっている。スケジュールに追われ、爆発し、その挙げ句消えていってしまうことを甘んじて受け入れてしまう。そんな態度から鴨川さんの作品に対する真摯さがひしひしと伝わってきて、先の庵野田監督とも合い通じるクリエーター魂を感じてしまう。漫画好きならずとも必見。

 下手に金を持っているだけに止まらない。「人格転移の殺人」の西澤保彦さんの「彼女が死んだ夜」(角川書店、840円)は、なんでもデビュー作の「解体諸因」の続編じゃなくって前編にあたる作品。といっても「解体諸因」を読んでいない僕にとっては、まったく新しいキャラクターが繰り広げる物語にしか映らないから、まったくサラの状態で楽しめるってもんだ。って威張っていうことではないね。

 新書でもう1冊は平井和正さんの「月光魔術團」の第3巻「ぷりてぃーばっどがーるず」(アスペクト、780円)。犬神明は表紙では水着、各ページの透かし絵では下着と相変わらずのエッチ姿を披露してくれる。あとがきでは平井先生、相変わらずの吠えまくり状態で、漫画家への転身をほのめかすことまでしてくれている。平井さんの描いたウルフガイ・コミックなんて、あんまし読みたくないなーとは思うけど、もしかしたら意外な才能が隠れていて、言霊ならぬ絵霊なんてのが降りてきて、とんでもない漫画を描かせるかもしれない、ってことは多分ないよな。


【8月24日】 村山由佳さんの「海風通信 カモガワ開拓日記」(集英社、1800円)を読んでいて、薪で焚いたお風呂のお湯は柔らかいから好きと書かれた文章に出会って懐かしく思う。僕の実家は名古屋市内にありながら、ほんの7、8年前まで薪で風呂を焚いていて、小学生の頃から10何年か、風呂焚きが僕の日課だったのだ。

 斧で薪とタンタンと割って釜にくべ、新聞紙に火を付けてひたすら団扇であおぐと、はじめはモウモウと出ていた煙が煙突の方へと流れていき、釜の中では薪がボウボウと炎をあげて燃え盛る。冬場になると薪割りで悴んだ手を、釜の上にかざして暖めていたっけか。そーいえばあの斧、どーしてしまったんだろーか。子供の頃は近所の畑で、斧を放り投げて「ゲッタートマホーク」って叫んで遊んでた。今考えるとアブネー遊び。イライラした時に会社の中で再現してみたい気もするが・・・・。

 本屋に行って新刊漁り。SFマガジンの10月号は、水玉蛍之丞センセイがしっつこく「カヲルくん」を描いている。あの目と口が、やっぱタマンナイんだろーね。「ホビージャパン」だったかのガレキ特集のなかで、セガだかが出した「カヲルくん」のフィギュアが載ってたけど、目が離れすぎてるし、口がぜんっぜん違う! あれではファンならずとも怒るぞ。あとコミックでは、異色作にして傑作との誉れ高い、風忍の「地上最強の男竜」が角川書店から再刊されていたので驚く。ちょっと前、某ネットの方で話題になっていたのを読んで、懐かしいなー、今頃どーしてるんだろーなーと思っていただけに、このタイミングの良さにはなにやら因縁めいたものすら感じる。

 77年に少年マガジンに連載されていた作品を、リアルタイムで読んでいた口ながら、トゲトゲ頭の仮面を着けた主人公とか、曼陀羅調の絵柄が特徴的だったことは覚えていても、どんなストーリーだったかは忘れていた。自分より強い者とひたすら戦い、破り続けるパターンの漫画が、某ジャンプを中心に繁盛している時代にあって、戦うことの意味を探求し、結果見つけた戦う意味が、人類の罪を問い、次代への希望を抱かせる内容は、今読むととても新鮮に映る。しっかし、竜が空手大会で殺してしまった相手の彼女(アイドル歌手)が、修行して竜を殺しに来たり、復活したキリストが蘇らせた世界で1番強い男が、宮本武蔵にブルース・リーだったりするのがすっげーヘン。最後に竜が繰り出す大技には、スーパーサイヤ人になった程度の悟空でもかなわないかもしれない。

 久しぶりに千葉テレビで再放送中の「機動戦士Zガンダム」を見る。シャアが議会で演説する「ダカールの日」は、リゾート地で携帯テレビを見るセイラさんに、バーでグラスを傾けるカイ・シデンが登場する重要な回。見落とせないと思っていただけに、サッカーの試合とかと重ならなくて良かった。千葉テレビは夏休みアニメスペシャルと称して、昔懐かしいアニメとか、最近のOVAとかを放送中。「戦闘メカザブングル」の映画版とか「伝説巨神イデオン」の映画版とか「太陽の牙ダグラム」の映画版とか「天地無用!魎皇鬼」のスペシャル版とかってラインアップはちょっと凄い。ビデオに撮って見たいよー、と思ってもビデオはなく、かといって昼間会社を休んで見るわけにもいかない。とっても悲しい。


【8月23日】 給料が出たのでどっさりと本を買い込む、つもりだったのだが、8月という月はなぜかあまり新刊書が出ないので、何10冊も買い込んで、たちまち財布がスッカラカンになるよーなことはない。

 1番安かった本は「新世紀エヴァンゲリオン」(角川書店、590円)のフィルムブックの掉尾を飾る第9巻。第弐拾参話から第弐拾六話までを収録しており、綾波レイの自爆シーンや水族館状態のクローン綾波、笑顔がステキな渚カオルくんから話題沸騰賛否両論のラストの2話までバッチリ入ってる。「学園ゲリオン」のところだけ、漫画のようにコマ割したなかにスチールを貼り付け、セリフをフキダシで入れた、いわゆるフツーの「フィルムブック」仕立てになっていて面白い。作り手側のポリシーのよーなものが、フィルムブックにも反映さえているよーな気がする。表紙のプラグスーツ姿のカヲルくんの小モッコシに、何人の女性(一部男性)がトキメクことだろー。

 とりあえず出た本は全部読んでおくことにしている加門七海さんの「蠱(こ)」(集英社、1600円)も買う。伝奇物でも陰陽師物でもない、著者初めて学園ホラー。八木美穂子さんとゆー人の描いた表紙絵と口絵が素晴らしく、いったいどーゆー人なんだろーかと興味を持つ。漫画家さんだろーか。小説自体はまだほとんど読んでおらず、漏れ伝え聞く評判も決して芳しいとはいえないが、とりあえずはファンなので、何か次につながるよーな発見が出来ればいーと思っている。あっ、何か弱気だなー。

 同じ集英社から、僕と誕生日がいっしょの村山由佳さんが書いた「海風通信 カモガワ開拓日記」(1800円)も発売。恋愛小説と青春小説の村山さんが、実は畑を耕しサカナを釣り薪を割るとゆー生活を送っているとは、いったい誰が想像したでありましょー。僕はエッセイが連載された「TANTO」を読んでいたし、村山さんご本人にも、サイン会でお目にかかって「まるまるぽわぽわ」した人だとゆーことを知っていたので、カモガワを開拓していよーが、マムシを素手でつかもーが、長靴をはいて土の上を歩こーが、いっこうに驚かない。それにしても楽しそーな生活。僕もいつか海の見える丘の上で暮らしたいなどと思っいるけど、1人で住んだってムナシイだけだから、実行できるのは当分(永遠に)先のことになりそー。あーあ。

 本はこれくらいにして仕事の方もちゃんとやる。某芸能プロダクションでマルチメディア事業を1手に仕切っていたプロデューサーが、部署の人たちを引き連れて独立して作った会社に行って、近況などを聞く。マルチメディアブームとゆーけれど、ヒットしなければそれで打ち止め、後はないよって状況に反発して飛び出したのだとか。決して大ヒットはしないけれど、それなりに評価の高いソフトを作って来た集団なので、独立してもやっぱりマイペースで、良質のソフトを作っていってくれると信じたい。でもオフィスが霊園の隣りにあるのがちょっと気がかり。マックが並ぶ先進的なオフィスに、神棚が鎮座ましましているのも、やっぱり悪霊退散が目的なのだろーか。それとも商売繁盛のほーだろーか。


【8月22日】 早起きしてイケナイCD−ROMを見ながら暗黒の仕事のための原稿を書く。普段とは違った言葉遣いを必要とされる仕事なのに、朝が早いせいか頭が回らず、適切な言葉が浮かんでこない。ついついカタメの言葉や言い回しを使ってしまうから、いったん書き上げた後で2時間くらい間を置いて読み直してみると、どうにも珍妙な文章になっている。あるいはスポーツ新聞やその手の文庫にあるよーな、紋切り型の言葉遣いをしてしまっていて、読み返すたびに、自分のボキャブラリーの貧困さに悩み悶えることになる。簡単そうに見えるけど奥の深い仕事。プロのひとたちはいったいどーやって、かくも官能的で扇情的で肉感あふれる文章を書けるよーになったのだろーか。自分のよーな文章では、耽美小説でも書いてひともーけなんてとても無理。やっぱ地道に地味に生きるしかないないのか。

 フラフラな頭で電車に乗って仕事に向かう。地下鉄のなかで日刊スポーツを開けると、名古屋グランパスエイトの監督に、元オランダ代表でスペインリーグのバルセロナでも選手や監督として活躍したクライフを、ベンゲルの後がまとして迎える考えでいることが書かれていて、ケチな名古屋が張り込むもんだと感心する。まだ候補に上がっただけだから、実際に来るかどーかは解らないけれど、来年はストイコビチもいなくなるとゆー話があるだけに、仮にクライフが監督に就任したとしても、バルセロナの時のよーに活躍するのは、選手層から見てとても難しーのではなかろーか。息子のジョルディも呼んだりして。某野球チームで監督をしている往年の名選手のよーに。

 取材に行った先のビルで、トイレを探して迷う。迷った果てに、1つには青い丸、もう1つには赤い丸だけが書かれた2枚のドアが並んでいるのを見つけ、ここがトイレであると即断し、青い丸のドアの方を開けて、ちゃんと目的の場所だったことを確認する。用を足した後、青い丸だけで男子トイレであると解ったのはどーしてなんだろーと悩み、いつの頃から青は男、赤は女を示す色使いとして認識されるよーになったのだろーかと考える。外国ではどーなんだろーか。そのうち調べてみよー。もっとも、つまらないことが気になっても、それで夜が眠れなくなるほどの凝り性でもないので、2、3日したらケロリと忘れているだろー。

 午後にもう1件取材。大ヒットを続けるオトナ向けのCD−ROM「DiVaX ariana」に続く第2弾ソフトが月末に発売されるとゆーので、大崎にある輸入販売元に行ってデモを見せてもらう。別にサンプルを送ってもらってもよかったんだけど、3次元マウスを使って操作すると、いろいろ楽しいことができるソフトなので、道具の置いてある販売元まで出向くことにした。基本的には前と同じ操作感だけど、モデルが日本人好みだったり、画質が格段に向上していたりして、こちらも結構イケるんじゃないかなとゆー感想を持つ。しかし最初に出したタイトルがヒットしてしまい、新参者が土足で市場を踏み荒らしていると、古手のメーカーからニラまれているんじゃないかと心配になる。あと第1弾ソフトが某雑誌に掲載されるに当たって、ユーザーの某氏の熱烈な推薦があったことを知り、さすが先生見る目が高いと感心する。

 「月刊的矢健太郎」ではないが、6月から月1冊のペースで刊行が続いている藤田宜永さんの「モダン東京」シリーズ第3巻、「哀しき偶然」(朝日新聞社)を読む。相変わらずの面白さで、あっとゆー間に読み終える。人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて死んでしまうとゆーのが良く解った。それいしてもハードカバー300ページちょいで2400円は高くないか、朝日新聞。書き下ろしならまだしも、昔出版された文庫に加筆訂正して単行本化しただけなんだから、もーちょい安くてもいーよーな気がする。そーいえば最初ハードカバーで出て、文庫化の際に大幅に加筆して話題となった高村薫さんの「神の火」(新潮社)が、もー1度ハードカバーになって出版されていた。出版社が儲けよーとしているのか、それとも著者がプライドを満たそうとしているのか。どーでもいーから早く新作を書きなさい。


【8月21日】 ヨナス・リーの「漁師とドラウグ」を読了。やっぱり暗い話ばっかりで、読みながら「今の子供たちは、こんなに暗い民話とか神話を読むのだろうか」と考えた。僕に関していえば、たまたま自宅に世界の民話や神話を集めた子供向けの全集があって、とにかく活字に飢えていた時期に、むさぼるように読んだ記憶がある。桃太郎や金太郎や浦島太郎や一寸法師は子供の絵本の定番だったし、テレビの人気アニメも「まんが日本昔話」に「一休さん」だった。

 しかし、今の子供たちがそんなものを読んだり、視ているとは思えない。なぜなら彼や彼女の時間は、お受験のためのお勉強以外は、ゲームやアニメやコミックやファンタジー・ノベルに占領されているではないか。似非というか疑似というか、民話的で神話的な世界観に彩られたこれら新しいコンテンツに接し、刺激とカタルシスを得ている今の子供たちに、教訓めいた話の多い民話や神話が受けるとは思えない。100年、1000年たったとき、桃太郎や金太郎や浦島太郎や一寸法師に代わって、「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」が子供たちにとっての民話であり神話になっている状況を想像すると、なんだかとても空恐ろしい。

 だからといって僕もゲームは嫌いじゃない。嫌いじゃないから富士通が満を持して送り出したゲームソフト「エーベルージュ」のイメージガールが登場する発表会に、嬉々として出かけていくのであった。ゲームはすでに7月12日から発売され、1カ月で2万枚のヒットとなっている。今日開かれたのは、このゲームのサントラや、出演者によるラジオドラマなどを収録したCDエクストラ「エーベルージュ伝説」を発売するとゆー発表会で、会場には「エーベルージュ」のイメージガールで主題歌も歌っているとゆー、渡辺まほろさんが駆けつけた。

 会場に流れていた歌を聞いた限りでは、お世辞にも上手いといえなかったので、いったいどんな人なんだろーと興味津々だったけど、登場したまほろさんは、身長167センチのスラリとした高校1年生の女の子で、エラぶらずキドらず、質問にハキハキと答えてくれて気持ちがよかった。下手といってもまあ、「風の谷のナウシカ」よりは上手かったよーな気もするから、1年か2年レッスンすれば、なんとか人並みにはなるんじゃないだろーかって、これじゃ全然フォローになってないね。あとまほろさんのホームページ(日記、歌のデモ、ゲームあり)ってのもオープンしているから、怖い物気見たさの人はご高覧あれ。

 ジョン・クレイマーとゆー人の「重力の影」(ハヤカワ文庫SF)を買う。「宇宙はヒモだ!」の「超ひも理論」を題材にしたハードSFとかで、今から読むのがとっても苦痛。だってなんだか難しそうなんだもん。J・P・ホーガンやスティーブン・バクスターだって満足に読みこなせないのに、現役の物理学者が書いた小説なんて、とてもじゃないが理解できそーもない。しかしまあ、秋も深まっていくことだし、気合いを入れて読んでみるかな。最初の100ページ以内で挫折するほーに100ガバスかけてもいいけれど。あとこの本、邦題は「重力の壁」だけど、原題はなんと「TWISTOR」。もしかしてスピルバーグの映画のノベライゼーション「ツイスター」が発売されちゃったから、こんな邦題になったのだろーか。


"裏"日本工業新聞へ戻る
リウイチのホームページへ戻る