縮刷版2021年1月上旬号


【1月10日】 朝から「ドナルド・ドランプ」だとか「MAGA」だといったハッシュタグでツイッターが溢れていたので何かとみたら、相変わらずドナルド・トランプ大統領は実は当選しているから必ず復活すると信じている人たちの声だったり、2016年の大統領選でトランプ大統領の一派が被っていた帽子に書かれていた「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」というスローガンそのままにトランプ大統領の偉大さを訴える人たちの声だった。

 何を今ごろ。というかそういうハッシュタグで引っかかることごとくが日本の人たちで、どうしてアメリカの大統領にそこまで肩入れするのか、分からない訳じゃないけど度が過ぎていてやっぱり鼻白む。中国嫌いだという意見の一致があるようだけれど、他にもたとえば北朝鮮に拉致された横田めぐみさんについて言及したとか、新疆ウイグル自治区で行われているウイグル人の弾圧に反対したといった理由を挙げる人たちがいたりする。でもトランプ大統領が具体的に北朝鮮の拉致問題の解決に何か貢献したかというと、金正恩と握手はしても誰かを取り戻したなんてことはない。

 世界的に危機感を持って見つめられている核問題についてだって、何ら進展を得ていないどころか日本と韓国と中国でどうにかしろ、アメリカは知ったこっちゃないといったスタンス。所詮はパフォーマンスに過ぎない態度で、それなら安倍晋三前総理でもやっていたし、他の歴代総理大臣だってやっていた。それよりもトランプ大統領の口先を評価するのは何なのか。つまりは中国嫌いだから支持したいトランプ大統領を持ち上げる理由をいろいろ探して付け足しただけ。それらの実効性なんて気にせずに。それでバイデン次期大統領が何か一気に北朝鮮問題を解きほぐしたらどうするつもりだろう。だんまりかなあ。

 昨日は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q ver.3.333」(IMAX)を見たわ。今日は「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に」。ってことで六本木ヒルズにあるTOHOシネマズ六本木ヒルズへ。ほかでも上映はしているけれどスクリーンサイズがどうやら都内で1番大きい感じだった。その最前列の中央はスクリーンまでの距離があまりなく、見上げるような感じになったけれどストーリーとか何が映し出されるとかはだいたい分かっているので、病室でシンジに布団を引っぺがされるアスカの半裸とか、地球サイズに巨大化する全裸の綾波とかを間近で特大サイズで眺めることに主眼をおいた。そういう楽しみ方ってあるよね。ね?

 しかしやっぱり何度見てもストーリー的な部分はやっぱりあまり貼ってこず。ゼーレのキール議長たちが狙っていたことを、ゲンドウは阻止したいんじゃなかったのかなって思うとそんなキールたちの願いがかなって、肉体の壁が取り払われて液状化していっしょになっていったのを、ゲンドウも同じ様に望んでいるのはいったい何だろう。対立していたんじゃなかったのか。それともゲンドウは自分が中心になってユイとヒャッハーできる世界を望んだのか。そこがやっぱり分からない。

 あとは結局失敗したのかどうかってあたり。鍵になるのがシンジだったことで、その思惑に左右されたってことになるのだとしたら、あんなに心理状態が不安定でゆらゆらとしてすぎに切れたり拗ねたりする14歳を鍵に選んだのはキール議長も脇が甘いとしかいいようがない。ってか最後は魂か何かになった人間たちはそのまま天空に来えてしまったのか。そしてシンジだけが自分の殻を取り戻して実体化しつつ、気にしていたアスカもいっしょに引き戻したてことになるのか。いやアスカが弾ける場面そのものが描かれて居なかったから、騒動に巻き込まれないでエヴァ弐号機の中で怪我をしたまま横たわっていたのかも。そして気がついたら治療され寝かされ首占められて。そりゃあ気持ち悪いよなあ。

 まあそれはともかく自己嫌悪に陥って身もだえをしながらもそこから頑張って歩いて行ったという葛城ミサトの言葉になかなか励まされた気分。先がまったく見えない中でただイライラとモヤモヤばかりが募りがちな状況だけど、それでも時間は止まってくれないのなら、出来ることをまずはやりつつ絶対に来る明日のために少しずつでも進んでいくしかないのだから。まあそんなこんなで1周目が終わった世界が2周目に入ったのが「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の世界だとしたら、それがどういう風に畳まれるのかは気になるところ。やっぱりシンジの復活からの自覚に引っ張られて世界は落ち着きを取り戻すのか。アスカ以外もちゃんと残っておめでとうと叫ぶのか。あと2週間。期待して待とう公開を。公開してくれるよね。

 魔が差して申し込んでしまったBABYMETALの日本武道館公演が当たってしまって、それは良いことだけれど問題はチケットがスマートフォンによる電子チケットでしか発券されないこと。ところが持っているのは一応はアンドロイドは搭載しているものの基本はスマホだったりして、タッチ操作によってチケットを取り出したりできないので使えない。だったら流すかというと貴重な機会でもあるのでこれはいよいよスマートフォンに切り替える時期が来たと、Ymobile!のサイトに行って適当なスマホを選んでオンラインで購入する。今のスマホケータイもそれで買ったから便利で手早い。あとは期間までに届くか、そして設定を行えるかってところか。iPhoneだったら勝って知ったるところはあったけど、高いからパス。さてどうなる。


【1月9日】 しばらくかかるかと思った調整が1日遅れで済んだようで、IMAXで上映が始まった「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」をもっとも良い環境で観ようと池袋のグランドシネマサンシャインへ。ってか何でこんなに人が多いんだ池袋。夕食を摂ろうと桂花ラーメンに入ったら、狭い店ではあるものの次から次へと客が入ってきてとても夜の8時には飲食店を閉めることになっている東京都とは思えない。

 ってそういう自分もそんな時間に出歩いているんだけれど、もとより独り身でフリーでもあって家族や同級生なんかにうつす心配もないからやれること。一般の生活をしている人にはリスクも高い環境でも、変わらない日常が続いているからこその連日の感染者2000人越えになるんだろうなあ。神奈川も999人で大台まであと少し。千葉はどれくらいだったっけ。いずれにしても亡くなられた方が4000人を超えて来て、欧米に比べればまだまだとは言え東アジアではなかなかに突出した数字を見せてきた。

 これで先進国を気取れるか。日本凄いと言えるのか。言えちゃうところがライティな方々のメンタリティ。いろいろと物議を醸しているアカウントの人とかネアンデルタールの遺伝子を残している欧米の人に新型コロナウイルス感染者での死亡が多いって数字を持ち出して、日本人は欧米人に比べて少ないっていう論理を繰り出して来た。まるで論文が読めないことを露呈してしまった感じ。日本人にネアンデルタールの遺伝子がないかというと、花粉症が多い日本人こそがネアンデルタール人に近いなんて話もあるから何が何やら。そうした要因とは違うところで欧米との差があるにも関わらず、人種に話を持ってくるところに優生学信奉のヤバさがのぞく。やれやれだ。

 戻って「エヴァQ」。IMAXレーザーGTという環境の、寝転がって観るシートをのぞけば最前列の中央に陣取って見上げるようにして観た数週間ぶりの「エヴァQ」はやっぱりアスカがデカかった。あと出てくる人たちとてもデカかったのは日本でも最大級のスクリーンだから当然か。そんなスクリーンサイズに負けないクリアな映像って奴を見せてくれるところに、2K化の意味ってのがあるんだろう。ただピーカンに明るかったかっていうとそこはやっぱりスクリーンへの投影だけあって、テレビモニターで観るのとは明るさも違うような気がする。そこは2K版のソフトが出て買って実家のテレビで見た時とかで比較したい。

 数週間前にリバイバルを見たバージョンからの変更について、もう10度以上は軽く観ていてもそんなに気づかないのは注意力がアスカのボディとストーリーに向いているからなんだろうけれど、アスカとマリのプラグスーツが変わっていたり、アスカのセリフが変わっていたりするのは言われてなるほどそうかもと感じられた。あとやっぱり予告編。公開当時のものではやっぱり嘘が大きいとなったのか、最新の予告編をベースにしたものに差し替わっていた、ってことはあの予告編は大嘘ではなくちゃんとそのとおりに公開するってことなんだろうなあ。一部、シンジ君の出撃めいたシーンもあった気が。最後のエヴァンゲリオンでの最期の決戦って意味合い、やっぱりとても濃そう。期待して1月23日の公開をまとう。

 米議会の議事堂に突入した暴徒を迎えた警察官に亡くなられた方が出たそうで、直前に行われた演説で議事堂に向かえと煽ったドナルド・トランプ大統領の責任の決して逃れられない大きさがよりいっそう取り沙汰されそう。ツイッターもその発言の影響力を鑑みて、アカウントを凍結してそれも永久凍結という処置を行ったとか。オルタナ右翼がよく使う掲示板のアプリをアップルもグーグルも提供を停止したって話も出て来て、トランプ大統領のことSNSにおける発言力は低下に向かいそうだけれど、そんなトランプ大統領を持ち上げる極右メディアはまだまだ健在。そこを通してネットから発言が伝わる際にカルトの純度を増していく可能性が今は怖い。外部との接触を断って内にこもったカルトの恐ろしさを日本はオウム真理教の件で知っているはずだから。

 にも関わらず一部のライティなジャーナリストや作家は、あったと誰も証明できていない不正があったとバイデン次期大統領を批判する一方でトランプ大統領を持ち上げに持ち上げているから不思議というかポン酢というか。何がいったい彼らをそこまで応援に駆り立てているのかというと、やっぱり中国への嫌悪感があるからなんだろうけれど、そんなトランプ大統領が中国の台頭を押さえ込めなかったからこその現在ということを誰も指摘しない。それは7年という長き政権を維持した安倍前総理の下で日本がまるで変わらなかったことを、その前にわずか数年政権を担当した民主党のせいにする態度と変わらない。7年も政権を持ちながら帰られなかった間抜けを批判しないポン酢ぶりを自覚しない人たちだから、トランプ大統領のたわけぶりも分からないんだろうなあ。やれやれだ。


【1月8日】 日付が変わったと同時にグランドシネマサンシャインのサイトにアクセスして、8日からスタートする『ヱヴァンゲリヲンエヴァンゲリオン新劇場版:Q』のIMAX上映をGTレーザーでもって見ようと予約を入れて、前列中央を抑えてこれで明日は見上げるように巨大なアスカの大活躍を拝めると期待して、寝て起きたら上映中止とな。どうやらIMAX向けの映像を作る時に音声トラックが未反映の部分があったとか。それがどれだけ大変なことなのかはちょっと分からない。

 というか事前に試写とかやって確認しないんだろうか。ギリギリになって見たら違っていたってことなのかなあ。見る側は気にしなくても、それが作り手の意に沿わないものというなら、中止を受け止め上映されつ時を待つしかないか。旧劇場版こと「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に」の上映も含めて今月23日のシリーズ最新作にて完結編となる「シン・エヴァンゲリオン劇場版」公開の前哨戦的な意味合いもあっただけに、興行的にも残念だけれどそこは新作が公開されて、やっぱり意味不明な展開にひとつ遡って確認したいという人を集めて賑わうかも。3月くらいには再上映を期待。

 薄毛に強い美容院に行って菅義偉総理みたいな髪型にしてもらってから新宿バルト9で「銀魂 THE FINAL」。といっても原作の漫画はほとんど読んでおらずアニメのテレビシリーズもほとんど見ておらず深夜にやっってたあれは将軍暗殺編だっけ、神楽の兄とか海坊主とか出てきて夜兎族に関していろいろと綴られるエピソードくらいしか見てないんだけれど映画はなぜかアニメ版も実写版もだいたい見ているというからちょっと不思議。映画というイベント性を持った場で見るとそのイベントとギミックに溢れた内容が、よりパワーアップしてくるのが楽しいんだろう。実写版とか存在自体がパロディみたいなものだし。

 だから、「銀魂 THE FINAL」についてもどうしてそういうシーンから始まってどういう経過を辿ってそこまで来たかはまるでさっぱり。とりあえず吉田松陽だか虚だかの復活劇に絡んで起こる大騒動を止めようと坂田銀時に高杉に桂の教え子3人組が走っているとこれまでの登場人物たちがまとめて絡んでくるなかで、やっぱり万事屋の新八に神楽とあと妙さんが最後くらいまで絡んでクライマックスを迎えるといった感じ。思い入れとかないからシリアスなシーンが長いなあと思ったけれど、ずっと見てきた人にはそこが良かったのかもしれない。

 そうでない身には見所はチャイナ服でスリットが入った服からにょっきりと見える神楽の足とか割といっぱい出てきた柳生九兵衛ちゃんといったあたりか。ちびっこキャラだと思っていたら神楽ってあれでなかなか等身高かった。冒頭については驚きだけれど驚きたい人も多いだろうから何かは言わない。とりあえずよく頑張った。凄かった。素晴らしかった。エンディングはシリアスが台無しではあっても「銀魂」という作品に相応しいものなのかもしれないと思うと受け入れるファンも多いだろう。ところでどうして銀時の頭は銀髪なんだ。

 日経平均が30年ぶりの2万8000円台に達したとか。30年前の自分は3月から入った日本工業新聞で兜倶楽部に詰めて証券業界を取材していたのでずっと下がっていく株価を眺めていたっけ。覚えているのはブラックマンデーに次ぐ歴代2番目の下落となり1990年4月2日の1978円下落による2万8002円という日経平均。新年度に入って盛り返すかと思ったら逆に急落して一気に世相が暗くなったっていったんだった。ここで2万8000円台を見てそして8月8日を最後に2万8000円台からおさらばしたというからもう、日本の経済がどれくらい停滞し続けているかがよく分かる。

 当時のNYダウは幾らだったっけ、確か3000ドルいってなかったんじゃないか。それが今は3万ドル超え。10倍だよ10倍。日本は対してようやく1倍。それも日銀が年金資金をぶち込んで買い支えての値段だから実体経済なんていったいどれだけか。もうこれだけ見ても日本の政治が無茶苦茶だって分かるよなあ。自民党が株価対策をしたから民主党よりマシとかいうけど、たった2年の民主党政権に対して自民党は社会党との連立も含めればほとんどの時代を政権の座にいて、それでこの体たらくな訳でそれで支持され続けているのが分からない。飼い慣らされているんだろうなあ日本人。退職金をぶっ込んでおけば今ごろ左内輪だったかなあ。

 昨日今日増えた訳じゃないだろうと、大阪の新型コロナ感染者数が増えているにも関わらず、対策をあまり取ろうとしない大阪府に向けて蓮舫議員が突っ込んだら、昨日も今日も増えているから貴方の言葉は間違っていると答えた吉村大阪府知事に唖然呆然。慣用句として昨日今日増えた訳じゃないだろいうというのはずっと増えていたのに今ごろ急に増えたような顔をして慌てて助けを求めるなよって意味から使ったんたのに、本当の意味で昨日だの今日だのと捉えて増加したかどうかを喋っているズレっぷりが妙。それとも弁護士はこうした慣用句は使わず言葉の意味はそのままの意味で取るように訓練されているんだろうか。どっちにしたって間抜けな話だけれど、そんな知事が1番仕事をしていりょうに見えてしまうメディアのフレームアップがやっぱり怖い。気がついたら道ばたに亡くなった人が転がっているような事態にだけはならないで。


【1月7日】 目覚めたらアメリカの方で何やら騒がしく、ネットで情報を集めたらどうやらアメリカ合衆国議会議事堂に、ドナルド・トランプ大統領を支持する人たちがなだれ込んで暴れたらしい。この日の議事堂では大統領選挙に当選したジョー・バイデン次期大統領を正式に承認するための読み上げが、マイク・ペンス副大統領から行われる予定で、これをもっていろいろと悶着はあったものの、ひとまず次期大統領にバイデン候補が決まるという重要な儀式が行われている場に乗り込んで、儀式をぶち壊そうとしたってことになる。

 日本の国会議事堂とかだと60年安保の時だって、全学連がわんさか詰めかけながらも突破はできず進入なんてとても無理だったのに、銃器で武装した警官だとかが守るアメリカの議事堂にどうして大勢が進入できてしまったのか、ってあたりが謎で、もしもブラック・リーブス・マターのような運動で、参加者たちが公共の施設に向かい占拠でもしようものなら即座に銃撃が行われたような印象がある。そこはだから直前に、議事堂の前で集会を行ってバイデン候補に不正があっただの自分が正式な大統領だのと吠え、国会に行けとトランプ大統領が煽ったことが、暴動の要因になったこともありそう。

 普通だったら国家転覆罪か何かで即座に逮捕される案件だけれど、そんな罪状を決める国を代表する大統領が行ったことであり、その言に従った者たちだとやはり銃を向ける手も鈍ったのか。とはいえさすがに無傷で澄ませば国の威信にも関わる話。侵入しては窓を破って奥へと向かおうとしていた女性が撃たれて倒れてそのままどうやら亡くなったらしい。ネットには撃たれた直後、仰向けになって青息吐息の女性の映像が流れてた。血が溢れてなかったのは何だろう、小口径の銃だったんだろうか。その1人に限らず他にも数人が亡くなったとのこと。罪が罪だけにやむを得ないとはいえ、元が元だけに気の毒としか良いようがない。

 それはありもしない不正を訴えたトランプ大統領の一派に煽られ何かを信じ込まされてしまったことなんだけれど、日本のとあるジャーナリストを名乗る人だと元にバイデン候補側の不正があって、それに抗議しようとしての殉教めいた死であって、悪いのは不正を行ったバイデン候補側だと平気で嘯いているから堪らない。だったらその不正の根拠はと問われて、過去に出したものなんてまるでない。アメリカのオルタナライトなメディアだとか、宗教の粋がかかったメディアがデマゴーグ的に情報を発信しているんだけれど、それらはおしなべてファクトチェックされフェイク認定されている。裁判でも不正の証拠は挙がらずことごとく却下。それなのに今も不正があたと言い続けることで、そこがハブになって不正があったと信じる人が日本にも結構居たりする。

 さすがに煽られて日本にあるアメリカ大使館に吶喊するような人はいないけれど、こうした妙な信仰は世に認められず叶わなかったときにカルトへと転じるのはオウム真理教の一件が表している。それを割と知られたジャーナリストのみならず、今の日本におけるミステリーの隆盛に、新本格の提唱という形でとてつもなく貢献したミステリー作家までもが主張してはバイデンに不正があった、トランプはブルース・リーだとまで言っているのを見るにつけ、いったい何がどうしてしまったんだろうという気がして気持ちが沈む。まあ浮き世離れした思考があるからこそ、驚異的な設定のミステリだって描けたのかもしれないけれども一方で、ロジカルな思考があってこそのミステリな訳でそれがカルトの域へと足を踏み入れているのはどうしてか。何か個人的にあったのか。いろいろ不安になってくる。

 そうした個人が何を言おうと、個人の勝手と言えば言えるのだけれどこれが日本新聞協会の会員にもなっている新聞社が言い出すとなると話は別。オレンジ色の憎い夕刊紙が、アメリカの議会議事堂に突入した面々はトランプ支持者ではなく極左だという情報があるとツイッターでつぶやいていた。その情報の出所はっておそらくはオルタナライトなメディアだったり、煽られて突入するような人たちが良く見ている宗教系のメディアだったりするんだけれど、そうした情報をファクトチェックもせず垂れ流すのは、キリストが青森にいたという情報があったとか、外国人が井戸に毒を投げ込んだという情報が出回っているというのを、検証もせずに伝えるのと変わらない。それで何が起こるかを考えた時に、メディアとして絶対にやってはいけないことを平気でやっては訂正もしない新聞を、いい加減に何とかしないとメディア全体の信頼に関わってくるだろう。退場を願うか、親会社もまとめて。はあ。

 何か「SLAM DUNK」が騒がしいなあと思ったら、井上雄彦さんがアニメーション映画化について決定したってことをツイートしていたらしい。原作の方はインターハイまで進んで山王学園に勝ってそして3回戦で負けて戻ったあたりで終了となったものの、テレビアニメの方は確かそこまでは描かれて居なかった。だったらそんなあたりをようやくアニメにしてくれるのか、それとも「美少女戦士セーラームーン」のように何部作かで原作をまたなぞっていくのか。どっちにしたって一時のバスケブームが静まってしまっている今、過去にどれだけ人気があってもティーンには届いていなさそうな作品でブームを起こせるかが気になるところ。これが盛り上がれば次は「幽遊白書」にリブートか。それはないかなあ。


【1月6日】 いよいよ非常事態宣言が出そうになって、金曜日に開催予定だったイベントの取材がすっとんだりして、いろいろと影響も出始める中で今やってるイベントも中止なり、開場時間や開催期間の短縮なりがあるかもしれないと思ったので、水道橋で開かれている「画業40周年記念企画ゆうきまさみ展」を見物してくる。どんよりとした天候の下で東京ドームシティに来ている人はそれほどおらず、場内も空いていて見やすかったのはまず僥倖。あと場内の原稿とかが全部撮影OKになっていたのは、ゆうきまさみさんのいろいろな人に作品を知らしめたいという配慮からなんだろう。権利関係が面倒そうな「機動警察パトレイバー」だってOKだったし。

 入って立ち並ぶはゆうきまさみさんが手がけて来た作品の主人公たち。やっぱり目が向かうのは「鉄腕バーディー」のバーディー・シフォンだけれど貼ってあったのはリブートされたヤングサンデー版「鉄腕バーディー」からビッグコミックスピリッツに連載が移ってからの「鉄腕バーディーEVOLUTION」に登場するバーディーで、大昔に「少年サンデー増刊」に連載されていたバーディーとは違ってた。頭の中では変わってないって印象があったけれど、どちらも同じ炎の中からぬっと出て来てバチルスに迫るシーンが上下に貼ってあって、古いバージョンだと髪型が当時のアイドルみたいに膨らんでいて1980年代っぽさが色濃かった。人間の記憶っていろいろと美化されるんだなあ。

 とは言え、話が進むにつれて髪型も今のに近づいていった感じ。読み切りで掲載された「幻の潮騒」で春風高校光画部のR・田中一郎が浜辺で投げた粉砕バットを見て投げ返すシーンで、水着のバーディーは髪型も顔つきもそれほど違ってないって印象。表情はそれでも違っているけど、連載開始から2年が経って「究極超人あ〜る」の連載をやるようになって絵がこなれていったって感じかな。ちなみに粉砕バットは場内にしつらえられた光画部の部室に作られた暗室にしっかり立てかけてあった。現像バットはあったっけ。ラジカセと炊飯器が当時っぽさを出していたなあ。当時の光画部員たちも今では50歳前後と僕と同じくらいになっているんだなあ。

 「月刊OUT」に掲載されたガンダムのパロディ漫画を自分が、最初にどこで読んだかまるで記憶にないんだけれど、もしかしたら「悩ましのアルテイシア」の掲載で評判になった1980年3月号は手に入れられなかったものの、同じ「機動戦士ガンダム特集」ってことでどうにか次の1980年4月号を手に入れて、そこで読んだのかおしれないし違うかもしれない。どうだったっけ。場内に原稿が飾ってあって線とか実に達者。同人っぽさもなくプロだなあと思ったけれど、そこから「鉄腕バーディー」まで4年もあったと思うとやっぱり漫画家って大変な商売なんだなと改めて。「バーディー」以後は途切れず連載も続いているからそこは凄い。

 そんな「ゆうきまさみ展」へと向かう電車と買える電車の中で原稿書き。とりあえず記事のために林譲治さんの「星系出雲の兵站」シリーズを読んで、烏丸三樹夫という宇宙艦隊の司令官で少将の人に目を見張る。名前も凄ければしゃべり方も凄まじいけれど、別に立烏帽子で狩衣姿で刀を振るって宇宙人と戦う訳じゃなく、頭脳はで知性を活かして敵を相手にいろいろと画策するところがなかなか深い。クライマックスでも大活躍。ほとんど第2部にあたる「星系出雲の兵站−遠征−」の主人公になっている。林譲治さんも当初から随分と筆が走って動いてしまったキャラクターと言っているから、主人公格になったのは予定外だったのかも。

 だったら誰が主人公かといえば、それも困るところがあるだけにストーリー自体にも変化があったのかなかったのか。個人的には降下猟兵を率いるシャロン紫檀の姐御っぷりが気に入ったけれど、「宇宙戦艦ヤマト2019」で斉藤始が務めていた空間騎兵隊連隊長的な位置づけでメインにはちょっとなり得ない。最後はもうちょっと昇進して役どころも上がって来たけど、その視点からでは敵との交渉から撃退には至らないから難しい。軍人に政治家に民間人が平等に活躍する群像劇にしたかったけれど、思いの外に成田……じゃなかった烏丸少将が走りすぎたって感じかな。

 漫画化なりアニメ化された時のイメージが元ネタになった役者そのままだと、年寄り感が出るかなあと思ってしらべたら、「柳生一族の陰謀」の時で38歳だったのかと仰天。「探偵物語」でも39歳から40歳。昔の役者って若い時から存在感、出してたんだなあ。ほかに北野勇作さん「100文字SF」を読んだり菅浩江さん「歓喜の歌 博物館惑星3」を読んだりしていろいろととりまとめて感性。原稿料いっぱいじゃないけど読み返しに本も買ったので収支バランスはちょっと大変かも。アンソロジー2組に個人の業績が1つで良いんだろうかとも思ったけれど、活動も含めて顕彰する賞だからこれで良いのだ。あとは選ぶ人たちの判断だ。2月下旬が楽しみ。


【1月5日】 大相撲の横綱・白鵬関が新型コロナウイルス感染症で入院とのこと。相撲取りはただでさえ基礎疾患が多そうなので、今はにおいがしないだけで発熱はないとはいっても、静かに肺とかが冒されていないとも限らないだけに詳しい経過を見守りたいところ。誰もが認める史上最強横綱ですら新型コロナウイルスに感染するなら普通の人間が罹らずに過ごすのは無理かというと、そこは日ごろから集団で稽古をして裸でぶつかり合う人たちだけに、感染の機会は一般人よりも多いだろう。

 問題はかかってからどういった経過をたどるかで、基礎疾患はあっても体力面では普通の人をはるかに上回るお相撲さんの、その頂点に立つ白鵬関にもしものことがあったらこれは志村けんさんの時を上回る衝撃が日本のみならず世界に走るだろうなあ。スモウレスラーのチャンピオンな訳だし。初場所だって迫る中でのこの事態は、同じ部屋の他の力士への感染も気になるところではあるけれど、そこからさらに広がる可能性も考えたら中止もやむなしって判断になるんだろうなあ。さすがにリモートで相撲はできないし。こちらも取材予定のイベントが中止になったけれど、相撲関係者もこれから対応が大変そう。どうなるか。

 ああ、これが学徒動員というのだろうか、それとも最前線に叩き込まれるということで学徒出陣に当たるのだろうか、だとしたら第1陣に選ばれた人たちは、神宮外苑の新国立競技場で出陣式を開くべきだろうなあ、それが学徒出陣の恒例な訳だから。でもって結果まで? それはちょっと不吉だけれど、でも新型コロナウイルス感染症という誰がいつ感染するか分からない、そして誰かに感染させかねない疾病のパンデミックの現場に、資格をどうか取得したとはいえまだ学生の身分である大学院生を引っ張り出して投入したら、馴れない作業と緊張でバタバタと倒れては感染するかもしれない。

 教員についても学生を教えるという本文から外れてしまえばそれだけ、教育を受けて現場に投入される若い世代がいなくなってしまうことになりかねない。あとはやっぱりそれなりにお歳も召した方々がパンデミックの現場に行けば、それだけリスクも高くなる。こちらはこちらで赤紙に近いよなあ。学徒出陣に赤紙による予備役の招集は太平洋戦争も末期の日本がとった施策で、そして訪れたのは何だっか。その例に倣えばどこかの都市がまとめてパンデミックとなって全滅の憂き目に遭い、それでも負けを認めず自然免疫を会得しようと全員が罹患、結果として年配者がバタバタと亡くなっていく国家総動員に近い事態が起こるかも。まったく過去に学ばない国だこと。

 テレビを見てないので放送されたか確認はしていないけれど、テレビ東京かどこかでストップモーションアニメーションの「PUI PUI モルカー」というのが放送されたとか。監督・脚本が「マイリトルゴート」が世界の映画祭でいっぱい入賞した見里朝希さんで、絵コンテは見里朝希さんとそれから「澱みの騒ぎ」が毎日映画コンクールの大藤信郎賞を受賞した小野ハナさん、前の2人と同じ東京藝術大学大学院アニメーション専攻の佐藤桂さんが担当。「ポプテピピック」の頃から進んで、いわゆるアート系のアニメーション作家がテレビで活躍する場が広がっている感じ。作品は見里さんお得意のフェルト素材がモルモット感を醸し出している。ネットに上がる感じだから見ていこう。

 浪川大輔さんが出演して声優という仕事について紹介する番組で、「鬼滅の刃」に出演している声優さんといった取りあげられ方がされたらしい。確かにそうではあるけれど、浪川さんといえば他にもいっぱいある当たり役。誰もが知るアニメの誰もが知る役だったら「ルパン三世」の石川五エ門なんかを挙げても良い気がするけれど、今のご時世で誰もが知るアニメってことで、たとえ 鋼鐡塚という顔も出ない役であっても「鬼滅の刃」から名前を紹介したくなるんだろう。

 少し前に押井守総監督に作品「ぶらどらぶ」の発表会でスポーツ紙記者がしていた雑談でも、杉田智和さん花澤香菜さんが鬼滅に出ているから記事としてバリューがあると話してた。それは新聞やテレビといったレガシーメディアが相手にしているマスにとっての認識だから当然とみるか、もはやレガシーメディアもネットに情報を出している中で頓珍漢過ぎていずれ顧みられなくなるとみるか、判断に迷うところ。まあ番組もあくまで「鬼滅」はフックだったみたいだし、こちらが記事を書く身なら何に出ているかで「鬼滅」に出ていると書いた方が説明しやすいとも思うから仕方が無いんだろう。あとはどれだけ役柄に迫れるかってところか。「Fate/zero」のウェイバー・ベルベットから「ロード・エルメロイ二世の事件簿」のロード・エルメロイあたりも主要な役として広まると良いな、ufotabele作品でもあるし。


【1月4日】 やはりどうやら民事再生法を申請して事実上の倒産から閉店セールを行ってたようなドランゴンベアード。1足だけなのはもったいないのでもう何足かと上野の店をのぞいたけれど、目指すサイズはだいたい品切になってしまっていて昨日はあんなにあったのにと、逃した大魚の大きさに運のなさを嘆く。ってそれなら普通に営業している時に買ってあげれば良かったんじゃないかって話だけれど、ドラゴンで和装の素材が混じっていて炎のようなラインはちょっとヤンキーがかって履く機会もなさそうだったから遠慮してた。あと高いし。

 ちょっと前にウルトラマンとのコラボもあって、それなりに格好良かったけれど履いていく場所のなさはレギュラーのライン以上。かといってとっておくほど懐に余裕もないので買いあぐねていた。今回の閉店セールではさすがに出て来ないみたいで残念。そうした中でもどうやら自分の足に合いそうなサイズのものを見つけたので、それを1足とサンダルめいたスリッポンを2足買って1500円(税抜)はやっぱり安いよなあ。昨日買った1000円(税抜)のと足して4足2500円では普段の片足分も買えない訳だし。これも新型コロナ様々ってことは絶対になくって、しっかりとしたビジネスをしていた会社でも一気にダメージを与えることの証明でもある。民事再生法だからどこかがブランドを買い取って再生するのかどうなのか。買った分はしっかり履いて見守りたい。

 新型コロナウイルス感染症といえばいよいよ政府が非常事態宣言を出す方向で検討に入ったもよう。といっても全国ではなく首都圏の1都3県が中心みたい。これだけ感染者が増えていればしょうがないけれど、宣言といっても都県に飲食店の時短を陽性するくらいで、一般の人が会社に行ったり買い物に行ったりするのは止めない感じ。そこまでやったら経済は停滞するのは分かっているけれど、それをいうなら飲食店だってここまで受けてきたダメージがさらに致命傷となりそう。

 要するに4人がテーブルを囲んでマスクをとってくっちゃべりながら飯を食うなってだけのことなんだけれど、それが止められないのがおっさんだとか若者って奴なんだろう。非常事態が解除された夏あたりから通りがかった飲食店は飲み屋もレストランも大勢が集まってマスクをとって平気で喋りながら飯を食って酒を飲んでいる。それさえやめて2人で静かに飲み食いするとか、喋る時にはマスクをするとか守っていればここまで感染は拡大しなかっただろう。それを守らせられない店もちょっと拙いけど、守らない客がやっぱり悪い。そうやって感染して広めていった結果としての今を憂うなら、せめてテイクアウトなりデリバリーで飲食店を助けてやって差し上げて。個人的には仕事帰りの居酒屋の弁当が復活すれば嬉しいかな、量もたっぷりで安かったんだよ。

 気になる映画館の方は今回の非常事態宣言に伴う営業自粛から外れるみたいで、1月8日から公開される「銀魂」だとか同じ日にスタートの「美少女戦士セーラームーン エターナル全編」だとかは大丈夫として、もろに期間とぶつかりそうだった1月23日公開の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」もいちおうは無事に公開されることになりそう。問題は都とかが自粛を要請しなくても、出歩く観客が少なくなるだろうといった予測から劇場が営業を見合わせることで配給もここはひとまず引こうと考えること。もしも劇場で感染者のクラスターが出たらそれこそ一大事っていう判断が働く可能性もあるからなあ。どうなるか。見守りたい。

 映画が無理ならそれこそ何百人何千人が同じ場所に集まって換気も滞る教室で試験を受ける大学統一テストなんかもちょっと無理って話になるけれど、それを止めたら文部科学相も大学も困ってしまうから、政策的な判断から続行を求めることになるんだろう。その延長として映画館も営業せざるを得なくなるといたところかな。しかし参るのは受験生たちか、換気のために教室をあけたら寒さで思考も滞る。それこそ環境の良い部屋でガリ勉してきた受験生が落後して、すきま風の吹き込む部屋でロウソクに火を灯して苦学してきた貧乏学生が良い成績を出すとかいったらドラマだけど。いっそ全員グラウンドに机を並べて外で試験を受けるとか? 風に舞う答案用紙が見えます。

 ファンタジー世界でファンタジー的な約束の上でミステリをやる紺野天龍さんのシリーズ第2弾「『錬金術師の消失」(ハヤカワ文庫JA)をやっと読む。希代の錬金術師が作り上げた水銀に覆われた塔の中で起こる連続しての密室殺人の犯人は誰、ってところに絡む偽錬金術師と隠れ錬金術師と帝国の錬金術師と異端者狩り。島田荘司めいた大仕掛けもあり、ずっと尾を引く陰謀もありと解決後にも余韻が残る。ということは続いてくれると期待。それにしてもエミリアくんはかつての同級生だとか、今の上司のテレサだとかから好かれるなあ。おまけに二人とも優秀な割にどこかポンコツと絶好のキャラ。エミリアくん爆発しろ。

【1月3日】 ウオミーこと英稜高校の生徒会長、魚見チヒロさんのことが「劇場版 生徒会役員共2」を見て気になったので、Netflixでウオミーが出てくるシーズンとエピソードをつまみぐい。いつのタイミングで“お姉ちゃん”になったんだっけ、ってのをすっかり忘れていたので、桜才学園を訪ねてきたり津田タカトシの家で両親がいない間に料理をして泊まり込んだりするエピソードの間で、親戚の結婚式があってそこで出会っていたエピソードにたどりつく。

 親戚といったところで従姉妹ほどの距離もなく、結構遠そうではあるけれど、それでも知っていた人が親戚になるというのはなかなか得がたい経験で、距離感もグッと近づくものなんだろう。それで“お姉ちゃん”と呼ばせるウオミーもウオミーだけれど。そんな「劇場版 生徒会役員共2」がかかっていた昨日のグランドシネマサンシャインではまあそれなりに入っていたけれど、どう見てもずっとファンだった人が多そうだったのでそういう人たちがさばけたらすっと終わっていくのかな。何度も繰り返し見るって感じでもないし。

 一方で「ジョゼと虎と魚たち」の方はSNSなんかで検索すると秒単位で新しいツイートなんかが更新されるようになっていて、じわじわと広がっている感じがする。「ドラ泣き」ならぬ「ジョゼ泣き」だなんてハッシュタグも出来ていて、見て泣いてそしてまた見に行って泣くようなリピーターも増えて生きていることが分かる。誰が主導してインフルエンサーとなって押している感じでもなく、熱いファンコミュニティが出来ている感じでもないのに、自然発生的に口コミのドライブがかかって盛り上がっている。

 ここのところが、元よりの熱いファンが最初から押し上げていた「映画 えんとつ町のプペル」とは違うところだし、アニメ好きの濃いところからこれが終わってしまうのはもったいないといった声があがって巻き返した「若おかみは小学生」とも違って、ちょっと近年にあまり見ない現象かも。知らないうちに中高生の間に広まっていて、一気にスタートダッシュした「君の名は。」に近い一般への浸透の仕方かもしれない。とはいえ規模が違い過ぎるのは、新型コロナウイルスもあって事前の試写会だのキャンペーンだのが出来なかったことが。やっていればそこでの口コミが効いたかもしれないだけにもったない。とはいえ公開2週間でそこまで来たのは僥倖、劇場も手応えを元に上映を維持してここから一気に盛り上がっていて欲しい。ジョゼ好きとして強く思う。

 去年に時事通信社に呼ばれてインタビュアーをやった池澤春菜・日本SF作家クラブ会長インタビューが掲載になったみたいで、1時間ちょっとくらいの時間であれやこれやと聞いて回ったのを今は時事通信出版の社長という職にある武部隆さんがとりまとめてくれた。自分で聞いてそれをテープお越しして構成して書く大変さがなかった分、あんまり仕事をした感じはしないけれどもSFのことやら声優のことやら池澤夏樹さんのことやらを知らないとやっぱり聞けないこともあっただろうから、担当して良かったんじゃなかろうか。ガンプラのことも深掘りしたかったけれど日本SF作家クラブとはちょっと外れてしまうから仕方が無い。

 たぶん1970年の万国博覧会だとか1969年のアポロ11号による月着陸だとかいった、科学と未来がいっしょに来たような出来事でSFという未来を想像して描くジャンルの書き手が放っていた存在感というものはそれなりにあって、コメンテーターとして呼ばれたりコラムを書いたり小説にして表現したりといろいろなところで活躍していた。そんな時代に会長としての制度があったら小松左京さんなりが念頭のインタビューを受けていろいろと新春放談めいたことをしていたかもしれない。「日本沈没」がそうした未来予想的な表現のピークとすると以後、SFが社会と技術と未来にコミットして何かを語ることって少なくなっていった気がする。

 そうしたSFの存在感を今、改めて取り戻すという意味合いでも池澤春菜さんという声優として活動していて書評のしごともいっぱいしていてクッキングでもトラベルでも造詣を持った人が世間の耳目を集めやすい立場でSFの代表として語るこは意味がある。世間が言葉を聞いてくれる。そして今は新型コロナウイルス感染症なんかも蔓延して先が見えづらい状態。SFにも過去何度も書かれてきたような事態を前にSFの想像力なら何が言えるかってことに興味も向くなかで、そうした発言を的確に、そして分かりやすくしてくれる人が会長にいたってことはとても幸運なことだろう。忙しいなで役職は大変だろうけれども残る任期、ってまだ1年半はあるけれどいろいろと発言していって頂ければ、雇われてお話しを伺っただけの自分でも嬉しいと思えるから。期待してます。

 せっかくだからと上野あたりを歩いていたら、ドラゴンベアードって坂本竜馬をモチーフにしたようなシューズのブランドが出している店が閉店セールで1足1000円というバカ安な値段で投げ売りをしていたので、サイズが合うのをどうにか見つけて1足購入する。あとで調べるとここん家は細身だからそういったスタイルのならサイズを少し上げて買うと良いってあったので、結構余っていたそれらを逃してしまったかおって気がし仕方がないので明日また行って残っていたら漁ってくるかどうするか。買っても外出ないから履く機会もないんだよなあ。でも欲しくなる。困ったものです。


【1月2日】 杉田智和さんや花澤香菜さんがそれぞれに超人気声優であるにも関わらず、スポーツ紙の記者は「鬼滅の刃」に出ているという部分でバリューを判断するくらいに、声優はポップカルチャーに関心のないメディアにはそれほど認知されていないんだなあ、ということを「ぶらどらぶ」の取材時に隣にいたスポーツ紙の記者の会話から感じたので、メインではないけど花江夏樹さんや下野紘さんが出演していること、そして明石家さんまがプロデュースしていることで、新作アニメーション映画「漁港の肉子ちゃん」はメディアには取り上げられるようになるんだろう。

 もっとm、そういったバリューが乗ったとして、作品としていったいどれだけ面白くなるのかというところはまるで分からないのだった。よりどころはSTUDIO4℃が制作を手掛けて渡辺歩監督と小西賢一作画監督の「海獣の子供」スタッフが担当しているとうところで、アニメーション的には良いものにはなりそうだとは直感できる。とはいえ、それらの要素のどこが誰に結びついて見に行こうってなるかはやっぱりまだあまり見えない。

 原作を書いた西加奈子さんのファン? 花江夏樹さんのファン? プロデュースをする明石家さんまあんのファン? とても面白かった「海獣の子供」の絶賛組? そのどれもがまとめて見に行く映画になれば良いんだけれど、逆にそのうちの少しづつ見に行く映画になってしまいそうな気もしないでもない。同じSTUDIO 4℃が手がけて吉本興業がスポンサーとなった「映画 えんとつ町のプペル」の場合も、西野亮廣さんという稀有なアジテーターにしてマーケッターが煽りつつ、作品性もきっちり最上だったものの、それらの総合となりえたか、それらの重なりにとどまっているかが気になるところ。そうしあベタな宣伝や煽りはしないで、名前だけを取り沙汰しても動かないと思うけどなあ。それにしても吉本興業、アニメーションにいよいよ本腰を入れてきたか。この後も幾つか出てくるんだろうか。気になります。

 いよいよ1月23日に迫った「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の公開日付が入っていて、記念になりそうなこともあるので池袋のエヴァストアまで行って福袋を買ってみた。最初に新宿に寄ったけれど店頭には並んでなくって、レジにはあったから開店と同時に整理券を配って販売時間でも決めて密にならないようにしたのかもしれない。それならと池袋に回ってみたらこっちはちゃんと並んでたけど、聞くと恒例になっていたパーカーはなし。こうなると去年の赤い縁取りが入っていたパーカー入りの福袋を、買っておけばよかったかもと悔やまれる。

 その分値段も下がっていたから今の懐には新しいし、確実に何が入っているか分かるのも福袋ならではのギャンブルっぽさが薄れるからまあ良いかと納得。とりあえず1つ選んで買ってグランドシネマサンシャインまで運びタリーズで中を確認したら、まずはフランスのブランドとかいうベルトが入っていたけどバックルも本体も樹脂だったりビニールだったりでポップすぎて、いつ使うか迷いそう。あとトラベルポーチも入っていて歯ブラシとか靴下とかミニタオルとか入ってた。

 とはいえ、歯医者通いをするようになって月1で歯ブラシを替えているから今は歯ブラシ余ってるんだよなあ。靴下とポーチは使えそうなので良しとしよう。あとサコッシュが入っていて赤い暴走仕様でこれはトートバッグに入れて分類用の袋として使えそう。首にかける扇風機もあったけど個人的にはあまり使わないからどうしたものか。夏もまた会議がネットで行われるようなら冷房の利かない部屋でネット会議をするときに使おう。

 モノ系はこんな感じで、あとはクリアファイルとか。マリだったのでちょっと嬉しい。衣料はTシャツが2枚でシンプルに黒字で胸にパープルがかかった初号機っぽさを醸し出すTシャツと、使徒がかわいいキャラになった明るい色目のTシャツが入っていたので夏になったら着よう。といってもTシャツはそれこそ数十枚単位で着ていないものが山積みになっているので、下ろす機会も果たしてあるのかないのか。寝巻にするには忍びないし。こういう時にあっさりメルカリとかに流せる人がうらやましい。貯め込みたがる癖はなかなか抜けない。

 エヴァストアで福袋を買ったついでにグランドシネマサンシャインで「劇場版 生徒会役員共2」を見る。だいたいにおいてほとんどにおいておおまかなところすべてすみずみまで「生徒会役員共」であったという。会長はエロいし七条さんはエロいしスズは小さいし横島先生はエロいし畑ランコは盗撮するしムツミは声が小見川千明さんだし五十嵐カエデは風紀にうるさいし魚見チヒロは淡々としつつもやっぱりエロいことばかり。そんな会話が巨大なスクリーンで繰り出されようと、もやっぱり「生徒会役員共」は「生徒会役員共」であって、「生徒会役員共」が見たい人が行けば紛うことなき「生徒会役員共」が見られる映画になっているのでご安心を。個人的には英陵の生徒会新メンバーとなった広瀬ユウが長身でカッコよかった。サクラたんはあれは可愛いのかどうなのか。タカトシの突っ込みはやっぱり相変わらずに冴えていた。以上。


【1月1日】 テレビが映らなくなっているのでラジオで聞いていたNHK紅白歌合戦ではBABY METALが出たりPerfumeが出たりしてどんな演出だったかが気になったけど、ちょっとだけネットに流れているのをみたLiSAさんは「炎」の演出に「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の場面が使われていたそうで、大写しになった煉獄杏寿郎さんが電波を通して世界中に発信されたみたいで良い手向けになったんじゃなかろーか。これが例えば観客も入れての普通の紅白だったら、どういう演出になったか気になるけれどそういう紅白だったらそもそも映画が300億円を超える日本最大のヒット作になったか分からないだけに、その時々で判断するしかなさそう。

 YOASOBIとかいう名前だけは知っているバンドはKADOKAWAが東所沢にオープンさせた巨大な図書館から中継をしたとかで、高く組まれた本棚に囲まれて演奏していた風景はまるで松岡正剛さんの頭の中にいるような感じ。それはそれで知的ではあるけれど、高くまで組まれた本棚をどうやって見るかとかいった部分で図書館としてどうだと思うし、本を出して積み上げた中での演奏も本をアクセサリーとかセットとしか見ていないような雰囲気もないでもないからいろいろともにょる。なんてことを本を踏みつけて歩いている自分が言っても説得力はないか。そんな紅白は審査員を介さず一般のリモコン投票で紅組が勝利。ジャニーズファンの女性が白組に入れるかというと、その時間は紅白を離れて嵐のラストライブとかに関心を向けていたんだろうなあ。そういうものだ。

 そうこうしているうちに年があけても夜の列車は動かず明治神宮も閉めているから初詣の中継はなかった模様。とはいえ川崎大師だとかオープンになっている神社仏閣にはわんさか人が来ていたそうで、長年の習慣を変えるには新型コロナウイルス感染症への懸念はまだまだ定着していないのかもしれない。だから1300人とかいう感染者が12月31日は出て、1月1日も700人を超えてしまった。検査のない三が日はぐっと減るだろうけれど、それは調べていないだけで潜在的に感染者は対数的に増えていって正月明けには1日2000人とかのレベルに達するなんてこともありそう。だってまるで自粛されてないから。どうなっちゃうんだろうなあ、日本。

 だから中国のワクチンが密かに持ちこまれてお金保ちが接種を受けている、なんて話も出てくるんだけれどこれも日本の対策が後手後手で不安になっていることの現れ。中国の対応を批判するより先に日本の拙さを糾弾する方が先なんだけれど、日本凄い教の人たちには中国を悪くいう口しかないみたい。まあ詐欺の可能性もあるから非難しなくちゃいけなく可能性はある。それでも騙される側に騙される理由もあるなら、その原因となっている対策の遅れは批判されて然るべきだろう。またぞろGoToは2月まで継続ってことを正月明けに宣言するとかどうとか言ってるみたいだし、オリンピックも例え無観客でも開催するとか言い出しているし。観客がいないなら選手だっていないんじゃ。そこが分かってないのか分かろうとしないのか。聞いてる方も突っ込めよ。

 まあ今のメディアにそうした根性を求めるのも酷な話か。むしろ政府と結託し俗情を誘って一部の歓心を買うのに必死だから。ってことで読売新聞が中国による世界の優れた科学者やら技術者を招いて国力を高めようとする「千人計画」に日本から44人の学者たちが参加していると元旦早々にスクープ。いやそんなことは分かっていて中国で働いている学者が過去にもインタビューに答えていたりするんだけれど、読売が何か中国の軍事産業に積極的に協力しているようなイメージで記事にしたものだから、売国奴呼ばわりされてこのままでは当人に限らず親族にも危険が及びそう。

 そもそもが日本の学術研究機関が教員を安い給料で研究費もろくに与えず人気すら曖昧にしてコストを抑えようとする政策を長く続けて来たから、これではやってられないと海外に飛躍する学者が多く出て、その行き先として経済発展から技術の進歩も始まっている中国に大金で誘われ、拠点を移す人も出ているって話。対抗するなら日本の研究環境をもっと良くして給与はともかく研究費は与え任期も問わず安心して長く研究できる体制を作るしかない。それをやらず日本に人を縛ろうとするなら、最初から日本に留まらず海外にどんどんと出て行ってしまうだろう。先物買いだって中国なら平気でやる国だから。

 問題はそれだと成果を出せずに若くして放逐される人も出て、使い潰されてしまう可能性があること。結局は国力が下がる訳でやっぱり政治がどうにかしないといけないのに、中国嫌いのライティな層を集めたいのか日本凄い中国悪いのイメージを煽ろうとしている。そうやって夜郎自大をしているうちに置いてけぼりにされるぞ、っていうか既にされているんだ。参ったなあ。そんな中国では習近平国家主席の健康状態がいろいろと取り沙汰されているけれど、どうなんだろう。またぞろどこかの新聞が早とちりして死亡の第誤報とかやらかすんじゃないかと思ったりもするけれど、世界の安定に関わることでもあるし関心は向けていきたい。

 そんなこんなで迎えた2021年。春先のちょっとした気鬱から更新が途絶えてしまっていた読書感想文のページも久々に積み足してみたけれど、それもいつま出続くのか。少なくともこの日記も含めたサイトが解説から25周年となる2月くらいまでは、頑張っていろいろと埋めていこう。それ以後は日記も含めてどうするか。25周年記念で有名人にインタビューをして載せたいとか思ったり、有名人からお祝いの言葉をもらいたいとか思ったりもしても、そういう伝手もなければ相手にメリットもないからたとえ続くとしても、変わらず自意識過剰な年寄りの繰り言が続くんだろう。それもまた人生。2020年に増して大変になりそうだけれど、頑張って1年を乗り切ろう。


日刊リウイチへ戻る
リウイチのホームページへ戻る