縮刷版2019年6月中旬号


【6月20日】 目覚ましはかけておいたけれども気がついたら前半が終わって後半がスタートする時間。FIFAサッカー女子ワールドカップ2019フランス大会のグループリーグで日本代表の最終戦となる対イングランド戦は、すでに1点をリードされていてせめて取り返してドローで決勝トーナメントに進みたいところだったけれど、パスが案外に通らずサイドチェンジのような大きな展開もしないまま、体格の良いイングランド選手にぶつかっていってははじき返され、奪われては追いつけないような雰囲気があって見た目でかないそうもない感じが漂っていた。

 フィジカルの違いだったらそりゃあ以前からあったけれど、そこをスピードとかで突破していったしそれにここまでイングランドもフィジカルが強靱といった印象はなかった。2011年のワールドカップで日本代表が優勝して以後、世界の女子サッカーは軒並み底上げが進んでドイツもアメリカもフィジカルにテクニックを加え、そしてイングランドもフィジカルを乗せてパワーとスピードで戦うチームになっていった。中国も韓国も対等してスペインとかイタリアだって力が入っている。南米には強豪ブラジルがいる仲で、日本の地位はもはや決して上位ではない。

 俊敏性には長けていてもテクニックだと昔に比べて逆に落ちてる雰囲気すらある今の日本女子代表が、そうした国と互角に戦えるってのがもう幻想なんだろう。チーム数が増えすぎたなでしこリーグで戦って無双はできても外国のトップ相手に戦えるテクニックもフィジカルも身につかない、って状況もあるのかな。だから海外に出て行くんだろうけどそこでどこまで学んでも、日本に返せなければ意味がない。それだけの時間もないだろうし。まあそれでも、2点差で納めたところは相手がイングランドだったから。ドイツやアメリカ相手にどこまで出来るか。かろうじて成績で決勝トーナメント進出は成し遂げたので、次に何をすべきか、そして4年後にどこを目指すかを考えた試合を見せて欲しいなあ。当たって砕けろなんてもう千波単だってやらないんだから。

 女子サッカーとえいば、2020年の東京オリンピックでチケットを申し込んだら1次予選の1試合が当たってた。埼玉スタジアム2202での試合で午後5時半から午後10次半ってことは2試合やるのかどうなのか。それだとして8000円は安い方なあ。それでオリンピックに参加できるんだから貧乏な身にはちょうど良いか。本当は女子サッカーの決勝もそしてバスケットボールの決勝も申し込んであったんだけれど、そちらはさすがに人気か外れ。当たっても万円単位と高いから財布に厳しかったからかえってよかったかな。来年に億万長者にでもなっていれば、市場に流れて来たとして買って見に行くんだけれど。そのためにも週末のBIG12億円を当てないと。当てないと。

 ピョートル相手の準決勝、チューズデイが手にやけどをしてしまってギターが弾けなくなる苦境に立たされながらもギターがいらずキャロルのピアノだけで歌える歌を唄ってそれで不安を滲ませ可能性を感じさせて審査員をパスして見事に決勝へ。そんなチューズデイに悪さを仕掛けた犯人も捕まり思い込みの度合いが過ぎての犯行ではあってもチューズデイの優しさ曖昧さも背後にあってキャロルが思い悩んでいたら、そこにチューズデイの家族からの使いが現れ家へと連れ帰ってしまった。

 決勝を前にバラバラになった2人。そして相手はあのアンジェラ。勝てる以前に舞台に立てるかといった問題も重ねてそこにいったいどんな奇跡を繰り出すのか。単純に逃げ出して歌ってアンジェラに勝つじゃあ奇跡じゃない。ってことは母親の選挙に絡んで起こる大事件をチューズデイとキャロルとアンジェラが歌って救う? そういうのもありかなあ。全体に驚きは少なく判ったような展開が多いけど、そういう定番の安心をきっと海外の人は求めているんだろうからそちらを向いての勝負タイトルって位置づけを改めて感じた。それでもやっぱり結末はドカンといって欲しい。それこそスパイク・シュピーゲルがジェット・ブラックを伴い暴れ回るくらいに。そういう世界観、なんだから、たぶん。

 アニメーションのアーカイブについて考えなくちゃいけなさそうなんで、家にずっと置いてあった今敏監督の「PERFECT BLUE」のカット袋を取り出して、何がどれだけ入っててどんな状態かを確かめたら割とあまりくっついてはいなかった。ただ動画とセル画が重なっているというよりは、セル画と動画と背景と設定評とタイムシートがどかっと入ったカット袋が撮影から帰って来てそのままといったところ。これを観ることによってそのシーンがどう撮影されたかは判るという意味で、貴重な資料にはなっている。ただ最近の綺麗なセル画と格好いい原画といった組み合わせによるアーティスティックな顔立ちはしておらず、展示会には不向き。一方でアニメ制作過程を知る資料という意味では貴重なだけに、保存したい気もあるけれど、今の我が部屋の状態だといつかボロボロになってどこかに埋もれてしまいそう。寄贈できる施設、できないかなあ。立憲民主党も反対なんかしてないで。

 ゾンビといっても一種の病気でタンパク質がどうにかなるとかいった感じでワクチンで防げるところを接種率が2割くらいでどこか絵空事のように思われていたそのウイルスに、肝試しめいた場所にいって感染してしまった少年が発症から死へと至る過程で見るいろいろ、体験するもろもろを描いた話が折輝真透さんという人の「マーチング・ウィズ・ゾンビーズ ぼくたちの腐りきった青春に」(集英社)。第4回ジャンプホラー小説大賞で初の金賞を受賞した作品らしい。そうだったっけ。

 イラストレーターのうえむらさんによるイラストはグロいはずのゾンビの世界がちょっぴりキュートせノスタルジックでセンチメンタルな感じになっている。何よりストーリーがだんだんと自分が壊れていくことを見知っている“患者”たちが、最後に人間としての意識を失う前に自分をどうして欲しいかを、伝え合ったりする切なさに満ちている。そしていざ、そういう場面に直面すると予定していたようにはあっさりとは扼殺できず結局はグロく頭をたたきつぶすようなことになってしまう。人間、死ってものを簡単には選べないものなのだなあ。とはいえその時に意識はないのだから気になんてできない訳で、そういう外側の意識と内側の意識の工作する上で、自分というものの存在をいろいろと考えさせられる。自分だったらどうするか、どうなるか。問いたい。


【6月19日】 劇場版のエヴァンゲリオンを作っているスタジオカラーが、夏休みの子どもたちに向けて「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の序と破を見せて回るキャラバンをするそうで、学校関係者に向けて募集が始まったけれども劇場版のエヴァといったらすでに第3作まで出来ているのにどうして2作だけなのか、ってまあそりゃあ「Q」を上映して序と破で盛り上がった少年少女の戦いが、まるっと無駄に終わって世界が滅びる中で救世主だった碇シンジは裏切り者扱い。虐げられた果てにすがるように逃げ出しては渚カヲルと出会い癒されたと思ったのもつかの間、カヲルは使徒となって消滅してシンジは腑抜けとなってアスカや綾波っぽいものといっしょに砂漠を歩く。どこへ向かうかも判らないまま。

 そんなハッピーでもなければカタルシスにも乏しい映画を夏休みの子供に見せられるか、ってことでもあるんだろうけれども個人的には新劇場版では3部作のうち「Q」が最も好きなんで、アスカの格好良さマリのエロさミサトさんの頑張りって奴を多くの人に見て欲しいなあ。それとも2020年に来るという次の劇場版は序と破からそのまま「Q」をなかったことにして繋がる映画になっているんだろうか。だとしたらここで序と破を見せて評判をとっておくってのも手かおしれない。何をやるにも仕込みがあって目的があるスタジオカラーだたし、版権回りと仕切っているグラウンドワークスだからあるいは、そんな意図もあるのかどうなのか。すべては新作が完成して明らかになる。期待して待とう。その次はやっぱり「シン・ウルトラマン」か。

 しかし夏休みに上映というなら本当は、宇田剛之介監督の「虹色ほたる〜永遠の夏休み〜」がベストで学校を回って上映をすることでいつか過ぎてきた日本が持っていた山の自然や子供たちの暮らしを、感じ取って思い出して欲しいしもの。Netflixでいつでも観られるようにはなっているけど、いくら大きくてもテレビのモニターでは映画館のどんなに小さなスクリーンにだってかなわない。そこに映し出されてはきらめき散り躍るほたるたちの光を全身で体感して欲しいのだ。何しろすべてが手描きでCGが一切使われていないというそのシーン。東映アニメーションという今ちょっぴり注目を集めているスタジオが、独特の作画力を発揮していることにも関心が向かいそうだし。企画してくれないあなあ。「マイマイ新子と千年の魔法」や「時をかける少女」がよく上映される野外なんかでも是非。

 三鷹へと向かう用事があったのでついでに立川まで脚を伸ばしてシネマシティで「ガールズ&パンツァー最終章第2話」の極爆上映。最前列だと本当に砲塔から放たれる砲弾の音がズゴガンと響いて撃たれている気分になる。これだけの迫力だといったいどうやって作っているかにも興味が向かう。本物を録っているって訳でじゃないだろうからなあ。間近で観ることによってBC自由学園と大洗女子とのボカージュでの戦闘で、どういった経緯で撃破が進んでいくかもだいたい確認。同士討ちを始めた時点で4両がたぶん撃破となって残り6両で勝てるかどうか、マリー様も考えたんだと思うしそこから突っ走って何両も撃破しているからやっぱり腕は確かだったんだろう。

 でも最初の段階で仲が良くはなっていてもわだかまわりが残っていたところをつけ込まれ、同士討ちさせられるまではやっぱり考えなかったのかもしれない。大洗にBC自由学園のソミュアに似たB1Bisがいたことが計算違いか。逆に言うならそういう配車を考えついて打開策へと持っていった制作陣がなかなか凄い。脚本の人が考えたんだろうか水島努監督の発案だろうか。そういった持てる材料を使って筋立てを作り必然のように描くところが劇場版も含めていっぱいあるんだよなあ。そういうシナリオ上の計算をしてから描いているならやっぱり遅くなって当然か。次の千波単学園との決着ではいったいどういう伏線が勝敗を分けるのか。気になるなあ。でもいつ観られるんだろう。2020年かなあ。エヴァよりは後だろうなあ。生きねば。

 三鷹へと転進する途中で東小金井で降りて知人と情報交換。ボリビアでウニ湖を見に行こうとしていたバスターミナルでちょっとカフェに入って休んでいたところでカメラがはいったバッグを奪われ買ったばかりのニコンの最新型をレンズごと失ってしまった。これは結構な金額。座っていたところを話しかけられ向いて受け答えをしている隙に反対側にあったバッグをすり替えられたそう。ただ持って行かれただけではそこに物がないことに気付くけれど、代わりを置かれると人間、案外に気付かないものらしい。それで生まれる数分のロスが致命的。そこはまあ南米だけあっていろいろと仲介することによって帰って来ない可能性もない訳じゃないけれど、それも運があってものだしなあ。ってか最新型のニコンなんて国内で転売できるのか。マウントだって違うのに。そこはだからe−bayあたりにこっそり出ているのかな。ブラジルとかに持っていけば売れるものなのかな。気をつけよう、って海外なんか行く機会、なさそうだけれど。

 NHKで「この世界の片隅に」が放送されることが決定、8月3日の午後9時からでここから2時間とちょっとの間、誰もテレビの前から動けなくなるだろう。それくらいに見入ってしまう上に、最後の方はもうずっと見続けなければいけない気持にさせられるから。それはカレンダーに乗って淡々と進んでいく展開が、次の日には何があるんだろう思わせるってことなのかもしれない。CMが入らないNHKでの放送ってのがそういう映画の魅力に拍車をかけそう。ここで例えば「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」のPRが出来て映像も流せれば、年末の公開に向けて弾みもつくだろうなあ。実に良いタイミング。8月6日とか15日とかにちょい手前なのもどこか“運動”めいたもの、“儀式”めいた感覚から離れて楽しめるようにした配慮かな。ともあれ万歳。これをきかいにのんさんのNHKのドラマ等への起用もお願い。伏してお願い。

 そんな「この世界の片隅に」の何かと話題になったドラマ版ですずさんを演じた松本穂香さんが田舎のYouTuberというとてつもなく凄まじい役を演じて巣素晴らしい演技を見せてくれた「アストラル・アブノーマル鈴木さん」がDVDとかBDになるそうで、それに合わせてシネマカリテで凱旋上映もあるみたい。可愛らしくて優しいすずさんなんかとはまるで違っていろいろあって田舎に引っ込まざるを得ない女子が塾の講師なんかをやりつつそっちでは割とクリティカルなことを言いつつ家ではスマートフォンを使って動画配信をしていて人気があるのかどうなのか。取材にも来られたけれど訳ありで使えなかったりしてそれで爆発もして東京に行って事情が明らかになる展開。そこで役者としてさらに凄まじいことが判ったけれど、それですずさんなんて純真な役をやって人気が出て固定化されたら嫌だなあと心配していたら、ドラマ版がいろいろあったおかげか今も「アストラル・アブノーマル鈴木さん」を封印作品にしないで宣伝してくれている様子。やっぱり役者はやりたいことをやらないと。そして誰もが驚くことをやらないと。そんな未来へと向かう出発点を改めてこの機会に。


【6月18日】 もちろん「アラジン」が1位となった2019年6月15日から16日の映画の週末観客動員数だけれど、「ガールズ&パンツァー最終章 第2話」も頑張って4位に食い込み「コンフィデンスマンJP」の上に出た。新作では「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」も7位に入って、こちらは観客動員をそうとうにかっぱげる「劇場版うたの☆プリンスさま・マジLOVEキングダム」の6位ともどもアニメーション映画の人気をしっかり確保。そして難解さが言われ始めた「海獣の子供」も前週より下がったものの8位にしっかり入っていて、映像の凄さを体感したい人とか米津玄師さんのエンディングが好きな人がたくさんやって来たみたい。

 とはいえ来週はここに湯浅政明監督「きみと、波にのれたら」が来るからどれかは落ちるかなあ。全部入っちゃえば快挙だけれど。河森正治総監督によるゲームアプリ「誰ガ為のアルケミスト」を映画にした「劇場版 誰ガ為のアルケミスト」はミニシアターのランキングで5位とこれも規模からすればなかなかの実績か。1位に「Fate/kaleid liner Prisma☆Illya プリズマ☆ファンタズム」が来ているのはまあ作品の強さではあるんだけれど、原作付きを敢えて選んで作った上に、しっかりと河森映画であり河森アニメとなっていてビブリオグラフィーに刻まれることは確かな「誰ガ為のアルケミスト」は、観ておいた方がいいと思うのでそういう口コミが出てランキングを保つことに期待しよう。

 部屋の中を整理しようとして整理なんて出来ない状況にありながら、それでも捨てられるものから捨てていこうと枕元、山になった部分を掘っていったら買ってはみたものの着ていないTシャツが50枚くらい発掘された。なんでそんなに買っているのに着ていないのかというと、別に買って着てたりするものがあってそっちはフローとして回り、ストックはストックとして積まれたまま動かないのだった。オシャレ過ぎて着る機会がないというか、当時は痩せててMを買ったら今はLじゃないと入らないとか、そんな理由もあったりする。

 吉祥寺のリベストギャラリーで開かれていたTシャツ即売会とかで買ったものが結構あって、行くたびに1万円くらい使っていたからそれだけで3年で10枚以上は買ったっけ。中には空山基さんのエロい絵とサインが入ったTシャツとかもあるし、これは個展から江口寿史さんの冷蔵庫が冷えているTシャツなんかもある感じ。アニメ関係だと一時凝ってたけものフレンズ関係とかわんさかあって、とっかえひっかえ着ても1週間は軽く保つ。それをローテーションすれば1年だって。いや冬はTシャツ着ないか。

 いっそ並べて売れば売れそうな気もするけれど、それも勿体ない話だし、希望退職という名のリストラクチャリングに乗ったときに今後は真っ当なサラリーマン人生を送る花王製もと買ったスーツの出番がもしかしたらなく、毎日がTシャツという生活がしばらく待っていそうな感じすら出て来たので、そのためにもこのストックの山を取り崩し、フレッシュな印象を見せて紛れ込んでいくことにしよう。さすがに女性美が前面に打ち出された空山さんのは街中着れなさそうだけど。あと「こどものじかん」のヤバいセリフが書いてある奴とか、「インフィニット・ストラトス」のシャルがフルグラフィックでプリントしてあるTシャツとかも。とうかアニメ系で他者の版権禁止とかってあるのかな。いったいどこで仕事するんだ自分。

 気がついたらレアル・マドリー行きが決まっていた久保健英選手が日本代表デビューしたというコパ・アメリカ2019の対チリせんは、地上波でやってた気配がなくてあとで結果を見たら4点を奪われ無得点で敗戦。まあ予想はつくけとキレキレの南米の代表がどこかお客さん気分で参加している日本代表を相手に負けるなんてことはなく、あとはどやって圧倒するかってことでそれを実行したみたい。一方で日本代表は来たるワールドカップ2022カタール大会をにらんで強豪にだって勝てる体制を整えたい。そのために若手をいっぱい送り込んでいるにもかかわらず、大敗となったことでその目的が大敗はしても攻撃の組立を整えようとしたのか、それとも守備を固めようとして失敗したのか、目的が見えてこないとちょっと判断がしづらい。勝った負けたという評目だけでは判断しづらい敗戦。次にどれだけ守りを整え攻撃も生まれるようになるかを観たい。観られないだろうけれど。久保選手は怪我もらう前にレアルに渡った方が良いと思うなあ。

 ライトノベルといったら主人公はティーンでせいぜいが大学生くらいで大人が絡むらな子供も合わさるパターンが多く、その延長とみられがちな小説投稿サイトでもやっぱり若い少年少女が看板を張ったりしているけれどもそんな小説投稿サイトのカクヨムをプラットフォームに、富士見L文庫がオーバー30歳の主人公が登場する小説の募集を開始した。いったいこれはって思ったもののそういえば、富士見L文庫で看板なのは「紅霞後宮物語」でこれなんてヒロインがアラサーのお后様なのに大人気となって売れに売れている。

 あるいは辻村七子さん「宝石商リチャード氏の謎鑑定」で美貌を誇る宝石商のリチャード氏もたぶん30歳を超えている。つまりは富士見L文庫はオーバー30歳のレーベルってことでそれを強化するために募集を始めたってことなおんかも。考えられるのはだからリチャード氏みたいなお見せ系とか大学教授とかサラリーマンとかそういったあたり。そこに絡むのが女性か男性かはともかく大人のドラマなんかが繰り広げられそう。あるいはお店のミステリとか。

 ここにファンタジー設定を持ちこんでエルフだから軽く300歳は行っているんだけれど見た目は10代っていう話を送り込んだらやっぱり嫌がられるかなあ。いちおうはオーバー30な訳だけど。それならリアルに120歳の老人が臨終間際の推理するという話とか? それは面白いか判らないから保留。いずれにしてもライトノベルの読者が上にせり上がり少女小説の読者も上がって大人すなわち同世代が冒険し活躍するお話しが読みたくなっているってことかなあ。一方で若い人はなろうに行く。本流のSFやミステリや冒険やラブコメがいっぱいのライトノベルレーベルも廃れる訳だなあ。


【6月17日】 フリーライターでアンダーセルって大塚ギチさんが運営していた会社で、ギチさんと働いていたこともある野口智弘さんが、転倒による脳への激しいダメージを乗りこえ意識を取り戻して会話もできるようになっていたギチさんに連続インタビューしていた連載が最終回を迎えて、アンダーセルってところができて西島大介さんとかコヤマシゲトさんとかが集まり宮昌太郎さんもいたりした事務所の話を語るかというと、そこは脳がダメージを受けたこともあって語りたいこと、語りたくないことのメリハリが出たり、考えることが疲れたりしてなかかなかにスリリングなインタビューになっている。

 らしいと言えばらしいんだけれど、明快にあれやこれや突っ込み語る語り口とはまた違っているところに、難しさがあってそれをこなしたインタビュアーの食いつきもなかなか凄かった。だからこそのまがう事なきひとつの“遺言”……と言ったら叱られるんだろうか、むしろ存在を言葉という概念にして残してくれたことをここは讃えたい。そんなインタビューの最後も最後で、ネット上に言葉を綴ったところでそれで稼げる世ではない状況について、僕がカクヨムで2カ月半ほど書いていた「平成の4分の3をカバーするウェブ日記『日刊リウイチ』から平成を振り返る」が紹介されていた。

 それなりに時代の証言性はもっていても、それで稼げる時代ではないという状況をギチさんは「ならないよ」と一言。そして「編集部で給料もらってるだけだったろうからさ。大変だよ、紙媒体で生きていくのは」と、現実的に直面している状況なんかを実に完璧に言い当てている。ただ、そこで「そういう時代のなかでどうやって生きていくのかというか、新しい可能性、未来を作っていくにはいいタイミングだったんじゃないの、今回 」とも。所属していた新聞が縮小へと向かう将来において、居場所が確保されていたとは言いがたい状況だったからこそ選んだ転進を、チャンスと見てくれていたんだと思うと嬉しくなる。そんな言葉を引き出してくれた野口さんにも感謝しつつ大塚さんの言を支えにまずは居場所を確保したい。しなくっちゃ。

 舞浜アンフィシアターで日曜日に開かれた梶浦由記さんのライブでは、お題としてミュージシャンたちにプロフェッショナルとは何ぞやって質問があって、メンバーからいろいろと答えがあったけれども気になったのはマニュピレーターの大平さんが答えていた105点を目指すといったあたり。満点からちょい上を出して相手を喜ばせ驚かせてこそのプロ。いきなり倍とかにして出すことはないあたりに精いっぱいではあってもゆとりが感じられる。自分もそうはありたいけれど点数をつけるどころか合格できるかどうかってあたりがいつも不安。それで通ってホッとしても次に来た課題がこなせるかどうかにびくびくしっぱなしだったりする。そんな人間が常に105点を求められるプロの場に立とうってんだからそりゃあ心も弱るわなあ。なので今は日々にしっかりルーティンをこなせる場を探してさすらい中。あるかなあ。

 結局のところベルくんがオラリオに来る前に、いったいどんな祖父に育てられていたのか、その祖父はいわゆるゼウスだったのかといった部分には至らず、故郷を出てオラリオにたどり着いて冒険者になろうとしてその前に、誰か神様のファミリアに入ろうとして苦労する話がまずは描かれ、一方で展開からヘスティアがやって来ては昔なじみのロキと出会ってオラリオでも最大派閥のファミリアを率いていると判って層劇を受け、ヘファイトスのところに転がり込んで怠惰を決め込んでいたら叩き出され、教会の地下室を拠点にアルバイトに精を出していたところに行く当てのなかったベルくんと出会う、といった話が短編2本でまず展開。

 そんな感じに幕間的に、主人公をはじめとしたキャラクターたちの日常だとかちょっと昔が描かれていく大森藤ノさん「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか15」(GA文庫)は、ヴェルフがかつていた拠点で一族にあって誰も打てなくなっていた魔剣を打てることが判って攻められ迫られる中、逃がしてくれた神様がいたことがあかされその神様はもう地上にはいないことも判明。でもってそんなヴェルフが地下迷宮という限定された場所で魔剣を打ってしまったことを認めたヘファイトスが、これなら付き合ってあげても良いよとヴェルフに言おうとしたら自分はもっと修行すると言って飛び出していき、告白できず仲良くなれずに歯がみする姿が描かれる。

 いろいろと人間関係を整理しつつ改めていくような短編が表裏で描かれていくようなストーリー集ではベルをずっと見守っているギルドのアドバイザーでエルフのエイナの過去がなかなか壮絶というか、新任となって受け持った冒険者のことごとくがダンジョンから戻って来られないような境遇となっていく。つまりはどこか死に神然とした存在だけれど、そうした評判が立てられる前にちょい、引退気味だったかどうかしていたところに現れたベル・クラネルという少年のどこが気になったか、アドバイザーとして面倒を見ることを決断し、そして他が最高でも半年は保たないといった賭けを勝手にやる中、ひとり頑張ってサポートをしてアドバイスも重ねベル自身の強さもあって一人勝ちするエイナ・チュール。彼女もベルくん好き好きチームの一員なんだろうか。

 ほかに春姫という身を売らないけれども遊郭めいたところにいたという不思議な経歴の持ち主が、夜ごとにベルのところにいっては落ち着かせようと本を読み、手を繋いでいたりするし、カサンドラという予知夢を見ることがある、かつてはイシュタルファミリアにいて、崩壊碁はミアハ・ファミリアに移った少女もどうやらベルに好意を抱き始めているよう。それで最初の仲間でもちろん関心を失わないリリルカ・アーデから警戒されている上にあのリュー・リオンまでもがベルにフラグをおっ立ててしまった感じ。ダンジョンから戻る途中から真っ当に顔をみようとせず、働いている酒場にいってもベルトの顔合わせを避けるようにしてくるくる回るものだからスカートがぶわっと浮かんで黒いストッキングの脚が見えてしまう,なんて描写があってイラストもある。

 このシーンははいつかアニメーションでも見たいけど、第2期でもそこまでは行かないだろうなあ、せいぜいがイシュタルファミリーかアポロン・ファミリーかソーマ・ファミリーあたりとの関わりまでだろうから。自身の本命はアイズな訳でいくら好かれても困るだろうけど、選ぶとしたらカサンドラかリリかリューかヘスティアか。やっぱりアイズ? その出自に何か謎めくものが浮かんでいか次巻。「ソード・オララトリア」が重なってくるようになるのかな。小説版、追い続けたい、でも完結はお願い。


【6月16日】 2017年に「夜明け告げるルーのうた」がクリスタル賞に輝き、「この世界の片隅に」も審査員賞を獲得したりして日本のアニメーションがアヌシー国際アニメーション映画祭の場を席巻した印象が広がって、そして今年は長編コンペティション部門に湯浅政明監督「きみと、波に乗れたら」が入ってそして原恵一監督「バースデー・ワンダーランド」と櫻木優平監督「あした世界が終わるとしても」も入ってなおかつ、映画祭で日本のアニメーションが大特集された流れで日本の作品がクリスタル賞でも審査員賞でも受賞して、日本に凱旋を飾る構図なんてのを予想してしまったけれども結果は落選。週末公開の「きみと、波に乗れたら」の宣伝を担当している人たちのガッカリ感もきっと相当なものだったんじゃなかろーか。

 もしかしたら受賞できる、って思っていたかもしれないし雰囲気として受賞しても不思議じゃない感じではあったけれども考えてみればアヌシー国際アニメーション映画祭で日本の作品がクリスタル賞を受賞したのは高畑勲監督の作品以来、22年ぶりといった快挙であってそれ事態が珍しいことだった。本来アニメーション映画祭はこうした商業作品というよりは、個人のクリエイターが技法と思想を込めて作り上げる芸術性の高い作品を評価して世に送り出すのが一義であって、そうした作品に比して商業性があっても芸術性もあるという判断で、日本の作品が選ばれることもあっただけ。だとしたら今回は「I Ost My Body」というジェレミー・クラパン監督の作品が、受賞するのが流れとしては当たり前だったのかもしれない、って観てないからどういうメッセージ性があるかは知らないけれど。

 渡辺歩監督の「海獣の子供」が出品されていたコントラシャン部門は聞こえてくる評判が良かったギンツ・ジルバロディス「Away」が受賞。不時着した飛行機から降りた青年が見知らぬ土地でサバイバルをするストーリーはきっと緊張もあるし、世界の大変さも現しているんだろう。とはいえ映像の斬新さ、革新性は負けてはいないのだから審査員賞とか観客賞とか欲しかった気もするけれど、そちらにも引っかからず。それは長編コンペティション部門の3作品も同様で、ほか学生だとかも含めた日本からの出品作品、日本人が絡んだ作品はどれも受賞を逃した。日本大特集をしていたんだからそっちで充分広まった、なんて判断でもあったのかな。

 映画祭がコンペティションであると同時にマーケットでもあるとするなら、そこに持っていって見せられたってだけでひとつの意味はある訳で、あまり考えすぎない方が良いのかもしれない。ただメディアは海外で大人気といったお墨付きを欲しがるもので、アカデミーションに続く看板としてアヌシーに気付いてアニメーションの喧伝に用いたがる癖がつきかけていた。そこに製作側も乗ってアヌシーに日本の商業作品ばかりを推したがると、本当に作られている個人の芸術性も持った作品が目立たなくなる気もするので、そんな辺りの塩梅をききんとやって欲しいもの。だってこの国って、山村浩二さんがアカデミー賞にノミネートされても加藤久仁生さんが受賞してもその後、宮崎駿監督らと並ぶスターと世間は喧伝してくれないから。

 そんな風潮がどうにかなる時は来るか。来る必要はないけど来たら来たで嬉しいものの、やっぱり来ないような気がする。でも、商業との垣根が低くなって相互交流も進む中、せめて専門誌あたりはインディペンデントのクリエイターを追いかけてほしいもの。今回、学生から東京藝大院アニメーション専攻のしばたたかひろさんとキヤマミズキさんという、修了制作展で観て凄いと思った2作が選ばれて行った訳で、受賞よりもそこをまずは喧伝して日本のインディペンデントも頑張っていると世間には思って欲しいなあ。そうやって壁が崩れていった先にメディアも視聴者も気持を切り替え、面白くって凄いアニメを取りあげ作り見せるようになっていくだろうから。

 なんてことを明け方の気落ちもしそうな中でTwitterでの受賞作紹介を見ながら考えてそして朝になったのでイオンシネマ幕張新都心のULTIRAスクリーンを使った9.1chの「ガールズ&パンツァー最終章 第2話」を見に行く。初日は遠目だったし何が起こっているか追いかけられなかったところもあったけど、2回目となるとボカージュでどういったた戦いが行われてマリーをセンターにしてエスカレーター組の押田、受験組の安藤が迫る大洗女子学園の戦車を退け撃破しダメなら自らぶつかってでもマリーを守ろうとする動きがはっきり判って、あいつら結束したらとてつもなく強いんじゃないかと思わせた。マリーだって機敏に動いて決める時は確実に決める。まるで大洗女子学園の角谷杏会長なみの決定力。なおかつ本気でやってるから強いだろうなあ。来年があれば。あるのか?

 そういえば知波単学園を引っ張る西絹代って声が瀬戸麻沙美さんで、同日に始まった「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」に登場する桜島麻衣先輩の声も瀬戸さんとうダブルのブッキングで、いったい舞台挨拶はどっちに行ったんだってちょっと思ったけれど基本、「ガールズ&パンツァー最終章 第2話」はあんこうチームが回っていたから瀬戸さんの出番はなかった感じ。だったら「青ブタ」での舞台挨拶で瀬戸さんはガルパンと西体調の君子ならではの豹変ぶりについて何か語ったのか。いつもの調子で吶喊と言ったのか。ちょっと気になる。そうした壁を越えての連携が共にアニメを盛り上げるんだから良いじゃないかって思うのだ。それにしてもポンコツだった西隊長があんなに……。すべてはやっぱり西住みほとの共闘のおかげか。それによって強くなった知波単にサンダースにアンツィオにプラウダに聖グロリアーナに黒森峰に継続。そこに立ち向かって大洗女子学園は勝てるのか、って戦える相手はあと2校。どこになるかなあ。

 今日はこれで当面のライブ行きは終了かな。スペースクラフトプロデュースを退社してからたぶん初めて行った梶浦由記さんのライブ。申し込んだ時は気にしてなかったけれどもインスト曲がメインの内容で1人だけ歌姫が入って歌詞のない歌声を楽器として響かせる感じのライブで、鳴り響くプロミュージシャンたちのサウンドをじっくり聴けた。梶浦由記さんは事務所は変わってもミュージシャンはそのままで演奏的には超安心。マニュピレーターも大平さんだし。

 そしてアンフィシアターは半円形で元々がシルク・ド・ソレイユを演じるためのシアターだから天井が高く、隅々へと音が届いて上段にいても聴きやすい。会場全体が音で満たされるような空間でとても良い演奏を聴けた。楽曲についてはインスト系でタイトルがあってもよく覚えてられないから、エルガザドとか花子とアンとかまどか☆マギカとかの楽曲が鳴っていたということだけは報告。アニメべったりという感じではなかったかなあ。花子とアンで印象的な音を響かせていたのがイーリアンパイプで、それも今回また登場した。

 かつて1度だけ、東京国際フォーラムで開かれた花子とアンの楽曲演奏会に登場して不思議な音色を効かせてくれたことがあったけど、その時と同じ人が登場してちょこんとすましながら脇で空気を送り袋から空気を押し出してリードを振るわせ演奏してみせていた。やっぱり不思議な楽器だ。驚いたのはチェロの人がトランペットを吹いたことでそれもソロでとても上手い。ハイトーンの連続を短く吹き鳴らすという技を何でチェロの人ができるんだ。これはなかなかのものだった。そんな梶浦由記さんのライブは以後もいろいろ続くみたいで、歌姫が並んだいつものライブもあるみたい。行きたいけれどもインストライブとは感動も違ってくるから今回は遠慮、しようかな。


【6月15日】 寝つつ起きつつ見たFIFAサッカー女子ワールドカップ2019フランス大会で日本とスコットランドとの戦いはまず岩渕真奈が今大会で初の日本代表によるゴールを決めてそしてもう1点をPKで菅澤優衣香が奪ってリード。けれども途中でミドルを綺麗に決められ1点差まで迫られ同点にされたら決勝トーナメント進出もあわやと思われながら、どうにか逃げ切って見事に勝利を得た。これでスコットランドを上回りイングランドに続くグループ2位。決勝トーナメント進出の目が見えてきた。

 これでグループリーグ最終戦となるイングランド戦に勝てば文句はないけど、負けて勝ち点が4に止まった時、アルゼンチンがスコットランドに勝ってしまうと勝ち点が並んで得失点差か何かの勝負になる。3位でも決勝トーナメントに進める枠がないなら、是非ともイングランドに引き分けるなり勝って欲しいもの。力はあるんだから出来ると思うけど、優勝した時だって別に世界で圧倒的だった訳ではなく、実力がきっ抗していただけ。その実力がどこも底上げされている現在、ちょっとしたミスでも得点を奪われてしまうから気が抜けない。どんな戦いを見せるのか。横山久美選手の登場はあるのか。今度は起きてしっかり見たい。見たいけど……。

 そうやって眠りつつ見てまた眠ってそして、目が覚めた明け方にふと我に返って、いかに自分が会社という場所に依存していて、そこでの時間を生活というものに組み込んでいたかに思いが至る。寝て起きて読んで見るだけの部屋には家庭はなく、従って生活もなく、そこをこそ我が内ととらえ、仕事を外部と割り切る気持が育まれないままずっと来た。いつか会社も含めて我が内と捉え、自分が楽な状態であることを望んで過ごすようになっていた。会社にいることが生活になっていた。そんな会社を離れて、生活の場がガラクタでぎっしりに埋まり、自炊もできない寝て起きるだけの部屋に縮まってしまって、自分はこんな状況になっていたのかと気がついて、どうしたものかと今さらながらに途方に暮れている。どうしようもないのだけれど。ガルパンを見に行こう。

 そして見た「ガールズ&パンツァー最終章 第2話」については、第1話から戦っていたBC自由学園はなかなかやるし、次に対戦するところもすっかり戦術を変えてきてやっぱりなかなかやる感じ。こちらの戦いも大洗と対戦相手のどちらかが窮地という感じではなく、余力を残しつつ最終決戦へと向かうといったところか。BC自由学園相手に見せた作戦力が発揮されると良いけれど、相手も知恵者がいそうだからなあ。真っ向ぶつかり合いからの勝負にやっぱりなるのかな。大洗女子学園は何両が失っていて相手も同様。かといって与しやすくはないからやっぱり死闘と知恵比べが繰り広げられるんじゃなかろうか。

 そんな2戦の幕間にボコミュージアムが復活して登場して夢の国から来たようなアトラクションのだいたいが綺麗になっていたけど西住みほと島田愛里寿の他にお客がいないような。繁盛しているのか。そんな島田愛里寿が飛び級した高校に編入するらしいけれどそこでみほと戦いたいといったところでみほが微妙な顔を見せたような気がしたのは、ボコ好きとしていっしょに戦いたいと願ったからか、それとも戦えなくなる事情が別にあったりするからなのか。前者と思いたいけど次の戦いなんてあるのかなあ。あってみほ3年生の全国大会。そこまで引っ張れるのかアニメーションを。引っ張れても10年はかかりそうだなあ。第3話がいつかって発表、なかったし。いつんだなろう? 2020年冬あたり? 気の長い話。でも生きねば。

 コンペティション部門に日本から湯浅政明監督や櫻木優平監督や原恵一監督や渡辺歩監督の作品が出ていたりするアヌシー国際アニメーション映画祭だけれど、日本からはほかにも若手の作品なんかが出ていたりするようで、坂本サク監督がひとりで作った「アラーニエの虫籠」なんかも3度ほど上映されては喝采を浴びていたりする様子。日本では去年のうちに公開もされてはいても、それほど大きな話題にはならなかったけれど、海外での評判が逆輸入されて爆発するケースもあるだけに、何か賞とかもらえると面白いかも。賞とかもらえる部門に出ていたかは判らないけど。花澤香菜さんが声を演じていてもそれで爆発したって訳じゃないから、アニメは声優だけで引っ張れるものではないってことでもあるんだろう。面白い役なんだがなあ。

 最前列の1番隅っこが1席だけあいていたユナイテッドシネマ豊洲で『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢をみない』。テレビシリーズが超絶大ヒットしたって印象はないしライトノベルが世間の話題になるくらいに爆売れしているって感じでもないけどしっかりと浸透してそれなりの実績を挙げてこの規模の興行だったらキャパオーバーになるくらいの人気を持っていることは伺えた。あと一般女子とか結構いそうな気がした。それを泣ける映画として受け止めていたような印象も受けた。

 個人的には取り返しの付かない時間を改変して万歳という、ある意味でド鬼門なテーマで諸々浮かぶこともあったけれども、取り返しがつかないと感じているのは今であって未来は判らないならそちらでどうにかするしかないとも改めて思わされた、ということにしておかないと心が落ち着かないのでそうする。どっちにしたってその通りな訳だし。

 んで内容はテレビシリーズを見ておくなり、原作を読んでおくなりしておかないとさっぱり判らないといったところか。思春期症候群なる現象があってそれで消えてしまいたいと願った先輩が消えてしまいかけていて、それを証明するべくバニーガールの恰好であちらこちらに出没しては、時折認識できる人から野生のバニーガール呼ばわりされていたのを見つけた高校生の男子が1人。そして交流を持ち付き合うようになって先輩の妹とかも絡む展開の中、かつて七里ヶ浜で出会った女子高生がいて、進められて今の通っている高校に進学した経緯があった。

 それから3年。心臓の病気を持った少女と知り合いになった主人公だけれどその少女がなぜか時々成長した姿で現れる。それも思春期症候群? って理解だったのがだんだんと事情が浮かび上がって選ぶに選べない洗濯を主人公に迫る。誰かを救いたければ誰かを犠牲にする。だったら自分が犠牲になる? それでは誰かが悲しむからやっぱりダメだといった渦巻く選択の中で、進んだ道に対してわき起こる諸々の先に道が示される。それは……。量子論による認識の問題なんかが含まれていて青春ラブコメに見えて結構SFだったりする「青ブタ」シリーズ。この劇場版「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」もSF的なアイデアが持ちこまれて時間と経験の問題に挑む。

 起こらなかったことは知られなかったこととして消えてしまうのは寂しいか。いやそもそも寂しいという感情すら浮かばない寂しさを外部から眺めて寂しいと感じさせるところがやっぱり心に響くんだろう。そして来るその時。どうして? ってけれどもそれもまた思春期症候群の成せる技なのかもしれない。どこかで誰かが永遠に観ている夢の世界、だったりするのかな? 派手さはなく淡々と進みつつジワジワときいてくる選択の厳しさ。そして起こった事態にどうしようもなさを感じるその感じを今まさに味わいながら、SFに頼らず未来を変えるために何をすべきかを考える。というかそれしか道はないのだから。


【6月14日】 東京おもちゃショー2019ではタカラトミーが「とびたて!オウリー」だとかいった名前の玩具を出していて、お世話をしたら卵からかえる玩具がしばらく前に流行ったのにあやかって、次はお世話をしたら飛び立つ鳥の玩具を投入したって感じ。その飛び方がまた面白く、予想だとぬいぐるみが羽を広げてばっさばっさと飛び立つビジョンが浮かぶけど、オウリーは体が分かれて中からプロペラのようなものが飛び出して、それが回り始めて宙に浮き、そこから地面すれすれに動いて着地する。

 上手く着地するそうだけれど家の部屋とか物がおかれていたら激突して落下するかもしれないなあ。そういう意味では広いリビングや子供部屋のある外国の玩具といったところだけれど、日本だって田舎にはまだまだ広い部屋のある家がたくさんあるからきっと大丈夫、都会でも飛び上がった時点で捕まえるようにすれば部屋を暴れ回って壊さない。って思うけれども回転するオウリーからは離れなくちゃいけないみたいなんでそこは野放し。いっそ手に捕虫網でも持って待ち構えて回収するとか? それもまたひとつのお世話の形ってことで。

 キャラクターではやっぱり「チコちゃんに叱られる!」のチコちゃん関係がいっぱいあって、ブランケットにナノブロックに拡声器にぬいぐるみと諸々の展開があった。「だんご3兄弟」みたいに玩具が出た時点で流行が終了って訳ではなさそうなんで、そこは安心して乗れるのかも。声を使った玩具の場合の声の使用料は声の人に入るのかな。メガドライブミニとは別にアーケードのゲーム筐体をミニチュアにした「パックマン」とか「ギャラクシアン」なんかもあって大人が小さいスティックを握ってピコピコ楽しんでた。ちゃんと画面も再現されてて遊び出はありそう。でもやっぱり小さいから大人はハヅキルーペ必携かも。

 気怠さとクールさで熱く激しく突っ走っていくアライさんを飼い慣らしつつ引っ張っていった「けものフレンズ」のフェネックを、演じて見事にそのキャラクターを作り出した本宮佳奈さんがアライさんの小野早稀さん、サーバルの尾崎由香さんと組んでた形になってた「どうぶつビスケッツ」および「けものフレンズプロジェクト」を卒業すると発表。つまりはオオアルマジロも含めた「けものフレンズ」のワールドからいなくなってしまう訳で、ある意味で人気の立役者でもあった声優さんが、こうした去就に至った背景めいたものをあれこれ妄想して寂しくなる。

 というか7月にあるという「けものフレンズPARTY」から先にいったい「けものフレンズ」の何が始まるというのだろう。ゲーム「けものフレンズ3」がスタートするといってもそれは手のひらに収まるスマートフォンの中であって、テレビというメジャーな媒体を通してアニメーションが放送されない状況で、なかなか広まりはなくむしろ縮まっていきそうな予感。誰もが認めざるを得ない大人気を博した第1期「けものフレンズ」のあの喧噪、あの賑わい、あの広がりが例えば例の9月25日の衝撃を経ず、続いていたら「どうぶつビスケッツ」はそれこそ紅白歌合戦にも出たかもしれないし、さらに大きくなって夏フェスなんかを席巻していたかもしれない。

 たとえ監督の交代があったとしても、そこが穏便に行われていたとしたら違う形での展開もあったかもしれないだけに、あの時、どうしてああいった表現でもって“決別”が測られてしまったかをここはやっぱり気にしたくなる。あれさえなければ……って悔やんでも起こってしまった過去を取り戻せないのは我が身が存分に味わっている。それでも次善の策をとれば何とかなったかもしれないけれど、2期ではフェネックにアライさんではなくオオアルマジロにオオセンザンコウ。いっぱい出てはいたけれどそれは元宮佳奈さんが作り上げたフェネックではなかったんだよなあ。センザンコウもアライさんではなかった。その断絶も味わったのが理由になっていたとしたら変えた力、変えざるを得なかった事情がどうにも悔しい。サーバルはサーバルとして残れたのに……。

 そのサーバルも事務所を響から大手の研音へと移ってグラビアを含めた尾崎由香としての露出が増えていきそう。いつまでもサーバルとしてユニットの1人に過ぎない「どうぶつビスケッツ」に出てくれるとは限らないから、その意味でも活動としてのギリギリのところに来ていたんだろうなあ。それともちゃんさきがアライさん1人で「どうぶつビスケッツ」を支えていくとか? ひとりになってもはちきんガールズな感じで? それもまた寂しい話だからここは継続を前提にフェネックが抜けた穴を別の誰かで埋める、ってのが手なんだろうなあ、ってことでカラカルが来るのか。いつかの葛飾シンフォニーホールでの「どうぶつビスケッツ」だけのライブにも混じっていたし、世代交代って奴で。思惑に乗せられているのかもしれないなあ。

 この熱の中を部屋に籠もっていると煮えるんで船橋総合病院から立ち寄った船橋西図書館で3時間ばかり過ごした後、市ヶ谷にある東京アニメセンターinDNPで「PSYCHO−PASS サイコパス資料展 2112→2117 / 2120」。昨日に内覧の案内はもらっていたけど載せられるか判らなかったし東京おもちゃショー2019の取材も重なっていたのでパスしたのだった。印象としてはとりあえず最新の3部作「PSYCHO−PASS サイコパス Sinners of the System」からのあれは原画だろうか、それも割とキャラクターを推しで表情の良い物を選んで掲出している感じか。
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 例えば霜月美佳監視官のそれが自分の仕事だということに決まって「うおしゃああああ」とやるなあの表情とか原画の線画によって間近に診られてなかなかキュート。唇の形がどうとか指示も入っていたりとそうした流れであり要点を合わせて見られるところに、ただキャラクターのベストショットを飾りパネルにして置いて良しとはしない意思が感じられた。六合塚弥生と女医の絡みの場面もなかなかにボリューム感があったなあ。もちろんシリーズは振り返られていて、入ってすぐのところは多分「PSYCHO−PASS サイコパス」シリーズが始まる時に描かれたキャラクターたちのイメージスケッチ的なもの? 常守朱監視官の表情とかまだきゃぴっとしていて印象が違ってた。

 そこから初期の原画へと流れ映像の上映室があって脇にアフレコ台本にいろいろと赤入れとか奥にまた設定画とか。そういう意味ではファンのためのキャラクター紹介に止まらずアニメーターのための資料館的展覧会になっているから見ればテンジンの変わる表情の変わり方とかとっつぁんの決め顔の格好良さとか学べそう。ただやっぱり顔が多いからアクション作画はまた別の機会で。まあキャラが好きな女性ファンが金曜日なのにいっぱい来ていたからその意味ではマッチしたセレクションと言えるかも。結論として充実。クリアカードは唐之杜志恩だった。そのクリアカードとかポストカードもキャラクターの原画が活かされているところが面白いかも。アップの顔で緻密に描かれそれだけて“絵”になり得るからこその商品化ってことかなあ。勉強になりました。


【6月13日】 GGKの前回に続くパフォーマンスに急遽、楽曲を変えろとアンジェラに言ったタオのその理由が勘だというのは彼が決してAIにだけ頼り切りのアーティストではないという証明か、それとも直前に聞いて気になっていたAIをまったく使わないキャロル&チューズデイの生き方に影響を受けて直感というものに頼ってみたくなったのか。どこから影響が始まっていてどこまで広がっているか。想像もつかないけれどいろんな影響が及びあって混ざりあって少しずつ、世界が変わっていっている感じはある。

 その結果としての奇跡の7分間? っていうかそれが未だ判らないんだよなあ。消えてしまったシベールに絡むことだろうか。あけた箱から噴き出す冷気のその奥にいったい何があったのか。テロか何かか。それを全員が止めるのか、歌で、ってそれじゃあボンズじゃなくてサテライトになってしまう。ともかくキャロル&チューズデイがちゃんと準決勝を歌うかが目下の関心事。ピョートルは相変わらず喋れば蒼井翔太なのに歌うとやや低めのボイスが響くシンガーになってしまうんだよなあ。蒼井翔太を使いたいがあまりのミスマッチかなあ。

 船橋市と千葉県の住民税の納付通知書が届いて、まあ金額的には前年の収入からそうならざるを得ないと判ってはいたけれど、今の収入からすれば相当にキツい上にそんな前年の収入を見て、業界標準的には多くはなくてもそれなりな金額だった訳でそれをなげうってまで苦労すべきだったかどうか、って考えた時に浮かぶ気鬱の種をどうにかこうにかクスリで押さえつける。2年くらい不遇をかこっても必要だからと呼び戻された可能性、最初からトバされるたんてことなく路線を保っていられた可能性、押し込まれた挙げ句にふたたびみたびのリストラで放り出された可能性といろいろあって良い方を選びたがるのは人間の業。そこで嘆いてくよくよしても始まらないんだと決めるしかないんだろうなあ、って言えるのもクスリが入っているからで、切れるとやっぱりしまったと嘆くんだ。それもまた人間の業。

 泣いていても仕方がないんで起き出して東京ビッグサイトへ東京おもちゃショー2019を見物に行く。といってもなぜかメインが家庭用ゲーム機というのはあのセガによるメガドライブミニが展示されていたからで、なおかつ触れるとあって試したもののドリームキャストでアドベンチャーとレーシングゲームばかりやってた人間に、メガドラのゲームが判るはずもないから適当にテトリスをプレイしてお茶を濁す。新しく搭載されただけあって綺麗だしサクサク動いて気持良い。「ダライアス」もきっとすなんだろう。従来からのゲームは前の絵がそのまま使われているからハイレゾな感じはしないけど、ブラウン管じゃないから綺麗は綺麗か。

 やれば相当にやり込めそうなゲームばかりで、それが40本も入っているんだから1年だって3年だって遊んでいられそう。どうせ仕事もないなら毎週1本とかのペースで極める修行でもひきこって始めようか、なんて思ったものの液晶テレビでありながらHDMIの接続端子がついてない旧型なんで「メガドライブミニ」はたぶん接続できないんだっけどうだっけ。あとはやっぱりこれから夏で暑くなる部屋で熱くなるゲームなんてやったら確実に命が縮むから却下だ。ただ印象としてコンパクトさの上にカタマリとしての雰囲気はプレイステーションクラシックよりも上かなあ、そういう意味ではメガドライブはクールなゲーム機だった。アメリカでは買ってたんだよなあ任天堂のスーパーファミコンに。それがどうして。そこが歴史なんだろうなあ。

 今年は1階がタカラトミーグループで4階がバンダイグループの年だったので10時からのHIKAKINが登場する発表会のために4階へと上がり午前10時の会場とともに受付を済ませてからバンダイブースへ。基本はキャラクターものがいっぱいだけれど、段ボールを丸く切り抜いて弾をいっぱい作った上で、カートリッジに重ねて入れた上でこちらも段ボール製の銃にセッティングをして引き金を引くと円盤が飛び出していく遊びとかがあってちょっと楽しそうだった。NINTENDO Laboに触発されたんだろうか。現実に段ボールを探すとなると一般家庭って実はあまりない気もするのだった。Amazon依存の家なら別か。

 あとはジオニック社がモビルスーツの開発をするって触れ込みでザクのロボットを出していて、組み立てて脚と抱えてプログラミングとかして楽しむらしい。ベースになっているのはどうやら近藤科学の二足歩行ロボットで、どういう展開で販売するかはちょっとまだ判らなかった。パートワークにするのかなあ。製品で買って10万円くらいなら遊んでみても良いけれど、いずれにしても我が家に置く場所も作る場所もないのだった。大昔はそれこそ床に座り込んでガンプラを作る余裕があったのに。いつから床が見えなくなったんだろう。きっとその頃から社会性って奴を失って神経を痛めていたんだろう。家族とか友人とかはやっぱり大事だなあ。遅いけど。

 そんなバンダイブースというかバンダイスピリッツすなわち青バンダイのコーナーに究極ともいえるガンダムの模型が。ガンプラじゃなく完成品のフィギュアってやつで高さが37センチあって値段も10万円前後。それで作られているのが「METAL STRUCTURE 解体匠機 vガンダム」ってんだから恐れ入る。いわゆるファーストとか人気のゼータとかじゃないところから持ってきて、それをどこまでもリアルにするために2000だっけ、とてつもない数のパーツを作って組み上げた。素材も金属に限らずいろいろあるから、本物感は超合金とかよりはるかに上。つまるところはリアルなガンダムをミニチュアにして組み上げたってことになる。玩具じゃないんだ。

 なかなかに手間がかかっていそうだけれど、そういう道楽をしてもきっと買う人がいるからこその事業家なんだろう。少子化で女児男児向け玩具が細る中、バンダイが青へと傾注するのもよく分かる。でも100体は出たって1000万円。そんなロットじゃ商売にならない訳でやっぱり定番として長く女児男児の入口になり、それが大人になっても続くくらいの“定番”をやっぱり作っておくべきだったかなあ、バービーをマテルと組んで売り出してもも続かなかったし。あるとしたら「たまごっち」か。20年以上が経ってなお健在というのはバンダイでも異例の玩具かも。あとはガンダムの全方位化。それは進んでいるからプリキュアの高年齢化に向かう?

 HIKAKINさんが登場するのにあんまりメディアの数がいなかったのは、玩具というマーケットにおいてそれほどHIKAKINさんの影響力がないからなのか。いやいや子供たちの間では今の絶大な人気を誇る人だから、メディアの理解がそこに及んでないってことなんだろう。そんなHIKAKINさんが初コラボレーションした玩具はボタンを押すと声とかBGMとか効果音とかが流れてHIKAKINさんの配信番組を自分でも作っているような気になれる。実際に使って映像を作って配信する子供とか出てきそう。そういう子ども達にやがてナンバーワンの座を追われたら果たして本望か。YouTuberの広がりって意味では喜びか。もう充分稼いだだろうし、良いんじゃない?


【6月12日】 「ガールズ&パンツァー」とか「マクロスΔ」でパッケージメーカーから宣伝を担当していた元バンダイナムコアーツの廣岡祐次さんがハイド&ルークという屋号で茨城県の大洗町に新しく会社を興した発表会には地元のNHKとかも来ていたようで、夕方あたりのニュースで放送された模様。映像も配信されていて、ガルパンやマクロスΔのイベントで見た顔聞いた声がしばらくぶりに見られてちょっと嬉しくなり、同時に焦りも生まれた。

 廣岡さんがバンダイナムコアーツを辞めたのは2019年3月末でまさしく僕と同月同日。そして即座に大洗での起業を公表して準備を進めて設備も整え6月11日の発表へともっていった。地元の商工会の人とか戦車が突っ込む料理旅館の代表とかも仲間に入れ、アドバイスをもらいながら立ち上げていく事業はコワーキングスペースこそ当初は利用も少ないだろうけれど、地元の特産品をある種廣岡さんというそっち方面に知られた人がポータルとなって紹介することで、届かなかったところへと届く可能性もあったりする。

 もしかしたら昔のよしみで、っていうほどには甘くはなくても交渉次第でキャラクターだって使えるようになるかもしれない。そうすることでブランドに付加価値が出て他に負けない展開が図れるようになる、って算段もきっと出来ているんだろう。一方でコワーキングスペースを作ったことで起業しフリーでリモートな仕事をする人とかも出てくるかもしれない。東京までだいたい最短で2時間で在来線を使えば3時間くらい。出て出られない距離でもないなら環境の良い大洗に住みたくなる人も出てくるだろう。そうした人たち向けのオフィスサービスも手がけつつコミュニティも作り新たな起業の苗床となる。そんな夢も描けそう。

 やりたいことがあってやりたい場所はあるけどやれる拠点がないなら、それは自分で作っちゃうしかない、ってことなんだろうなあ結局は。バンダイナムコアーツがいくら新規事業を始めるといったって、オフィスサービスとかコワーキングスペースとかを立ち上げるはずもない。あるいはバンダイナムコアミューズメントなら施設運営にも長けているからそうした箱物をバンダイナムコならではのエンタメ性なりキャラクター性も乗せて展開できたかもしれないけれど、それには時間もかかるし説得もいるなら自分でやれば良い。そんな決断だったんだろう。

 倣って自分も好きな対象を取材して記事にする媒体を立ち上げる? 飽和状態なんだよなあ。そこに割って入って稼ぐのは無理なら道楽でやる? 2年でパンクだろう。そういう意味で最初にAnimeAnimeを立ち上げた人、どういう資金が動いているか判らないけどラノベニュースオンラインを事業家した人、アキバBlogの商業化に成功した人はやっぱり偉いなあ。日刊リウイチを事業化するには当時から対象が広すぎたんだよ。ただの日記だし。自分の日記を商業化してマネタイズできる人なんて筒井康隆さんか平野啓一郎さんくらいだろうに。もっといるか。まあそこはそれ、無才で先見の明なしを噛みしめつつ地べたからまた上を目指そう。見て書くことだけは誰にも負けないつもりだから。

 あちらこちらのアニメーション、といっても商業作品というよりは個人制作のインディペンデントアニメーションのイベントだとか展示会を回っている時に、いつも見かけた真狩裕志さんが「平成30年史 激変!アニメーション環境」というのをpixivからオンデマンドの形で出版したのでひとつ求める。新海誠監督の「ほしのこえ」と真島理一郎さん「スキージャンプ ペア」とそして山村浩二さん「頭山」が並んだ2002年から2004年あたりのインディーズな空気、自主制作の様子を紹介したような文章もあるし、たつき監督青木純監督いしざかあつこ監督にCGアニメコンテスト出身の博史池畠監督といった今では「ケムリクサ」「ポプテピピック」「宇宙よりも遠い場所」「キラッとプリ☆チャン」を手がけている監督の、自主制作出身であることに迫った文章もある、みたい。

 みたいってのは読んでいないからで、とりあえず取り寄せたけれども到着までには10日くらいかかるのかな。目次では笹原組こと笹原和也さんとか「URDA」を自主制作で手がけ商業でも「荒野のコトブキ飛行隊」の絵コンテとか「武装中学生」の監督なんかをしているロマのフ比嘉さんとか、大阪芸大時代について語っているっぽい博史池端さんとか「月のワルツ」が衝撃的だったいしづかあつこさんとか「頭山」の山村浩二さんとか細胞アニメの水江未来さんとか蛙男商会で鷹の爪のFROGMANさんとかりょーちもさんとか、メジャーとは少し違うけどインディペンデントからちょっとだけ頭を出した面々を並べてその足跡を追っている感じ。

 ここがもうちょっとクローズアップされると、その下に広がる学生アニメーションからインディペンデントアニメーションからアートアニメーションといったあたりに目が向かって、NHKのEテレじゃない場所へと引っ張っていってもらえるかもしれないなあ。でも書籍と言っても店頭にならばないから読まれないなら読ますしか無いとここに喧伝。自分がまだメディアに触れる身だったら本ごとまとめて紹介したんだけれどなあ。そういう場所にいられなかった不徳を嘆きつつ、残っていたらいつか立つ瀬もあたかと考えつつ、それじゃあ遅いからここにこうして自分のメディアで紹介するだけでも何かの足しになればと願い、書き記そう。

 PCエンジンにもミニが出るみたいだけれどもNECホームエレクトロニクスはとうにないから発売はコナミから。現時点で明らかになっている収録タイトルは「スーパースターソルジャー」「THE 功夫」「PC原人」「悪魔城ドラキュラX血の輪廻」「イース1/・2」「ダンジョンエクスプローラー」といったあたりで、PCエンジンが最初のプラットフォームだった「ときめきメモリアル」は入ってないみたいだけど、他とはちょっと毛色が違うからそれだけを求めそうなファンの殺到を懸念して外したのかな。それともまだ発表されていないだけかも。いずれにしても任天堂、セガ、ソニーにNECのコンシューマーゲーム機のミニが並んだなら次はやっぱり「プレイディア」か「ワンダースワン」か。実物大のボディサイズにタイトル100本詰め込んだ「ワンダースファン」が欲しいなあ。

 遠くアヌシーでいろいろと発表になっているみたいで、とりあえず「ULTRAMAN」がNetflixで第2シーズンが作られるのと、そして「攻殻機動隊SAC_2045」のキャラクターデザインを「バースデー・ワンダーランド」のキャラクターも手がけたイリヤ・クブシノブさんが手がけるということが情報をして流れて来た。過去にいろいろなデザインが出てきた草薙素子だけれども黄瀬和哉さんが手がけた「攻殻機動隊ARISE」がそれなりにゴリラ的でナイスバディな素子の路線を変えていただけに、次は何かときてイリヤさんのまだ顔だけだけれど美少女然とした雰囲気からどういった活動をするかが気に掛かる。格闘より知性で戦う感じ? 電脳戦はまあ知性だけれど。SACってことは世界観は神山健治監督のあの社会派な訳で、そこに乗るかそれともズレるか。見るのが楽しみな気分になっていたい。


【6月11日】 今時のスニーカー文庫っていったらネットで人気のとかネットで賞をといった感じで、スニーカー大賞があって学園小説大賞もやって、そこから上がって来た人とか、拾い上げた人に書かせていろいろと人気作品を作ってきた時代とは展開も内容も変わっていたりしたんだけれど、そっち方面でもトネ・コーケンさん「スーパーカブ」のような傑作が出て期待するから別に構いはしないものの、ネットで人気という状況に見えるある種の共通項があったりするから、それ以外のものとなるとやっぱり出づらくなっていた。

 そんなスニーカー文庫から出て来た一ツ屋赤彦さんお「葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王」(スニーカー文庫)が実に王道ファンタジーにして成り上がりと戦記物の要素も含んで楽しめた。いろいろな民族が流れ集まってはコミュニティを結成して暮らしていたアルカードという流民団。でも殲滅されてしまって残ったひとり、メルという青年はさまざまな民族の中で暮らした経験から学んだ、あらゆる言葉を理解し話せる能力を使って身を立てようとランタンという国に向かう。そこで出会った豹人族というネコミミ尻尾をもった一族の女性、キリンに話しかけられ、言葉を解すると思われ引っ張って行かれた先がランタン国王の下。そこでメルは豹人族の姫シャルネと出会う。

 まだ幼くてあっけらかんとしていながらも政略結婚のために嫁ぐ運命が決まっていた。そのシャルネに人間の言葉を教えるのがネルの役目だけれど、ふれ合う内にシャルネの側にネルの感情めいたものが浮かんで来て、そしてネルも政略結婚という望まれない婚姻を余儀なくされるシャルネへの同情が親愛に変わっていくのを見ていたキリンが、婚約を壊そうとしてそれをシャルネがひとまず阻止。けれども親の王に逆らったからと首をはねられそうになったところでランタン国王が計略を巡らせていたこともあって場面は、シャルネが嫁がされそうになった国との戦争へと向かう。結構大国。ただし指揮官は足りない。ランタン国王なら勝てる、はつがその寿命が尽きようとしていた。

 代わりにランタン国を任されたのが誰あろうメル。その言葉を駆使する能力を活かして異なる種族を集め束ね交流を持たせていく展開がグローバルな時代を象徴して嬉しいし、計略でもって敵を退ける戦記物的な楽しさも味わえる。力こそが正義の世界にあって知略と交流こそが善であるというテーマが響いてくる作品。ひとりが圧倒的な力ですべてを担って解決していく話が隆盛のなかでやっぱりちょっと珍しいかも。あとはキリンという豹人族の女性が婿をなかなかとれないことが村で問題になってるのが愉快というか、そんなに男たちの恐れられているのか、美人なのに。いずれきっとメルがシャルネに続いて妃に迎え入れるかな、一夫多妻がオッケーなら。戦乱はきっとまだ続く中、世界を言葉でつなぎまとめるネルの“戦い”が帰結して得られる平穏を是非、見させて欲しい。そのためにも続きを。

 起き上がって見るつもりだったけれどもクスリが長く入っているからか夜は眠ってしまって目覚めたら朝で、FIFAサッカー女子ワールドカップ2019の日本初戦となるアルゼンチン戦は終わってしまっていた模様。結果はスコアレスドロー。男子と違って決して強いとはいえないアルゼンチン女子から得点を奪えず、これで後の戦いに勝利し続けても他がアルゼンチンをコテンパンにする可能性もあるから抜けられない、なんてことも起こったりするかもしれない。次はスコットランドだしその次はイングランドでともにサッカーネーション。イングランドあたりは強豪だからスコットランドには勝ちたいところ。それがグループリーグを抜ける最低限の条件か。

 気鬱になって以降、どうにもこうした娯楽への関心が薄れてアニメ同様にほどんと見なくなって、U−22の世界選手権もそれからこれから始まるコパアメリカも、まるで関心が向かわないのが困ったところ。とにかく落ち着き先を決めて日々をルーティンで回さないことにはエネルギーも湧いてこないんだけれど、適応障害な状況に優しそうで関心の高い方面を見据えてはいるものの、紹介されている案件の進捗もにらんでいるところにキャリア支援センターから紹介案件も入って、職務経歴書試しをしている状態。とはいえ実質足踏み状態。こういう時はもうこれがやりたいんだと行けば良いのだけれどそこで迷うのが自分って奴で、どうしたものかなあ。

 本当は大洗でコワーキングスペースなんかを含む施設を立ち上げる元バンダイナムコアーツの廣岡祐次さんの発表会を大洗まで見に行きたかったけれど、会社員でもなくて媒体もないと行ってもお邪魔だからと遠慮。とはいえ半月ぐらい書けるんだろうかと引きずっていた伝説の漫画家の作品評がどうにか書き上がったの、ほかにやることないので西船橋の図書館で使えるだけの時間をパソコン使用可能ブースで過ごす。日に当たらないのは仕方がないけど、空調は効いているし見渡せば本もたくさんあるからなかなか快適。毎日通って最長の3時間づつ使えば小説だって書けすかもしれないけれど、書けるとは限らないのが難なのであった。エクセルとパワーポイントの独習でもするか。幸いにして新しめのをぶちこんだパソコンも買ったことだし。WEBデザインの勉強も……って専門行った方がいいかなあ。それで2年かけてキャリアを立て直す。間に合うかなあ老後に。

 ちなみに廣岡さんが立ち上げた会社の名前は「ハイド&ルーク」。廣岡をちょっとだけもじった感じ? 手がけるのはひとつはコワーキングスペースで、そこを拠点にして民間の民間の “町の万事屋“として活動していくらしい。「銀魂」みたいな? ってそれだと激しい日になりそうだから違うだろう。場所がなかなかふるっていて大洗シーサイドステーション、つまりは「劇場版ガールズ&パンツァー」にも出てきたショッピングモールでエキシビションで大洗学園が聖グロリアーナ女学院を翻弄したところだったかな。津波の影響で水につかったし、経営もいろいろあったみたいだけれど今はどこかの参加に収まって、ちゃんと経営も続いている。「ガルパンギャラリー」も戻ってきたみたい。そんな場所を拠点にじゃあ、コワーキングで仕事をするとして何をやればいいのか、ってのが行く人の課題か。WEBの開発とかだったらリモートでできるんだろうなあ。あとは清書がメインのライター稼業とか。そういう仕事が出来れば引っ越したいなあ。


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