縮刷版2008年10月上旬号


【10月10日】 体育の日、だったはずなのにいつから日本は10月10日が体育の日ではなくなってしまったんだろう。目の日でもあったんだっけ。目玉おやじの日? でも1人じゃダメだし眉毛があって「10」なんでやっぱり違うか。いやそなことより「のだめカンタービレ」の巴里編だ。安心安全の物語。原作はまるで読んでないけど音が入ってこその音楽物だし何より川澄綾子さんの演技の飛び具合がとても良い。前の頃はほかに「スカイガールズ」だの「ゼロの使い魔 双月の騎士」だの「しおんの王」だの「もっけ」だのが重なってどれがどれやら状態だったのにそれがそれなんだ状況を形づくってプロらしさを見せていたけどやっぱり演技の強弱ならのだめ役が1番光ってる、かなあ。んで「髭男爵」はフィギュアで登場。次はどんなだ。フランクのTシャツの柄か?

 んで「ヒャッコ」。絵が……絵が…。それともそういうものなのか。歩いている時の龍姫の顔とか歪んでいるってより引き目かぎ鼻の誰あの人状態。でもそんな絵の不思議さをベテランさんたちが頑張ってカバーしているところがすごい。もしかして演技を存分に発揮できるプレスコだったのか、線とか見ながらタイミングをはかってはいそこでって演る、ってそれはプレスコじゃあありません。強引に引っ張っていく虎子の唯我独尊ぶりとそれに振り回されながらもしっかりと受ける龍姫のかけあいが愉快なんで見続けよう。他のクラスメートはなかなか出てこないなあ、眼鏡の委員長が出てきたけど無言で立ち去っていった。何かあったんだっけ? すでにして前週の記憶無し。多すぎるんだアニメがこの秋も。

 そんでもって「夜桜四重奏」。これこそプレスコの醍醐味か、事務所でのアオちゃんとコトハのイラストをめぐるやりとりとか、3人4人が絡んだ場所でのいっせいのせいで喋る重なり具合とかが実に日常っぽさを醸し出している。それに絵を着ける人はきっと大変なんだろうなあ。キョンシーちゃんが反発の果てに仲間入り。人間のいる学校で見た目普通のキョンシーがあれだけ虐められているんなら世界は妖怪への虐めが横行して反撃も怒って大変なことになってて不思議じゃないのに、そうなっていないのは何か抑制が利いているからか、「ダブル・ブリッド」みたいな妖怪担当警察なんかがあったりして、あと力が抑制されていて、とか。ちょっと不明。そんな街に騒動の予感。あれはくうちゃん? じゃない狐の進入で暴走する妖力。あんな力があるんだったら人間界でだって暴れてたって不思議じゃないのにキョンシーちゃん。まあ取りあえず片づいたみたいで重畳。次あたりから妖怪バトル? 「紅 Kurenai」では少なかっただけにアクションでのプレスコとやらの力、見せてもらおうか。やや大仰。

 今日も今日とて「東京ゲームショウ2008」へと出かけてカレーライスを食べる、っていうかキッズコーナーとかあるホールに出ている屋台ってどーしてカレーライスと豚もしくは牛の丼と焼きそばとフランクフルトと唐揚げ串しか売ってないんだろう。ナシゴレンだのトムヤムクンだのといったエスニック料理もなければスパゲッティだのラーメンと言った定番もないのはたべ易さを考えてのこと? それとも仕切っているテキ屋さんでもいたとしたらなその人がカレーと焼きそばしか認めないトラディショナルな御方なの? でもってカツカレーを食べて腹ごしらえ。午後の「バイオハザード ディジェネレーション」のエンディングを唄う土屋アンナさんのお披露目を見物する。おお土屋アンナだ。梅宮アンナじゃない。区別がつくかってーと今ひとつだけれどこっちのアンナさんは威勢がよくって拳銃を撃つよーなポーズを取ってといったら気楽にとってくれた。下妻ヤンキーは気っ風が良いねえ、ってそれはだから役だって。

 思い出した昨日は大変だったメディアの受付コーナーが海外メディアと国内の登録済みと未登録の3列にちゃんを別れて仕切ってあった。といっても到着したのが午前10時の会場を過ぎた後なんで混雑ぶりがどれくらい緩和されたかは分からないけどその時間帯でも海外メディアの列には人が並んでいたから開場前は結構なことになっていたのかも。迅速がモットーなのは良いことです。だから来年もしっかりね。プレスルームに行ったら国内メディアよりも海外メディアの方が目に付いた感じ。いつも「ゲームショウ」って初日が終わると目ディアンおかずがわっと少なくなるんだけれど今回は2日目なのにしっかりプレスルームが埋まってた。それだけ注目をちゃんとまだ集めているってことなのか。でも来場者数は去年より少なくなってたみたいだし。一般公開日の出足がやっぱり気になるなあ。

 兜クラブって東京証券取引所にある新聞テレビの記者のたまり場に入ったのが1990年の3月のことでその頃の日経平均株価ってのは確か3万3000円くらいだったから今から見れば夢のようなハイプライス。もっともその前の年の89年12月末の大納会で39000円近くまでのぼって4万円越えももうすぐだって雰囲気があった訳でそれが年を明けるとズルズルっと下がり始めて誰もが不思議に思ってた。でもまだ余裕はあったんだけれど3月から4月にかけて下げが強まり4月に28002円てところまで突っ込んで流石に世間もこれはやばいと気づき始めたものの時は既に遅かった。夏に湾岸戦争が始まってさらに下げ、翌年に証券不祥事が起こって信頼が失われた挙げ句に株価は兜クラブを離れる1992年2月末で2万1000円まで落ち込んだ。その差実に1万2000円。割合でいうなら3分の1が吹っ飛んだ。ちょっと前の株価がまるまる消えた、って数字の上でそういうことも言える。

 12000円の株価が3分の1になったら8000円。ちょうど今の水準ってことでそういうことがあっても不思議じゃないって気がしないでもないけれど、如何せん期間が短すぎる。ほとんど10日でここまでの急落は向こう20年を振り返ってもちょっとなさそう。アメリカ初で日本は余波をくらっただけ、実体経済は未だに底堅いからそのうち上がるって見方もないでもないけど、グローバル化も強まった経済でアメリカのくしゃみどころか瀕死の病が世界に影響しない訳がない。たかが株価の下落と侮っていた日本じゃあその後に銀行から不良債権がわんさか出てきて10年の苦渋を味わわされた。会社もいっぱい潰れたり潰れかけたりした。ならば今回はいったい何十年の苦渋にまみれることになるのか。せめて銀行が潰れて貯金が吹っ飛ばないことを祈りたいけどそうなるくらいなら会社が……。金塊でも買っておくか。

 そんな不況の泡を食ったか女子サッカーの西の強豪、TASAKIペルーレFCが今年いっぱいでの廃部を発表してしまった。噂にはあがっていたけど遂に来てしまったって気分で代表選手もそれなりに抱えて「プレナスなでしこリーグ」を盛り上げていたチームがなくなってしまうのは盛り上がってきていた女子サッカーの勢いに水をぶっかけることになりかねない。振り返ればバブルの残り香がまだった時代に日興証券ドリームレディースが立ち上がったもののバブル崩壊とともに消滅。なおも数多のチームが追随して女子サッカーの危機が叫ばれた。その悪夢の再来となるのかそれなりに苦難を乗り越え独立独歩となっているから固有の問題に過ぎず他は大丈夫なのか。気になるけれどもとりあえずペルーレにはどこかのJリーグのチームが居抜きで引き取ってもらえれば幸い。神戸にあるあのチーム。どうでしょう?


【10月9日】 「おさわりは無しだルルーシュ」「ピザだ、ピザを寄越せルルーシュ」「口先だけの頭でっかちな童貞坊やルルーシュ」。ってな感じに高慢な声で叱ってくれるかと思ったけれどもそこはプロフェッショナルだけあってゆかなさん、あの芸者東京エンターテインメントが満を持して送り出したAR(拡張現実)エンターテインメントの「電脳フィギュアARis」の声を担当したならちゃんと、ご主人様に棒の先っちょでもってツンツンされて嫌がり脱がされ恥ずかしがってぷんぷんしちゃう可愛いメイドさんの声を、心の底まで役になりきったかのような媚声でもって演じてた。その意味では「ワイヤレスジャパン」の時に仮声を担当していた人とニュアンスは一緒だけれど今をときめくゆかなさん。聴けば見に響く声でもってつんつんされて身もだえしてくれるんだろー。やりすぎると怒ったりて。C.C.みたく「床で寝ろ」とか言って。

 どうなんだろうと確かめにいった「東京ゲームショウ2008」は朝の幕張本郷駅がとてつもなく大行列に見舞われていることを再確認、廃墟と化すかと思った幕張新都心が今やしっかりとビジネス街になっていたりする現れと喜びたいけど、対岸の横浜の「みなとみらい」にはショッピングモールがあってホテルがあって「アンパンマンこどもミュージアム」があって「横浜美術館」があって「マリノスタウン」まであったりする。人の居住地としては幕張の方が優れているけどもーちょっと楽しめる場所があったら幕張ももっと賑やかでお洒落になるんだけどなあ。ロッテが強ければ良いのか。

 でもって到着した「幕張メッセ」の「ゲームショウ」受付の行列の進まなさに目を凝らして理由に気づく。全員を蛇行の行列に閉じこめたものだからそこに外国人プレスが結構な率で交じってその受付が寸詰まりになって日本人の受付前に誰もいない状態が続いていた。そこで手を挙げて日本の方って呼べば良いんだけれどそういう訓練をされてないし権限もないから行かんともしがたかったみたい。無理矢理に行列を追い越して日本人の受付に潜り込んでさっさと済ませたけれどもさらに詰まって柵のある行列のほとんどが外国人になってからはいったいどーやってこなしていったんだろー。まあ良いや行列が出来るのって初日くらい。あとはだから今年の経験を糧にして来年をさらにスムースな受付にすれば良いんだけれどそういうノウハウって重ならないもんなんだよなあ。記録しておくこと。

 基調講演はどうしようかと悩んだけれども和田洋一CESA会長なら割にお目にかかる機会も多くて話す内容にも想像がついたんで遠慮して入場の行列に。午前10時となって中に入ってから早速芸者東京エンターテインメントにかけつけたけれども、調子が悪いのか準備が続いていたので遠巻きにして例のホウキにのって空を飛ぶアーケードマシンを出してる台湾のメーカーを舐め、それからあちらこちらのブースを渡り歩いて面白いものがないかを探して歩く。見て楽しかったのはセガの「レッツタップ」ってタイトルで、空き箱なんかの上に「Wii」のコントローラーを置いてトントンと箱を叩くと振動が「Wii」のコントローラーに伝わりそれが本体に伝わってゲームに繁栄されるっていう、ありそうでなかった画期的なゲームになっていた。

 箱の左右とかを叩くとちゃんとその別が付くから驚くというか、それだけ「Wii」のコントローラーの性能が良いってことなんだろうけどそこに気づいてゲームを創り上げようとした中裕司さんの、相変わらずの冴えっぷりに感嘆。遊んでいたすぐよこにオレンジ色のネクタイをした中さんにそっくりな人がいたけどあれはやっぱり中さんだったのかな。中さんといえば「ソニックザヘッジホッグ」だけれども会場をやたらと怖い顔をした「ソニック」が闊歩していた。心を入れ変えて悪に走ったか。でもすぐにちゃんとした普通の「ソニック」もいたからきっと心が2つに割れたんだろう。マリオを尊敬する気持ちとマリオを蹂躙したい気持ちが共に高じて。ゲームキャラも大変だあ。

 あとは巨大なラオウが黒王号にまたがってソニー・コンピュータエンタテインメントのブースを睥睨していたこととか。「天誅」のブースでお菓子を配っていたコンパニオンさんの1人がスリムで白銀の頭でなかなかに見目麗しかったこととか。バンダイナムコゲームスにとって期待のゲーム「ハッピーダンスコレクション」がなぜかゲームショウの展示ブースになくって、撮影のためにどっかから引っ張り出して来て置いてあったこととか。子供向けのタイトルで発売も近すぎるんでどうよってことなのかもしれないけれど、過去に展示があったのって「次世代ワールドホビーフェア」とか「ちゃお」関連イベントくらいで男性諸子とか大人の女性はまだ見てない。見てもらって楽しんでもらって分かるタイトルなのに終末のキッズコーナーだけとはちょっと勿体ない。撮ってたのはNHKだからきっと大きく報道されるのかな、されたのかな。あとはテクモのブースにいたコンパニオンさんがお椀型で谷間も深かったこととか。そんなところしか見ていないって他に見るものもないんだよなあ、「PS3」が実質値下げったってあんまり嬉しくないし。下げるんなら一気にいけよ2万円台。

 そろそろ疲れも出てきたんで会場を後にして海浜幕張駅へと向かう途中のアウトレットモールをのぞいたら前に見て3割引きではちょっと迷った黒い山高帽が5割引になっていたんで早速引き取る。違ったかな茶色のが3割引だったのかな。まあいいや。兎の毛だそうでちょっぴり野卑てるようででもなめらかなベルベット。つばも狭からず広からずと調度良い。何よりサイズが60センチってのが嬉しいねえ。頭デカいんでそれくらいからじゃないと入らないのです。冬に向けてはあとツイードのジャケットが欲しいところでずっと来ていたドニガルツイードのジャケットは背中がすれて穴が明いてしまって着られないんで似た感じのが欲しいんだけれどあんまりないんだよなあ、ドニガルって。流行ってないのかなあ。職場がそういや松屋銀座とコラボレーションしてツイードジャケットを作って10日から発売だそうでこれも悪くはないけどシャツジャケットって雰囲気で裏地が抜いてあるのが冬場にかけての迷いどころか。1度くらい見に行ってみるかどうするか。


【10月8日】 そういえば「まかでみ・WAっしょい」とかってのも見てたんだっけ。「WA」ってまた懐かしい綴りだなあ。内容はもう見ている間はよく動きよく転がってとっても楽しい。サービスカットも満載だし髪留めを外すと途端に暴れる普段は寡黙な眼鏡っ娘って設定もおいしすぎ。召還された得体の知れない幼女だか少女だかを囲いつつ起こるドタバタに周囲が絡んでいく展開の実に楽しいだろうことは容易に想像できるけれど、それがだからどうなんだってところが目下の悩み所か。どう転がっていってもどこかで見た光景。喜べても驚けるのかどうなのか。キャラに感情を添えようにもわっしょいわっしょいとモブで転がる作品だから特定のキャラに萌えさせようって雰囲気にもなりそうもないし。そーかなるほどだから「さよなら絶望先生」ではありきたりの中にも楽しみをと、見せキャラの木村カエレを用意したんだなあ。それを見てその場だけれも喜べて、あとに訴訟がついてくる。慧眼。

 つまりは商品としていたれりつくせり過ぎて逆に意外性を感じさせない哀しき矛盾。同じエンターブレインの「ファミ通文庫」原作だった「ナイトウィザード」が超展開のオン・パレードで見ていて驚きの連続だった中にちょい、人ならぬ身の寂しさって奴を感じさせるスパイスを利かせて目を引かせたこととか、「狂乱家族日記」が説明無用にキャラをぶちこみエピソードを大量投入して目を眩ませながらハイテンションの中に最終回まで引っ張っていったことと比べると、勿体ないというか仕方がないというかとにかくアニメ化って難しいというか。んでもまあ、見るけどね、陽気だし。振り返ればしっかり作ってあれば感動のビジョンがシンフォニーとともに立ち上がっただろー「神曲奏界ポリフォニカ」に起こった大惨事とは正反対の意味で悩ましい榊一郎さん原作アニメ。まこと人生はままならない。

 えっとこれって本当に京極夏彦さんの「魍魎の匣」のアニメーション? 猟奇と変化の坩堝みたいな妖しげな京極ワールドなんだから、「墓場鬼太郎」もかくやと思わせるようなおどろおどろしい画面が広がっていて不思議じゃないのに映し出されたのは見目麗しい乙女達。桜の花びら舞い散る夜の川辺で踊りはねる耽美さにあふれたその画面はいったいどこの女子向けアニメって思ったけれども人形の口が動いて語り、電車の窓に焼ける兵士達の血手形がべったりとはりつく描写が出てきてなるほどここから猟奇の世界が始まるのかと身も引き締まる。CLAMPさんによる耽美極まりないキャラクターも、それが完成されているが故に逆に恐ろしさが影からのぞくストーリーの怖さを倍加する効果につながっている。カラクリ人形は美姫が怨霊に早変わりするから恐ろしいのだ。美少女たちの血にまみれた妄執に、果たしてどう挑むのか京極たち。って出てきたのは木場修だけかよ。榎木津礼二郎はまだなのかよ。頓狂な縁起、期待してます森川智之さん。

 つんくさんプロデュースってことでさてはていったいどんな平野綾さんが現れるかと想像しつつ買って聴いてみた「涙 NAMIDA ナミダ」は……つんくだった、もろ、まっすぐに、どこまでも。これを例えばずっとつんくさんプロデュースで活動して来た時東ぁみにぃが唄ってもぴったりハマりそーだしつんくさん本人が歌入れしてたって全然オッケー。つまりはそれだけつんくさんが出まくった楽曲な訳で敢えて平野綾さんに唄わせても平野綾さんのファンとしては平野綾さんっぽさがつんくさんの影に隠れてしまって届いて来なくて歯がゆい想いを覚えそー。強烈なイメージを持った人のプロデュースってのも考えものだよなあ。まあそれでもきっと本人が唄っている様を見れば顔立ちと歌が結びついてすーっと平野綾さんの歌って認識されることになりそーなんで、CDに入っていた先行の予約券でライブのチケットを申し込んでみるか、いやしかし5000円だしなあ、高くなったなあ、ライブ。

 そうだライブといえば「ぴあ」の先行の先行でもって予約していた山下達郎さんの東京公演は当然のよーに外れ。1000万都市で見ようってのがそもそもの間違いだったってことなんだろーけど、過去にいっぱいいろいろ予約して当たったためしがないのが悔しいというか、意味ないじゃんって思えて仕方がない。外れ3回続いたら当たりにしてくれるって贔屓システムは組み込めないのか。残念がっても仕方がないんでここは東京を外して名古屋の土曜日あたりの公演を申し込んでみたけど当たるかな、時期は来年の確か2月くらい。周辺もきっと落ち着いて来るだろーから隙を見て帰省する気で帰って観るか。達郎。白鳥のセンチュリーホール。鶴舞の勤労会館じゃあもうキャパが小さすぎるんだなあ。

 ついでなんでアニソンを少しづつ極めようと榊原ゆいさんのちょっと前に出てジャケットがとても豊満なアルバムの「JOKER」とか、水樹奈々さんの「ロザリオとヴァンパイア CAPU2」を観ると宣伝が流れていてなっかなかなビートが心地よかった「Trickster」とか買ってみる。そうか水樹さんは昨日までだったら「新宿コマ劇場」なんていつかは行っておかないと永久に行けなくなってしまう小屋でもって開かれるイベントに行けたかもしれなかったんだ。ちょっと残念。曲はタイトルになっている「Trickster」が目茶格好良い。テンポがよくって小気味良い。「ロザリオ」関連の曲もやっぱりしかり水樹節。とくにオープニングのがアップテンポで可愛らしくって弾けてる。役柄ぴったり。作品をやっぱり意識しての歌い方、ってことなのかなあ、これが。榊原さんは後でじっくりと聞き込もう。

 もっと読みたい、もっともっと読んでいたいって思ったのは星の始まりから発展から興亡へといたる道筋を大著でもって記した「導きの星」がどーしても、念頭に入ってしまうからなんだろーけど、中世に立ち上がったひとつの集落が紆余曲折を経つつ異界よりの存在による助けなんかも得つつ立派に街として立ち上がっていくまでを描いた一代記よりさらに短い時間での物語だって理解すれば、これはこれでひとつにまとまったエンターテインメントだって言えるんだろー小川一水さん「風の邦 星の渚 レーズスフェント興亡記」(角川春樹事務所)。はるかローマの時代にあのカエサルが遠征先で出会った美女の姿をした泉の魔物が時を経て村はずれの中州に眠っていたところを訪ねてきた騎士の男有り。領主の息子で半ば放逐された感じで中州の周辺いある村を治めるためにやって来たんだけれども寂れ果てた上に盗賊に狙われているその村の命運は風前の灯火だった。

 そこを男は泉の魔物の力も借りつつ村人たちを奮い立たせつつ盗賊を撃退。焼き払った村を泉の側へと引っ越させて、街の賑わいが観たいと願った魔物のためにどこにも依存しない町作りを始める。父親のさらに主君で自身にとっては騎士として剣を捧げた相手の家に生まれた娘もやって来てどうにかこうにか形がついて来たと思ったら、娘の父親が横やりを入れ自身の父親も嫌いな息子の行動を反抗と見て長男次男を送り込んで攻めさせた。これはかなわないと条件にあった娘を仕方なく送り返してかろうじて街は命脈を保ったものの、フランスと英国との間で起こった長い長い「百年戦争」で男は騎士としてとられそうになる。1度はそれでもよかったけれど度重なれば街も大変なことになる。断るには糧食を差し出す必要があるとドイツ騎士団の一枚岩から外れた綻びに取り入り、ハンザ同盟の感激をぬって食料の調達に急ぎ、その過程で敵対していたバイキングの末裔とも融和しさらなる発展への道を歩む。ところが。

 泉の魔物を雌とするなら雄となる存在が地上にはいて魔物を欲していた。それが権力者の身をまとっていたからたまらない。せっかく盛り上がって来た街を大軍で攻めるのどうのといった問題が起こり戦争が起こって大混乱。さらにさらに。といった具合に次から次へと起こる危機を男の前向きさや弟の機知、そして魔物の力で退け街として発展していくストーリーは読んでいて「シムシティ」とかをプレーするよりもなお街作りが大変なことなんだってことを思わせる。というか魔物がいなかったらいったいどーなったんだろー。その意味でいわゆる立身出世の物語と観るにはややアンフェアなところがあるんだけれど、それもひとつの物語の軸として立っているから仕方がない。超越的な存在たちの邂逅といったドラマを持ちつつ中世に生まれがんじがらめな中で信念を抱き頑張った男の一代記と、見ればとっても感動できるし楽しめる。この後にレーズスフェントがどうなったのか。興味はあるけどそれはまた別の物語、ってことで。


【10月7日】 つまりは「みなみけ」の南千秋パートオンリーって奴なのか「今日の5の2」。小学生たちにありがちな子供っぽい日常って奴をあるある大辞典的に描きつつも時折妙なシリアスさを交えて見ている人をぎくっとさせる手法はまんま「みなみけ」。ってまあ作者が桜場コハルさんで一緒なんで似て当然ではあるんだけれどもアニメ化にあたっての文法にも似たところがあるから見ていて妙な既視感に襲われる。でもキャラクターの雰囲気は「おかわり」も含めて線が綺麗だった「みなみけ」と比べるとどこかヘタウマ感が漂っているかなあ。冒頭でリョータと相原カズミがにらめっこしていた場面とか、どこの新作FLASHアニメかと思ったもん。そうかカズミの声はMAKOちゃんか。一橋ゆりえか。ちゅちゅちゅのちゅー。

 「ヴァンパイア騎士」……はどうでも良かった作品だった。前も録画してなかったし。「ケメコデラックス!」は……録画したけどまた見てない。何かそんなのばっか。というか原作ありの作品が多すぎてアニメでお初ってストーリー展開をわくわくしながら待ち受ける楽しみがこのシーズンはちょっと足りない。前はだって「コードギアス 反逆のルルーシュR2」があって「マクロスF」があったんだよ。どこに連れて行かれるか予想も不可能なら妄想すら拒絶する超展開の作品が2つもあったんだよ。今のところそんな楽しみが味わえそうなのって「機動戦士ガンダム00」くらいなんじゃないのかな、その意味でアニメーションの業界も好調なよーで結構大変なのかも。ドラマなら原作付きにまみれてもキャスティングでマニアを引き込めるけどアニメじゃあ声優にそこまでの吸引力はないからなあ。そうかそれでも男性声優にはあるから「ヴァンパイア騎士」とか「スキップ・ビート」みたいな傾向の作品がアニメ化されまくるんだ。やっぱり大変なのかもなあ。

 せめて残り香でも楽しみたいと早売りの「娘トラ」を買って聞く。おおメドレー。最終決戦での大メドレー。なっかなかの迫力でこれを7分ちょっとかけ続けて4回回せば45分のハーフタイム。そしてもう4回転させる間を聞き続ければ快調なテンポにのって我らがジェフユナイテッド市原・千葉もどんなに強い相手だろーと一蹴できそーな気がして来た。何しろ銀河の妖精に超時空シンデレラの歌声だ。見方はノリノリ。敵だってデカルチャーの叫びとともに両手を掲げて万歳だ。いっそだからフクダ電子アリーナでは選手にも聞こえるよーに大音声で流し続ければ良いんだよ。サウンドサッカー。何か新しいジャンルが生まれそーな気がする。ちなみに最近も「射手座午後九時Don’t be late」をかけている間の失点はなし。だからやっぱり女神の応援歌だとここは理解して聞き続けよー。「娘トラ」からだと「妖精」あたりも縁起を担げる曲になるかな。なって欲しいな。

 そんな「娘トラ」を拾った秋葉原でアニソン歌を唄っている人の囲みの取材。何とゆーか見直したっていうか流石はプロだって僭越ながらも見直した。たとえば曲でAメロがあってBメロがあってサビへと至る構成になっているんだけれども当然のよーにAメロとBメロとサビではこめる情感なんかも違うから歌い方も違ってくる。なおかつ2番でやっぱり同じ構成でメロディが出てきてもそこについている詞が違えば当然に込める情感も変わり歌い方も変わるんですってことをこの人はちゃんと自覚していた。そしてしっかり実践していた。ただ歌います、歌ってまーすじゃないんだなあ、当たり前だけど、そーゆーことより“なりきり”にばかり気を向けているんじゃないかっていったナナメからの視線がどこかに引っかかっていたのを綺麗に粉砕してくれた。まさしくプロフェッショナル。これなら他の曲とかも聴いてきっと安心できそー。買うかなCD。ちょいエロなジャケットの。

 せっかくだからと聴いたのがアニソンとか歌う時って一方に作品のイメージがあるんだけれど、一方にシンガーとしてのオリジナリティの発露への欲求ってのがあってその辺りどう折り合いをつけているんだろうってことで、才能があって歌に自覚がある人ならばやっぱり歌唄いとして精一杯の表現に走りたいって思うのかってうとそうじゃなく、作品あっての主題歌だったり挿入歌であってむしろシンガーとしての個性が前面に出ないように意識して、作品世界を表現することを1番に考えてその中でシンガーとして出来ることを精一杯で最大限にやるんだって話してくれた。これまたプロ。プロフェッショナル。アニソン界を志している人とかもきっといっぱいいるんだろーけど、キャラっぽく歌えまーすとか可愛い声が出せまーすじゃない、歌って何でアニソンって何なんだってことをやっぱり突きつめて考えてこその成功なんだってことを、しっかと理解して臨む必要がありそー。この教えを活かしてカラオケなかで精一杯に頑張ってアニソン唄わせて戴きます。カラオケなんて行ってないけど。

 これが1カ月前だったら確実に全員がコンサドーレ札幌に並んでジェフユナイテッド市原・千葉を降格チームの下から2つに入れていたんじゃなかろーか。でも浦和レッドダイヤモンズを一蹴して明けた「週刊サッカーダイジェスト」に掲載の降格予想でジェフ千葉を降格圏に入れているのは前園真聖さんの16位と奥大介さんの17位と東京中日スポーツの上條憲也さんの16位だけ。無条件の降格圏に入れた奥さんには奥さんに黒井ミサに変じてもらって夜な夜な枕元で妖しい呪文を唱えられて欲しいと願うだけだけど、元いたジュビロ磐田を降格圏に入れたくなかったって事情もまあ分かるからここは音便に。そんな感じにほぼ安泰と見られ始めたジェフ千葉に対して当挙宇ヴェルディが30人中で12人に挙げられていてうち半数は無条件の降格だったりするからなかなかにヤバげ。大宮アルディージャも15人が挙げてうち8人が無条件の降格だから更にヤバげ。そんな大宮との対戦を残したジェフ千葉が勝てば安全圏に行けるけどちょっと忍びない。あの改装されて環境抜群とゆーNACK5スタジアムに、ここは駆けつけJ1としての対戦を存分に堪能させて戴こう、来年はないんだし、って1カ月が経つと目線がいきなり上からだよ。サッカーって厳しいねえ。


【10月6日】 名前は何となしに聞いたことはあったけれども改めて知って実に偉大でそして尊大な人だったのだなっと感じジョセフィン・ベーカー。20世紀初頭に“黒いヴィーナス”の異名でもってレビューの世界で好奇が半ばする視線を浴び、喝采を浴びた人だけれどもその名が世界に広まって、スターとなってからは自分が受けた人種にまつわる様々な事象への挑戦からか、世界中の国々を巡って異なる人種の子供たちを集めてフランスに得た城に住まわせ、世界中から博愛的で人道的な女神的存在だと讃えられていたらしー。

 高山文彦さんのルポルタージュ「孤児たちの城 ジョセフィン・ベーカーと囚われた13人」(新潮社)はまさしくその城、ミランド城に集められた“虹の部族”の子供たちについて描かれた本だけれども、過去にあった差別に対する闘士とかいった視点ではなく、今に生きる子供達に取材して、ジョセフィン・ベーカーがどれほどまでに自分本位の人道主義を見せていたのかって所を暴いてえぐる。例えば長男として名が挙げられるアキオは実は、はじめ韓国人として外向きには紹介されていたらしい。実は日本かはらアキオのほかにもう1人、孤児がミランド城に連れて行かれていた。あらゆる種族から1人づつ。その理想を喧伝するには日本人が2人いてはいけなかった、ということなのだろう。

 母親というにはいささか過ぎた接触をアキオに求め、他の子供達も長じてそれぞれが意志を持つようになってからも母親として束縛しようとした。愛情の濃さの現れと見て取れないこともないけれど、創り上げた王国を守ることだけが自分のアイデンティティと化してしまったことの方が要素としては多そう。果てに多くの子供たちは恋愛から結婚といった普通の人たちがたどる道からややはずれ、恵まれた出自を餅ながらも時間の波に埋没していく。長男として愛されたアキオでさえも。それでもやっぱり博愛の闘士を讃えるべきか、虚飾の女王と非難すべきかは読んだ人が考えれば良いこと。少なくとも彼女は何かを成して何かを残した。そこより学び育むことでしか世界は優しくはなれないのだから。

 しまった「キャシャーン」を録画し忘れた。ならばと「喰霊−零−」とやらを鑑賞、そんな素足を剥き出しにした格好でバイクに乗ってはいけません。案の定に敵との戦闘でひっくり返され負傷。下ろし金の上を走らされた大根みたいになってないのは鍛えられていたからなのかもしれないけれども、その割には現れた強敵にとっとと討たれていく特別集団。管理職は殺され撃ったお嬢ちゃんもこめかみに銃身を当てて引き金をズドン。いきなりの全滅展開からいったいどう話を持っていく気なんだろう。全部悪夢だったってことにするのかな。原作は読んでないけどアニメとは違ってるみたいなんで漫画のまんまに進む話ばかりの中で、原作を餅ながらもオリジナルな展開と思って見て行こう。それとも原作あるのかな。

 でもって「スキップ・ビート」。日曜日の朝8時から放送する番組だろうこりゃ。幼なじみが上京してスターになっていくのを横目にアルバイト暮らしの少女が実は幼なじみからたいして思われていなかったと知って復讐かわりにスターの道を歩み出す、ってシンデレラな話は子供が読んで憧れ嬉しがるのが常套。耽美な野郎共の絡みとかもないんだから真夜中に放送する必要なんて全然ないし「ヤマトナデシコ七変化」みたいなナベシンによる爆裂の演出もない。まあちょっぴりダークにブラックな部分もあるけどそれだって「おねがいマイメロディ」に比べれば薄い毒。なのに何故か深夜の2時からとはアニメ業界、やっぱりちょっと間違った方向へと進んでいる気がしてならない。あるいは媒体力の差って奴で、これが「マーガレット」か「りぼん」に連載だったらちゃんと朝に放送されたのかな。昔は「パタリロ」だって普通に夕方に放送していたのになあ。いやまあそれはそれで鷹揚な時代だったと回顧。

 せっかくだからと虎ノ門で「黒塚 KUROZUKA」の試写も見物。始まったって見られないCSチャンネルの番組だからここで見た第1話の出来がDVD購入の意欲に関わってくるんだけれども印象としてはなかなかに良い出来。とりわけ黒蜜って女性がとってっもエロい。頼朝に追われて逃げる弁慶と義経が迷い込んだ山奥の館に暮らしていたのは見目麗しい女性が1人。決してのぞかないでくださいと言い残して引きこもる部屋を遠巻きに養生していた義経だったけれども、気配に誘われのぞいた隙間から見えた逆さの男の死体。これが安達ヶ原の鬼婆か、ってところは能の「黒塚」を同様なんだけれども物語はここから時代をずんずんと進んで、都会を舞台にヴァンバイアたちが戦う壮絶無比の伝奇バトルへと進んでいってくれるんだろー。着物姿の黒蜜も美しかったけれども時代が下がってもやっぱり和服? 知りたいけれども見る手段はなし。DVDを買うしかないのかなあ。

 洞穴にいたのは神様の力を持った少女で見つけた少年の家に居候して目新しさから好物になったプリンを激しく求めながらも少年の周囲で起こる怪奇な事件の解決に尽力する、ってまあこれも一種のフォーマット。「我が家のお稲荷さま」あたりと比べて大きく違っている感じもないけれど、そこは一風変わったライトノベルを描き続けている田代裕彦さんだけあって「ヒメカミ覚醒 マツロイの剣」(ファミ通文庫)は、神様が別に少年にぞっこんて感じのベタな描写は作らず、少年も少女の神様が可愛くって仕方がないといった感じにはならず、それぞれが心に1本の主張を持って時に対立しながら護神器に魅入られ人の道を外れた存在を糺していくドラマが進んでいく。

 面倒見の良い幼なじみもいないでもないけれど、妙な姫の闖入に驚き慌てることがないのはミミとこ御巳媛神の姿が普段は見えないからで、そこで無理にぶつかる泥沼なハーレムのシチュエーションは作らない。幼なじみとも主人公とも同級の少女は事件に巻き込まれてしまったというか、半ば当事者として関わったこともあってミミの存在を知るけれども、そこで1歩リードしたって朴念仁の少年に伝わるものでもなさそーなのが傷ましい。そんな感じであんまりラブコメ要素は見せずハーレム要素も入れず人間が心に抱えた闇を結果として解放してしまう護神器が起こす事件へと、挑みつつ自らも護神器に取り込まれてしまう可能性に逡巡しつつ、ミミの高飛車な導きも受けつつ成長していく物語が描かれんだろー。とりあえず次を確認。


【10月5日】 よーやくやっと見た「鉄腕バーディーDECODE」の第1巻で有田しおんであった理由が何とはなしに分かったけれども半年間、地球で生きるくらいの調査費が出ない連邦捜査官に緊縮財政ぶりに涙。けど2話からはずっと見ていた訳でその間に登場した有田しおんの活躍ぶりのまるで無さから敢えてあーいった導入にする必要があったのか? って疑問はやっぱり消えない。それこそ最初の漫画バージョンといっしょだって状況は違わなかったんじゃなかろーか。まあそれだと溜めも引きもないからシリーズ物の導入部としてはこれで適切だったのかも。シリーズ構成って難しいなあ。

 シャマランはいきなりのキーマンとして登場。クリステラ・レビがクライアントというからにはギーガーがリュンカを奪ったのはレビのためだったはずなのにシャマランのために動いてシャマランが支配するテレビ局でディレクターをしていたりする。レビとシャマランの間にどんな合意があったのか。まあレビのことだからとりあえずリュンカってのがどんなものかを強欲なシャマランを使って試そうとしただけななろー。そしてその本意は次なるシリーズで開かされる、と。さあて何時から始まるか。楽しみながらDVDを買い溜めよー。

 工夫はあるなあハーレム物で異能バトル物にあって展開に意外性を持ってきたところが石踏一榮さんの「ハイスクールD×D1 旧校舎のディアボロス」(富士見ファンタジア文庫)がちょっぴり他とは違った雰囲気を感じさせる理由? 学校で出会った見目麗しい少女から初めてのデートに誘われ有頂天。散々っぱら楽しい思いをさせた気になっててさあいよいよこれから至福の恋人ライフが始まるかと思ったら何とまあ彼女が言うのはあなたのお命頂戴しますと来たもんだ。いったいどういうこと? どうやら少年には力があってそれを頂戴するために命を奪うんだとか。でもって腹に突き刺さる槍。失われる意識。これでおしまい。一巻の終わり。

 じゃあ話が続かない。気がつくと命があって家で寝ていてとなりび美少女まで着いてきた。しかも裸。すっぽんぽん。何か良いことしましたか? してません。というよりむしろいけないシチュエーション。どうやら彼女は悪魔の公爵。そして少年を悪魔の下僕に導いては自分の仕事を手伝わせるよーになったからたまらない。美少女の下僕たぁあ良い身分と思いたがる人もいるだろーけど何しろ悪魔だ悪の普及だ。呼ばれては出かけて願いの変わりに魂だかを戴く仕事をしなくちゃならない。でもって少年はまだ見習い。チェスで言うならポーンの身分で呼ばれても魔法陣をくぐっては行けず、夜中にチャリをこいでは扉をノックして悪魔でございとお伺いする。相手は命と引き替えに願いをかなえたいくらいにてんぱってる野郎ども。少年は詰られ叱られるもののそこは同じウザがられ男の好ってことで、話し相手になってはなかなか高い評価を得る。でも魂は得られない。ダメじゃん。

 まあそんなドタバタ見習い悪魔生活がメーンだったらラブコメに終わるところを前に少年の命を奪った少女が現れあれやこれやの大騒動。さらには別の勢力も入り交じり、そこに所属する少女も関わってきたりしていろいろと大変な状況へと向かっていく。さらに発動する少年の力。広がるバトルの範囲の中でご主人様の悪魔少女に虐げられつつ新たに加わった同僚下僕の少女との関係をあれこれしながら進んでいくだろー今後の展開が面白くなるかどーかは未だ下僕でしかない少年に向かう恋愛のベクトルがあるかないかって所にかかって来そう。でないと読んで哀れ過ぎるもん、少年。頑張って!

 いったいどれだけのレーベルがあるのかもはや見当もつかず把握も難しい状況なだけにほとんど毎日のよーに新刊が出ている感すらあったりしてフトコロが大変だし読むのも大変だけれどそれがお仕事だから仕方がないと、ふと気が付いたら創刊第2弾が出ていた幻狼ファンタジアノベルズから立原透耶って人の「竜と宙」(幻狼ファンタジアノベルズ)を読んでうーん、これって続き物? それとも完結もの? 完結だとしたら何というか詩的というか断片をぶんなげて雰囲気を見せつつさあ創造しなさいって感じのある意味現代アートに近い作品になっていたりして判断に迷う。オノヨーコがよくやるインタラクションとかいう芸術に近いかな。断片から関連を想起し全体を想像して未来を創造してみせるっていう。

 階級みっちり社会。竜を乗り物として駆ったりするのを筆頭とした戦士になる階層に入れられた少女が見習いの試験みたいなことのため、、地上にいて戦士たちから土竜と蔑まれる気の力も何も持たない普通の人間を狩りに行くものの、実は土竜にも気を扱える奴らが生まれていて抵抗されて少女は負傷し残され、侠とかいう階級社会からも土竜のコミュニティからも外れたアウトローと、乗り物にされていないはぐれ竜の住む場所で、戦って同様に傷ついていた気の能力を持つ土竜ともども暮らしてそういう人たちがいるんだと世界を知る。

 もっとも戻れば待っているのは戦士の暮らし。無事に戦士の座におさまるべく、求められたのは労働者階級を3人ばかり生け贄にする儀式だった。ってな話は少女が成長の端緒にすらついてないにも関わらず、一方でアトランティスとかいう宇宙ステーションへの旅行に当選した引きこもり気味のマイナー作家が、そこで新たな出会いを期待していったらやっぱり引っ込み思案で会話もままならず、唯一知り合えた憧れの女性っぽいのはただの女性っぽい男でがっかりしていたところに船がテロにあって大変だったけど、どうにかしのでいざアトランティスへテロリストを乗せて到着する、って話のさらに一方で、倫理的には拙いことらしーのに神官階級やらの女性が同僚といい仲になって妊娠までしてしまい、そのまま街で起こった事故に巻き込まれ死んでそれを偉いさんたちが咎めて同僚は憤りつつ女性の死んだ街へ向かう、ってエピソードまでもが出てきてそれも完結しない。

 さらに続きがあるならそれらに答えも出るんだろうけど、1巻って数字はないからあるいはここに示された3つのエピソードがすべてって可能性もあるのかもしれない。だとしたらそこから何かをつかむのが筋なんだけれどもどれも導入部で断ち切られたよーな感じでいったいどうなるのかすら分からない。うーん迷う。まあそれでもいろいろな立場の人がいるけどそれぞれにいろいろ大変だってことくらは分かるよーになっているから、これはこれでひとつのメッセージを持った作品と捕らえて良いのかもしれいなけれども良くないのかもしれない。どっちなんだ。様子見だな。

 そんな幻狼ファンタジアノベルズに比べると王道ラインアップで挑んで来るっぽいのが旧ソノラマ文庫にソノラマノベルズの面々が会社統合の結果、朝日新聞社へと移り始める「朝日ノベルズ」。何しろ第1弾にあの「星虫」「イーシャの船」「鵺姫真話」の岩本隆雄さんが登場するのだいったい何時いらいだ待ち遠しかったぞちゃんと仕事していたのか素晴らしい。タイトルを「夏休みは、銀河!」(朝日ノベルズ)はもう最初っから最後まで岩本ワールド前回で、宇宙との知的生命体との関わりって奴を少年少女の純朴さに重ねて見せては人類に開かれた未来をもたらしてくれる、前向きで上向きの物語が繰り広げられて心を晴れ晴れとしたものにしてくれる。

 「星虫」もそーだったけれどもこの「夏休みは、銀河」もスケールは銀河すら超えた宇宙規模。なのにそれほどまでに壮大無比な設定を、子供が夏休みに挑みたくなるちょっとした冒険から起こし、そして出会う出来事を子供の理解の範囲に治めながら地球に起こっていた数々のコンタクトを示し、そして銀河系に迫っている危機を提示してそれを少年達少女たちが愛と勇気と友情によって乗り切ろうとする姿を描ききる。上巻下巻とボリュームも壮大。上巻で冒険もひとまず終わりで新たな隣人を得たハッピーな日々が始まるんだと思わせて、その後に悲壮感すら漂いかねないクライマックスを持ってくるところが憎い展開力。読めば驚きの連続にハラハラとしながら最後まで一気呵成に連れて行かれる。ともすればガキの身勝手さに苛立ちも募るけれどもガキってなあ身勝手なもので、それを納得させ説得しようとする大人達の優しさと強さも同時に描かれそうかこうして子供はみちびくんだ、そして子供も大人のそういう所を見て育つんだってことが見えてくる。とにかく壮大。そしえ感動の物語。すべての岩本ファン、そしてSFファン、ジュブナイルファンは刊行の日を刮目して待て。

 気合いを入れてフクダ電子アリーナへ、は行かないで神保町の「TURRYS」で珈琲を飲みつつワンセグでもってJリーグ「ジェフユナイテッド市原・千葉vs浦和レッドダイヤモンズ」の試合を見る。いきなりゴーーーーーール! となったもののこれで勝てる相手ではないだけにその後もハラハラ。案の定前に出てきたトゥーリオ選手に決められ同点へと追い付かれるものの後半になってもプレスは早く守備も強固で相手に得点を許さない中で深井正樹選手が2点目を決めてリードしそして最前線で粘ったあれば誰だろう巻選手か谷澤選手かだれかから出たボールをミシェウ選手がキープしすばやくディフェンス陣の間を縫ってシュートしたらこれが決まって3点目。それまでも工藤浩平選手のシュートがちょい流れたり巻誠一郎選手のドンピシャのヘディングがポストに跳ね返されたりと惜しいながらも得点の匂いを感じさせる攻撃が続いていた所を見ると、攻撃陣も相当に好調な所にあるらしー。

 なら守備陣はどーかとゆーとエディ・ボスナー選手を中心にしっかり守り1点差まで詰め寄られてもそこをしのいで勝利! そして気が付くと入れ替え戦圏すら抜けだしていたりしてさらに上を目指せるポジションにまで届いてた。すげえなあアレックス・ミラー監督って。っていうかそんな監督の采配にかなう選手たちをちゃんと集めて揃えたフロントも偉い。深井選手なんて何点取った? 谷澤選手はどれだけ貢献した? 戸田和幸選手にミシェウ選手と補強した面々のことごとくが活躍しているこの状況。代わって出られなくなった青木孝太選手や中島浩司選手には勿体ないけどでもいざとなったら使われる水準にあることは途中に幾度か起用されていたことでも分かるもの。あとは今の分厚くなった選手層を活かしてどうにか終盤をしのぎきって残留を決めあわよくば天皇杯なんかでも上位へと、抜け出て欲しいと願うと虻蜂取らずになるかなあ。ならやっぱりリーグ残留の確定をお早めに。

 んでもって日比谷野外音楽堂へと駆けつけ内田裕也さんの叫びを聞く。初めて生で見た。伝説だあ。というか存在そのものが伝説だったフラワー・トラヴェリン・バンドの日比谷帰還。35年ぶり? あのピンククラウドを前座に従えての凱旋ってのは豪華過ぎるし今時のロックファンにとってはピンククラウドの方が神様なんでいったいどんな感じになるかと心配したけど途中で雨が降り出したこともあってか途中で帰る人もややいたものの、登場した我らがフラワー・トラヴェリン・バンドの新曲中心のサウンドにもしっかりと耳そばだてて聞く人が多数。でもって「SATORI2」からアンコールを経てカーテンへと至る流れのノリの激しさに席を立つ人もなくしっかりと最後まで楽しんでいってくれたみたい。声もちゃんと出ていて石間秀機さんのシターラもグイングインと鳴り響く。ジーンズ度高く髭度高く長髪度高く年齢層も高めな観客も疲れ知らずの乗って終わったこのライブから、新たならフラワー・トラヴェリン・バンドの伝説が始まるとしたら貴重な場にいられたってことで一生を語って過ごしましょう。ニューヨーク公演とやらが楽しみだあ。


【10月4日】 悪魔で執事。なんだろうなあきっと。絵は耽美だし声は良いのにストーリーがまるで普通なのは第1話だからなの? 単行本とかでもこうでそれがだんだんと面白くなっていくなら見続ける覚悟はあるんだけれどアニメーション版「黒執事」、でもこのまま本当は何かを仄めかしつつあからさまにはせず有能執事を演じさせ続けて坊ちゃんの憎しみを背負わせ続け、周囲では庭師と料理人とメイドにドタバタばかりを演じさせ続けおひょいさんには喋らせなさせ続けて、1話完結の魔太郎喪黒変奇郎的ノワールストーリーを繰り返し続けるんだったら、果たして見続ける価値があるのかどーなのかをちょっと悩む。

 何より美少女っ気が少なすぎ。ですだよ姉ちゃんしかいやしねえ。まあそうじゃない人たち向けのお話なんだからそれは仕方がないとしても、だったらもうちょいドロっとした悪意って奴がにじみ出て来るよーな奥深さを見せてくれたら、夜中に沈んで帰宅した気持ちを泥沼へと叩き込まれてぐっすり眠れるんだけど。んでもって翌朝に起きられない、と。

 15周くらい遅れた正義熱血ヒーローによる直情バトルものってイメージを、ちょっとだけ半周くらい先に進めて卑屈な奴が力を得ると本当に鬱陶しいよねって感じにヒーローのヒーロー性って奴をややナナメ方向から斬って見せた物語、って感じがぶわっと浮かんで裏狙い狙いすぎるとかえって薄っぺらさが見えて辟易とさせられるなあ、って気分が浮かんで止まないアニメーション版「鉄のラインバレル」、なんだけれどもまあそーした裏狙いの繰り返しみたいなのはもう歴史の上では仕方のないことであって、生まれてアニメを見始めたタイミングによってはそれを目新しいと感じる世代があっても不思議じゃないから、年寄り目線であんまりいろいろ言うのは遠慮しておこう。

 とりあえずこの後に主人公は増長し過ぎたツケを交友関係で支払い立ち直るんだろーからその後の、いったいどんな設定からあの世界が戦いを繰り広げていてその中で主人公が何を思ってどう戦うのかって所で勝負をして戴きたいと願い見守ろう。それともずっとあのまんま? 滑稽さが極まってヒロインにもウザがられ続ける上滑りのヒーローってのもまあそれはそれで新しいけど。あとあの顔の上の平井線はやっぱり気になるなあ。気分によってうにょうにょ動いたらイヤだなあ。

 あと何を見たんだっけ「CLANNAD AFTER STORY」だったっけ。野球大会は「涼宮ハルヒの憂鬱」の頃からの京都アニメーションの得意技。1人ひとりのプレーを通してキャラクターを紹介するのにこんなに都合の良いシチュエーションってないからね、って言われてもでもあの作業服を着てポエムをつぶやいている兄ちゃんはいったい誰なんだとか、下級生なのに言葉遣いがぞんさいな物知らずの少女がやたらとパワフルなのはどーしてだとか、負けたら早苗のパンを食わせると言われてどーしてみんながやたらとやる気になったのかとか、能登可愛いよ能登な一ノ瀬ことみがどーして打席で瞬間的に計算をはじき出してみせたのかとか、前を見ていないと分からないことだらけだからこれはまあキャラをまとめて見られるオールスターなエピソードってことで、前も見ていた人向けのファンサービスだと捕らえるのが良いのかな。藤林杏とか体操服を着ていたし。椋っていたっけ? あと風子がいなかったけどもしかしてどっかに映ってた?

 ゲームをやってないから詳しいことは分からないけどとりあえず物語的には古河渚をゲットでそっちのルートが確定。ならば進む先は劇場版と同じハッピーなのかアンハッピーなのか分からないドロンドロンな展開ってことになるんだろーけど、それを深夜にジクジクと見せられると心になかなか厳しいものがある。すでに現実がどろんどんならそれでも生ぬるいぜって遠い目になれるんだけれど、今まさにこれからを青春から壮年へと向かい順風満帆な人生設計を思い描いている人にとって、手にしたはずの幸福が壊れ日々が泥沼のよーになって怠惰とゆーより堕落した日常をただひたすらに繰り返す可能性って奴を見せられるのは、何とゆーか心に痛みをもたらしそー。それとも今時の若い人ってあーいった悲劇ですら起伏と思えるくらいに前を向いても闇ばっかりでそれも永遠に明けない闇で、進みたくっても進めずかといって戻れないで彷徨っていたりするのかな。でもって悲劇だってその前に幸福があったし最後にもそれなりの幸福があるのは羨ましいって思えてしまうのかな。だとしたら末世、だけど、うーむ。

 改めて自己紹介、ってんあら「ヤングキングアワーズ」の2008年11月号の冒頭に掲載の「惑星のさみだれ」なんかがこれまでのおさらいで始めて読む人のみならず、漫然と読んでて現在地を忘れてしまっている身にもそうかそーゆー展開でそーゆー構図だったんだってことが分かって有り難いありがたい。もしかしたらそーやって全体像を振り返った上で俺達の戦いはこれからだ、って感じに話を畳んでしばしの休載という名の打ち切りへと至るんじゃないかって不安もあったけれども、休もうと落とそうと温泉に逃げようと続く漫画は最後まで続ける主義の雑誌なだけあって振り返りつつもちゃんと前に進んでそして新しい展開への道筋なんてものを見せてくれた。

 もうむちゃくちゃに強くなってしまった姫にも泥人形の送り手は臆した風はなし。きっとこれから本当の死闘って奴が始まっては姫に夕日の主役以外のところでいろいろ、哀しい出来事も起こるんだろー。それをどう呑み込むか。でもって世界はどこへと向かうのか。最後までつき合いたいけど、最後っていつ頃よ?

 だって11年だよ。「HELLSING」。時に数ページだったり時に載らなかったりしたこともあったけれどもそれでもちゃんと続いていよいよ訪れた完結編。ずいぶんと小皺の増えてしまったインテグラルちゃんにはかつてのブルブルと振るえていた眼鏡少女の面影なんてまるでなし。ヘルシング機関の先頭に立ってた時代の居丈高な態度に年の功って奴なのか諧謔味も加わってはペンウッド卿のお孫さんを相手にいちびりを見せてたりしてなかなかに人を操る妙味も覚えた模様。でも小皺は増えたけど。

 対して皺ひとつないのが婦警ことセラス・ヴィクトリア。もう当時のまんまの若々しさでもって婦警の服を着てインテグラルを守ってる。胸元なんかもはちきれんばかり。そりゃあインテグラルも羨ましく思うだろーさ。夜中にインテグラルが何者かに襲われた時に飛び込んで着た際に見えたあれはズボンか? 単に短いズボンなのか? いくら婦警だからって制服がワンピースってこともないし実際、ジャケットにスカートの仕様だからのぞいたのはやっぱり……。最後に良い物を見させてもらいました。ってことでこれでオシマイの「HELLSING」。そして新年より連載は何だろう「新HELLSING」? 何だって良いから書いてね毎月。続きの六道神士さんにちょっと似た画風の人の漫画を生涯の銘として。いや良いそんなことよりちゃんと新作が読めれば良い。

 良いってことで今後を応援する気もこめて1巻だけ買ったけれどもちょっと怠惰に遠慮していたOVA版の「HELLSING」のDVDを2巻から4巻まで「石丸電器」でまとめ買い。まだ初回限定版が売ってるぞ。そういう時代か。思い出すなあ1巻の未完成披露試写会。部屋を掃除してたらインテグラルの絵が出てきたよ。もらったんだよなあ下北沢で。んでアニメの方は第5巻が何やら順調に送れているみたいでカラーページには10月24日発売に向け制作中だなんて堂々書いてあるのにそれから数ページいった漫画の脇に「11月に発売延期」なんて書いてあるんだから何というか愉快というか「HELLSING」っぽいというか。

 それでも1カ月と間をおかずに出るんだから良いんじゃないかと。問題はその後もちゃんと出続けるかってことでここからこの先「最後の大隊」との最終決戦を描いていくとしたら巻数はどれくらいで発売時期は何時くらいになるんだろー。せめて2010年のワールドカップあたりまでにはどうにかって願いたい。2016年の東京五輪までにはせめて。連載開始20周年記念作品ってなったらそれもそれで。生きてるかなあそれまで。


【10月3日】 かぷっちゅう。とはまた懐かしい。前の放送っていつだったっけ、半年前? さらに前? とりたてて待ち望んでいた訳じゃないけどこうやって再び始まってみるとあのいっぱい白やら縞やらを見せまくっては人間の少年が最強無比のヴァンパイアの少女に見初められて血の蛇口化されつつ惚れられつつ、ともに怠惰な学園生活を送っていると廻りにサキュバスやら魔女っ子やら雪女やらが集まってきてハーレム状態。けれども平和は続かずちょっかいを出す輩の登場に普段はまるで乙女なヴァンパイアが最強となってすべてを蹴散らしなぎ倒す、もちろんいっぱい白見せで、ってなフォーマットにとことん慣らされていたんだなあと分かる。見ていて安心。そして興奮。さらに驚嘆。最後に嘆息。ああ面白かったで1週間を気ままに気楽に過ごせそー。

 そんな癒し系妖怪バトルストーリー「ロザリオとヴァンパイア」が「CUPU2」とかって読みそのままじゃん! なタイトルで新シリーズ入りしていきなり登場の自転車の美少女が少年を蹴散らし蹴り飛ばしてはやっぱりいっぱい見せまくり。そして始まった新学年で相変わらずのハーレム状態に一筋の稲妻が落下する。何ですって妹ですって。髪の色も顔の形もまるで似てない赤夜萌香さんの妹が「お姉さまは堕落しました」、なんてアールデコみたいなことは言わないけれども挑戦的な態度で挑んで来たからたまらない。いったい何が理由なのか。そして勝敗の行方は。どうなるか見えない展開だけれどこれだけは言える。「一騎当千」よりも「セキレイ」よりもちゃんと“見られる”アニメです。それで今は十分。

 人間の男の子1人に妖怪の美少女があれやこれや。ぷらす鬼の兄ちゃんがひとりってところは「ロザリオとヴァンパイア」だと新聞部の部長の役割か。ならだいたい同様なフォーマットを持つ割に白も苺み見られないのは局の方針か漫画がもともとそうなのか。ってんで始まった「夜桜四重奏」は妖怪と人間が共存できる街を舞台に紛れ込んできた悪い分子を調律するのか常世送りにするのか不明ながらもそんな唯一の力を持った少年を軸に、跳躍力に優れた町長らしき美少女に帽子を取るとぴょこんと耳があらわれいろいろ読める美少女に、背丈は巨大で眼鏡っ娘で性格ぞんざいでキレると口先で何でも出してしまう言霊使いの美少女たちが寄り合い集まってはいろいろと難事件を解決していく、とまあそんあ感じ。「ロザリオとヴァンパイア」にやっぱり重なるなあ、っていうかもとより王道のフォーマット、ってところか。

 ヤスダスズヒトさんの絵が動くってのは「神様家族」以来? でも「神様家族」は原作のイラストとは随分と雰囲気が違っていたからヤスダスズヒト度では「夜桜」が最初にして最高峰、ってところか。山本ヤマトさんの絵をえらく変化させた「紅 〜Kurenai〜」と同じ松尾衛監督にしては大人しい。プレスコをたぶん使っているんだろうけどそれが醸し出す縁起的な凄み、ってのがまだ感じられないのは絵が割に普通のアニメーションで展開も割と普通であれやこれや演出面で工夫を出す場面が少ないからか。唯一すごかったのは言霊少女が口先でマシンガンだかを中空に山と出現させては声で「ダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!」って叫んだ場面か。あれって短く撮ってつないでるよね? つないでないの? つないでないとしたらよく出したよ沢城みゆきさん。信頼しているんだなあ松尾さん。ってな感じで始まったこれは原作漫画もあるんできっとそのとおりに進むんだろう。読んで予習するかそれとも見てから確認するか。多分買うんだろうなあ。乗せられてるなあ。

 朝に起きたら毒虫になっていたのは本人のみならず家族も確認していたからリアル世界に起こる不条理ってことだろーけど連れ帰った青年が家の主人が飼育していたオカメインコを食べて鳥になってしまった様を見ているのは家の主人だけ。だからあるは妄想でしかなかったりするのかそれともやっぱりリアルなのか。普通に考えれば都会暮らしを続けていたら滅多におめにかららない不条理が、現れた時に恐怖する人間の姿を描いて文明化されたよーでしっかり残っている野生への畏怖ってやつを暴こうとしたってことなのか。

 題名を「いやしい鳥」っていう藤野可織さんの短編集。飲み会に乱入して来た酔っぱらいの青年がオカメインコを喰らってしまい、怒って殴り飛ばしたら顔が変わり、全身から羽毛が伸びて巨大な鳥になって刃向かってきたからこれは困った。家から逃げ出そうにも逃げられずどうすれば倒せるかを日々精進。そしておとなりさんがのぞいたら鳥なんてなく人もいなくて壁に血糊がついていた、っていうからやっぱり殺されたのは人間なのか、やっぱり人間が代わった鳥なのか。「文學界新人賞」を受賞した表題作だけど、創造するな非常勤講師という先の見えない暮らしに焦り、愛想を尽かして家を出た妻に憤った男が抱いた妄想ってことなのかも。でもそれを明確にしないで不条理感を出す。手段としては有り体だけれどキーに動物を持ってきたところに文化と一線を画した野生への違和感って奴を伺えそう。

   「悪い子にしていると恐竜に食べられちゃうよ」と幼い娘をおどかしていた母。恐竜は滅びたはずなのに。子供心にそう反発していたらある日、母が恐竜に呑み込まれてしまう姿を見た。大学生になった今も母はいるけれど、言動なんかが前の母親とは違う気がして落ち着かない。「溶けない」って短編に描かれたビジョンなんかも、男子との交遊を叱り喫煙をとがめる母への憎悪が恐竜の形になったもって言えるのかも。しかし恐竜。他の人が蜥蜴やカメレオンなのに彼女は恐竜。何と深く激しい感情か。あと猫を喰らい、人を噛む胡蝶蘭を部屋に持ち帰る女性の虚無の感情が不気味に迫る「胡蝶蘭」も収録。読み終えて見渡した世界の端々から動物が、恐竜が、草木が襲ってくる白昼夢に、抱えた不安や拭い去れない未練の大きさが見えてくる。

 何だよ「残留力」って。そりゃあギリギリの所にいるけど今は上向きで降格圏の脱出も間近。それは前半とは違った戦い方をしているからであって火事場の馬鹿力っぽいニュアンスを持って残留争いをどうにかしのぐ「残留力」って今を言われるのは不本意極まりないけどでもまあ現実問題ちょっと前まで底辺にいただけにそこをしのいだ力をもって「残留力」と言われても仕方がないのか「エル・ゴラッソ」。とはいえ相手の浦和レッドダイヤモンズを「覇権力」って書いて比較されるとやっぱりもーちょっと良く見てよって気も。だいいち今の浦和じゃあ首位争いは可能でも覇権なんて声高に叫べる状態にはないんじゃないのか。まあ去年のACL優勝とかいろいろタイトルを持っててトップまで2ポイント差じゃあやっぱり覇権力の本領発揮と期待されても仕方がないのか。結局良いところ衝いてるよ。


【10月2日】 それで片づくんなら過去にだって幾らだって片づけられたはず。よって宇宙でも最悪の存在だの何だのと呼ばれ恐れられることなんてないはずなのに誰もが目の色を変えて争奪戦。あげくに首謀者のひとりは塵と消え、画策した奴は見とがめられてきっとしばらくは牢屋の中。遠巻きにしていたクリステラ・レビはだからリュンカなんて実は他愛のないものだと知ってゴメスともども争奪戦には加わらなかったんじゃないのかなあ。それとも何だろう、六本木をぶっつぶすくらいに凶悪無比な超平気でも愛の前には無力ってこと? 愛は地球を救う。万歳だ。

 ってことでひとまず終わった「鉄腕バーディーDECODE」は、「to be contenue」なんていつかの「セキレイ」と同じ文言が流れたけれどもこっちはおそらくは確実に、次を作ってくれるだろーから安心安全安穏安閑。なおかつバトルは旧「鉄腕バーディー」とも新「バーディー」とも同じクリステラ・レビとゴメスのコンビが相手だから、愛なんぞで片づくよーなミニマムな事態にはならないでもっとでっかく銀河をめぐる興亡へと、向かってくれると面白いんだけれど旧も新も含めてバーディー、規模はずっと千川つとむと仲間たちのご町内が範囲だからなあ。ってかあれはそもそもクリステラ・レビなのか? まあ良い連載開始と同時に炎の中をのっしのっしと現れたバーディにヤられて20余年、つき合ってきた身だからこの先どこへと進もうともついて行きます最後まで。だから最後はちゃんと読ませてね。

 トラトラトラ、には一つ足りないけれども虎と龍とがぶつかり合うアニメーションがほぼ連続して放送さっるのは昨今のセリーグでの中日ドラゴンズの体たらくと阪神タイガースの躍進を現してのことなのか、お話の方でも龍より虎がメインになっているっぽいし。そんなひとつの「トラどら!」は置いておいて「ヒャッコ」から。何だヒャッコって? ってタイトルが気になりつつ記憶を探って本屋の漫画棚でちらちらと見た記憶を浮かべつつ放送を見たら女子が飛んでた。冒頭で、オープニングで、本編で。うーん合理的。でもって見えていないのが常識的。そんな虎子に龍子と朱雀子と玄武子が出会って始まる日常話。だけど見渡したクラスの面子のどれも一筋縄ではいかなさそうな風貌に、「ねぎま!」とか「ぱにぽに」なんざあ目じゃない爆裂教室ストーリーって奴を期待できそー。それにしても根谷美智子さんが女子高生か。折笠愛さんも女子高生を演っていたから別にいいのか。

 見上げれば緑。そして黄色。あといろいろな色がすぐ手に届きそうな場所に来ていたことに気づいたJリーグ。ACLの関係で足りなかった試合をこなして鹿島アントラーズが得失点差で首位に立ち、名古屋グランパスが着けてるトップの構造はどーでもよくってはるか下で降格を争う団子の中にどんどんと落っこちて来てくれているのが最後尾からはい上がって自動降格圏はどうにか抜けだし、入れ替え戦域からの脱出も目論むジェフユナイテッド市原・千葉にとっては東京ヴェルディと柏レイソルの停滞がとっても美味しくうつってそう。

 ヴェルディはフッキに翻弄された格好で可愛そうっちゃー可愛そうなんだけれどもそれを修正しきれない所がやっぱりっていくか。いつかの再来っていうか。守備が大崩壊している訳じゃないんで引き分けの泥沼戦とかやられるとキツいかな。前半なんてあんなに強そうだったのに柏のここに来ての凋落が気になるところ。五輪の無様さを李忠成が持ち帰った? でもそれ忠成の責任じゃないし。是非に来年も日立台をともに黄色に染め上げたいんで頑張って、って言ってるととおにJ2で蘇我と日立台を黄色に染め上てたりして。縁起でもねえなあ。

 東京タワー、御成門から行くか神谷町から行くか。んで神谷町から行ったら案外に近かった。そっちが正解? 過去に昇ったことなんて1回しかないから分からないけどそんあ合間に中身も着々と更新されているみたいで何時の間にやら出来てた「ギネス世界記録博物館」とやらであの石ノ森章太郎さんが名誉館長の就任するって発表会があったんで取る物も取りあえず「ニンテンドーDSi」の発表会もそっちのけで駆けつける。行くと入り口に巨大な人が立っててこれが世界最大の人かと見上げてアポー、って真似をしたけど聞いてない、人形だからなあ。世界最小の人もいたけどほんと白雪姫の七人の小人。モニターに映し出されてた顔まで毛むくじゃらな人といい、世界にはいろんな人がいるしいたんだなあ。そうした人がいろいろ言われて伝説いんあったのかなあ。

たどりついたぞ真下まで、次ぎは上だ  しかし500冊770話とは驚きだよなあ石ノ森さん。中には「マンガ日本経済入門」とかも入ってて買いそろえるのに躊躇したけどこーなるとギネス級どころか正真正銘のギネスに載った大全集を買っておくんだったと後悔。60万円なんて5年に分ければ月1万円。安いやすい。問題はだから置き場所か。井上伸一郎さんだって置き場所に悩んでいたみたいだし。まあ角川書店の社長ってことで他に置く本もたくさんあるから仕方がないか。会見にはもちろん石ノ森さんは来られないし来られるわけがないけれどもその筆から生まれた「仮面ライダーキバ」に「電王」が現れポーズ。格好付ける「キバ」にくらべていろいろポーズをとってはおちゃらける「電王」ってところがキャラクターを現してて良い感じ。今も「電王」が人気な訳だ。

 つつがなく就任式は終わって電車を乗り継ぎ「渋谷パルコ パート1」で開催されるボーメさんの展覧会のプレビューを見物。50センチはあろーかとゆーフィギュアが屹立している様はなかなかに壮観だけれど僕たちが秋葉原とかで見慣れていて別段に何も主も思わない美少女フィギュアを果たしてお洒落なパルコの買い物客はどー見るんだろーかに興味。それより以前に300円とか払って入場するのかが問題だけれどそこをキュレーションしたあさのまさひこさんは、パルコとゆー場で開いても他の部員たちが違和感を抱けないよう「アート」って文脈を敢えて持ち込んで開催の事由を取り付け、そしてアートならって見に入る人たちを誘う戦略を取ったとか。なあるほど。

 よくよくフィギュアがアートかプロダクツかって問題は論議の的になってオタクな側から見てアートなんて“権威”で引っ張り上げられたくないし、そうされなくたって十分に価値はあるんだからむしろアートでございと前面に出した村上隆さんのフィギュアが数千万円だの数億円の値段が付くのが妙だしそれらがその値段ならマスターピースのフィギュアはさらに高くたって不思議じゃないと、まあそんな意見も出たりするけど残念なことに一般の多くの人たちはやっぱり美少女のそれもニジゲンなキャラクターを立体化することにとてつもない違和感を覚えている。エロいとかいった以前。キモい、か。そうだよなあ、机にいろいろ置いてるだけで周囲の目線が冷たいもんなあ。

 だからアートといって引っ張り込んではアートっぽく並べられてる美少女フィギュアって構図にぎょっとさせ、ザラザラっと見せた上で最奥にあの村上隆さんのコラボレーション作品をおいてそういう人なんだと納得させる展示方法を取り入れたとか。贈答品のよーなパッケージに限定フィギュアを入れて売るのも一種のアート的タクラミで、中身はまるまる美少女フィギュアでしかないものを、そーゆーパッケージ(デザインはよつばスタジオだ)に入れて並べてみせて興味を誘う戦略が、果たして渋谷の一般のお洒落さんを呼び込み世間の未だテレビの上にも床の間にも美少女フィギュアを飾れない、欧米以上に偏見の強い日本を変えることにつながるか。興味を持って眺めていこう。しかし買うべきか買わざるべきか限定品。30000円弱はやっぱり高いし、それより置き場所が問題か。等身大の「ちよ父」をどこかにやれば良いんだけれど、倉庫に持っていくだけで大変なんすよ、あれ。


【10月1日】 んで延々と聴く竹内まりやさんの「プラスティック・ラブ」。旦那さんの山下達郎さんがライブを集めた「JOY」で唄ってたその旋律の美しさにこりゃあご本人のも聴かなくちゃ、っていうかアルバムも持っていたから聴いてはいたんだろうけれどもこの10年、部屋のどこかに「JOY」が消え、かといって「VARIETY」を買うほどんは至らずなかなか聴けなかったからようやく出会えたって感じ。印象は……キー高すぎ。当人は実にささやくよーに唄っているんだけれど会わせようとすると喉が引きつる声がかすれる。かといって下げたらあの響きが出ないんだよなあ。良く唄っているよなあ達郎さん。今度のライブでも是非に歌って欲しいけど。抽選当たらないかなあ。

 見た。アニメ。「フルメタルパニックふもっふ」とか。うんまあ面白い。けどやっぱりサイドストーリー、購買のパン屋に向かって道をあけろと拳銃をぶっぱなしたら普通のリアルな世界じゃあただのミリタリーマニアなんかじゃなくって本当のアブない人になってしまって後ろに手が回る。無印から始まるシリアスなシリーズだとそのあたり、学校での描写に関してはあくまでミリタリーマニアの範疇におさえていたっけか。でもまあ日常にトンデモが、っていうかおそらくは戦場では普通な対応が入り込んでは平和な国と戦場という彼我の差について考えさせるよーになっている、って言えば良いんだけれどでもやっぱりおかしいいよねえ、ラブレターが入れられただけの下駄箱を大爆破するなんて。とらえず10月スタートで1番くらいのお楽しみ、ってちょっと前に始まってたっけ、っていうか再放送じゃん。

 んで大井昌和さんの「女王蟻」の第3巻。絵がいきなり「一年生になっちゃったら」になっていた。第1巻のスタイリッシュで先鋭的な絵はいったいどこへ行ったのだあ? でも可愛らしいから許す。ストーリーは1読では理解不能。前からいて蟲を支配して月の安定を保っていた女王蟻は学者か誰かが変化したもので、もう1人地球から移り住んだ警官だかが倒れて吸収されて変化した2人の女王蟻がどーして戦わなくちゃいけないのか、でもって本当の敵ってのがいたりするのか、ってあたりをもーちょっと精査して読んでいかなくちゃいけなさそー。絵が絵だけにキャラを見分けストーリーをつかんだ果てに見えてくるのは人類の進化を描いたサイバーでスタイリッシュなSFか? 結果によっては「マンガ大賞」に送り込みたいけどやっぱり支持者少なさそう。

 そろそろ締め切りのよーな気がしないでもない「このライトノベルがすごい」のセレクトなんかを考えてみたけれども、読んだ本が多すぎてその分量に容量がパンクしてまるで覚えていないのが辛い。小説だって内容までくっきりとは覚えていられないのにイラストレーターとなるとさらに名前を覚えていないんだけれど記憶を辿れば「けんぷファー」でまん丸い目と立派なボディを描いてくれている人とか、渡瀬草一郎さんの電撃文庫での新シリーズを手がけている女性とかナイスバディで立体感のあるキャラが得意そうな人とかが気になるところ、か。紅玉いずきさんの「MAMA」を手がけた人もスタイリッシュなんだけれども他で何か手がけてたっけ。あれは一迅社アイリスだったかの「ヴァルハラ」の先鋭的なタッチの絵を描いた人は誰だったっけ。言えることはいわゆる普通の美少女キャラにはあんまり興味を惹かれない、ってところか。いや単に忘れているだけだろーから決定にあたっては積んである山を崩して上から見下ろし真っ直ぐに目が行った人を選ぼう、ってなるとアンダーウェアがちょろりに行ってしまうんだよなあ。この助平が。

 本の方はうーん、やっぱり昨今の傾向にあるネオ青春小説ってあたりか、いや何がネオなのかまでは分からないけどともかくライトノベルに異能バトルも異世界戦国絵巻も出てこない、日常の中で一般通念の範囲で起こり得る出来事を描いてそこでボーイミーツガールだか、ガールミーツボーイといったごくごく普通の男の子と女の子の初々しさを見せてくれる作品が増えているのです。もちろんそれだと旧来からある青春小説なんだけれども設定にやや現実からぶっとんだ所が見られたり(「ふもっふ」みたいに)して、そこが通常の青春小説との違いを際だたせ、一方で異能だの何だのにやや飽きかけた人たちにこういう普通さも悪くないって思わせる効果から売れている、のかもしれない。

 「神様のメモ帳」や「さよならピアノソナタ」の杉井光さんなんかが得意そうだしアサウラさんの「ベン・トー」も異常ではあっても異能とは違うバトルに現実からちょい先って感じの期待感を与えてくれる。まあ現実に半額弁当を争うゲームが成立するとも思えないけれど。何より田中ロミオさんの「AURA 魔龍院光牙最後の闘い」なんかが非現実的に見えて現実の中で後悔を超えて己を貫き通す格好良さってものを感じさせてくれて面白い。人によっては青春の痛みに身もだえしたくなるかもしれないけれど、そーした恥ずかしさってのは自分を信じてないから起こるもの。救いを求めながらも逃げられずレミングのよーに突き進むだけだった少女を救うには、自分を信じて突き抜ける必要があったってことでかくして現れた魔龍院光牙のこれからは? 読みたいけれども書かないだろうなあ、綺麗に落ちてるし。でも読めたら……。期待を込めて推薦、と。

 異動なんで初日くらいは真っ当な格好をしよーと10年以上も前に買ってあった「コム・デ・ギャルソン」のチャコールグレーのプレーンなスーツにOAZOで5000円で買ったベルトとネクタイ2本とシャツのセットから黒がベースのレジメンタルタイだけ除けて身につける。問題は靴だけれども発掘していたら出てきた42ndロイヤルハイランドのプレーントゥがカビこそわいていたものの形とかは潰れていなかったんでやっぱり掘っていたら出てきたシューツリーを放り込んで形を整えそして靴クリームを塗りたくってこすりまくったらどうにかこうにか靴らしい形になって来た。シューツリーって偉大。つっかけこれで遠目にはサラリーマンのコスプレイヤーが完成。違うって本物だってって主張したくたって普段が普段なんで誰にも信じてもらえないのも当然か。明日っからは普通にTシャツにジーンズにジャンパーにニットのワッチでおめかしだ。活動的ぃ。

 んでもって新媒体でもやっぱりオタクな業界を取り上げるみたいだけれどもビジネスサイドに寄った記事よりもーちょっと、クリエーターサイドに寄った記事が必要みたいでそれにはクリエーターを紹介してくれるよーな方々が是非にも必要。今をときめくアニメ監督をフィーチャーできればこれ幸いなので是非にと売り込んで頂ければ都合を伺い傾向と重ねて何とか出来れば何とかします。我こそは登場して差し上げてもよろしくってよ、ってアニメ監督の方とか脚本家の方とか、現れないかなあ。ルルーシュが最期どーなったかを脚本の人にも聞いてみたいなあ。趣味丸出し。


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