縮刷版2007年2月上旬号


【2月20日】 レベルは99と超最強。だけどかしこさ40の勇者が還って来た。国民的RPGのヒロインで勇者のロザリーが、1プレーヤーの願望実現能力で引っ張られて現在に顕現してしまってはその少年の妻となるべく迫り世話をするとゆー、羨ましくも楽しい七月文隆さんのコメディ「ラブゆう」(集英社スーパーダッシュ文庫)に待望の第2巻が登場。少年を弟と慕い恋人と認める従姉のおねいさんも負けじと迫れば、お金持ちのご令嬢ながら鍛錬に勤しみ力は人間では最強クラスになっている美少女もツンツンしつつ迫るとゆー、ハーレム状態におかれた少年の日常を、読むほどに羨ましくなって自分も出てきてほしいとゲームに祈る日々。とりあえずは神崎すみれさん出てこい。「レイトン教授と不思議な町」のアロマでも良いぞ。でもアロマはロザリー並に料理下手そうだからなあ。それもまた楽しからずや。いやいやロザリーのはマジで死ぬからやっぱり楽しくない。

 デートをせずに2人でビデオをみたりして幸せそうな少年とロザリーだけどそこに乱入する従姉にお嬢様。そして始まる「人生ゲーム」ではない「生涯ゲーム」の敗者が少年と罰のキスをするとゆールールに当然ながら誰もが負けようと必死になったり、南国のリゾートへと出かけてはとあることが理由でツンツンが消えてデレデレと迫ってきたお嬢様にドキドキしつつブルブルふるえる少年が、逃げ出しそこでロザリーにやっぱり迫られたりと羨ましさレベル999。ますますゲームのコントローラーを握り祈る心に邪心が満ちあふれそー。けれども一般の家には来ないゲームの中のお姫様。なのに物語には1度ならず現世に顕現するお姫様。さてもどうなるって所で終わる物語の続きを今は速く読みたい。きっとやっぱり羨ましさにプルプル震えさせてくれるに違いない。

 これが老いという奴か。「週刊サッカーダイジェスト」の2007年3月6日号に掲載のセルジオ越後御大による「天国と地獄」は日本代表のオシム監督への何でも文句をつけなきゃ気がすまない感情から来ているとゆーか、いつも厳しいご意見が載せられてその中には異論を差し挟める空気を作っておかないと大変なことになるよって、総論としては真っ当なこともあるんだけどその異論が異論を言うためだけに発せられたりする微妙さもあって、読み手をともすればウンザリとさせているのは先刻承知。それすらも1つの情愛と捉えることは出来ない訳じゃないんだけど、今回ばかりはさすがに目玉が裏返った。

 16日から行われていた日本代表候補の合宿についてのコラム。でありながら「なかでも一番の疑問は欧州組を読んでいないことだ」って言い切ってる。えーっとただの合宿なんですけど、別にAマッチデーでも何でもないんですけど、欧州じゃ普通に試合が行われているんですけど、でもって中村俊輔選手も中田浩治選手も出場しちゃったりしているんですけど、それでもセルジオ越後さん、欧州組を呼ばなきゃいけないんでしょうか、試合から外してもらって呼んで鍛えて疲れ果てさせて帰らせて試合から外されて埋もれさせろって言うんでしょうか。そうかもしれないなあ。

 まあ書き手の本意としては合宿に欧州組を呼んでいないことを怒っているんじゃなくって、これまでの試合で1度も呼んでいないことを怒っているんだけどそれだった散々言い尽くされていることで、ら今回の合宿に関連した話の中で言うことじゃない。これまで呼ばなかった理由も過去の会見からつい最近の13日に行われた会見に至るまで、重ねて説明しているんだけれど文句のために文句を言うのが習い性になってしまっているのかセルジオ師匠の辛口は止まらない。言葉を換えれば老人の繰り言のよーに同じ文句ばかりが繰り返されてその度に大勢から電波だ耄碌だって突っ込みが入る。けど止まらない。これで3月24日に開催されるペルー戦に海外組を呼ばなかったら更に繰り返されるんだろうなあ。辛いなあ。

 「所属クラブの所在地を選手選考の基準にしてチームづくりを進める代表監督の例は、世界的にもあまり聞いたことがない」って言うけどブラジル代表とかアルゼンチン代表だって確か欧州で親善試合が組まれた時に、欧州にいる選手だけでチームを組んで戦ったことがあったんじゃなかったっけ。まあこの場合は国外組の方が圧倒的に優れてるって理由も立つけれど、それに倣えば日本代表の場合は海外組が国内組に比べて知名度はともかく力で圧倒的だってことはない。「ポンと呼ばれて、いきなり中心選手として振る舞えるようなスーパーな選手がいないことはドイツで痛感した」。そのとおり。欧州組を呼んでもポンと中心選手にならないのだから呼ぶ必要はないのだ。

 「逆に、欧州組を中心選手として捉えていないのならば、それこそ早く呼んでテストしておくべきだろう」。中心選手でもないのに何で呼ばなきゃいけないの? 文句を言いたいがために文句を重ねて綻びが見えても気にせず突っ走ってしまう筆は、読むほどに口中に錆びた味を滲ませる。「オシム監督には、オレのチームはこうだというのをそろそろ見せてもらいた」。見えないのか。見えていないのか。走り守り攻めて動くトータルフットボールへの志向が。セルジオ御大って練習とか見に行っているのかなあ。でもってコーチ陣を話したことがあるのかなあ。疑問と思って解答を探らず疑問のまんまぶつけて終わり。そんな傾向が何か強くなって来ている。

 「年齢や経験から言って底上げを担うような選手ではない中澤をなぜ今呼んだのか分からない」。底上げじゃなくって上から引っ張り上げる選手として呼んだんだ。経験と年齢にこそ期待をかけたんだ。そんな中澤を呼んだ意味を考えないで「分からない」と一刀両断。これじゃあ反論も何もできやしない。一事が万事、こんな感じになって来たコラムがあるいは立ち直る時ってあるんだろーか。A代表の試合数が減らされるって続くコラムで欠いてあるけれど、日程が未定なだけで減らされると決まった訳じゃないのは会見でも言っていたこと。聞いていなかったんだろうか。そういや似た文句をオレンジ色のニクい夕刊紙も書いていたっけ。オシム監督への全否定って点でも似ている2人。もしかして裏で手を組んだなんて話、あったりするbのかなあ。それはそれで鬱陶しい話だなあ。「もっと安い入場料にすべきじゃないかな」。これだけは同感。安くしろ。でもって休日は昼間にやってくれ。

 秋葉原方面は人が集中するのかDVDボックスはあってもCDボックスが予約ではけてしまって懐中時計のおまけはつかなさそうな空気が漂っていて、「デ・ジ・キャラット」の本家本元のくせに初日(とゆーか発売日前日ではるんだけれど入荷はする日)にどかんと「デ・ジ・キャラット」のボックスを積み上げ来る客のすべてに売りまくり、洗脳しまくることをしないのかできないとは何事にょ、そんな店は目からビームで粉砕にょ、って憤っても予約してないお前が悪いにゅとぷちこの悪口でノックアウトされそうだったんだんでここはひとまず退散。作戦を練り直して田舎にある店へと閉店間際に駆け込んだら、田舎だけ合ってCDボックスもDVDボックスもあっておまけの懐中時計もちゃんと付いてきた。ああ良かった。発売日となる明日明後日が大家の都合で閉店らしーんで秋葉原とかで全滅の憂き目に遭ったマニアは田舎へゴーだ。東京の東。湾内の奥にあるという。


【2月19日】 まっすぐゴー、まっすぐゴー、まっすぐゴー、まっすぐゴー、まっすぐゴー、まっすぐゴー、まっすぐゴー、まっすぐゴー、まっすぐゴー、まっすぐゴー……とひたすらに連呼される声をバックに画面では芽生ちゃんがハルヒ的な本領を発揮して、爆発してはむつきに男らしくないと往復ビンタをする側からむつきが右フックだか右アッパーを返すとゆー、アニメーション史上に残る画期的な徹夜明け的ハイテンションシーンが繰り広げられた「がくえんゆーとぴあ まなびストレート!」にもうこれは、DVD購入も必至だ買ってあの往復ビンタ&右フック+まっすぐゴーをつないで2時間くらいにして見続ければきっと、脳天から煩悩も抜けて解脱の域にたどり着けるに違いないと確信。したけれどしかしあれで芽生ちゃんよくほっぺた腫れなかったよなあ。

 ラル・ファク・イル・ファッシーナー、の合い言葉も痛快に始まった「マスター・オブ・エピック」のアニメで日曜日の夜も締め。前説の前説になってなさより直後の歳がどーとかいった会話に耳そばだてつつ眺めつつ、地下で出会った3人組がパーティーを組んだところに現れた小さいキャラクターもパーティーに加わりたいと言って人なつっこく取り入ってきて認めると踊り出すその踊りの理由はきっと、原作になっているゲームでそーゆー踊りを見せる遊び方ってのがあるんだろーと想像は出来たけれども繰り返される踊りに周りがウザがる描写には、無意味なことを場もわきまえずに繰り返すことで与える鬱陶しさってのがゲームで取りざたされているんだとも想像。本編を知っていたら楽しめたかもしれないけれど知らなくっても雰囲気が伝わり大変の面白う御座いましたとさ。

 走る「ワラゲッチャーV」の楽しげな様子に至る心理をキング牧師に倣ってコトバにしてみると「私には夢がある。いつか黒人の少女と白人の少女とモンゴロイドのオタクと海底人と地底人とが野原に集まり両腕を『ワラゲッチャーV』のように真横に広げて駆け回れるる日が来ることを」。きっと楽しいに違いないけれどここにはとりあえずモンゴロイドのオタクしかいないからなあ。とか言っていたら番組も終わって「Eネ!」の「日常 恋の声」が始まりこれも「マスター・オブ・エピック」ともども癖になってる「ケンドーコバヤシ来日独占インタビュー」を見てほくそ笑んでから寝る。内容はよく覚えていない。先々週あたりにやってた好きな日本アニメのタイトルが何か凄かった。けどやっぱり覚えていない。これってまとまったらDVDになるのかなあ。映画本編は公開中なのか。番組でもチラ流れるけれど過剰じゃないお笑い芸人たちの日常っぽいシチュエーンで繰り広げられる言葉のコミカルな応酬が楽しいんだこれ。見に行こうかなあ。

  能登かわいいよ能登。レベルファイブから出たニンテンドーDS用のソフト「レイトン教授と不思議な町」をズグズグとプレーし続けてよーやくやっとエンディングへと到着したら案の定、途中に出てきた眼鏡っ娘が誰か分かってそんでもってエンディングムービーを見たら声が能登麻美子さんだと判明。臆しつつ戸惑いつつもどこかに気丈な所を持った女の子って感じをそれほど多くはないセリフでちゃんと演じてくれていた。そんな声も可愛いけれどもキャラクターとして描かれた大きく丸い顔がやっぱり可愛いくってその可愛さに声も引っ張られるって方程式。能登が可愛いからキャラも可愛いのか可愛いキャラを演じるから能登が可愛いのか。これは難問、英国紳士のレイトンでも解けないかも。

 堀北真希さんの男の子声もなかなか。「僕だって先生の弟子ですからね」って舌っ足らずで喋ってくれて聞くほどに初い奴って思えてくる。この2人で本とか出来そー。「謎は解けるから謎なんだ」「僕だって先生の弟子ですからね」。そんなセリフを言い合いながらくんずほぐれつ。いったいどんな絡みだ。そんなレントンやらルークやらまん丸眼鏡っ娘やらサロメ様といった魅力的なキャラクターデザインを担当した人の名前もエンディングので確認したけど長野拓造さんって聞かない名前。検索しても出てこない。どんな人なんだろう。アコーディオンっぽい音質で奏でられる印象的なテーマはレベルファイブに所属しているらしー西浦智仁さんって人でこいつは名曲。是非にサントラとか出して欲しいなあ。

 そんなキャラクターを音楽を得て綴られるアニメーションはレイアウトといい動きといいどれも高い作画力。制作は「鋼の錬金術士」なんかを受けているピーエーワークスと実力のあるスタジオだけど監督は橋本昌和さんってハガレンとか「IGPX」の演出なんかをやってはいても目立った監督作品はまだないみたい。でも「レイトン教授」の観覧車が転がるシーンとか怪人が塔を襲うシーンとかを見ると動きも特徴があってなかなかに良さげ。「レイトン教授」のアニメ化なんかで本格デビューとかってなてくれたらゲーム好きとしては嬉しい限りなんだけど。

 そのゲームの方はストーリーが最初は単なる謎解きミステリーかと思っていたらだんだんと明らかになっていく舞台設定に一括り大きな世界観が見えて驚天動地。まあ途中から何となく見えてはいたけれどその理由が示す優しさって奴に心を打たれた。殺人だなんて血なまぐさい場面が描かれているよーでちゃんと綺麗に落としどころを設けて心に傷が残らないよーになっている。エンディング前のムービーで一堂が会してレイトンたちを見送るシーンは正直泣ける。寂しさを覚えつついつか戻って来てくれるだろう日を思って住民達のこれからが始まって行くんだろーなー。でもって時が経ちすぎてとんでもない場所になっていると。それもそれでSFチック。アニメよりも小説として読みたくなって来たよ。ノベライズ誰かやらないかな。

 ロボット物のリメイクが流行ってるってことで先だっての「ダンクーガノヴァ」に続いて3月末から公開される今川康宏監督作品の「鉄人28号 白昼の残月」を京橋で見てくる。途中で猫のいっぱいいる路地があってOLさんたちが猫をひっくり返してた。楽しそう。今度触りに行こう。んでもって「鉄人」。いやあ面白い。原作も読んだことがないし昭和の時代のアニメもちゃんとは見てないし、先だってやってた今川監督のテレビシリーズも完璧には追い掛けてないんで実は「鉄人28号」ってどんなストーリーか知らないんだけどそれが幸いしたのか巨大な鉄人を正太郎くんが操縦するって基本設定にいろいろ絡んで繰り広げられたストーリーを違和感もなく受け入れられた。これがスタンダードだと思うと逆に本当の「鉄人」が見られなくなっちゃうかも。とりあえず今川版のテレビシリーズを見るか。原作漫画をそれとも読むか。

 ストーリーはそれとして映像を見た印象はとにかく迫力。メディアボックスだからスクリーンはそんなに大きくないんだけど、それでも見上げる鉄人の巨大感、まだ低い家並みの東京にひときわそびえる鉄人の大きさ重たさがちゃんと表現されていたのが凄かった。さらに巨大な劇場で前列から見るときっとすごい迫力になるんだろうなあ。まさしく巨大ロボット物のルーツ。どっかのアニメに倣って「この45年間鉄人28号より新しいロボットアニメはありませんでした」とまでは言わないけれども、「ダンクーガノヴァ」とか「ライディーン」とか巨大ロボット物のリメイクが目白押になっているのも原点に「鉄人」ってゆー作品があって巨大ロボットの見せる凄さって奴を存分に示してくれたからだろー。その枠組みから某この12年間に新しいアニメはなかった作品だって逃れられていないんだ。

 音楽は伊福部昭作品から集められていた重厚なものでこれがまた作品にぴったりマッチ。2月の末に劇伴のサントラが出るんで買って聞き込もう。テレビだとオープニングに使った「ビルの町にがお」もエンディングに流れて心踊らせてくれる。分かっているよ今川監督。しかしやっぱり凄かったなあ巨大感と重量感じにあふれた絵は。見上げる系のパースや手前に小さいものを配置するレイアウトやらで巨大感重量感を出してるんだろーけれど、誰だってやるだろーそーした演出の上に動きとサウンドを加えて雰囲気を出している。これはCGでは出せません。

 つか二次元の平板な絵であっても見せられ方でもって大きい重いと感じるようにアニメやら漫画を通して受け続けた訓練の賜なのかどーなのか。あるいは今時の生まれた時からCGでゲームをやって来た人だと、僕たちが軽いと思っているCGでも充分に重い大きいって認識していたりするのかな。漫画やアニメがなかった時代に生まれた人にとって絵がどうして重い大きいって感じるのかきっと分からなかっただろーし。これからますますCGが増えるだろー状況で人の認識がどう変わっていくのか興味深々。


【2月18日】 始動の日。決戦の日。「ちばぎんカップ 柏レイソル対ジェフユナイテッド市原・千葉戦」ってことで敵地・柏へと乗り込む支度をしつつ、録画してあった「月面兎兵器ミーナ」をうりゃうりゃ。相変わらずに安定した出来。イケメンにキャスターと一緒に温泉取材の月城ミーナが変身前で危機一髪の所に大月ミーナが突如乱入ってあたりに彼女の正体の謎が潜む? ってバレバレだけど。ある時は球場のビールの売り子だった眼鏡っ娘は奇妙な京都弁の仲居さんで次はいったいどんな扮装を見せるのか。他のミーナが勢揃いするのはいつなんだ。とか考えつつも期待を膨らませつつ視聴継続。「ノイタミナ」枠みたいにもうちょっとだけ浅い時間の方が良かったかもなあ。

 その「ノイタミナ」枠では「のだめカンタービレ」が安定飛行中。一般にも認知度が高くってそんでもって舞台が現代のコメディドラマの方がやっぱりこの枠には良いのかなあ。過去を振り返ってみてSFだったってのは「獣王星」くらいか。んでもって過去は「怪」でどっちもクオリティ的には安定していたけれど今ひとつ評判が伸びなかったからなあ。とりあえず「のだめ」が半年くらいやるとして次は何だろー。ストーリー的には「ハチミツとクローバー」より長い「のだめ」なら「ハチクロ」みたく続編ってのも作られそー。でもってその終了と前後して連載も終了すれば「ハチクロ」みたく綺麗にまとまる。でもまとまり過ぎて現役感が消えてしまうのが悩ましい。もう5年も昔の漫画のよーだよ「ハチミツとクローバー」。やっぱり連載はアニメに引っ張られちゃあいかんなあ。

 そして支度をして東武野田線へと載り一路、柏へ。本好きなしあわせさんの暮らすとゆー町は雨が降りしきって肌寒そう。こんな中でもしあわせさんたちは本に囲まれ温々しているんだと思うと何だか虚しくなる。もっともそんな気分も一瞬で、駅から徒歩で日立台へと向かう黄色いグッズを身に着けた面々を見かけると今日が始まりであり今日が決戦なんだって気分も高揚、虚しさを脳の隅へと棚上げして同じようにてくてくと歩き始めた途中でそういや柏には「かつや」があったと思い出して立ち寄りいつものメンチカツ。荒切りな肉がごろごろっとしていて相変わらずに巧い。このメンチカツだけ1枚くらい買って帰ってビールのつまみにしたいよなあ。船橋に出来ないかなあ。あるいは東西線沿線に。神田にはあるんだけど路線からちょっと外れてて通いづらいんだよね。

 そして斜めに走る道を歩いて到着した日立柏サッカー場は、降りしきる雨の中で屋根はメーンスタンドの真ん中辺にちょい被るだけの貧弱さ。ほとんど全員が合羽を着て観戦してた。人によってはピッチが近くて臨場感があるって言うけれど、端っこのスタンドに座ると同じラインの反対側で繰り広げられているコーナー際の攻防が見切れたり、席のゾーンを仕切る鉄柵が高くてその横に座った人の視界を邪魔するとかいった所があったりして、快適さに欠けるのがやっぱり気になる。ゴール裏のサポーター席だって狭くてとてもじゃないけど応援団したい全員が入りきらない状況を、聖地だからって理由でいつまでも容認しているのはやっぱり拙いんじゃなかろーか。観客動員を伸ばしてビッグなクラブへと成長していきたいんだったらもはや日立台は旧すぎる。かといって柏の葉はまた遠いからなあ。日立台のあの近さでスタンドを近代化する、って計画も出ては立ち消えになるからなあ。J1復帰を気に機運を盛り上げて頂ければ幸い。

 でもって試合は阿部坂本が移籍し佐藤羽生山岸巻が代表に取られ水野水本も五輪代表に持って行かれてとレギュラークラスが一挙6人も欠けて新入団の黒部新居がツートップを組みボランチにトミー下村が入って両翼を楽山松本が務めるとゆーかつてな布陣。ディフェンスはストヤノフを真ん中にエスパルスから来た池田とベテランの斎藤が入ってこれは五輪に水本が取られた時にありそーな布陣で良い練習になったんじゃなかろーか。もっともセットプレーから1点を奪われフリーキックのリスタートに油断をしてもう1点を奪われたりして高さ対策と集中力の堅持とゆー過去何年も言われ続けてきた課題が未だ残っていることが浮き彫りになったのが目下の懸念。ここを締めないとリードしても終盤で追いつかれたり引き分けられそうな試合を落として勝ち点を積み重ねられないからなあ。いざ降格争いなんってことになった時に点を確実に詰めるかどーかが分かれ目になるだけに改善を求む。どーして188センチの田中淳也を出しちゃったんだろう?

 攻撃に関してはうーん、トップにボールが収まらないって感じ。そりゃびちゃびちゃのピッチでけり出したボールが途中で止まって渡らず奪われる場面も多々あったけれどそれは開いても同じこと。なのにちゃんと柏レイソルはボールが回ってジェフは回らないのは周りのサポートがないのと判断が遅くて寄せられ出せず戻してしまうから、なのかなあ。サイドチェンジもほとんどなくってフリーの選手を作り出せず、再度からのクロスが少なくってここぞって場面がほとんどなかった。そんな中でもサイドからクロスを入れた楽山選手と決めた斎藤選手に拍手。同じパターンをあと10回は作れたらもっと得点、挙げられたかも。

 新加入のフォワードの黒部も新居も走り回りはするんだけど、今日の試合に限ってはそーゆー選手に入れるスルーパスが雨もあってうまく流れないのが攻めあぐんだ理由か。巻選手のよーに最前線でターゲットになって左右に裁いて後方からの押し上げを促しボールが左右に開いたら中央へと構えてクロスを待つタイプじゃないからなあ、2人とも。おまけに柏にゃグランパスから古賀選手がやって来て流石なディフェンスぶりを見せていたからなかなか破れない。J1の本番じゃあやっぱり巻が入って周囲を黒部選手が走り最後に新居選手が突破力でかきまわすってパターンになるのかな。

 下村選手は強さもあれば展開力もあってなかなかのもの。佐藤勇人選手と良いコンビになりそー。それだと中島浩司選手の出番が減るのか? ストヤノフ選手が出場停止時のリベロ役があるか。池田昇平選手は最前線にも出れば反対側にも行く運動量が素晴らしい。新しく獲得したセルビアのディフェンダーが来日したら右サイドの中盤に上がるってこともあるのかな。そーすると水野晃樹選手と争うことになるのか。左サイドだと山岸智選手がいるし。って考えるとなかなかに豪華な布陣だよ今年のジェフ。でもってどちらかといえばサブっぽい面々であれだけやれたんだからこいつは期待して良いのかな。良いのかも。良いんだろう。良いはずだ。うーん。ともあれ開幕まであと2週間。どこまで煮詰められるかに注目だ。シーズンチケットどうしよう。


【2月17日】 英国紳士なのでじくじくと謎を解いてもまだ真相にはたどり着けない「レイトン教授と不思議の町」を2時間ほど進めてから眠って起きて「コードギアス 反逆のルルーシュ」を見たら話が進んでいなかった。1つ新作があるとしたらユーフェミアからスザクが騎士の剣を授けられていた場面だけれど時間は予告編にだって余るくらい。あとは過去の場面と会話で繋ぎつつルルーシュが改めてスザクを敵と認識してさあこれからどうするかってところで次回に繋げてみたものの、決意は描かれずそのままエンディングへと行きルルーシュがC.C.からガメたチーズくんの絵が描かれたグッズをプレゼントするって偉そうな口調で宣言したところにC.C.が返せと突っ込む夫婦漫才が繰り広げられてちょっとだけ気を取り直す。でもしょせんは総集編。これをそのままDVDに入れたら怒るぜ前にも1話分あったし。どーすんだろう。「ガンダムSEED」とかってどうしえるんだろう。

 それから「カレイドスター」を見たら近寄って見るなと喋る前説がレイラさんでお話もレイラさんが大活躍。凛として毅然とした態度はとてもじゃないけど「ぱにぽにだっしゅ」の酔っぱらい先生・五十嵐美由紀には聞こえない。一方の苗木野そらはやっぱり「ぱにぽいんだっしゅ」の大巨人・白鳥鈴音さん以外には声質的には聞こえないけど演技がまるで違う。白鳥さんの唐変木ぶりはそうか演技だったのか。それともそっちが広橋涼さんの地なのか否か。そのまま放映されている「おとぎ銃士赤ずきん」を見たらトゥルーデに重なる女性の影。誰だろー草太の母親か誰かか。ミトンにエプロンのお料理スタイルで巨大な剣を振り回すグレーテルはよーやく本格的に赤ずきん一行に仲間入りして次はいよいよラス前バトル? それともヘンゼルの脱洗脳を先にやる? 盛り上がるクライマックスから目が話せなくなって来た。

 抜けだして昨日に続いて「むちむちポーク!」に会いに行く。違う本当は「AOUアミューズメント・エキスポ2007」の一般公開日に一般の人がわんさと詰めかけている写真を撮りにいくってのが名目だけど名目って言っちゃっている以上は実質があってそれは昨日の業者日にはラストの部分しか見られなかった「むちむちポーク!」のダンスを見るためで、そろそろ始まる時間ってところを見計らって当該のブースへと行き最前列に着座。伸びるレンズに囲まれる中を待つこと数分でいよいよ登場してきたむっちりとポークなコンパニオンのおねいさんそれから短ラン長ランと様々な学生服を着込んだおにいさんたちが並んで始めたイベントをしっかと見る。いやあすばらしい。

むちむちポーク、むちむちポーク、むっちりむちむちむちむちポーク  とりわけ素晴らしいのは2人のおねいさんで、調べるとむちむちピンクは山本早織さんでむちむちブルーは関川理沙さんといずれもグラビアで大活躍中のアイドルたち。でもって山本さんが98センチで関川さんは92センチと足せば190センチにも及ぶとかで、なるほど眼前に迫るくらいにむっっちっちなのも当然だ。それほど巨大ではない会社の小さいブースなのによくぞご出演して頂けたものだど、ショーでコナミの「オトメディウス」に続く人気を獲得してたり毎日新聞のAOUリポートでトップページに掲載されるくらいのインパクトを残したんだから出演してむしろ大成功だったんじゃなかろーか。これをステップに2人で目指せ紅白歌合戦。

 さてもステージは大塚愛さんだか「DJ OZMA」だかの曲もあってそれぞれにキュートなダンスだったりヒップなショーだったりを見せてくれたけれど、やっぱり最高だたのはシューティングゲーム「むちむちポーク!」のたぶんテーマソングだろー。テンポも良ければ歌詞も電波で最近では「ねこなべ」のテーマソングにも匹敵するくらいのインパクト。旧いところだとエロゲーなんかが集まったイベントで聞いたフロントウィングって会社の「426」ってタイトルに入ってる1本「スイートレガシー」の主題歌の「プカプカ」か。懐かしい。と思って調べたら作詞が桑島由一さんだった。シナリオも。人間に歴史ありってこーゆーことを言うのかなあ。深いなあ。

 そんな今なお耳に染みつくよーに残っている「むちむちポーク!」と連呼される楽曲に合わせて、むっちっちでむっちむちな女の子2人とそれからお腹がむっちっちな男性が、3人で踊る姿を最前列の真下から、眺める至福は今年に入って1番に位置づけられるものだと言って良いだろー。あるいは今年を通しても1番か。時間があれば午後のダンスも見たかったけれどそれは適わず。いっぱいビデオを撮ってる人がいたからそのうちネットに流れるかな。写真で見てもむっちっちだけど動くと更にむっちむちなのが分かります。

 相当に駄目なんだろーなー日産自動車。日本サッカー協会のスポンサーを降りるって話が昨今伝わってきているけれどこれよりしばらく前の昨秋に、「東京ディズニーリゾート」の2つのアトラクションのスポンサーを相次いで確か降りていて、トヨタが後に入るかどうかってことが話題になっていたっけ。構図としちゃあ日本サッカー協会といっしょか。けどなあ、こーゆーパブリックな組織や場へのスポンサーってのは単なる宣伝活動ってよりも一種の社会貢献に近いところがあって、そーした活動を行うことによって認められるステイタスってものがあったはず。降りることによって被る「それすらもできない企業なのか」ってダメージを考えれば降りられるものじゃないんだけれど、それでも降りたところに今の日産の苦境ぶりが伺える。

 いくら宣伝面で効果が薄いって言ったって、テレビCMみたいにストレートな効果は期待できないけれども例えば「東京ディズニーリゾート」へと遊びに行った子供がちらっと見たスポンサーの案内なり、サッカーを通じて知った支援活動なりからファンになってくれるルートもない訳じゃない。金額だって年間テレビとかに支払うCM料に比べりゃ微々たるものだし、そのテレビCMだって一時の効果が薄れて今はネットでの個別の案内の方が強く響いたりしてる。洪水のよーなCMではなくサポート活動を通して人々のするりと心に忍び寄るアプローチの方があるいは効果を発揮するシーンもあるだろー。でもできない。効果が計りにくくって株主あたりに説明が難しいからだろー。

 それでも経営が良ければ押し切れるんだろーけど共に引かざるを得なかった所に、やっぱり今の苦境を感じてしまう。だったら少しは本業で改善が見えているかってゆーと、投入される新車にめぼしいものはなく、リストラによって経営を立て直したゴーンも遠からずいなくなって苦境はますます深まりそー。ゴーン以前へと戻った日産に待ち受けるのは更なるリストラ。ってことは残る横浜F・マリノスの経営から手を引くなんて事態も起きかねないなあ。そーなった時に横浜あたりに引き受ける企業ってあるんだろーか。全日本空輸なんってどーだろー、経営は絶好調だし会長の人が経済団体の役職なんかにも就いて追い風だし。マスコットなら「サッカーミュージアム」に飾られている胸に「ANA」と書かれた奴を引っ張ってくれば大丈夫。名を「とび丸」とか言ったあれ。冗談じゃなくってそうなったら果たして横浜FCとのダービーはどんな事態になるんだろう?


【2月16日】 ソフィア部長の脚が綺麗だと判明したけど「セイントオクトーバー」、偽カフカの度重なっての攻撃も新たに加わった赤ロリのイモリ黒焼きパワーに白ロリのリボン付きチェーンソーアタックもあってあっさりと退けられてソフィア部長の苦境は増すばかり。クルツ社長から冷たい言葉を投げられこのままでは来週当たりにご退場、なんて事態も置きやしないかと心配になったけれどこれまた新登場の女占い師による判定を受け手それなりにポジティブさを取り戻したよーであとしばらくはその美脚を僕たちの前にさらけ出してくれるだろー。

 それにしても新キャラの女占い師は果たして単にヨシュアと巧士郎の昔なじみなのかそれとも何か正体に含みがあるのか。帰ってくるタイミングが良すぎるし占った後の笑顔も気になる。っつーかヨシュア自身が単に神父ってだけでもなさそーだし、巧士郎がつけたメフィストってあだ名も女性を降り続けた悪魔的な所業を言い表している以上に、何かを示唆しているってこともありそー。ますます気になる今後の展開。それにしても早速仲良くなって探偵事務所にも現れるよーになった赤ロリこと聖三咲ちゃん。バザーにも積極参加とあれでなかなか可愛いところを見せ……って何売ってるんですか! 原材料は自己調達なんでお金儲け放題なところが逞しいって言いますか。やっぱりヘンだねこのアニメ。さすがにコナミが作っているだけのことはある。

 だってだよコナミ、萌えシューティングだよ。「幕張メッセ」で開幕した「アミューズメントエキスポ」に行くとまず目に飛び込んで来たのがコナミのブースの「オトメディウス」。かのシューティングの名作「グラディウス」を題材にしながらもそこに“萌え”の要素を乗せることで行き詰まりの懸念されたシューティングのジャンルに新たな金字塔を打ち立てようって壮大な構想のもとに計画された、のかまでは分からないけどともかくシューティングの真っ当さに「ケロロ軍曹」でお馴染みの吉崎観音さん描く美少女キャラとかが加わったそれは、過去にない不思議な味を醸し出してて通りがかる人の目を引きつけずには置かれない。

 みるみるうちに出来る長蛇の列にそうか世界はこれを待っていたんだと納得。同人ゲームの世界じゃ萌え格闘と並んでデフォルトだっただろーこのテーマを、よくぞ天下のコナミが商品化したもんだと遠巻きにゲームの人気を観察していたコナミのアジア担当の偉い人に贈る。まあ「ツインビー」とかもパズルゲームに萌えっぽいキャラが乗っかったゲームだし、その辺の伝統はあるんだろーけど、コナミには。とりあえず日本だけじゃなく「ケロロ軍曹」が超絶人気な香港とか、台湾とか韓国あたりにも売り込んでいきたいとのこと。日本じゃ“萌え”がメタ概念化して上滑り気味だけど海外じゃあまだまだこれからが本格的なブーム当来。日本だて一周ぐるりと回ってもはや何でもありの状況も当来が近いんで、こいつはなかなかにブームとなるかも。追ってタイトーあたりが「萌えベーダー」とか出したりして。

 しかし日本は広かった。「オトメディウス」の企画が大手メーカーの良心の限界だとしたらそれを超えるのが中堅メーカーの冒険心って奴で、ケイブが開発したその名も「むちむちポーク」の前には「オトメディウス」もちょっと輝きが霞んだかも。何しろ「むちむちポーク」だ。むちむちな女の子たちがポークとともに登場して来るシューティングだ。聞くだけでやってみたいって気もそそられる。なおかつダンスだ。名は体を表すというか「むちむちポーク」に相応しいむちむちぶりを持った2人の女の子たちが並んで踊るプレゼンテーションだ。音楽も良し。歌詞も良し。見て聞いてると自然に身体が踊り出し、脳内には「むちむちポークにゃかなわない」て思考が擦り込まれる。参ったなあ。これどこ言ったらプレーできるんだろう? 見て回った中でやってみたい度を「オトメディウス」と分ける「むちむちポーク」の未来は結構明るいかも。ああむちむち。

 あとはセガのプライズのブースで見かけた「超説明員」が内心のヒット。いつかの「ガッチャピン」くらいのヒット度合い。ようするにセガがプライズとして販売を計画している「涼宮ハルヒの憂鬱」関連のフィギュアやら「超監督」「団長」の腕章やらを案内するために立っている説明員の腕にとりつけられてた腕章だけど、そこにしっかり「超」を入れ、なおかつ「SOS団」のマークまで入れていたたのがなかなかの深さ。知ってる人が見なきゃわからないところに細工を入れて知っている人をにんまりとさせる企画者の狙いを感じてほくそ笑む。よくぞやった。きっと現場だけの腕章だから後に世に出ることはなく、正規品でもないんでオークションとかで手に入れることも不可可能なだけに行って現場で見て面白がるんだSOS団員たちよ。

 その足でとなりの会場でやってた東京コミュニケーションアート専門学校ってところが産学協同で行ったプロジェクトの作品発表会を見物。漫画学科とか小説の学科とかCGの学科とかゲームを作る学科があるところはいわゆるオタク系の専門学校と変わらないんだけど、一方に自動車のデザインを行いクレイモデルだて制作する学科があったりノベルティグッズを企画する学科があったりして硬軟取り混ぜたラインアップが面白い。エンターテインメント系の学校は、例えそうではなくってもどこかモラトリアムっぽいところが見え隠れしてしまうんだけど、スズキの次世代SUVをデザインしてクレイモデルを作ったりする人がいると妙にリアルさが増すのは僕に偏見があるからなのか、それともやっぱりリアルの強みか。

 そこではMTOってゲーム会社が出したお題に学生たちがゲームを作ってプレゼンテーションする様を取材。「盆栽」ってゆーシニア層なら関心を持っても若いには何が何だか分からない素材をさてはてどーゆーゲームに仕立て上げるかってお手並みを拝見していたところ、盆栽が誰にどーして人気なのかを調べ盆栽のどこがどーやって評価されているのかを調べた上でゲームにしようって取り組みが見られてこれで学生、ちゃんと考えているじゃんって驚いた。そりゃあロボット物だお美少女物といった好きなお題だったらいくらだって作れるかもしれないけれど、そーした好きな物へと興味が集約され濃縮された挙げ句にアニメ業界が辿った縮小再生産的シチュエーションを鑑みるなら、マーケットのある方面へと己の関心を捨てても向かいそこで新たな市場を確保するのがビジネス的には必要。シニア層ってのはゲーム業界が狙うそーした新規市場の代表格で、そこに果たしてどーゆーアプローチをしていくのかってところを出題したMTOでは学生に体感してもらいたかったらしー。なるほどいろいろ考えているなあ。


【2月15日】 気が付くとそこいらじゅうのJR東日本の駅で売店の「キヨスク」が閉鎖されている。船橋駅だと各駅停車のホームにあった東船橋寄りの見せがシャッターをおろしてしばらく閉鎖ってアナウンスがされているけどそれがいつ開くかって見通しはまるでなし。西船橋だとコンコースの船橋寄りにあった店が閉鎖されていたりして乗換時にちょっと新聞でも買おうと思うとわざわざ中央改札口の方まで歩いていっては、行列する人たちの後ろに回って買わなくちゃいけない。おまけに最近はポスレジが導入された関係で昔だったらざくっと暗算で出ていた料金が1つ1つをリーダーに当てているもんだから会計が遅い遅い。馴れないおばちゃんたちが扱うものだから更に遅くなって行列はいきおい長くなる。

 そりゃあ経営する側にとってみれば在庫をどんと置いてまで人のあんまり来ない店を開いておくのは効率が悪く、1つにまとめた方が売り子の数も減らせてコストダウンが図れるって考えをもって店を集約して回っているんだろー。ポスレジの導入だって売れ行きを管理できるようにして効率化を図る上で必要なことで、なおかつICカードも使えるようになるんだから顧客利便も増すって考え方もあるけれどでも、カードを使う人より現金で支払う人の圧倒的に多い状況では計算の遅さで電車に乗り遅れそうになるって不便性の方が実は切実だったりする。そこに降りかかる店舗の相次ぐ閉鎖。歩けば1分とゆー場所にたとえ「キヨスク」があっても乗り換える時間を考えるとなかなかに利用しづらい。

 こーした一連の改革がもたらす影響って奴を、きっと大勢の利用客が感じているにも関わらずメディアが取り上げたって話をあんまり見ないのが個人的にはちょっと不思議。なるほど新聞雑誌を大量に販売してもらっている「キヨスク」のことを取り上げるのってなかなかにしんどいものがあるって想像もできるけれど、今起こっているのは自分たちの商品が置いて貰える場所が減り、見て貰える機会が減っているってゆー切実極まりない事態だったりする。電通の「電通報」が掲載していたフランスからのニュースによると「キヨスク」が1店減るとそこで売られていた新聞の3割は他の「キヨスク」で買われることなく消滅してしまうんだとか。

 スタンドで新聞を買うのがメーンの海外と違って、宅配が行き届いている日本の場合は「キヨスク」で買うのは必然ってよりは見かけてそれじゃあって偶然の要素が大きいわけで、そーした偶然を喚起するためのショーウィンドーとしての役割を「キヨスク」は持っている。それが閉鎖されてしまって不便になればどんな情報が載っているかを目にする機会は減ってしまい、これまで買っていた人も面倒だから別にいいやと携帯電話に走ったり携帯ゲーム機に走る可能性が大。消失は3割では収まらないだろー。もしかすると7割8割が失われてしまうかもしれない。

 東京近郊でどれだけのホームの「キヨスク」が店を閉じているのか分からないけど1駅で1つと考えればそうだなあ、100軒くらいは消えている? そこで例えば10部づつ配置されてた新聞は1000部のうちの3割で300部、半分なら500部でひどいと800部っていった部数が失われてしまうことになる。30部くらい配置されていれば消失部数は3倍。無視できない数が影響を受ける可能性があるんだけれどそーした懸念を新聞なりメディアが示したって話を聞かないのは、事態をそれほと重くみていないからなのかそれとも気づいていないからなのか。コンビニ化が進んだ「キヨスク」が動かない一般紙を置かなくなったことに日本新聞協会が善処を求めたって話は前に聞いたけれど、今度はスポーツ紙もすべての日刊紙に及びかねない一大事。なのに沈黙し続けるメディアの不思議。うーん。もう紙を売ることを諦めてしまっているんだろーか。うーん。

 マーケティングリサーチと称して朝の秋葉原へと出向いて「ゲーマーズ」本店の前を通りがかると長蛇の列。だけど普通だったら黒っぽいファッションの男子が大量に群れているのが今日は違って華やかな女性ばかりでいったい何事なんだここは池袋かと驚きつつもそんなレディたちがぞろぞろと、店内に入り階段を上っていく姿を見送りつつ店内に流れる「乙女はお姉さまに恋してる」の主題歌になってた「Alice5」のファーストアルバムのプロモーション映像を観察しつつサビの部分で踊り出そうかと思ったけれど恥ずかしいから我慢する。

 見渡すと2月8日がデ・ジ・キャラットの誕生日だったからってことで「お楽しみイケてる袋」なんてものが積み上げてあったけれども5000円で3万円相当のブロッコリーグッズが入っているってそりゃ福袋と何が違うんだ売れ残りばっかり入っているんじゃないかと躊躇いが浮かんで伸ばす手を押しとどめる。1万円の袋にいたっては7万円分が入っているってことらしーけどそんなに高額な商品ってあったっけ? DVDの劇場版「デ・ジ・キャラット」が10本? うーん悩ましい。

 おまけに1万円袋は1つに収まりきれないってことで手提げの紙袋2つがヒモで結わえてあってど迫力。持ち帰るのも大変な上に開いて何が飛び出すかが恐ろしい。湘南ベルマーレのプラクティスシャツとアロハとぷちこの縫いぐるみだったら嬉しいけれど、そんなの今時売ってないからなあ。家には全部あるけれど。結局今日のところは我慢して退散。後で調べてたら行列は「プレイステーション2」向けに発売されたゲームソフト「緋色の欠片 あの空の下で」発売イベントの入場チケット配布を待つ人たちだった。なるほど麗しい青年たちに囲まれあれされこれされるソフトみたい。杉田智和さんが主演ってことは口調はキョンかシリウスか。

 ってんで「レイトン教授と不思議な町」を。くつくつとプレー。うんこれはまさしく多湖輝先生の「頭の体操」だわ。大昔に流行った時に散々っぱら読みふけった奴が順繰りに出てくるからついついやっちゃう。止められない。でもって気が付くと結構時間が経っているんだけど事件がようやく起こったばかりで調査のとば口にたっただけ。評判の眼鏡っ娘にもまだ会えない。辛いなあ。しかしいったいどれだけ問題が入っているんだろー。のべつまくなしい登場して来て頭を右に左にぶん回す。

 たとえばこんな問題。デジタル時計で「03:33」みたく同じ数字が3つ並ぶ時間は1日に何分? ちなみに正午と深夜は00:00ではなく12:00。最初はちょっと考えこれだと思ったら大間違い。どうにか正解を叩き出して解説をよんだらまさしく指摘されてるとおりの見落としをしていた。人間の心理状態ってお見通しなんだなあ。ともあれこいつは傑作の予感。ネットとか見るとプレーした人の評判も良い。流石は“元祖”脳トレとも言える大ベストセラー「頭の体操」を引っ張ってきただけのことはある。それを大泉洋さんの軽いんだけど理知的なところも感じさせる声に、堀北真希さんの辿々しいんだけれど初々しい少年声でくるんだんだからもう無敵。いやあ可愛いよ堀北さん。本当に少年だったら転ぶ人とか大勢でるかも。もしもアニメ化とかされたら是非に声をお願いしたいなあ。いっそ実写でどうだ。大泉さんは発表会のよーな格好で、堀北あんは短髪にして半ズボンで登場。そっちに転ぶね、誰もが絶対に。


【2月14日】 1カ月ほどが経ってすっかり話も聞こえなくなってこのままフェードアウトかって思っていたら何と例の無料週刊漫画誌「COMIC GUMBO」が丸の内にある「OAZO」の中の丸善に登場。漫画売り場の横に普通にラックに刺さって売ってる風に置かれていながら「0¥」と表紙に書かれてあって果たしてこのまま持って帰っていいのかそれとも、持って外に出た時点で御用がかかるのかって不安にさせられる。そこんところはやっぱりちゃんとフリーだった模様でこーして無事に拘置もされず一安心。そして開いて読んでみるとこれがどうして面白い漫画は面白いじゃあ、ありませんか。

 しりあがり寿さんの「あ、安部礼司」は流石に大御所の風格って奴で情報を交えつつそれを身も蓋もないおっさんギャグでくるんで叩きつけてきて楽しい嬉しい。板橋しゅうほうさんは面白さとはちょっと違うけれどお「ペイルココーン」以来のマッチョなアクションが目に嬉しい。まあこの2つはご祝儀としてそれ以外の連載陣に名前のまるで知らないヨコシマンって人の「パート怪人悪キューレ」って4コマ漫画があってこれだ妙に面白かった。夫は戦隊ヒーローのイエローなんだけどリストラ寸前で立場が危うくそれを不安に思った奥さん、悪の組織の女幹部としてパートに出るってのが多分これまでのストーリー。

 でもって奥さんは夫がイエローと知りつつ夫は奥さんが女幹部と知らないままバトルするってゆーシチュエーションがまずあって、4号だとその上で奥さんに黙って夫が酸素を多めに供給するマシンを買い込んで来たことに奥さんが腹を立てて戦いの場で辛くあたってそしたらそれがどっかにパートに出ている奥さんの為の物だったと知ってのろけてみたりといった具合。絵もしっかりしているしお話も寒くない。5号は戦隊ヒーローのピンクが変わって戦場へとやって来て色気で戦闘員を引っ張ろうとしたところに奥様幹部は主婦のパワーで家庭料理を作り戦闘員を引き戻すとゆーギャグが妙にほのぼの。なおかつピンクの正体に秘密もあったりして驚きを味わえ続く展開への期待を抱かされる。さすがにウェブで金を払ってまで読もうとは思わないけど次に配っていたらもらって真っ先に読む漫画、かなあ。単行本は買うかも。出せるまでに貯まるまで雑誌が保つかが目下の心配か。

 得体の知れなさでは足立淳さんって人の「人間嘘八百」が愉快とゆーか誰も取り上げなさそーなオヤジをピックアップしてはそのプロフィルだとかを誹謗中傷すれすれの寸止めで紹介していく漫画で、おまけに最初に見た5号で取り上げられていたのが「間違いだからけのクルマ選び」の徳大寺有恒さんと来たから驚いたとゆーかすさまじいとゆーか。誰がいったいこんなオヤジに興味を持つんだ? でもってどうしてこんなに面白いんだ? 徳大寺さんが面白いのはそれともプロフィルから要素を引っ張り上げて漫画に仕立てる作家が巧いのかは判然としないけれどもとにかくどっかの「週刊朝日」で「ホヤジ」とか行って中年おっさんたちに媚びを売りまくってる某連載の数兆倍は面白くって為になる。否、「ホヤジ」はマイナスだから数兆倍ではあり得ないな、それだとマイナス数兆になってしまうから。

 戻って読んだ4号ではチンペイことアリスの谷村新司さんをピックアップしビニ本マニアであることと、それからさだまさしさんと共通する人相的体格的な特徴をしっかり取り上げ漫画にしている。恐くないのか? ないんだろー。つか本当に唄ったのか2人は「雨昴」なんて歌をジョイントコンサートで? 「sakusaku」の白井ビンセントがいきなり出てきて唐突さに何だと思わせておいて、ビンセントの中の人だか誰かが週に1度荻窪のギター教室で初心者に「チャンピオン」を教えていることを挙げて「チャンピオン」はギターの基本コードを全部押さえていて教材としては最高っで、そんな「チャンピオン」をどーして谷村新司は「スーパーベスト」ってCDの中でアレンジしたんだ「チャンピオン」と「昴」を同じアルバムで聴けるって買ったファンへのこれは冒涜だって怒ってる。普通に情報集めてるだけじゃあ絶対に描けない漫画。格好良いオヤジっつーかその時々でメディアに持ち上げられている中年をピックアップして媚びへつらう文章をてらてらと書くだけのコラムニスト兼漫画家は直ちに筆を折るか足立さんの弟子に入るべきだ。これも次に「GUNBO」を拾ったら是非に読もう。単行本になるかなあ。

 水着のグラビアも載ってるしブロッコリーの広告とか東ハトの広告とかも載ってたりして頑張っている風もある「COMIC GUNBO」。だけどでもやっぱり配布分を広告で賄えるのも新刊のうちでそーならなくなった時にウェブで見て貰える漫画が果たしてどれだけあるのかってところが現時点ではまだ微妙。とくに誘因度の高い萌えっぽい美麗な絵が少ないところが悩み所でその辺りをしっかり立て直してくれば10号くらいまでのうちに何とかテイクオフする可能性もありそー。村上もとかさんの登山家がテーマの漫画はさすがに村上さんだけあって巧いし迫力。江川達也さんばかりが突出して語られているけれど足が地に着いてる村上さんのよーな作家を集めてみるってのもそれはそれでコアなファンを集める上で効果があるかも。ともあれお手並み拝見。来週も丸善に置いてあるかなあ。

 正義の味方と戦闘員と言えばちょっと前に読んだ「世界の中心、針山さん2」にも描かれていたしGA文庫から出た織田兄弟さんの「EX!」(GA文庫、600)」も奥さんが元悪の組織の女幹部で夫はどうやら悪の組織の戦闘員らしー一家に生まれた少年が、平常時には隠しておかなくちゃいけない体力を思いっきり奮いたいって願ったことから母親の昔の伝で今はすっかり悪巧みをやめてしまった悪の組織の改造人間たちの末裔が、集まり勉強している学園へと転校していくストーリー。100メートルを9秒くらいで走れる能力もそこでは平均より下くらいで、早いし強いし変身までしてしまえる能力を持った同級生達の中で少年はちょっぴり気持ちをへこませる。

 おまけに未だに悪の組織を倒すことにこだわったヒーローが乗り込んできては大暴れするから困ったもの。それは決してヒーローたち全員の願いではなく1部のエリート意識に凝り固まったメンバーの暴走に過ぎないんだけれど正義だけあって悪をこてんぱんにする力を持ってて、学園で少年を世話してくれた女の子が怪人としての宿命を背負って命を危険にさらしてヒーローへと立ち向かう。

 けれどもそこはひーろだけあって少女はつかまりもはや命運もこれまで、ってところで少年が飛び出すんだけれど、何せ改造としては今ひとつの力しかない少年に、果たして正義を振りかざしてかかって来るヒーローは倒せるのか。それとも何かとんでもない秘密が少年にはあるのか。あるからこそのエンターテインメントなんだけれどもそれは読んでのお楽しみ。とにかくヒーローのヒーローらしさが醸す強さと卑怯さをえぐりつつ改造人間の宿命が持つ哀しさを描き間に立って引き裂かれる存在の悩ましさを突く物語。うきさんってこれがデビュー作らしーイラストも可愛くって格好良いし、シリーズ化されたらちょっと注目して読んで行っちゃいそー。それにしてもブームなのかなあ、ヒーローに戦闘員に改造人間の物語。

 もしかしたらすっげえ面白いかもしれない「レイトン教授と不思議の町」ってゲームはすでに去年に概要が発表されているんだけどいよいよ明日発売ってことで品川で発表披露会見があって行くと「水曜どうでしょう」の大泉洋さんが水曜日なのにどうでしょうとか言わずに登場。堀北真希さんも一緒に現れ美人なところを見せてくれてて目の保養になりました。大泉さんもあれでなかなかに格好良かったなあ。毒舌だったけど。ゲームはそんな2人が声優になって探偵と助手を動かし謎を解いていくってストーリーなんだけどその謎の多くが多湖輝さんの作った「頭の体操」ゆずりのもので懐かしくってそしてやっぱり難しい。“脳トレ”ばやりの昨今にあってその元祖とも言えるだけあってクオリティも高くって、やり遂げれば相当に頭も鍛えられそー。

 そんな脳トレ的な面白さもある上に「レイトン教授」は絵が綺麗。誰が描いているのか知らないけれども可愛いし巧いしアニメーションもプロモーションとか見るとよく動いていて楽しそう。そのままアニメになっても充分に鑑賞に堪えられそうな印象で、ゲームが大ヒットとなればあるいはそうしようって動いてくれる会社もあったらちょっと嬉しい。そうでなくても映像パートだけまとめたDVDとか見たいよなあ。PSPだったらUMDに一緒に収録しておくって手もあったんだけど「ニンテンドーDS」向けソフトだからそれは不可能。うーん残念。

 映像といえば頭の体操が主題となったゲームらしくテレビCMも大泉さんが楽屋とかいろんな場所で唐突に出題される頭の体操問題に苦慮するCMがバージョン違いで幾つかあってこれがやっぱり面白い。あんまり面白くってゲームまでもが面白いんじゃないかって思わせる。いやまだプレーしてないから分からないけどそれで本当に面白かったら一気に大爆発のミリオンってこともありそー。第2作も制作決定で「レイトン教授と悪魔の箱」とかでこのままハリポタよろしく囚人だとか魔王だとかが出てきて暴れてくれるのかしら。いずれにしても注目したいソフトがいよいよ登場。結果が楽しみ。


【2月13日】 コメディなもんか。赤があって黒が生まれ白に至ってついに青の登場と相成った「新曲奏界ポリフォニカ」シリーズの新色「えきさいと・ぶるう」(GA文庫)は担当者の築地俊彦さんがラブコメ担当って口では言うけど中身はこれでなかなかにどシリアス。すでに4色を集めたオムニバスで短編が明らかにされていたけど神曲楽士の能力を噂されながらもそうはならずに今はしがないニートとして日々をどうにか暮らしているシーヴァス・クルナのもとにやって来たのが精霊こそナンバーワンであり人間を従えるべきって主張をする一派のハイディから尻を叩かれた眼鏡っ娘精霊のルーファちゃん。ところがクルナの奏でる不協和音に凹まされて下僕として従う羽目となってクルナが企む金儲けの片棒を担がされる。

 が。起こったのはクルナの想像もつかない街を震撼させかねない事件でそこでクルナが捕らえられている間、ルーファがその真性を明らかにしてすべてを解決へと導く。その明らかになるどんでん返しの面白さ以上にクルナが秘めている才能の凄さも気になるシリーズ。2つの隠された力がいつか重なり合わさり発揮される時に起こるかもしれない大きな物語への期待が膨らむけれどそうなる寸前で留めて先へと期待をしばらくは繋いでいくことになりそー。しかしどーしてクルナは己の才能を爆発させないのか。その才能はどこから来たのか。気になるなあ。

 冬眠してたんじゃないのかガチャピン。「東京ビッグサイト」で始まった「ギフトショー」に見物に行ってバンダイから新しく出た「フコウモリ」なんて聞くほどに縁起のよろしくないネーミングのキャラクターを見て、ピンク色に黒いトーンが「クロミ」に似てるなあこれが女の子のトレンドなのかなあと感じつつ「不幸」なキャラがどーして商品化されるのかを探ったらひっくり返せば幸運に変わるんだとか。なーるほど。でも普段からひっくり返っているコウモリが不幸ならそれをひっくり返して正位置にした時が幸運になるのそれともやっぱりひっくり返しておくの。奥が深い。

 あと500円玉を入れると液晶画面が踊って貯金額を教えてくれる「人生銀行」って貯金箱の新バージョンとか出ているタカラトミーのブースを眺めて振り返ると、丸くて緑色した「ウォーキービッツ」のカメの巨大な奴が歩いていて背中を追い掛けていったら今度は向こうからやっぱり緑色した奴が歩いてきて鉢合わせ。ガチャピン様でありました。同じ緑の爬虫類だか両生類だと仲良くしている2匹の間にさらに割って入ってサンエックスのリラックマとその親類みたいなピンクのクマが現れくんずほぐれつする可愛らしさに動く着ぐるみのパワーって奴を思い知らされる。ガチャピンが着ぐるみかどうかは知らないけれど。

 いやあデカかったイビチャ・オシム監督は文京区にある日本サッカー協会が誇るサッカービルをひとまたぎしてそのまま御茶ノ水淡路町小川町と踏んづけ千葉へと帰って行きましたとか。おしまい。違うそれほどはデカくなくってバーチャルスタジアムのあるホールの天井にだって届きはしなかったけれども並んだ川淵三郎キャプテンやキリンビールの社長の人とは頭ひとつに首と胸が飛び出てて、並ぶ人たちとさほど違わない世代であるが故に突出した巨体だってことが伺える。こんなのを相手に戦っていたんだから東京オリンピックの時代の日本代表、偉かったよなあ、でもって続くメキシコでよくぞ銅メダルなんて取ったよなあ。

 さてオシム監督が現れたのはキリンビールがスポンサーとなって繰り広げられる今年の日本サッカー協会の活動発表に日本代表監督として同席するためで、明日の合宿参加メンバー発表を前に聞きたいことも山ほどある記者たちの質問に対しては明日発表するからって感じで回答はせず。それでもやっぱり出てくる海外組とやらの招集に関しては、あさってからの合宿が終わってから考えると答えつつ「いつでも彼らを戦力として計算している」と言いつつ「ジョーカーをゲームの最初に出すのはよいプレーではない。切り札は適切な時に切っておくよう取っておく。早すぎる時期には使わない」と釘を刺した辺りから類推するに3月24日に決まったペルーとの代表選にはあるいは呼ばないって可能性も結構高そう。

 それでもしつこく海外組の招集について訪ねる質問に「欧州から選手を呼びたがっている気持ちは分かるが、呼んだらどうなるかとう副作用も考えて欲しい」と訴えるオシム監督。「日曜日に試合があると。月曜日に出発したら成田につくのは火曜日で、ちょっくしてトレーニングできるかどうかで水曜日の試合にでるのか。呼ぶなら出てもらうし良いプレーをしてもらう。飛行機の中で寝られなかったり、時差があったりするところで良いプレーをしなくてはならない。結果どうなるか、試合終わりすぐに欧州に戻って自分の所属するクラブに合流する。疲れている選手を監督が使うか。日本へと往復して来た選手が正常で臨めるかと監督は考える。レギュラーを失うかもしれない。すると2度と呼べない」等々。

 これを敷延するならAマッチデーのように試合感覚が開く場合は呼んで構わないってとれるけれど、週末のリーグはなくてもカップ戦とかあってスケジュールが割とぎっしりなのが欧州のクラブチーム。そこでへいへいと日本に出向いて帰ってカップ戦から弾かれ週末のリーグ戦からも弾かれる可能性なんかを考慮したらやっぱり呼ばないかもしれないなあ。出てない選手はもはや眼中に無し。ってことはベンチにすら入れない大黒将司選手とか、永遠に代表で名前を聞くことはないのかなあ。巻誠一郎選手的には安心。とかいってたら同僚の黒部選手がトルコキャンプでガンガン飛ばして得点を積み重ねている感じ。もしかしてそこでこいつはと呼んだりして。でもって千葉枠とか言われたりして。ともあれ楽しみな明日のメンバー発表。坂本将貴選手や村井慎二選手の名前はあるかなあ。

 「ザ・スニーカー」でやってるコラムで取り上げる為に普通の本だって読まないといけないってことで、評判になっている北山猛邦さんの「少年検閲官」(東京創元社)なんかをぺらりぺらり。うーんこれの凄さが分からない自分が歳をとったのかそれともそもそも凄くないのか。書物が危険を伝えると焚書されるようになった世界が舞台のミステリー。「探偵」やら「ガジェット」やらといったミステリに欠かせない要素をメタとらえて見せるロジカルな部分と、書物の存在しなくなった世界ゆえに起こった事態の関連性って奴がどうにもうまく混じり合ってない感じがして違和感を覚える。書物がないが故に「探偵」や「ガジェット」が現行の世界とは同質のものとして扱われてないってことで繋がっはいるんだけれどそれ以上に「探偵」やら「ガジェット」が概念として突出していじくり回されているからなあ。メーンとなる事件の部分だけぶっこ抜いて時雨沢恵一さん「キノの旅」的な寓話に仕立て上げた方が、怖さも不思議さも際だったよーな気がするなー。とりあえず普通の本を扱うコラムからは避けておこー。

 ふと気が付いたら12年目に突入していたこのページ。書いて書き続けて書き連ねた文章の分量を数えたことはないけれどきっと原稿用紙で日記だったら2万枚知近くになっていて、書評だって4000枚は超えているに違いない。積み上げればトイレットペーパー何個分くらいになるかなあ。けどまあトイレットペーパーにすらならない言葉のカタマリでしかなく、後から生まれては評判となり本となって何万円何十万円何百万円を懐にいれた有名サイトに著名ブログの足下にすら及ばないしこれからも追いつくどころか放されるばかり。だからといって投げ出さないのが何ものからも期待されていない気楽さ故の徒然草。これからも適当に日々を綴り感想文を重ねていくのでよろしゅうに。


【2月12日】 目覚めると「まなびストレート」が始まっていて先週に続いてあんまりまっすぐゴーしてなくってうーん、鬱。あんまり周囲になじめない子供たちがそれでもいろんな人から関心を持たれお互いをさらけ出すうちに友だちになっていくって展開はなるほど美しいことではあるけれど、それを好意と素直に受け止められない人が出てきて殻に閉じこもり拒絶し続けた挙げ句に自分は駄目だと思い込んで転校までしてしまい、それでもやっぱり駄目さ加減に悩んでいる少年が主人公の藍上陸さん「ブール・ノアゼット」(集英社スーパーダッシュ文庫)なんかを読んだりしている目には、何だかんだ言っても簡単に友だちを作り仲間になっていく登場人物たちの振る舞いは奇蹟に映る。羨ましい。けど真似できない遠い世界の絵空事。

 学校生活の壁にぶつかってそれをみんなが力を合わせて乗り越えていくって展開だったらなるほど理解は及んでも、個々の心のもやもやとなると微妙に引いてしまう情けなさ。そんなエピソードが前回今回と続いてしまうといくらアニメーションとして出来がよくてもパッケージとして買って良いのか迷ってしまう。むしろ徹底的にあっけらかんとオンラインゲームの世界を紹介することに徹した「マスター・オブ・エピック」の方が見ていて方が凝らないってゆーか。前説になっていない前説とか良く分からない「ワラゲッチャーV」なる集団のよく分からない戦いぶりとか。ゲラゲラ笑って後に何も残らない楽しさは日曜の深夜にこそ相応しい。まあ今日に限っては翌日も休みなんで癒しは必要ないんだけど。

 それにしても「ワラゲッチャーV」が戦った怪物の正体が番組のPとは。番組を私物化して好き勝手やり絶対に死なない権力者って聞く程に某関西のテレビ局の竹田Pを思い出してしまう。私物化ってほどじゃなくても思いが反映された番組が向かう崖っぷち。看板だったら土曜日6時ですら遂に崩壊し始めている中でさてどんな立て直しを見せてくれるのか。幸いにも夜中のは好調なんだけどこれはどちらかといえばサンライズの力だからなあ。1巻目のオーディオコメンタリーを聞くとそれでも差別的な言動が必然として登場することを必然と認めて放送させたって意味での偉大さは伝わるけれど、それは特別なことじゃなくって当たり前のことだから讃えるべきじゃあないのだ。

 翌日が休みだと夜更かしもオッケーとばかりに買っておいたDVDボックスの「AIKa」をどっと見る。かつて世界を震撼させたローアングルアニメーション。ローアングルとはつまり見せまくりってことで何が見えるかは想像にお任せするとして、とにもかくにも白い布地が冒頭から画面に溢れだして気持ちを豊にしてくれる。お話の方は4巻目までがハーゲンって美形の科学者とその妹が世界を脅かす発明をして美少女のデルモ軍団を率いて世界に戦いを挑むところをサルベージャーの藍華と雇い主の社長の娘りおんがいっしょに防ぐってストーリー。スカート姿でジェット機を操縦している場面では操縦桿を握って踏ん張った藍華にときめき敵の戦艦のパイプをりおんがすべりおちる場面では両足を壁に突っ張り我慢する姿に喜びを感じて歓喜の夜。幸せって身近なところにあったんだ。

 敵のデルモがやられる時にはうつぶせになればお尻を上げて仰向けだったら脚を開いて気絶するからもう大変。でも実際にやられてもおしとやかに脚を揃えて倒れる奴なんていないから、これはこれでリアリズムってことで。リアリズム万歳。インターミッションを挟んだ6話から8話はハーゲンの仇を討とうと立ち上がったデルモ軍団と藍華たちとのバトルがメーン。とはいえ藍華は早々に行方不明となってりおんが役立たずの新入社員や同業の兄ちゃんや前に知り合ったエージェントを誘い乗り込んでいく。小西寛子さんの声は相変わらずに可愛らしい。この声が聞こえなくなって早何年? 何があったんだろうなあ。もはや復活の目はないのかなあ。

 でもって巻末に収録の実写版「AIKa」を見る。一瞬「AlKa」って嘘っこAVかと思ったよ、実際にそんなエロパロAVとかありそうじゃん、でも違って実写版AIKaは絡みこそないものの白はアニメと同じアングルでいっぱい見られてまあ楽しい。とはいえなんか違うのは素材感も覆うサイズも実物とは違う見せ用だったりすることとは別に、日常ではなかなから見られない煩悩と懊悩が脳内で結晶化されて生まれるアニメだからこその濃度を、受け手も願望の顕在化したものと受け止めるという双方向の戯れがアニメには存在しているのに対して、実写ではただ見せりゃあ良いという安易さが見る目を引かせてしまうから、なんだろう。とかいいつつこれはこれで嬉しいような。うーむ。人間ってやっぱり単純だ。

 3時間ばかり寝て起きて本をまとめて鞄に放り込んでとりあえず日本橋まで出てタリーズに入り込んで原稿を仕上げて送ってから新宿へと回って出来たばかりの丸井を見上げてここにとんでもなく古ぼけた映画館があったことを多い出す。「がんばっていきまっしょい」を見に入ったのが最後か。下にあったアニメとか映画とかのグッズのショップは上に入っているのかなあ。んでもって紀伊國屋書店へと回って有川浩さんのサイン会を遠巻きに見物。制服を着た自衛隊の人も禁書だと徴発に来たメディア良化委員会の面子もおらず普通の兄ちゃんとそれから姉ちゃんとおっさんとおばさんとお嬢ちゃんが並んでて多種多様。ライトノベル出身とは言えそこでは1冊しか出してないから若い秋葉原っぽい兄ちゃんはそんなに多くない。

 言うならハードカバーで刊行し続けている「本の雑誌」辺りで人気な作家さんって感じのファン層で一緒に写真を撮ってもらってる女性もいたりして、本好きな人たちの人気作家と化している空気を感じた。といっても見ていたのはほんの数分で周囲に見知った人もおらずそもそも知り合いが少ないんで周囲にいたかもしれない電撃の作家さんとは編集者さんとか角川の編集の人とか誰が誰だか分からず、とっとと会場を後にして帰途に就く。テーブルで突っ伏して一所懸命にサインをしていたあの手間のかけようから見てサイン会が終わるまでには結構な時間がかかったんじゃなかろーか。ご苦労様です関係者様。これだけのファンがいるならいよいよ賞レースへの参入も近いかな。山本周五郎賞あたりか。


【2月11日】 すばらしい。買った「月刊ニュータイプ」2007年3月号の「コードギアス 反逆のルルーシュ」特集で枢木スザクの誕生日が7月10日と判明、いっしょだ僕と。血液型こそスザクはO型でAB型じゃないけれど世界史に残る偉大なアニメーションの一方の主役と同じ誕生日だってのはこれから生きるだろー30余年の間でいろんな場で使えそう。ちなみにルルーシュ・ランペルージは12月5日で物理学者のハイゼンベルクとか観月ありささんとかと同じ。あと岩井志麻子さんとか。渕崎ゆり子さんとか。うーん脈絡がない。血液型はA型だけど特集で示すところのスザクとの相性が星座か血液型によるものなのかが分からないので僕と観月ありささんとの相性が良いのか不明。良くたって出会う機会なんぞないから関係ないんだけど。

 その「アニメージュ」の巻末ではC.C.がピザをむさぼり食ってる絵が。読むと宅配ピザを取って集めたシールを台紙に貼って送ってすでに「チーズくん」の抱き枕を獲得したそーでなるほどそれが最近C.C.がルルーシュの居室でベッドに座って抱えていた奇妙な縫いぐるみかと納得。タイアップしつつも最近あんまりピザ食ってなかったぶんをこーしてキャラクターでカバーしているのか。だったらいっそルルーシュの乗るナイトメア・フレームを「チーズくん」型にしてしまえば良いんだけどそれだとランスロットと可愛らしさでバランスがとれなくなるんで本編では、「ガウェウィン」ってランスロットに匹敵する力を名を持つナイトメア・フレームが与えられる模様。

 「ニュータイプ」の記事を読むとなになに空を飛ぶのかこいつは。ロイドが発案の技術を搭載してオーラシップよろしく空を飛ぶ戦艦アヴァロンの登場なんかも予告されて地べたをはいずり回っていた戦争が、技術の進歩で空中へと広がり様相を転じる中でいったいどんな悲劇が演じられそして物語はどこへと向かうのか。つかとりあえずの残り話数も少なくなって来た中でこれほどの大ネタを処理するのかそれとも先へと繋ぐのか。まさかルルーシュが空を見上げて天空を覆うアヴァロンに「空中戦艦アヴァロン、完成していしたのか!」と叫びFLOWの新曲が被る最終回、なんてことになるんじゃないのか。うーん。見逃せない日々が続きます。

 あいかわらず見事な展開力に着陸力だね成田良悟さんの「世界の中心、針山さん2」(電撃文庫)は、タクシーを舞台にした怪談話に始まってヒーローと戦う悪の組織を舞台に最低ランクの戦闘員ながら最高ランクの力を持ってしまった男の苦悩を描く話があり、それから殺し屋が何ものかに追われていた死体を死霊術とかによって蘇らせることができる少年を助け、追ってくる死体を呪術によって操ることができる少女と戦う話があったりしてそれぞれにどんでん返しが待ち受けていて楽しい上に、別々に発表されて関連なんて意識されていなかった物語を1つに繋げてまとめあげる短編が入って1つの連作短編集に仕上がっている。

 それらの中心にいるのはやっぱり事件が起こるその側で巻き込まれる訳でもないけれど手を出す訳でもなく、ただ居たりする針山さん。いったい彼は何ものなのか、って説明はやっぱりされないままただ不思議な事件だけが積み重なっていく。前回からの登場人物の魔法少女もちゃんと出ていて可愛いところを見せてくれるけれども2巻目だとやっぱり最強の戦闘員が「バッカーノ」で言うところのヴィーノことクレア・スタンフィールド然として格好良い。放っておけば宇宙人に神様だって出て来て世界をひっくり返しかねない展開で最強のポジションを得てインフレを抑えるキャラらしーけどだからといって恐れられて近寄られないまま脇に甘んじ続けさせられるのは寂しいんで、何か面倒事があったら 出てきてヴィーノよろしくグゲゴキドカっと場を沈めては去っていく、格好良いところを描いてやって下さいな、成田さん。

 長い黒髪も麗しいチャイナな少年と金髪ふわふわの白人少年に小柄な日本人の少年が集まった3人組が繰り広げるのはやっぱり耽美な世界かってゆーと5%くらいは当たりだけど大半な意味では外れている小川いらさん「横浜危機的少年(ヨコハマクライシスボーイズ)」(ビーズログ文庫)は子供の頃から横浜で仲間として育った彼らのうちの日本人少年・勝久がバイクで走っていて飛び出してきた男を避けようとしてクラッシュ。その時に傍らに謎めいた美少女が現れて物語が動き出す。病院で目覚めた勝久に、華僑の商人の跡取り息子で黒髪も鮮やかな偉龍と、アメリカに帰り医者になる勉強をすると決めている金髪のジョセフも一安心。ところが勝久が父の土産としてもらった琥珀の玉に込められていたらしい謎の美少女が、勝久の中に入り込んでしまったから驚いた。

 150年だかの昔に滅びてしまったと思われていたチベットに近い中国の奥地に住むカイ族のシャーマンらしかったその少女。目覚めて募るのは故郷への思いで眠りについた勝久の体の表面にあらわれては化粧や衣装に関心を見せる。一方で勝久のバイクに飛び込んで来た男が落としたらしい麻薬をめぐって偉龍にヤクザの魔手が伸び、ジョゼフや勝久を巻き込んむ。3人はピンチを乗り切ることができるのか。そして勝久の中に入り込んだ少女は幸せを得ることができるのか。友人の勝久を思う余りにシャーマンの少女を邪険にする偉龍が何とも憎々しげだけどそこはそれ、少女の魂が入った勝久の色っぽさに惚れてしまう官能と耽美の入り交じる展開へとなだれ込むんじゃなく、どこまでも純な友情を描いてるってことで納得しよー。でも続くかもしれない今後の展開ではちょっと分からないかも。ジョセフとか結構、女装した勝久が気に入ったみたいだし。岩崎美奈子さんの絵は相変わらずに麗しいなあ。


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