縮刷版2006年5月下旬号


【5月31日】 ”ミスター100%”は完全無欠にゴールを外すから100%なんであってそれが2得点、しかも優勝候補と事情を知らない日本あたりでは目されちゃっていたりするドイツ代表を相手に奪って見せたんだからもはや100%は使用不能。となればいったい高原直泰選手をそう呼んだドイツのメディアが一体何と名付けるのかが楽しみだけど、ドイツの新聞のサイトとか見てもドイツ語だから読めず確認が不能。その辺りどんな反応だったかを伝えて欲しいと日本のメディアにおかれましては説にお願い申し上げます。ちょっぴり下がって”ミスター・フォーナイン(99・99%)”だったりするのかな。貴金属でフォーナインは100%と同義語だから状況は変わってないってことなのかな。

 心配なのはここでの爆発が”ミスター100%”伝説を良く知るドイツ代表のディフェンス陣による楽観から生まれたもので、これが相手なんて無関係にがっちり固めてくるオーストラリアにクロアチアが相手となると、すり抜けられず身を寄せられてシュートを外しまくるここ何年かのブンデスリーガの高原選手に戻ってしまう可能性があったりすることか。2点目のディフェンス人をかわし素早く叩き込んだ形が素晴らしくって、このキレが維持されれば本戦での活躍も期待できるって思いたくなるのが人情。けどテクニックとフィジカルに優れた相手が本気で体を寄せて来た時に、同じよーなプレーが出来るのかそれとも。まあ良いそんな状況が見えてきたらフィジカルに勝る巻誠一郎選手を投入してパワープレーのこぼれ球を柳沢敦選手や中田英寿選手に叩き込んでもらおう。たとえドイツ戦では出番がなくとも本戦でこの1点が欲しいって場面で出番はあるぞ、あって欲しいぞ、あるんじゃないかな……信じれば叶う。

 それにしても何でまたあんなにあっさりと敗れるんだろー、アディダスの誇る日本代表のユニフォーム。これまでだって伸びたり裂けたりすることはあったけど、柳沢敦選手の着ていたユニフォームのよーに前が完全に開いてしまうのって初めて見た。まるで超人ハルクごっこといって自分から着ているシャツを引き裂く芸を見せた後のよー。それだってあらかじめ破れやすくしておくんだろーから、そーでない細工もなにもないユニフォームがああもあっさりと破れてしまうのってやっぱり、耐久性に問題があるとしか思えない。それとも耐久性を犠牲にしても涼しさ軽さを選んだか。

 だったらプーマがやっているよーに体の線にピッタリの素材にして誰にも引っ張られないよーにすれば良いんだろーけれど、鍛え上げられたサッカー選手ならまだしも普通のサッカーファンが応援したいと思っても、体のラインがばっちりと出るピタユニのレプリカは売れそーもない。女性も着づらい。そんな思惑もあって体にはぴっちりとはしない、けれども引っ張り倒されにくいユニフォームが作られたんだと傍目には見えるけど本当の所はよく知らない。

 まあ陸上のスパイクだって最近は何度か履いたら次に代えるよーになっている時代。サッカーのユニフォームだって洗ってまた着るんじゃなく、1試合を最低限に持てば耐久性は不問で、あとはとにかく軽くて涼しい方が有り難いって風潮になっているのかも。それともいくらディフェンダーに引っ張られよーともそこを脱出してシュートまで持っていけるよーに、わざと破れやすくしてあるとか。まるでトカゲの尻尾のよー。でも引っ張り合いつかみ合いが常態化しているサッカーで勝つにはそれも仕方がない。適うならば女子代表の「なでしこジャパン」にもそんな破れやすいウェアの支給を。でもって見方の簡単な接触プレーで自分から破いて鍛え上げられた体を披露し、大勢のファンの目を釘付けにして女子サッカーへの理解の促進を。見たいよなあ丸山佳里奈選手のそんなあられもない格好を。

 異国へと次元を越えてスリップした少年が見かけによらない類い希なる軍師ぶりを発揮しては劣勢の一派を大逆転へと導く話、ってのは豪屋大介さんの「A君(17)の戦争」シリーズを筆頭に幾つかあったりするから優れて新しいってものじゃないけれど、児玉ヒロユキさんの「イット」(シグザグノベルズ、950円)は「A君(17)」シリーズみたいに巻を重ねてもなお終わる兆しを見せず果たして完結してくれるのか、他にシリーズが途切れたまま次の出ない悲劇にまたしても見えるのかって心配がまるで無用。新書版の1冊で少年が劣勢の王子を助けて国を救い世界を買えた上にハッピーなエンディングを迎えるまでがちゃんと描かれているから、読み終えた時にああ良かったって気分をちゃんと味わえる。

 もちろん「A君(17)」があれだけ巻を重ねてもなお帰結の見えて来ないのは、それだけ描き込みが精緻で壮大だからで、それだけのことをして初めて成り立つリアリティって奴もあるってことを鑑みると「イット」はややご都合主義的にすべてが走りがちな気がしないでもない。「A君(17)」でいくと主人公とほとんど同等の知略を持ったシレイラちゃんの存在が「イット」にはなくってファンタジックな世界へと迷い込んでしまったイットこと一斗の思うがままに全てが進んでしまう。けどそれも仕方のないことで、世界がイットをやや特別な存在として成り立たせるよーに作ってあるから彼に対抗する知略が巡らされることもない。考えられてないんじゃなくってちゃんと考えられての1巻物だって言えそう。

 あとはどーしてイットのよーな存在が呼ばれ世界の激変の鍵となったのか、って所が見えないのがもどかしい点か。まあそういうこともあるんだと納得しておこー。キャラでは無骨で口の悪い、けれども見目は麗しい女騎士のユンフちゃんがなかなか。それと聡明なイットを奸計に填めるくらいにナイスなバディを誇る戌井先生か。1人で100人なみって騎士のイヴァンも凄いけどどーしてそんなに強いのかがやや非常識。知略は突出していることがあっても体力が人間を越えるってのはなあ。まあこれも話を面白くするためと納得。あるいは人間にだって時々とてつもない体力を持った者が生まれて来ることもあるんだとゆーことにしておこー。サッカーで言うなら北沢豪選手にガットゥーゾ選手にダービッツ選手にマケレレ選手。底知れない体力と飽くなき闘争心でもって10人のフィードプレーヤーを相手に走り戦い続ける彼らみたいな。


【5月30日】 会社にまだいっぱい人がいて休日とかにフットサルをやってた時代に通った二子玉川とか芦花公園とか船橋の「ららぽーと」屋上にあったコートは、とりあえず人工芝っぽいものが引いてあってもビニールビニールしていて踏んでそれほど気持ちの良いものじゃなく、コケると結構痛かったよーな記憶があるけれどそれも10年近く前のことなんで定かじゃない。ただ少なくとも「そごう横浜店」の屋上にあって中村俊輔選手がプロデュースした「SHUNSUKE PARK」のフットサルコートのように、毛足が長く柔らかい人工芝にチップを混ぜて転んでも擦れず踏んでもサクサクっとする感じを醸し出してはいなかった。これが時代の進歩って奴か。

芝は良好、スタンドもあって見物しやすそうな「マリノスタウン」。これだけの施設があってあの成績はマズいよなあ  そんな「SHUNSUKE PARK」で「そごう横浜店」がお中元商戦のキックオフイベントを行うってんで朝からいそいそと横浜に。確かワールドカップの日本代表に中村俊輔選手が選ばれた時、会見場にしていたのがその場所でエレベーターで上がってみるとプレハブみたいな建物に中村選手の写真が貼られ中にいろいろと置いてあり、そばに台状になったコーナーがあり奥に本格的なフットサルコートがあって、デパートの屋上の片隅にこっそりってんではなく、真正面から1番の屋上施設として「SHUNSUKE PARK」を位置づけているって感じられた。「ららぽーと」だって大きさだけならメインだったけど、ロッカーもなけりゃ下も固い仮施設って感じだったからなー。「SHUNSUKE」の名を冠する以上はやっぱり本格的なものにならざるを得ないってことか。

 それにしても中村選手、ほかにいくらでも場所がある横浜市の中でどーして「そごう横浜」の屋上にフットサルコートを作ったんだろーってゆーのが率直な感想。まあ出身が神奈川で前にいたチームも横浜F・マリノスなんで地縁ってこともあったんだろー。あと自分で子供達のためになることをしたいって考えた時に、場所として使える「そごう横浜店」の屋上があって、そんなお互いのメリットが一致して誕生したってことなんだろー。タイミングとしてはそれでも絶妙で、4月1日のオープンから1カ月半で日本代表に選ばれ会見場として使ってもらえて一気に知名度もアップした。

 横浜駅を挟んだ”表”側にある三越が消え全体に停滞気味な中、「みなとみらい21」の開発が進み中村選手を生んだマリノスもそこにスタンド付きのグラウンドを作っていたりして、いっそうの人通りが期待できそーな「そごう横浜店」。お中元商戦のみならず横浜の商のランドマークとなるための戦いにも、「SHUNSUKE PARK」の存在は結構効いて来そう。あとは中村俊輔選手がドイツでどれだけ活躍するか、かな。02年の時のレプリカ(代表を落ちてから投げ売りされてたオーセンティック)にアジアカップの時の前に3本の青い筋が描かれたバージョンとそして、サムライブルーも鮮やかな最新版と3枚の「10 NAKAMURA」マーキング入りユニフォームを持つ身としては、是非に是非に祈っております活躍を。でも別にファンじゃない。これがただのミーハーって奴だ。

 11人のお中元ギフトコンシェルジュがボールをゴールへと蹴り込みお中元商戦開幕って場面を撮影してから電車で東京へと戻る。途中、座っている僕の正面に立った女性がジーンズでローライズだったんだけどシャツが短くお腹の部分が顔の正面に来てなかなかな雰囲気。本を読むふりしながらちろちろと眺めているとどうにも目の端にひっかかって来るものがある。それは黒くて細い筋。下腹部まで露わになったローライズのジーンズの縁の部分から上へと突き出ては尖った先を微風や体の動きにあわせてそよがせている。すこし目線をずらすとそちらにも別に1本の黒い筋。さらには振動で前後に体を揺する人の下腹部とローライズジーンズの縁の隙間から、もう1本2本3本と黒い筋がのぞいて目の端に刺激をあたえる。なるほどローライズとはこういうことが起こり得るのか。ローライズを履く時は気を付けろ。ビキニラインの手入れは三角地帯の左右だけに限らないぞ。

 まんじりともせず東京へと戻り記事にして(お中元商戦キックオフの話だよ)、それから秋葉原へと出向いて「アキバ3Dシアター」で行われた東映アニメーションによる「画ニメ」の発表会を見物する。写真とか絵画といった静止画に音楽を付けナレーションを付けて動かして見せるから「画ニメ」。うーんちょっぴりストレート過ぎ。だけど言い得て妙なだけに難しい。話を聞いてコンセプトを聞いた時に浮かんだのは、絵本なんかをテレビ向けの番組に仕立て直したよーなアニメーションって印象だったけど、実際に出てきたものはそれと大きく外れることはなく、とりたてて新しいって感じは受けなかった。

 ただ単純に絵本を映像に仕立て直しているってんじゃなく、選ばれる素材にこだわりが感じられる所がちょっとは他の静止画アニメとは違う所。メーンとして選ばれたらしー天野喜孝さんの作品は描き下ろしの絵の一部を動かして見せつつ音楽をかぶせナレーションを載せて、今までにない天野さんの世界をそこに見せてくれる。アニメーションにされると美麗な線がどーしても崩れる。かといって絵本のままではちょっと退屈。そんな悩みを解消して天野さんならではの線を見せつつ映像作品として楽しめるってところがある意味で新しいかも。天野さん的にも漫画や絵物語よりも進んだ形で、かちってアニメにしないで自分の物語を見せられるメディアってことになるんだろー。

 同じ手法はイラストが得意なアニメーターとか描きさんたちに使えそう。個人的には安倍吉俊さんの作品世界なんかを「画ニメ」にして、アニメ化ほど大がかりじゃないけどあの雰囲気あの空気感を堪能できるよーにしてくれたら有り難いかも。残念ながら今のところラインアップにははいってないけど企画する人がいたら是非に。ちなみにアニメ系では美樹本晴彦さんの名前が第二弾に入っていたっけ。どんな絵が音やセリフにのって繰り出されるんだろー。ちょっと楽しみ。古賀亮一さんによる「エコエコアザラク」の「画ニメ」ってのも作られるとか。アニメでもドラマでもない「エコエコ」かあ。セリフはそれでもやっぱり佐伯日菜子さんにやって欲しいなあ。久々に聞きたいあの黒井ミサの声。

 写真なんかを題材にドラマを作ることも「画ニメ」なら可能で早速シュールレアリスムの写真作品で知られる植田正治さんを題材に、佐野史郎さんが監督をして一本の作品を作ろうとしている。ところどころを小泉八雲さんの作品から引いた言葉を入れてそれを佐野さんが喋り、そこに加藤和彦さんの音楽が絡むとゆー寸法。メンバーもゴージャスだけど出てくる映像も結構に深くって、美術館なんかで写真を眺めるのとはまた違った角度から、植田さんの作品が持つ魅力を知ることができる。荒木経惟さんの作品も誰かやってくれないかなあ。それなら既にアラキネマがあるから良いか。いっそアラキネマを「画ニメ」に入れて安く売ってくれないかなあ。「アラキトロニクス」の再発ってのも手だよなあ。

 会見が終わって下の「アキバ海岸」とかゆーカレー屋さんでカレーを食べてよーとしたらゆで卵が食べ放題で4個持ってこられたんでまず1個を食い2個目を食い3個まで食べたけど4個目は流石に食べられず。がっついた奴だと思われるのがいやだったってよりはカレーのご飯がたっぷりで食べられなかったのが真相。リーズナブルな値段でカレーもそこそこそで量もそれなりってのは有り難い。また行きたいけどゆで卵のサービスはやってないんだろーなー。どっかのモーニングサービスみたいに恒久的にしてくれれば良いのに。次は全部食べきるから。


【5月29日】 ぺろり、ぺろりとページをめくって綿谷りささんの芥川賞受賞作「蹴りたい背中」を読む長門有希の何と楚々として麗しいことか。文化系女子だの何だのってカテゴライズがあちらこちらで行われて、その中から音楽やら美術なんて高邁なものに通じ主張する女の子像ってやつが浮かび上がって来たりしているけれど、どんなに時代が進もうとも読書美少女こそが文化系女子の究極にして至高であることに一切の変動はないのであって、その姿を自ら体現している長門有希が羨望を一身に集めることに何の不思議もない。

 あのつらつらとページをめくる場面だけが30分続いても、ファンは画面を眺め続けては心ニヤけさせることができる。それくらいに美しくも素晴らしいシチュエーションだった。許されるならDVDでは是非に1冊の「蹴りたい背中」を読み終えるまで、ひたすらにページをめくる長門有希さんの姿を映した映像を収録して欲しいもの。冒険でしょでしょなエピソードが山積みな「涼宮ハルヒの憂鬱」アニメ版だったらやってくれると信じたい。関係ないけどもしも読んでいたのが「蹴りたい田中」だったらいったい、どんなマニアが心浮き立たせただろうなあ。

 日本出版販売から届いた6月の新刊リストを眺めてつらつら。「日本沈没 第二部」てのが小松左京さんに加えて谷甲州さんの参加で小学館から出るらしい。山にでも登るのか日本民族が総出でヒマラヤ山脈とか。開いてる場所っていったらそのくらいだし。SFだと梶尾慎治さんの「きみがいた時間ぼくがいく時間」ってのも朝日ソノラマから刊行。どんな話だったっけ。これも梶尾さんで「時の”風”に吹かれて」が光文社から登場。人気作家に知らないうちになっていたなあ梶尾さん。ベストセラー作家になるのに歳とか関係ないんだなあと勇気。

 瀬名秀明さんは「第九の日」ってのを光文社から。ベートーベン? 佐藤賢一さんの「女信長」ってのにもちょっと興味。これは毎日新聞社。名人戦の移籍問題で米長邦雄連盟会長から名指しで非難されてた大崎善生さんは「優しい子よ」ってのを講談社から刊行。やっぱり将棋ネタなのかな。あとは森博嗣さん「フラッタ・リンツ・ライフ」ってのが中央公論新社から。「スカイ・クロラ」に連なるシリーズか。でもそんなハードカバーを上回って話題を呼びそうなのが「高飛びレイク(全)」だ。

 消費者金融のレイクで借りまくって大変な男が高飛びする話、ではなくもちろん火浦功さんの懐かしの名作「高飛びレイク」の再刊だ。短編とかも合わせて1冊になるのかな。版元は最近そーゆーのばかり出してる朝日ソノラマのノベルズ。果たして書き下ろしなり、書き直しはあるのか。あとがきなんかはついているのか。あとがきすら含めてリアルタイムな文章を読む機会のめっきりと減った火浦さん。テニスの4大大会も相次ぎ開催されるこの時期にいよいよ大復活? まあ復活したって一瞬だろーけど。次は「みのりちゃんシリーズ(全)」かな。電撃で出してた田中哲弥さんのがハヤカワJAから出てそのハヤカワから出してた火浦さんがソノラマノベルズに移り。かくしてSF業界ロンダリングは進み中堅作家に寒天の慈雨が注ぐ。ロートルなファンは嬉しいけれどでも本当は新作が読みたいんだよお。

たったの4万円で未来があなたの手に。ってもすでにありきたいかなあ二足歩行ロボなんて  あれはもはや何光年も昔のことだったっけ。今はトミーと合併してしまったタカラが流行りの二足歩行ロボットを出すってことで確かパレスホテルだかで会見があって、行くと細身のボディをギャゴギャゴいわせたロボットが歩いては、CCDで捉えた映像を携帯電話なんかに送ったりするデモンストレーションを見せてこいつは新たな時代のアイテムになると期待させられたっけ。確か手がけたのはその昔にSFイラストレーションなんかで活躍していた張仁誠さんなんかがやってた会社。それだけにデザインも格好良かったんだけど如何せん高かったのと「ROBO−ONE」開幕前で家庭で楽しむホビーロボットの市場が立ち上がっていなかったこともあって、商品名「ドリームフォース01」は知らず発売されては、知らず消えて行ってしまったっけ。

 そんな経験も糧にして、新たにタカラトミーとなった新会社から今ふたたびの二足ロボットが来年3月にも登場の予定。見かけは実にコンパクトで、玩具っぽさも漂わせているけれど詰まったCPUは18個あり搭載された17個のサーボモーターで手足を動かし腰を曲げ伸ばししては歩き倒れても腕立て伏せをしてから立ち上がり、座れば手足を動かしてドラムを叩く真似をする。そのタイミングがドンピシャかは微妙ながらも半年近く残した開発機関の間には、さらにブラッシュアップされてそれなりの動きを見せてくれるよーになるんだろー。

 気になる値段は4万円程度。うーんやっぱりちょっと高い。けど詰まっていそーな装備なんかから見ればこのあたりが妥当になるのかな。あとはそれに見合った楽しみ方なりが出来るかってところで、ただ歩かせるだけでなくって携帯電話と連動して、ロボットおnCCDカメラを通して見た映像を遠くから携帯電話で見たりして、家で飼ってる猫とか犬とかが大丈夫なのかを確認できたりすればそれはそれで買う人とか出てくるかも。でも全高が10数センチしかないんで床とかに置いて猫を見晴らせていたら確実に頭を囓られるから注意。携帯電話をつなげた途端に開いた猫の大口を見るワイルドな経験。それはそれで面白いのかな。


【5月28日】 もっと腹の底からドスの効いた声を出すかと思ったロベルタちん、だけどそこはあらゆる感情を怒りも悲しみも喜びも抑えてひたすら殺人マシーンに徹する訓練を受けた元兵士なだけあって、冷えた声音で訥々と喋ってはコロンビアマフィアの連中を探し求めて歩く姿にレヴィなんかとはまた違った人間の究極の姿を見る。そんなロベルタちんを演じる富沢美智恵さんもまた凄い。「サクラ大戦」の神崎すみれさんとは違うなあ。これが同じ「サクラ大戦」で顔立ちも誓い李香蘭を演じてる渕崎ゆり子さんだったらどんなロベルタちんになっただろー。陽気で明るく脳天気。それロベルタじゃねーよ。

 お話はとりあえず手にした傘の先っぽから散弾が発射されるシーンで終了。そこから先の、バーを逃げ出したレヴィやダッチを追いかける人間ターミネーターなロベルタちんの化け物っぷりが来週はたっぷり拝めそうで、漫画では今ひとつはっきりとは見えなかったあのメイド服のひらひらとしたスカートの下とかがくっきりと映し出されることへの期待で1週間を楽しく過ごそう。裏切るなよ製作スタッフ。あとはあの凍えた声音がレヴィとのど付き合いの中でどんな感情を表していくのかにも。表情の変化と声音の変化で人のちょっぴりの成長を描く。それが出来るアニメなんだよ「ブラック・ラグーン」は。製作スタッフの力量にキャストの力量も含めて。

 まさか女子サッカーのリーグ戦がテレビで生中継される時代が来るとはなあ。4年前のワールドカップ日韓大会で日本がサッカー人気にわきかえり、余勢を駆って女子の代表がワールドカップに出場してアテネ五輪にも出場を決め、「なでしこジャパン」なんて言われてブームになった時でさえ、女子サッカーは代表の試合がテレビで中継されたとしても夜に録画で、リーグ戦に至っては結果すらニュースで報じられることはなかった。それがたとえ東京電力がスポンサーになって東京ローカルのMXテレビに枠を持ち、東京電力が持つチーム「TEPCOマリーゼ」の試合を中継するからといって、録画ではなくライブで放映するなんて。女王の「日テレ・ベレーザ」だって未だなし得ていない栄冠を獲得してしまって恨まれ次の対戦で袋叩きに合わないかがちょっと心配。

 もちろんひとつには東京電力がオール電化のキッチンシステムを普及させたいって事業ミッションがあって、CMを放映する枠を持つなら自分たちて持っているマリーゼの試合を中継するのもありって考えただけなのかもしれないけれど、一昨年まではYKK・APが持っていたチームを東京電力が買ったのだって、それだけ女子サッカーとゆー”コンテンツ”が以前に比べて価値を持っている現れだ。チームを持っているからこそ試合が中継できたってことで、根源にある女子サッカーそのものへの注目の高まりを、ここは素直に喜ぶべきなんだろー。この勢いで日本テレビも注意で足掻く「東京ヴェルディ1969」の試合を避けて、ベレーザの試合を日曜の深夜枠で録画でも構わないから放映すれば面白いのになあ。圧倒的な強さを見せるその姿に、きっと女子サッカーのファンも増え、そんな最強チームを持つ日テレへの高感度もぐっと増すはずだから。

 何つーか。修正申告を申告漏れと書かれ脱税を仄めかされてしまって迷惑だってことはよく分かるよ橋下弁護士。そんな目にあった彼が産経新聞の取材に怒り反論をすること自体を否定はしないし、むしろ安易な取材がもたらす信頼性の毀損を回復する意味でも徹底した糾弾は歓迎したいところなんだけど、テレビとゆー公共性ばりばりな場で10分とかいった長い時間を使って、自分の無実を蕩々と述べて相手を非難しつつも、そこから日本のメディアにありがちになメディアスクラムの問題なり、個人情報を漏らして平気な公務員の存在なりといった方面へと切り込み改善を迫るでもなく、また「まあいいんですけどね」って感じに、怒りは表明したんでとりあえず矛を収めるって態度で終息を図ろうとしているのは、見ていて何とも居心地が悪い。

 そういった場を与えられている自分はそれで反論できたから良いってこと? 同じ目にあっている無辜の市民の代弁をしようって気はないの? せっかくメディアが牙を剥きだしにして食いついて来たんだから、それを利用し切り返してメディアの問題点を洗い出し、ぶっつぶすくらいのことをしてくれたら英雄として讃えられたのになあ。ちょっと勿体ない。今まさに東北の方で起こっているメディアスクラムに対しても、誰も言わない中を堂々と主張し推定無罪の原則を忘れるんじゃねえと吼えたらヒーローになれたのになあ。

 それとも自分に反論の場を与えてくれるメディアが、今まさに行っている悪事をあげつらったら何が起こるのか、ってことをわきまえればとてもじゃないけど出来ないんだって、そう思われても仕方がないってことなのか。いやいやそんなスタンスじゃあ、自分のメディアへの反論が霞んでしまう。同じくメディアのいらぬ詮索にあって苦悩している人たちを、与えられた公共の電波を使い救出してくれるはずだ。例えメディアに居場所を失ったって、それが義を訴える人間としての振る舞いだ。頑張れ。そして戦え。見ているぞ。みんながその一挙手一投足を見ているぞ。

 朝比奈みくるが唄う「朝比奈みくるの冒険」の主題歌と、のみこさんが唄う「錬金3級まじかる?ぽかーん」のエンディングのどちらが耳に心地よいかとゆー究極の選択を迫られた時、果たしてどっちを選ぶべきなのか迷い中。あれでのみこさんの歌は聞き込んでいるうちに癖に、ってゆーよりは中毒になってしまう所があって、そんな凄まじい音程のエンディングを4パターンとも収録したCDを、ついつい買ってしまおうかって気になっていたりする自分がいるから困ったもの。対するに「朝比奈みくるの冒険」は、どこかわざと外していたりする所があって聞いてて裏にあざとさが透けてしまう。比べてのみこさんの徹底して天然で純朴な電波声に分があるのも当然か。果たしてどちらがより魂に響くのか。実験したいなあ。部屋に缶詰にした人にそれぞれをそれぞれ1時間づつ聞かせて血圧脈拍舌の色なんかを調べたいなあ。


【5月27日】 下からのアングルで表紙からして見えまくり(ただし色は塗られてない、つか肌色だからもしかしたらはいてないのか?)な伊藤昭弘さん「ジオブリーダーズ 魍魎遊撃隊」(少年画報社、514円)の12巻は栄子ちゃんの鉄拳もかなわず社長キックも効かない強化化猫を相手に追いつ追われつの大乱戦。とりあえずは片づくも動き始めた流れは止まらずハウンドは謎の女へと迫り神楽の面々は過去へと近づきそして菊島社長の背後に蠢く影も浮かび上がってそして面々は命すら危うい謎の島へと向かい走り出す。

 どんどんとダークさを増して未来に不安を抱かせるんだけど連載の方でも過去の悲劇は語られていても、未来がどーなるかまではまだ伺い知れなくって、その辺りを伊藤さんがどう処理してくるのかに関心。過去と同様に神楽総合警備もすべてが悲劇の中へと消えて、ひとり田波洋一だけが残って竜同様に記憶を未来へと受け継ぐのか、それとも連鎖を断ち切る特権的な存在に蘭堂梅崎姫萩桜木とそして田波はなり得るのか。楽しみだけどそれが明らかになるのは多分2年くらいまだ先のことになるのかなあ。連載ゆっくり過ぎ。

 背中越しで左右に揺れてはみ出る双房の絵を描いたアニメーターたちの、悶えつつその弾力性を精いっぱいの表現しようとペンに魂を乗せて線を引っ張っる仕事ぶりに心よりの賞賛と感謝を贈りたいものだと録画した「ウィッチブレイド」を見ながら深く激しく思う。ありがとう。つかこのアニメ、女性の上半身とか下半身のラインとかちょっとした仕草なんかが実に巧に描かれているよなあ。

 昨今の萌え絵一辺倒な絵ってそーした人体における男女差なんてあまり配慮されてなくって、ただふくらんでいたりただ白いのがチラ見せされていたりするだけの記号と化している場合が多くって、共同幻想の中では喜べてもいったんそこから外れた文脈にいると、喜べなかったりすることも多いだけに、ラインやしぐさにおける男性らしさ女性らしさをちゃんと捉えた線ってのが逆に新鮮に見える。漫画とは違って動くアニメだからこそ気になる部分。今敏さんが監督した「千年女優」とか「東京ゴッドファーザーズ」もその辺への配慮が凄かった。

 例えば「千年女優」だと宇宙服を着たヒロインが月面を歩いていく場面。もこもことした宇宙服を着ているにも関わらず、歩き方とか後ろ姿のラインで女性って分かるもんなあ。それが描けてなくても話はつながるんだけど、手は抜かずにちゃんと表現してみせている。双房が重力やら慣性やらでぶるりと動くビジュアル的なインパクトも大事だけど、そっちばかりに走らず普通を描ける技術ってのも後世に受け継がれていって欲しいもの。とりあえずは「ウィッチブレイド」の進捗と来年の今敏監督による「パプリカ」のビジュアルに期待だ。

 家にいると眠ってしまうんで風邪気味なのを押してとりあえずは秋葉原詣で。路地裏で流れていた「ぐつぐつにゃーにゃー」って猫鍋の歌が耳について、熱っぽい頭をさらに朦朧とさせながらとりあえずは「石丸電器」でDVDの新作なんかを購入。並んでいた特装盤の「びんちょうたん」を手にして他に「エルゴプラクシー」とか「スピードグラファー」とか「ノエイン」なんかも持ってレジに並んで横を見たら3人くらいいた他の購入者たちが皆手に同じ茶色いパッケージの「びんちょうたん」の特装盤を持っていた。売れているなあ。ちなみに3人とも同じくバンダイビジュアルから発売中の「交響詩篇エウレカセブン」のDVDは持っていなかった。なーぜーだー。たった1人「大魔法峠」を持っている勇者もいた。サブミッション万歳。

 神保町へと回って「コミック高岡」で早売りの「ヤングキングアワーズ」2006年7月号。ウォルター復活。でもアンデルセンですら敗れ去ったアーカード相手に叶うかな。蒲腐博士復活。でも征服されないために征服するんじゃあイルパラッツォと一緒じゃん。真田ぽーりん新連載。動物がかわいい。そこにカラー広告。「言葉は感情的で残酷でときに暴力だ。それでも僕らは待っていた。まりたんに”声”がつくことを!」。どっかで聞いたことのあるコピー。でも元ネタがあまりに格好悪いんでパロディにしても妙にしっくりとこないなあ。お笑いのネタにすらならないコピーを居丈高に発信していて恥ずかしくなかったのかねえ、築地。恥ずかしかったらあんな第2弾は作らないか、学芸会みたいな、声の、唱和。

 でもって「ジオブリーダーズ」。なるほど最初は「神楽保安管理」だったか。発足は伊勢湾台風の時だから漫画時間で40年前? その時の菊島三千代って名の事務のお嬢さんが島にいる老女だとすると世代的には菊島雄佳とその姉の祖母ってことになるのかな。今の「神楽綜合警備」とその前にあった「神楽警備保障」との間が10年と離れていないんだとしたら40年の間にいったい幾つの「神楽」が生まれては何人の社員が死んでいったんだろー。「そう、その後の膨大な死と破壊に繋がるそれが最初の1人」についての物語。語られる次号に否が応でも注目。なんか菊島雄佳の頭身が上がって細身になって来たぞ。正体がバレると幼女体型が大人の体型に変わる家系なのか。


【5月26日】 実は1度も買ったことのない「toto」だったりして、理由は買い方があんまり分からないんだけどそれを店員の人に聞くのが恥ずかしいとゆー、極めて個人的なディスコミュニケーション資質によるものだったりするから別に「toto」のシステム自体が悪いせいじゃない。でも世に一般的な社交的でサッカーの好きな人であってもあんまり買っていない事実から、それ自体の魅力にやっぱり欠けるものがあるんだって想像できる。

 魅力がなければ改めればいいってのが普通の考え。でもそーした普通の考え方がなかなかできない方々によって運営されていた「toto」は莫大な借金を生んで今や胴元である独立行政法人の日本スポーツセンターの屋台骨すら揺るがしている模様。そんな彼らが独法化する際にお裾分けしてもらった「国立霞ヶ丘競技場の、そのものを売り払わないまでも命名権を売り払う必要があるくらいに、事態は風雲急を告げている。

 税金が注ぎ込まれた施設を、命名権とはいえ売り払って良いのかって疑問も浮かぶけどそれを言うなら「フクダ電子アリーナ」だって千葉市とかが作ったものの命名権を売った代わりに運営費をもらっている訳だからそんなに目くじらを立てることではないのかも。ただやっぱり日本のスポーツ競技施設の頂点にして原点に君臨する「国立霞ヶ丘競技場」に何か別の企業なり何なりの名前がつくってゆーのはなかなかに受け入れがたい事態。だってほら、一種の聖地でもある場所でしょ、日本のスポーツ界にとって。そこに金儲けが何よりすべての上に立つ企業の名前が冠される。どうにも釈然としない。

 ロンドン五輪が行われ、今はサッカーの聖地として崇められる「ウェンブレー・スタジアム」が「バークレー銀行スタジアム」とかになることをイングランドの人が許せるのか。ラグビーの聖地「秩父宮ラグビー場」が例え日本代表チーム強化のための費用を捻出するために、命名権をご近所の企業に売って「伊藤忠ラグビー場」になったらラグビーのファンは喜べるか。体たらくに長く歯がみしていたラグビーファンなら強くなるなら何だってって思ったりするかもしれないけれど、それとてメインではないだろー。聖地は永聖地。秩父宮は秩父宮で花園も決して近鉄じゃない。

 朝日新聞の記事には認識的な間違いもあって、国立競技場で「トヨタカップ」が開かれていたのに、そこに自動車メーカーの名前がついたらまいずだろうって見解が書かれてあるけどその「トヨタカップ」の決勝が行われたのは「日産スタジアム」。ただしFIFA(国際サッカー連盟)は主催試合で企業名のスタジアムを認めておらずチケットにもパンフレットにも「横浜国際競技場」という名称が使われていたし、ドイツで開催されるワールドカップでも「AOLアレナ」とか「アリアンツ・アレナ」といったスタジアムの名称は使われない。「トヨタカップ」については心配は無用って言える。

 だから問題はやっぱり聖地ってゆー特殊性を上回れる説得力が打ち出せるかって点で、それが経営陣の無策によってふくれあがった借金の返済のためとかいった理由では、とてもじゃないけど誰も納得は出来ない。それをやるなら徹底した膿出しが不可欠で、「toto」の改善も含めた施策をずらりと並べ、責任者の首もずらりと並べた上で喫緊の対策として命名権の売却が必要であり、上がった収入はスポーツの振興にしっかりと使われるんだといったアジェンダを出す必要があるだろー。

 けどそれが出来るんだったらとっくに「toto」とか改善が進んでいるはず。けど未だ誰かが責任をとったって話を聞かないままで、命名権の売却って話が浮上して来るところにこの国の官に蔓延る無責任体質が見えてくる。困ったものです。個人的にはどこが買うのが嬉しいかなあ。金のありそーな所。「アディダス・スタジアム」? ナイキ所属の選手が試合に出てくれなくなるか。金があってスポーツ用品業界から反発も招ない企業。やっぱりあれか。消費者金融。あるいはパチンコパチスロ。参ったなあ。証券金融。そんな金があるなら金利を上げやがれ。

決勝に出なければ蹴れない球と2006万円の球のどちらが高価?  ワールドカップの決勝で確か金色のボールが使われるって話になってて、いったいどんな球が登場するんだって期待して待っていたら出てきたのはごくごく1部が金色ってゆーか黄色に塗られたアディダスのボール。こいつが金なら「Xbox360」のキャンペーンであたるボールだって金色だぜって、流石には思わないけどそれにしてもニュースの針小棒大ぶりにはちょっぴり辟易とさせられた。そんなんだったらいっそ日本の技術でもって全面に、金箔を押したボールでも作れば良かったのに。でも蹴るとすぐに剥がれ落ちるから無理か。

 ならばいっそすべてを純金で作ってしまえば良いってことで、日本橋高島屋が作り出したのがまさしく純金製サッカーボール。重さは実に3キログラムで金の値段だけなら約800万円。それに加工のコストなんかも含めて2006万円で販売するそーで、27日から日本橋高島屋の6階にあるジュエリーコーナーに展示されるとゆー。試合に使えば実にゴージャスな気分になれる逸品です。2006万円をけっ飛ばす快楽。気持ち良さそう。

 ただしリフティングを失敗しよーものなら確実に、中足骨どころじゃなくって足の骨のすべてがくだけてしまうから、それこそロナウジーニョ選手か小野伸二選手クラスに巧いプレーヤーでなければリフティングしよーなんて思わない方が良いかも。良いかもってロナウジーニョ選手だってさすがに3キロではリフティングは無理か。でも巻誠一郎選手ならやってくれるはずだよ。飾ってあるボールに向かって額もくだけよとばかりに頭から突っ込んでくれるはずだよ。誰か買ってドイツへと持っていかないかな。

 やっとこ完結の「ムーンスペル!!」は「あの日と同じ月の下で」クラウスがとりあえず準詠唱士となり王様を裏切った輩を対峙に赴きエルリーを救出するストーリー。なんだけど古代の猛々しい詠唱を使うエルリーの突出にクラウスの優しさがマッチしていい味を出してたシリーズなだけに、成長してしまったクラウスと捕まって身動きのとれないエルリーって構図は読んでてどうにもしっくり来ない。あるいは大きく進展した前巻を前編としてこっちを後編としてトータルで見るのが良いのかも。ともあれ完結でこれがデビュー作だった尼野ゆたかさんが次に書くストーリーに関心。トピーアちゃんは最後まで浮かばれなかったなあ。可愛いのに。


【5月25日】 名古屋でかしわと言ったら鶏肉のことで、「とっても柔らかどなたも褒める」若鶏のさんわで買ってりゃーた、とってもうみゃーかしわ肉なんか食べりゃーてほっぺたとろけそーになったがや、とか言ってたりしたものだったけ(ちょっと嘘)、この関東ではかしわといったら緑が地盤沈下し続ける一方でまさに太陽のごとく輝く(J2でだけど)サッカーチーム「柏レイソル」のことかあるいは、クリエイティブディレクターとして世に評判の佐藤可士和さんのことを差すらしー。関西とか仕事にいったら名乗るときっと色んな反応が起きそうだなあ佐藤さん。ボボ・ブラジルが九州に巡業に行くよりはましだけど。

 その佐藤可士和さんがどーゆー経緯からかあの「ユニクロ」がニューヨークへとぶったてる旗艦店「ユニクロ ソーホー ニューヨーク店」のディレクションを担当することになったってんで原宿の「クエストホール」へ。入るといきなり大きな垂れ幕が下がってそこにいつもの見慣れた……ものとは微妙に違う「UNIQLO」のロゴがあって、何が違うのかなあってよくよく目を凝らしたら何と片仮名で「ユニクロ」と書いてあった……ってそれはさすがに見間違えない。けどでも後で会見で佐藤さんが話していたのを聞いたアルファベットの「UNIQLO」のロゴタイプも前のとは違うものになっていて、その他のアルファベットも含めたフォントデザインも行った上に、アメリカにぶっ建てる店だからってことで日本の風情を見せられる片仮名のロゴも提案したらしー。

 何でもその片仮名のロゴを見せたらユニクロを率いる柳井正さんはそっちだけでも良いんじゃないかと言ったとか。それは流石に来店客のすべてが分からないってことで逆に可士和さんが英語のロゴも入れたみたいだけど、先頭に立つ人がいろいろとアグレッシブで新しいものが好きだとクリエイティブもいろいろと楽しいことが出来て良さそう。何でもはじめは単に凄いクリエイティブディレクターがいるからって佐藤さんに会いにいっただけだった柳井さん。佐藤さんから仕事に関する考え方なんかを聞くうちに、ちょっと前に決まったソーホーへの出店を任せられるのはこの人しかいないと直感して、その場で仕事を頼んだというから軽い軽い。仕事がぎゅうぎゅうに詰まっていたはずの佐藤さんもそんな押し出しとそれから仕事自体への興味もあって受け手しまってさあ大変。店舗デザインに片山正通さんを呼び、ウェブデザインに中村勇吾さんを集めた”ドリームチーム”でもってソーホーなんてニューヨークでもエッジの効いた場所への出店プロジェクトを練り上げた。

 佐藤さんが言うには最近のユニクロは微妙にフォーカスがぼけていて、昔のような強烈なイメージが描きにくいとゆー。ベンチャーが大企業になる上で避けて通れないところかもしれないけれど、それではまずいんじゃないかと考えていた柳井さんに、デザインの本質は物にあって過剰に装飾するよりむしろ削り出すべきって考え方を持つ佐藤可士和さんの哲学がマッチした所に生まれたのが、今回のプロジェクトでありそれに関連する一連のデザインワークだとか。ややエンジがかっていたロゴの赤みを増したのもブランドの引き締めの一環。ほかにも様々な場所でデザインに商品に新しい試みを行っているそーで、そんあ成果が出るのは今年の秋。果たしてニューヨークつ子たちからどんな反響が出るのかちょっと楽しみ。近所には「バナナリパブリック」なんかもある中でユニクロ的なデザインと価格が果たして受け入れられるのかな。

 折角原宿に行ったんだからとJRの駅前にあるサッカーショップの「KAMO」をのぞいて、おそらくは間に合っていないだろーと思いつつも「11 MAKI」のマーキングはあるかと聞いたらありますと答えられて内心爆発。すでに中村俊輔選手の「10 NAKAMURA」で作っているにも関わらず、巻誠一郎選手に対するご祝儀であり巻選手にとって1生に1度かもしれないチャンスかもしれないと考えてその場でオーセンティックの半袖を買い「11 MAKI」のマーキング入りユニフォームを作ってしまう。ああ散財。でもいいや多分ドイツとかには行かないから。頼んで出来上がるまでわずかに5分とは流石に手慣れたもの。流石は元日本代表監督の名前を関する店だけのことはある。関係あるのかは知らないけれど。巻選手のマーキングはまだ数がありそーだったんで是非に欲しいとゆー人はネット通販よりも直接行くのが吉かも。レプリカに「11 MAKI」のマーキング済みの吊るしもあったからこれなら買ってすぐ着れます。あとは怪我で出場前に帰国とかにならないことを祈ろー。骨折したって2時間で直す巻選手に限ってそんなことはないか。

 某ビジネス新聞の06年5月25日付け1面トップに掲載された経団連新会長の御手洗さんの写真も1面トップに掲載する写真としてだけじゃなくってどこの面に掲載するにしても見られたものじゃないくらいに酷かったけど、それに比べればマシとはいっても「スターサッカー」の2006年7月号に掲載された、えのきどいちろうさんとフローラン・ダバディさんと湯浅健二さんが次の日本代表監督について対談している記事に添えられた、3人が並んだ写真もジーコ監督がメンバーを発表している写真も微妙にアレた感じがして、写真の良さで売ってる雑誌がどーしてこーゆー写真を使ったんだろう? って疑念があたまを走り回る。クレジットがついてないからジーコ監督の写真は取材に行った人が撮ったのかな。まさか携帯のカメラで撮影したんじゃないだろーな。対談者3人の写真はネットにアップしてある100KBくらいの画像を無理矢理プリントしたって雰囲気。これもまさか携帯じゃあ。違うよなあ、流石に。けどでも。

 その他の写真はいずれも完璧。大きく伸ばしてもそれなりに見られるクオリティを保っているから余計に不思議に見えるのか。記事も今回のドイツワールドカップで引退するかもしれない選手を並べたり、各国の事情を紹介したりと読んでまずます。引退かもしれない選手にソル・キャンベル選手が入っていたりリリアン・テュラム選手が入っていたりパヴェル・ネドヴェド選手が入っていたりとセレクトも渋めでサッカーファンならそれなりに関心を持って読めそう。カフー選手もこれで引退の可能性が大かあ。ワールドカップのトロフィーをかざしているのは、トロフィーが置いてあった台の上だよなあ、あの決勝戦後の表彰式で、トロフィーを受け取ったカフー選手が安全かを確かめながら無理に乗っかったんだよなあ、それを目の当たりにして4年も経ってしまったんだよなあ、その間に会社はあれやこれやになった挙げ句に1面にとてもじゃないけど悲惨なクオリティの写真が載るよーになってしまったよ。それは昔から?

 気になったのは世界のストライカーを紹介した記事なんだけどそこにウェイン・ルーニー選手やファン・ニステルローイ選手やロナウド選手やアドリアーノ選手やティエリ・アンリ選手がいるのは良いとしても、マイケル・オーウェン選手はいないしアンドレイ・シェフチェンコ選手もいないしエルナン・クレスポ選手もいないしアレッサンドロ・デル・ピエロ選手もいない。代わりになぜかパク・チソン選手が8人の中に入っている。何故? って悩みつつも目を凝らせば答えはそこに。靴がナイキだ。ナイキばかりだ。ウェアもナイキだ。代表がナイキならそれを着て違えば得体の知れないプラクティスシャツを着た、ブロマイドみたいな写真ばかりが掲載されている。なるほどなあ。

 そこから数ページあとの日本とオーストラリアとクロアチアとクロアチアの選手を紹介する記事でも4人ともやっぱりナイキを掃いている。日本は高原直泰選手でやっぱりナイキ。ほかの三国がみんな代表のユニフォーム姿なのに高原選手だけがアディダスのユニフォームじゃなくナイキのプラクティスを着ているあたりに、これらの記事の裏側にある何かとてつもないタクラミみたいなものを感じてしまう。ってまあそんなことは「ナンバー」でだってあるから別に良いんだけど、でもやっぱりなあ、いくら偉大なウィンガーでもパク・チソン選手をストライカー名人博物館に入れるのはあんまりじゃないかなあ。悩。


【5月24日】 プレーしたことはないけれど、所持に悩める人をのめりこませて懊悩から救うくらいに恐ろしさであふれたゲームだと聞いている「サイレントヒル」。それだけに映画も相当に恐ろしいんだろーと覚悟して見た試写はやっぱり相当に恐ろしい。謎の言葉を口にする娘を連れて行った先が何十年か昔に大火災が起こり大勢が死んで封鎖された「サイレントヒル」とゆー町。途中で事故をおこして気が付くと娘はおらず、緑の中だったはずの道路は白い灰に覆われ空からも灰が降りしきる中、母親は町へと入り建物を回っては娘を探す。

 その白く霞みのかかった町の様子も相当に不気味だけど、サイレンがなり急に闇が訪れてからの町がさらに恐怖でいっぱい。腐食した壁にうごめく奇怪な化け物たち。襲ってくるそれらを撃退しかわしながらようやく迎えた昼といっても灰につつまれた世界がしばらくしてまた闇に変わり、怪物が現れ襲ってくるとゆー順繰りの恐怖が心に落ち着く閑を与えない。最初は仄めかし程度に現れた怪物がやがて奇怪な虫をともない大量に現れる場面は音響も派手で悲鳴も凄まじく背筋にふるえを走らせる。ゲームでもそんな感じに霧の中から怪物が現れ襲いかかって来るんだとしたら、なるほど悩みも吹き飛ばす怖さだってことがよく分かる。

 途中から消えた娘の過去がわかり「サイレントヒル」とゆー町の成り立ちが分かってからは、すべての鍵を握るラスボス探しがメーンとなって、じわりと来る恐怖よりも人間の狂気の方が表に立って怖さはなくなる。メッセージを探し地図を広いマップを覚えてラスボスの所へと向かう展開はまるでゲームのよう、ってゲームの世界をそのまま忠実に映画化したんだから仕方がないことなのかもしれないけれど、どうしてそんな段取りを踏まなくちゃいけないのかって点が説明されないと、ちょっと不思議な感じが残る。病院の地下でラスボスの所へと向かうマップを覚える意味もあんまりなかったし。

 あと気になったのは「サイレントヒル」に残る人々の位置づけで、闇にとらわれ妄念に取り憑かれた人たちが永遠の責め苦を受け続けている中に母親が巻き込まれたっていった方が、お話により恐怖感を醸し出せたかも。ラストに繰り出されたバトルをスプラッタにするにはリアルな存在として置いておかなくちゃいけなかったのかもしれないけれど、主人公の母親の目で見た地獄の業苦なんだとしたら別にバーチャルでも構わなかったよーに思う。んでもってすらりと脚が長くで胸もどっかんとした婦人警官も悪夢から醒めてこともなし、って終わると。勿体なかたなあ。

 ラストはどーしてそーなるのかがいまいち不明。だけどじんわりとした恐怖感が再び蘇る。捉えられたら、逃げられない、と。あんまり我が儘勝手に突っ走らない方が吉ってことか。見所としては婦人警官の肢体もそーだけど、地下に蠢くダークナースの集団がなかなか。顔こそ焼けて膨らみ目鼻なんでまるで残ってないけれど、超ミニのナース服からにょっきりと伸びた脚はとにかく官能的だし、大きく開いた胸元からのぞく双丘もこれまたなかなかの迫力。それが化け物でなければ集団の中に入って溺れまくりたい気分だけど、油断すると振り回されるメスに喉元をかっさばかれるんでご用心。しかし数十年前の病院でこんなに官能的なナースがいっぱいいたとは、「サイレントヒル」、ど田舎だけど良い町だったんだなあ。

 見かけは苺の切れ端にカシスの粒。手触りもまるでフルーツなんだけど、口に入れると広がるのはホワイトチョコレートが持つ甘さ。そんな不思議なお菓子がコンビニエンスストアの「ローソン」に5月20日から登場するらしー。何でも凍結乾燥した果実に特別な製法でもってホワイトチョコレートを浸透させていく技術が使われているそーで、開発した会社ではすでに苺にホワイトチョコやら普通のチョコをしみこませた菓子とか、コーンにチョコレートをしみこませた菓子なんかを作ってネットとかで売り大評判を取っている。ローソンの商品はその菓子を小分けにしてコンビニで買いやすくするもので、主にネットでしか買えなかった商品が近くのコンビニで手に入るとあってちょっと話題になりそー。

 肝心の味はというとこれが絶品。さくっとした感じはチョコレートスナックなんだけどそれは凍結乾燥したフルーツが生み出すサクサク感でスナック菓子とは違う。フルーツだから噛めばとうぜんにフルーツの甘酸っぱい味がじわっと広がるし、加えてホワイトチョコの甘さも広がって何ともいえない味覚を口中に溢れさせる。いやあ美味い。なるほど評判になる訳だと納得。並び始めたらまた買おう。この手法を使えばほかにいろいろと作れそーだけど、開発元では次にどんな品物を出して来るのかな。ドリアンを凍結乾燥させてチョコを含侵させた奴とかあったらちょっと興味。臭いのかな。それとも甘いのかな。きっと「ジンギスカンキャラメル」より評判になるぞ。

 ぽかーんじゃなくってうるーん。「錬金3級まじかる?ぽかーん」に目がうるーん。良い話だなあ前半も後半も。パキラにそっくりな血を吸う妖怪の正体を突き止めたらそれが宇宙人で母親の怪我を治すために血を集めていたとゆー。んでもってそんな宇宙人に協力する4人組。弱ってつぎはぎだらけの布団に寝ていた巨大な母は直り宇宙へと帰っていく。うるーん。それから描いたものが実物になる魔法のチョークを手に入れた鉄子。生身の体を手に入れにアンドロメダに行くけれど、1日しか保たないチョークの効力に対して並の体も1日経たないと手に入れられないと知って諦めて帰る。うるーん。それでもちゃんとアンドロメダが存在して噂が本当だと知っていつかまた雇用と決意する鉄子。うるるるるーん。絵も巧くって話も完璧なのにどーしてあんなとてつもないヤシガニが生まれたんだろー。アニメってだから恐ろしい。


【5月23日】 おーっと青コーナーから登場したのは闇の世界から怨みを晴らしに蘇った触れ込みの覆面レスラー「紅蓮女」だ炎に焼けてただれた顔にあちらこちらが焦げた衣装という出で立ちで照明の消さて足下の灯りがわずかに灯る客席の間をゆっくりと歩いてリングへと向かっているぞ何とも恐ろしいビジュアルだ口裂け女なんて足下にも及ばない風体だ。

 おーっと危ない観客が近寄りその前に立ちはだかったぞファンなのか違う紅蓮女が対戦するトイレの花子さんの親衛隊だ手にデッキブラシを持って紅蓮女に挑みかかったぞ殴られるぞおおこれは紅蓮女の脅人48手のひとつ「紅蓮闇蛍」だ手の上にぼわっと浮かんだ炎が人魂のように乱舞して相手を脅すぞ恐ろしいでもただのマッチを使った芸なんだけど。

 それでもひるまない観客さすがは都市伝説レスラーでも美貌でなるトイレの花子さんの親衛隊だしつこいぞ逃げないぞ手にデッキブラシを振り上げ迫るぞおおつ今度は「紅蓮炎舞」だ指先から放たれた炎が相手に向かって一直線だまるで指先から炎の弾丸を発射したみたいだすごいぞ紅蓮女はやっぱり本物の怪物だったのだ。

 ノーッ単に頭に刺した重みを付けた特製マッチを抜いて首筋で擦って投げただけだたあまりに早い動作で見破れないぞ流石は紅蓮女だ日頃の鍛錬も十分だ30女で女教師で学校で生徒から呆れられ同僚からは見放され上司からは疎まれている日頃の怨みを紅蓮女の姿にこめて晴らそうとする想念の賜だ食らった観客もこれはたまらない顔をおさえてうずくまったその横を紅蓮女が悠然と歩み去ってリングに到着、さあ試合だゴングだ。

 おおっといきなりの大業だ「紅蓮爆連弾」だ火薬を仕込んだマッチを投げる必殺技だ失敗すると指先も吹き飛ぶ危険な技をいとも軽々とやって見せる紅蓮女の紅蓮女という姿にかける想いが危険を顧みず練習に励ませ遂に会得させたのだ素晴らしいぞ紅蓮女頑張れ紅蓮女すべての都市伝説を倒し闇の世界の頂点に立つのだでもやっぱり学校では虐められ恋する同僚は奪われるんだ泣くな紅蓮女夜だけはお前にフィールドだ。

 ってゆー話だと思って読むのが案外に正しかったりするのかもしれない上甲宣之さんの「紅蓮女」(宝島社、1143円)。回転させて火を丸くする「紅蓮炎舞・暴流」や竹とんぼの洋に回す「紅蓮炎舞・輝蝶」なんて技の連続は実際にプロレスなんかでやると大受けしそー。でも三十路の一念があって出来る技なんで世に満足している人はゆめゆめ真似しないよーに。コミケでもやっちゃダメだよ。

 シンガーとしての活動があんまり見受けられなくなっても大槻ケンヂさんの作家としての活動は健在どころか絶好調。その音楽にも似て不可思議性をばっちり取り込みつつも決して突き放すよーなことはせず、悩める若者に元若者たちを励まし導くメッセージを込めた物語を送り出してくれる。連れていかれる先が光り輝く場所ではなく、共に暗黒の中を手探りで彷徨う迷路のよーな場所だったりするかもしれないけれど。

 そんなオーケン節が詰め込まれた小説集「ロコ! 思うままに」(光文社)は冒頭から化け物ばかりが住まう屋敷に閉じこめられた少年が頭のちょっぴりイってしまって自分を救世主だと信じる親父に監禁され虐待されている話、かと思ったらそこは単なるお化け屋敷で父親はお化け屋敷の経営者でやっぱり頭がへんちくりんで少年を外い出さずにお化け屋敷の中へと閉じこめそこで少年は周囲のお化けたちと心で会話しながら日々を送っていたそんなある日。

 お客さんとしてやって来た少女の1人が倒れたところを介抱したことをきっかけに少年は少女と仲良くなって、そんな目覚めをなじる父親をどうにかして少年は外へと飛び出し自分がいた場所を確認しては少女が住まう場所へとひた走る。罪の意識に怯える少年を誘ったのは水車にくくりつけられたボブという名の老人、の形をした人形だったはずなんだけど少年には生きた姿に見えて現れ「ロコ、思いのままに」と誘い導く。

 そして行き着いた先で見たボブの正体。読めば感涙の表題作から始まって、妻子を失った男が熊のぬいぐるみだけをよりどころにして生きる話とか、B級グラビアアイドルといい仲になったロックミュージシャンが彼女の奥に眠っていた才能を目覚めさせる話とか、読めばどれも沈んで凍えた頃を溶かされ引っ張り上げられる。仕事のろくにないミュージシャンと仕事がまだあまりないB級アイドルとの昼間っからの逢瀬ってのは何だかリアリティ。大槻さんこんな暮らしをしているの? だとしたらちょっぴり羨ましいね。

 アイドルに恋した少年が必死になってギターを覚えて披露しに行く途中に迷い乗ったバスに大勢のミュージシャンたちが乗って少年にロックとは何かと迫る最後の短編もなかなかに秀逸。アイドルの少女は出演したテレビで高名な占い師とやらに暴言を吐いて芸能界を追い出されてしまったんだけど(何だかリアル)そんな彼女であってもいつかの約束を果たそうと、少年は不思議なバスでロックの心を育みそしてアイドルの前にたって、見えないギターをかきならしては彼女の心をぎゅっと掴んで見えないサインをゲットする。感涙。その後に少年がミュージシャンとなって浮かれ沈んでもロックの心を失わないで生きる姿にロックの持つパワーを知る。ロックンロール。これがロックンロールなんだと信じて生きれば闇も必ず晴れるのだ。

 脚もいけます巻誠一郎選手。高校生が相手とはいえ高校生並と揶揄されがちだった足技でもって抜いてはきっちりとハットトリックを達成した姿にジーコ監督の目もきっとしょぼしょぼになったことだろー。日本代表の合宿でも相変わらずに技術を吸収しては成長し続けているよーで、怪我で出遅れた玉田選手を後ろに置き去り、決定率では今ひとつだった高原選手も抜き去って第1フォワードの座をがっちり固めては最初のオーストラリア戦に出場して高いディフェンスも何のその、クロアチア出身が多数とゆー選手にクロアチアも一目置くイビチャ・オシム監督のオーラを後光にディフェンスラインを粉砕し、得点を重ねてやって欲しいもの。クロアチア相手ならなお優勢。フル出場だ巻選手。11番のユニフォーム売ってない。


【5月22日】 黒子から1本生えている毛に意味があるのか「涼宮ハルヒの憂鬱」は、孤島での殺人事件にハルヒが挑むエピソードの後編がよーやくやっと放送に。胸を刺されて死んでいた館の主を殺した犯人を下がるハルヒときょんの推理がたどり着いたひとつの真相。それを説明して締める「さてみなさん真犯人は」のコーナーで、さっき出ていた結論はひっくり返ってなるほどなあって真相が明らかにされて、そこまでして慰撫してあげないと暴走するのか涼宮ハルヒとゆー生物は、って恐怖と感慨が改めてわき上がる。そーいや本編でどーして彼女がそんな力を持つに至ったのかって説明はあったっけ。あるいは世界がすべてハルヒの見ている夢かもしれないって説明とか。

 1巻目だけなら1発ネタで説明なんかなくっても「そーゆーもんだから」ってことで了解されたけど、これだけ巻数が進んでくるとやっぱりそれなりな理不尽ではない説明が欲しいところ。未来からの視点でも超能力者からの視点でも宇宙人からの視点でもすべてを納得させ得る理由、なんてあるのかなあ。あったら凄い。考えた谷川流さんも凄い。とりあえず第1巻の「憂鬱」を軸に短編を挟み込むだけで終わるらしー今クール。その後に続く驚天動地な長編エピソードも含めたアニメ化けの進展も願いつつ行く末を見守ろう。濡れた服を着替えるハルヒをローアングルで映した画面とか最高。よくもまああんなにそそるアングルを考え出すもんだ。それとも勉強したのかな、AVとか見て、スタッフが。

 いたいけな幼女を一撃の下に気絶させる遠坂チョップの何とまあ凄まじいことか。「Fate/stay night」。セイバーをデートに誘う衛宮士郎にまとわりついては自分もどっかに連れて行けとねだるイリヤの背後から近づき手を一閃。首筋にくらわしイリヤを沈黙させてその隙に、士郎とセイバーを外に追い出す算段だったけど、それでも生命力の異常に以上に強い生き物だからすぐに復活すると遠坂凛が脅し怯えていたのが印象的。それだからこそヘラクレスの生まれ変わりなバーサーカーなんて強大なサーバントを呼びだし使役することが出来たんだろー。ああ恐ろしい。そんな幼女を一発でしとめる凛の手刀の威力もやっぱり恐ろしい。

 深夜のスポーツニュースで「mocなでしこリーグ」の紹介はほとんど見られず、明けて今朝のスポーツ新聞も「スポーツニッポン」は芸能コーナーに吉澤ひとみさんが登場している訳でもなければ、サッカーのページに日テレ・ベレーザの澤穂希選手がハットトリックを達成したり、福島のJビレッジで行われた「浦和レッズレディース」と「TEPCOマリーゼ」の試合に5000人が集まったって話もなし。かろーじて試合結果がそぞれ小さく1行で紹介されているだけで、折角の吉澤ひとみさんの来臨による始球式の開催も、来年のワールドカップ出場を目指す「なでしこJAPAN」メンバーの大活躍も、男子のワールドカップ出場を目前に福島で合宿している日本代表の話題にスポーツ新聞の報道序列に、割って食い込むだけのバリューを未だ得ていないって事実を改めて突きつけられる。

 吉澤さんではなく松浦弥也さんだったらどーだったかな、って考えてはみたものの一応は「モーニング娘。」を代表する人材で美貌度もトップクラスな吉澤さんをして、報道の序列を変えられなかった事実は事実として受け止める必要がありそー。運が悪かったかなあ、やっぱり。ただ当日に会場へと脚を運んでくれた「モーニング娘。」や吉澤さんのファンの人たちが、実際に目の前で行われている「mocなでしこリーグ」の試合を見て澤穂希選手や酒井與惠選手といった「なでしこJAPAN」メンバーによる華麗なボール騒ぎに豪快なシュートって奴を見て、女子サッカーへの興味をふくらませ次からも来るよーになってくれそうな感じ。それだけでも大きな意味はあったと思う。ベレーザはちょいしばらくお留守だけど28日に「西が丘サッカー場」へと来るTEPCOマリーゼは「なでしこJAPAN」メンバーの丸山桂里奈選手が超絶美貌と超絶美技でリーグトップを張っているんで、見に行って損はないし。INACも悔しさから反抗へと出て来る可能性が大なんで、序盤では屈指の試合になってくれるだろー。用事で行けなさそーだけど、選手達には頑張ってって今から小声で言っておこー。

 「スポニチ」か何かで村下孝蔵さんの歌を日本とか韓国のアーティストがカバーしたアルバムが出るって報を読んで妙な懐かしさ。アニメ好きには「めぞん一刻」のオープニングに使われた「陽だまり」で知られる村下さんだけどそれよりちょい前に「初恋」が大ヒットするよりさらに先、スマッシュヒットとなった「ゆうこ」をひっさげ全国をキャンペーンに回っている時に、名古屋にあったNHKのスタジオで行われていたFMラジオの公開放送にゲストとしてやって来て、あれやこれや喋っている姿を生で見たって記憶があってその歌声と、喋りの方言が入った木訥さのギャップに打たれて大ファンになったっけ。記憶違いってこともあるから不明だけど。

 あれからそろそ20数年、当時の村下さんの歳を追い越して、村下さんが亡くなられた歳に近づいて来てしまったなあと感慨。歌も良かったけれどその超絶的なギターテクニックもなかなかの聞き物で、ラジオで放送されたライブなんかではアコースティックギターを使って「キャラバン」って曲を1人で弾いてしまってた。冒頭のズンドドドドドンって低いバスドラは確かボディを叩いて表現してたっけ。そんな超絶テクニックを見聞することは叶わなかったけど、没後7回忌を飾るCD「静聴感謝祭」が発売されるそーで「ゆうこ」はないけど「初恋」に「陽だまり」に「踊り子」といった名曲も聴ける、それもライブ音源で聞けるみたいなんでこいつは買って聞き込み悼みつつ感謝に浸ろう。6月3日と4日の原宿でのイベントも顔、出したいなあ、3日は近所で時東ぁみさんのライブをのぞく予定だし。村下孝蔵と時東ぁみとの関連性は不明だ。


【5月21日】 3回ばかり試しても引っ込んだ兆しがないけどそれも道理でせめて1カ月は使わないと効果が見られないのがEMS。なので6時間おきとゆー決まりを守りそれくらいになったらいそいそと、ベルトを腰に巻き付け「へんしんっ」とポーズを決めてからスイッチを押して低周波を腹筋へと流してギュギュギュギュギュッと引き締める。うーん快感。お腹だからまだしもこれが例えば下腹部のそれこそ脚の付け根へと下がったらはたしてどんな刺激が加わるんだろうって興味も湧くけど、それをやって大きくなるどころか更に萎縮してしまったら問題なのでここは我慢して腹筋の上へとビリビリビリビリビリビリビリビリ低周波を流すに留める。誰か実験した人とかいるのかなあ。男性なら下腹部。女性なら胸部。ビリビリビリビリビリビリビリビリ。ムクムクモコモコムクムクモコモコ。

 そのままついでだからと「ブラックラグーン」。ネオナチな船のその後の描写を瞬間挟んだのはとりあえず続きだよって説明か。んでもってどこかに壁が出来てしまったロックとレヴィの間を改善しないと仕事もままならないって配慮かダッチが2人をペアにして取引先を回らせるエピソード。偉い人なのにどーしてビデオをバラライカさんがバイトにも頼まないで自分でチェックしているのかは連載の時も謎だったけどテレビで見てもやっぱり謎。後の双子のエピソードでビデオをチェックさせて2人の正体を突き止めるってゆー話に繋げるための前フリだったのかな。んでもって武器を密売するヨランダ婆さんの所へと赴きロックが禅問答。漫画とまんま同じセリフで漫画の時にも感じたよーにこれのどこが相手を納得させたのかがやっぱり今ひとつ分からない。

 とはいえ紅茶を扱う商会がきっちりと仕事をする会社だってロックの言葉にヨランダ婆さんがそれは武器を真っ当に下ろさない自分たちへの当てつけかいって感じに切り返す場面があり、それもあるけど別に麻薬の取り扱いもやってるんじゃないかって疑念をぶつけつつも深追いはせずホテル・モスクワが麻薬を追いかけている話をしつつも、ホテル・モスクワとは必ずしも共同歩調はとらないと言いって安心させつつ、でもやっぱり事あらば痛い腹を探られる可能性があるんだぜって仄めかすことでとりあえずは立場を対等にしてみせたって解釈すれば良いのかな。淑女然としてロックが消えてからレヴィを相手に吐いたヨランダの言葉。ドスが聞いてたなあ。演じた人も分かってるねえ、ヨランダの凄み。エダはまだ顔見せ程度。まさか正体が……だっとは。ヨランダにも裏とかありそう。その辺も含めて連載の展開が楽しみ。

ピンクのジャージでご登場。手足を見せてほしかったよう。  眠って起きて巻誠一郎選手のメッセージを聞きにナビスコカップを見にいくべきかと迷ったもののここは以前からの研究対象としていた女子サッカーが、モックって新しいスポンサーを得て「mocなでしこリーグ」として出発する船出を確認するのが筋だと熱い最中を「西が丘サッカー場」へと向かう。既に報道で「モーニング娘。」の吉澤ひとみさんが女子サッカーのサポーター代表として登場しては始球式を行って流れていた関係で、モー娘。ファンの人がわんさと詰めかけ大変なことになるんじゃないかって心配していたけれど、午前11時半に到着した時で行列はせいぜい50人くらい。その後も続々と詰めかけスタンドに人が溢れるってこともなく、心配は杞憂に終わる。それともよっすぃーってあんまり人気がないのかな。

 一昨年あたりから始まった「なでしこJAPAN」のブームで「日テレ・ベレーザ」を見に来る人が増え、最近では常時1000人くらいは集まるよーになっていたから、対戦相手が神戸からの遠征で応援団が少ないってこともあって、むしろいつものベレーザ戦より少ないって印象。これが東京電力の参加にある「TEPCOマリーゼ」だったら企業からの応援団がわんさと詰めかけ、一方のベレーザ側はなでしこJAPANのメンバーを見たいって子供で埋まるから2000人くらいが詰めかける。先週の「TASAKIペルーレ」が相手となった「なでしこカップ」だってもうちょっと多かった。

 その意味では吉澤さんを招いてそっちのファンも引きつけようって思惑は、外れたって言えそうだけどそうした現場の集客効果ではなく、吉澤さんって名前だけで報じるメディアの多さを通して広く世間に女子サッカーのことを知ってもらうって狙いの方が大きかったりして、その部分については事前の報道ぶりも含めてそれなりな効果を発揮しそー。明日の新聞が楽しみ。もっとも吉澤さん目当てで来た人も大半がちゃんと最後まで残って試合を見ていってくれたのは有り難い限りで、これがひとつのきっかけになって芸能人フットサルだけじゃない。広い場所でプロフェッショナルが繰り広げる女子サッカーにも興味をもってくれたらそれで裾野を広げる効果はあったってことになる。ワールドカップで男子の大会が減ってしま中で毎週のよーに繰り広げられる女子サッカー。是非に見に行ってやって下さいな。

 今回は福島にある「Jビレッジ」でも「mocなでしこリーグ」の開幕戦があった模様。ワールドカップ独大会に出る日本代表が合宿を張ってて日本中からファンが詰めかけている中での開催だから、西が丘なんかよりもきっと何倍もの観客があっただろー。カードもなかなかで美貌の丸山香里奈選手が所属するマリーゼと、代表に小野慎二選手をはじめ3人を送り込んでる浦和レッドダイヤモンズのレディースが対戦。小野選手が応援にかけつけた、なんて話題もあったらそれこそよっすぃーの芸能チャンネルとは別に歴としたスポーツチャンネルでも、女子サッカーのことが報じられることになる。

 実際にそーした激励があったかは分からないけどでもそれくらいのことをやって不思議がないのが昨今の日本サッカー協会。「mocなでしこリーグ」のスポンサーになったモックを協会につないだ中田英寿選手もいることだし、その辺りも絡めていろいろとイベントを打ったかも。そーいや西が丘のカードにモックの社長は来てなかったっけ。Jビレッジの開幕戦に行った可能性が高いなあ。んでもってヒデとのツーショット。小野選手の激励。うーんこっちも報道が楽しみ。

クボがいなくとも日本にはアラワカワがいる!  試合はブラジル代表のINACレオネッサの選手がペナルティエリアで倒されPKを得て1点を先取したもののその後にすぐに日テレ・ベレーザが同点においつき逆転して前半を折り返し。そこからしばらくはレオネッサが頑張って守備をしてベレーザを抑えていたものの、3点目を奪われ4点目をとられるとあとは崩れるよーに守備網を突破されて得点を重ねられてしまった。ベレーザが最後まで走り回っていたのとくらべるとレオネッサの先取は脚も動かなくなっていたみたい。割に楽に勝ち上がれたディビジョン2とは違いディビジョン1のそれもトップチームといきなり当たって、技術だけじゃない体力的な違いも痛感したんじゃなかろーか。こんなベレーザだってTASAKIペルーレを相手にすると途端に得点が取れなくなるんだから、やっぱり上位と下位の差ってのは大きいなあ。

 先週のペルーレとの試合ではポゼッションこそ良かったもののサイドから崩す攻撃が見られず、まるで兄貴分の東京ヴェルディ1969を彷彿とさせたけど、立て直したのかサイドから右は川上直子選手が近賀ゆかり選手や大野忍選手らと組んで崩し、左も中地舞選手が果敢に走り込んで放り込んでそれが幾度と無く好機を生み出し得点になる。休んでいる選手がおらず裏を狙い出したら走ってもらう動きを最初から最後まで、暑い中でも続けたのには驚くばかり。相手の至らなさを考えてもやっっぱり相当に鍛えて来てるってことが伺える。この攻撃を代表チームでも見せてくれればどんな相手でも崩せそー。その為にも川上直子選手には「なでしこJAPAN」に入って左サイドの不動のポジションを掴んで欲しいけど、安藤梢選手にやらせたがっているからなあ、大橋浩司監督は。それならそれで連携を強化して欲しいもの。お願いします。

 ベレーザのシュートでは荒川恵理子選手の変態的なボレーが凄かった。確かサイドから放り込まれたボールをゴール前で脚を上げ体を投げ出しながらシュート。どんな姿勢だろーとシュートを放ちそれがゴールにインする所は久保竜彦選手を彷彿とさせる。これで先発じゃなく途中からの出場なんだから驚くばかり。完調したらいったいどんなプレーをするんだろー。澤穂希先取も流石な得点。たぶんハットトリック? 走り込んでのボレーがあり、クロスにファーからのヘディングシュートがありこぼれたところを走り込んで叩き込むシュートあり。いろんな形から得点できる凄みを見せてくれた。このパワーがあれば秋に始まる来年の女子ワールドカップ出場をかけた大会も安心。そして酒井與惠選手。ボランチの底から左右にボールを散らす役割をほとんど完璧にこなしてた。前へと走り込んでゴールを狙う姿勢が去年よりは減ったけどその分は宇津木瑠美選手が頑張って前に顔を出すから良いとしよー。


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