縮刷版2006年11月上旬号


【11月10日】 会社でのいじめが辛く自殺したいと書かれた手紙が、労働問題を所管する厚生労働省に届いていたことが10日、明らかとなった。高校生や中学生が自殺を予告する手紙を文部科学省に送り問題化しているが、上司によるパワハラやセクハラ、正社員による派遣社員への差別待遇といった企業内での“いじめ”は学校以上に深刻。年間3万人を超える自殺者が発生している状況もあり、連鎖的な自殺が起こる可能性もあるとして、文部科学省では警察庁と協力し、自殺予告の手紙を投函したと見られる地域を重点的にパトロールし、手にロープを持ったり人気のいない屋上で靴を脱ぐなど、挙動の不審な大人がいないかを強く警戒することにしている。

 なんてことがあってもおそらくはまるでニュースにならずに、陸続と大人が電車に飛び込みビルから飛び降り死んでいく日本の何とゆー不気味さよ。それを大問題とも報じないメディアの奇矯さよ。終わってるなあ、この国も。なんていいつつ本当に真面目に厚生労働省宛に手紙を送りたくなって来た今日この頃。半期で0・5カ月分の格差は1年に直せば1カ月分。ってことはつまり一家が1カ月をまるまる過ごせるくらいの金が手に入らないってことになる。これを差別と言わずして何を言う。家族もいない人間にはそれでもまだ気が楽だけど、これで家族を何人も養っている人にはきっと地獄の年末だろーなー。手紙も書きたくなるよなー。

 5つ星ホテルのスウィートを泊まり歩いているセレブが思い至ってフィリピンのスラムの赴き悲惨さに愕然として寄付を申し出たってんなら、別にそれほどまでに違和感はなく慈善的な香りも漂わないでもないけれど、順序が逆になっただけで偽善的な空気が臭ってしまうから面白い。タヒチで日中ハーフのモデルとのツーショットを取られた中田英寿氏。それがツーショットだけなら以前にもあったことだと話題にはなっても誹られはしないものが、直前にフィリピンでの一件があったものだから当然のよーにいろいろあれこれ言われてしまってる。

 結果として同じなら順序が逆でも良いじゃんって意見もないでもないけれど、でもやっぱりイメージってものは大切で、そーしたイメージ作りを人一倍気にしてやって来た人にしては脇の甘さがここのところ目立つ。フィリピンでのスラム訪問だって、テレビがくっつていたりとあからさまに見られかねない行動から、慈善だじゃなくって偽善だって言われている昨今、ここしばらくは身を引き締めて慈善にシフトした活動を続ければ、フィリピンだって偽善ではなく慈善だったんだ思ってもらえただろーに。それを堂々とタヒチのバカンスに行き、意図せざるとはいえ満天下に公表されてしまうんだから何ともはや。その辺を窘めるなり諭すなりできるスタッフが、やっぱり周りにいないのかなあ。不幸だなあ。

 実は「かつや」が最近のお気に入りで、見かけて時間帯が空腹に合っていれば入って何かを食べるこの数ヶ月。チェーン店にありがちな薄い肉に湿気った衣がまとわりついて食べてもボリュームが足りずサクサク感もない店があったりする中で、このん家は揚げたてを心情にして豚カツ定食は言うに及ばずカツ丼だって肉が厚くて衣もサクサク。適度に染みたタレが肉や衣の味を引き立て口中を実に豊にしてくれる。140グラムとボリュームたっぷりの「カツ丼松」が個人的な定番だけど、ヒレカツ3枚が乗った「ヒレカツ丼竹」もなかなかのもの。食べると確実に太ると分かってやめられない。一緒に黒烏龍茶を頼むって手もあるか。置いてるんだよ渋谷の「かつや」。

 あとメンチカツが独特でギュッと固められた挽肉だけのメンチカツじゃなく、間にタマネギなんかが繋ぎで入って食べるとたっぷりの肉汁とタマネギの甘さが広がる素材で1度食べたらまた食べたくなる。メニューからだと後、200グラムの鶏肉で出来た「から揚げ定食」は安くてボリュームたっぷり。ご飯に豚汁の小椀がついて580円なら「松屋」の牛カルビ焼肉定食なんかより食べ応えがあるかも。「吉野家」で牛丼の大盛りに玉子とお新香つけたってそれくらい行くもんなあ、今だと。

 会社のそばにも秋葉原とか神保町か、良く出向く先にも店がないのが難点だけど、たまに赴く神田駅とか、仕事で行った渋谷の宮益坂とかにはあるんで機会があれば逃さず寄って胃袋を満たそう。六本木にも1件あるかから六本木ヒルズに行くときには寄ろう。でも六本木は「ウェンディーズ」もあるからなあ。114グラムのパテが2枚入ったクラシックのダブルは食いでがあるんだよなあ。あと「かつや」は「吉野家」なんかに比べて新しめの店が多くって、全体に小綺麗なのが入ってみたくなるポイントか。それにしてもどのこ「かつや」もカウンターに中国方面から来た人が働いている姿を見かけるのは何かネットワークでもあるのかな。中国でカツ丼とかトンカツとかあんまり聞かないんだけど出してるメニューを見て何を思うんだろー。興味。

 秋葉原方面へと立ち寄ってあちらこちらを観察。「ラオックスアソビットシティ」前にはすでに座り込む若者と外国人の姿が見られて24時間を切った「プレイステーション3」発売に備えて最後の夜に挑もうとしてた。渋谷も「TSUTAYA」の横にこれまた外国人の一段が座り込んで「ニンテンドーDS」でお遊び中。アメリカだったら来週には発売されるんだから別に日本まで来なくたって良いのに、少しでも早く遊びたいのかそれとも発売が延期された欧州からの来訪者か。日本の夜を舐めて夜を過ごせば風邪を引くから注意しろ。ビックカメラの渋谷店は御前9時から10時までに整理券を配って抽選する模様。整理券を大量確保しよーとご近所の青いテントに暮らす人たちを雇う転売屋さんとか、出てくるかなあ。

 しかそれにしても各店にいったい何台くらい入るんだろー。ソニー・コンピュータエンタテインメントによれば初回出荷は10万台くらいってことだから、こちらも主要部品の生産遅れが響いて派手に宣伝をして気分を盛り上げていたにも関わらず、推定で7万とか8万って数しか発売初日に揃えられず、一気呵成の普及を果たせずそのまま衰退から消滅への道を辿った「ドリームキャスト」よりやや多いって程度。「ドリキャス」だったら朝に並んで割に普通に変えた記憶があるんで、それより値段も高くなおかつ台数もちょっとは多い「PS3」も余裕で変えるじゃないかって、期待がある半面で「プレイステーション2」が発売された当日に、秋葉原のどの店も即完売となった姿を目の当たりにしていることもあって、その知名度に後押しされて「PS3」も瞬殺となる可能性も否定しきれない。果たしてどっちに転ぶか。でもってそれからどうなるか。やっぱり朝1番で秋葉原に行き様子を見るしかないかなあ。丸さんまた歩いていたりするのかなあ。


【11月9日】 原作付きの漫画の場合、印税がどう分配されるのかは業界人じゃないから分からないけど、仮に折半だとして10%の印税の半分すなわち5%が手にはいると考えた場合、500円の単行本なら1冊につき25円をもらえることになる訳で4冊で100円400万部で1億円って計算が成り立つ。4巻まで出ている単行本なら1巻あたり100万部。つまりは「しおんの王」(講談社)がそれだけ売れれば林葉直子さんは自己破産しなくたって6000万円の借金を、とっとと返せたってことになる。

 けどそうはしないで自己破産を選んだのは現状で「しおんの王」はミリオンヒットするまでには至っていないってことなのか。至りそーなら財産があるから破産なんせさせないだろーね、裁判所だって。しかしいろいろあって一旦は離れた将棋界に、「かとりまさる」って名こそ変えつつも漫画の原作とゆー形で戻って来ている所から類推するに、未だやっぱり将棋の世界に魅力を感じているんだろーなー林葉さん。

 顔立ちのゴージャスさばかりが前に出るけど、実力だって中井広恵さん清水市代さんとタイトルを分け合った程。ブランクもあって多少は落ちているんだろーけど天才は消えないから天才。話題のどこか聞こえなくなってる将棋界に波風を起こして注目を引く意味で、現役復帰なんてしてくれて劣れない実力って奴をまた見せて欲しいなー。豊胸した胸元をぐわっと明けたワンピース姿で加藤一二三9段よろしく前屈みになって、駒を盤上に打ち付ける姿を対面から撮ってくれたらそれだけで将棋ファンも100万人は増えるかも。1人100円取れば1億円。借金なんてあっとゆー間だなあ、才能って奴は何物にも替えられない価値なんだなあ。

 小田原の向こうで熱海の手前。気候も穏やかな太平洋岸の伊豆半島の付け根にちょろっと生えた半島を一帯とする真鶴のイメージを、真鶴観光協会の案内なんかも参照しつつ思い浮かべれば、のんびりとした港町で魚が美味しく海も綺麗で1日2日を景色なんぞを眺めつつ過ごし、疲れを癒し心をリフレッシュするに最適な場所ってことになる。見知った場所で例えるなら房総半島の肩口にある銚子とか、愛知県なら知多半島の先っぽの師崎あたり。歳をくったら暇を見つけて魚でも食べに行きたいもんだと思いながらも、若い身空で通う場所でもなければ、何かドラマが生まれる場所でもないってことだけは、共通の認識として誰にも抱いてもらえそうって気だけはしてた。

 でも人間の薄皮一枚に覆われた皮膚の下にある情念を、ぬめぬめとした筆致で描かせれば世界にだって右に出る人はいない川上弘美さんが真鶴をテーマに物語を紡げば、途端に人生のあらゆる紆余曲折を経た人間が悩み悶え苦しんだ果てに行き着く場所、そこより向こうにあるのは地獄とも極楽とも涅槃とも浄土ともつかない虚無の境地って感じになってしまう。「文學界」に連載されたものが1冊にまとまり刊行された「真鶴」(文藝春秋、1429円)は結婚して娘も成したにも関わらず、夫が突然失踪してしまった後、エッセイを書くよーになってどうにか食べていけるよーになった女性が夫の終焉の地になったらしー真鶴を幾度となく訪れては、残り香のよーに漂う夫の気配を探り嗅いで身もだえするってストーリー。陽光の射し潮風も爽やかな海辺の街ってイメージはそこにはなく、どんよりとして強い風が吹き身に刺さり、心をえぐる賽の河原のよーな様相が目に浮かんで来る。

 エッセイを書くよーになって知り合った年若の編集者と体を重ねる関係になり、気持ちもその編集者に向かっているはずなのに編集者との再婚へは至らない。相手に家族があることも理由だけどそれ以上に主人公の女性が口や態度では失踪した夫のことを何とも思っていないように振る舞っても、どこか忘れられない仕草なり言葉なりをのぞかせてしまうところが編集者をして女性にのめり込ませることを躊躇わせたらしい。果てに愛人関係にあった時代には決して一緒にしようとしなかった仕事を、改めて女性に依頼しこれをもって愛人関係を終えて仕事の付き合いに戻るんだと悟らせる展開の何とゆー深遠さ。着いた離れたと単純明快にしてあからさまな恋の物語が多い中で、間接的な立ち居振る舞いの向こう側に心理を垣間見せる筆のさばきぶりにハッとさせられる。こういう人間関係の描き方があったのか。あったんだけど失われていたものを川上弘美が取り戻したってことなのか。

 東京にいても女性の周囲を徘徊し、真鶴では目の前に現れいろいろとささやきかけてくる幽霊のよーな、幻のよーな女の不気味さも真鶴って舞台となっている街のイメージに幻想的な匂いを付ける。幻のように現れ去る失踪した夫の影も含めて或いは、浮気をして逃亡した夫を妻だった女性が見つけ愛人ともども殺害しては埋めるなり、海に沈めるなりしたもののそれを認めず記憶の埒外へと追いやったまま、失踪した夫を捜す貞淑な妻に自分を見立てて自分を可愛がよーとしても、心の裏側に刻まれた事件の記憶が時に蘇って女性に幻を見せているのかもって想像も浮かぶ。

 駒のよーに配置された特定の人間たちによる上っ面だけの恋愛ドラマが、その単純さ故に広く受け入れられている現状を見れば「真鶴」は文体も凝ってスムースには読めず、展開も不条理で真っ直ぐな話に馴れた目には扱いづらい小説なのかもしれない。それでも紡がれる言葉のねばりつくよーな強さは一読すれば身を捉えて話さない。実に見事に心理も含めて描く言葉を選び並べるセンスも高水準。そんな歯ごたえのある文章を1行1ページと読み進めていくうちに、心は知らず真鶴の街へと連れていかれ、錯綜する関係に取り込まれて離れられなくなる。

 芥川賞を獲得済みの著者だけにこれが何かの賞に値することはないんだろーけど、沢山の冊数を誇る著者のキャリアの中でも最高峰に位置して世界に強くアピール可能な物語であることは確か。賞なりメディアミックスなりが付かないと広まりにくい現況で、一般の読者にどこまで浸透できるかは不安だけど、でも是非に読んで川上弘美がたどり着いた頂点、長閑な漁村を闇への入り口に替えて何の不思議も抱かせない川上弘美の物語る力って奴を体験してみてはいかが。気が付くと真鶴の空気が全身を包んで離れない。そして週末には東海道線に乗り真鶴へと足を運んでいることだろー。

 あと1歩の脚を伸ばせなくなってる感じが見えて来ている巻誠一郎選手をもはや得点源としてではなく、トップにあって相手ディフェンダーを引きつけるポイントとして活用するんだとしたら必要なのはその周辺にあってめざとくボールを広い間髪入れずにシュートを打つストライカー。山岸智選手にそんな役割を期待してたんだけどやっぱりどこか大人締め。かといって楽山孝志選手じゃあテクニックの凄さは見せても肝心のシュートに至るまでが長くその間に固められてゴールを奪えない。かつて所属していた林丈統選手の才能が懐かしくなって来た折りも折り、ジェフユナイテッド市原・千葉に確実性の高いストライカーが誕生した。青木孝太選手。インドで連続得点。準決勝進出に大貢献。帰国後が楽しみ。彼が居れば今年こそ天皇杯も……負けとるがね。


【11月8日】 せっかくこれでボックスがびっちりと埋まると思ったのに余計なブックレットを着けてくれちゃったものだから、まとめて入らずかといってDVDだけを抜き出すとブックレットが外に出たまま浮いてしまうとゆー悩みに囚われている今日この頃。かといって「Fate/stay night」の最終巻に付属のブックレットの出来がこれまた良くって捨てるに捨てられない。

 応援イラストを寄せているゲストがなかなに豪華で例えば有馬啓太郎さんなんかはイリヤがペロリとスカートをまくり上げた姿を描いてて、それが下にタイガー道場で藤村大河を相手に漫才(違う!)を繰り広げた時と同じ体操着にブルマーを着用させていて、目にも幸せな光景を見せてくれて感謝感激雨霰。これにはバーサーカーじゃなくなって目を剥きたくなるよねえ。可愛くって。

 一方でヒラコウ平野耕太さんは誰も知らない久住昌之&谷口ジローさんのネタから「孤高のグルメ」の雰囲気で、士郎のご飯をかき込むセイバーを描いているものだから顔がとてつもなしに凄まじい。それにしても「月刊パンジャ」なんて今は亡き「週刊SPA!」の兄貴分雑誌に連載されてた漫画をよくも知ってたもんだよヒラコウさん。やっぱり食べたのか神宮球場のウィンナーカレーを。

 血統をつないで最優秀の馬を作り出す所業は許せても、遺伝子に作為を加えて最優秀の馬を作り出すことをたぶん競馬ファンは許せない。それはもはや競馬ではないし人間が踏み込んで良い領域でもない。ましてや人間の遺伝子に作為を加えて、走ることに優れた肉体を持った人間を作り出す所業が許されて良いはずがない。

 もっともそうした行為に恐怖におののく人が多いのは今だけで、いずれ遠からず科学の進歩が、受精卵のうちから遺伝子を操作し何事にも優れた人間を作り出すことを当たり前にしてしまった時でも、人間は神の手を横取りする誘惑に勝てるだろうか。

 桂望実さんの「Run! Run! Run!」(文藝春秋、1429円)が問いかけるのも、科学的な可能性と倫理的な抑制との狭間に揺れ動く人間の心の行く先だ。主人公は岡崎優という名の大学1年生。高校の頃から優れたランナーとして記録を塗り替え、推薦で入った大学でも同級生どころか先輩も含め、ナンバーワンのランナーとして期待がかけられる。

 もっともそんな期待など余計なものとばかりに、優は孤高を貫き部に要求を突きつける。自分は走る才能がある。その才能を伸ばすために大学に入り陸上部に入った。仲間なんていらない。駅伝だって走る時は1人。応援なんて不要。能力を最大限発揮すれば良いだけのこと。その言葉には一理ある。けれどもそれで割り切れないのが人間という奴らしく、優がある事情から切羽詰まった時に1人、優の面倒を見てくれた岩本という同級生に心を揺すられる。

 最初は拒絶しようとしたけれど、優を見舞った兄の死と、そして浮かび上がってきた出生にまつわる秘密が優の心にヒビを入れ、そこから人間らしさへの関心を芽生えさせる。才能はない。けれども人一倍の努力をし続け、箱根駅伝のランナーに選ばれた岩本の存在が、優の気持ちをこの世界につなぎ止める。

 天才ゆえの孤高がもたらす悲劇を描き、仲間という存在がくれる勇気を描いた物語。生きる目的に悩み、それでも生きなくてはならない時になにをすべきかを教えてくれる物語。同じく箱根駅伝を描いた三浦しをんの「風が強く吹いている」のように、直接的には仲間とともに高め合う素晴らしさを描いてはいないけれど、読み終えれば同種の感動がわき上がるはず。比べて読んで考えよう。どっちが上かじゃなくどっちも凄いと。

 やっぱり負けたかジェフユナイテッド市原・千葉は天皇杯に。出たカップ戦のことごとくで決勝まで行ってるって豪語していたアマル・オシム監督が率いるチームがその御前で試合をすれば負け知らずとゆーイビチャ・オシム日本代表監督の見守る中で戦っても、そこはここんところ負けの込んでるフクダ電子アリーナだけあって奪われた1点を返せずコンサドーレ札幌の壁に敗れ去ってしまった。これでアマルの神話にイビチャの神話も崩れた格好。ホームでの強さって神話も崩したフクアリはその名に反してジェフ千葉には鬼門なのかなあ。早くお払いしなきゃなあ。


【11月7日】 思い出したこと幾つか。6日に「明治記念館」であった「電撃大賞」の贈賞式の会場からちょっと入り口付近まで戻った部屋で「土佐宇宙酒」とかゆーものの利き酒界が開かれていてトイレまで行ったついでに看板とか見て頭を捻る。何だ宇宙酒って。土佐の地酒通販サイトによると「高知県産の酵母と種もみをカザフスタンにあるロシアのバイコヌール宇宙基地に持ち込み、ソユーズロケットに搭載、酵母は約10日間宇宙を旅してきました。その宇宙に行ってきた酵母を使ってできあがった土佐の地酒が土佐宇宙酒です」ってことだそーで、見るといろんな蔵元から発売されている。特徴を持たせた酵母でもって土佐の地酒を盛り上げようって地域振興の結果生まれたものなんだろー。

 問題はそれが果たしてどれだけの味なのかってことで、宇宙に行った酵母には地上に居続けている酵母と何か違いが出るのかどーなのかが、サイトを見る限りではちょっと分からない。これだったら密閉させた容器に酵母をいれて南極観測船に積み込み越冬させてから戻してそれを仕込み「南極酒」とかやったり、エベレストへと上げて戻して「チョモランマ酒」とやったり、「万景峰号」へと積み込んでから向こうで降ろしてそれから戻して「キムジョンイル酒」とやったって別に味に違いは出ないよーな気がする。

 あるいは宇宙へと持ち出した酵母や種もみは、大気が無いなかを飛ぶ宇宙船の船体を突き抜け入ってきた激しい宇宙線によって何かしらの遺伝子操作を受けていて、それが味に何らかの作用を及ぼしていたりするのかな。得体のしれない酵母になってて飲むと得体のしれない何かに変身しちゃったりとかしないのかな。うーん分からない。分からないならやっぱり飲んでみるしかないのか。しかしどこの「宇宙酒」が1番旨いんだ。

 面白くって可愛くっていやらしくって楽しくって愉快で豪快で爽快で痛快で、読めば読むほどに味がしみ出てジュワッと口中にひろがって心地よい気分に浸らせてくれる漫画なのに、これだけのものを描ける人を使っていたのが往時はぶんか社だけだったとは、日本の漫画界も相当に見る目が弱っているのかそれともこっちの見る目が古びてさび付いてしまっているのか。

 いよいよ刊行なった吾妻ひでおさんの「便利屋みみちゃん1」(ぶんか社、590円)は彼氏と同棲して同衾しまくりながらも依頼されれば出かけていって寿司も握ればチョークスリーパーも決めればひきこもりの少年を外にも連れ出せば何だってする便利屋の女の子が主人公。もっともその振る舞いは寿司ネタに生きたハムスターを軍艦巻きで握って出すわ漫才師の相方になってつまらない下ネタを披露する相方の顔面に蹴りをいれるわとやり放題。突拍子もなく繰り出される不条理さにあふれた技の数々に見舞われ脳天に笑いが突き抜ける。

 ぐひゃぐひゃって笑いを抱ける上に描かれている女の子のキャラの何と可愛らしいことか。みみちゃんは言うに及ばず海から上がってきては彼氏と焼きそばを平らげ性向に励む幽霊の女の子も、傍若無人な注文を出す老人を支える嫁も伊集院来人なんて名前ばかりなデブちん気味の野郎の横によりそう眼鏡の田中桃子ちゃんも、どれもこれも可愛く描かれていてどれを選んで良いのか正直迷う。後半から収録の「ひでお童話」はあらに美少女キャラのオンパレードで、百足退治を依頼する蛇の化身の女も道に迷った森の少女も山姥の面倒を見ていて牛飼いとねんごろになってしまうポニーテールの娘も沼から現れスクール水着をまとった水の精も、どれもこれもが吾妻ひでおならではの愛らしさに溢れていて選ぶにとてつもない困難をもよおす。

 ギャグの切れ味だってどれも抜群。山で出会ったさとるの化け物の美少女相手にローレンツ変換の公式をぶつけて混乱させ、落ちをどうすれば良いのか分からないくらいに下らない4コマ漫画のオチを考えさせた挙げ句に逃げ出したさとるの化け物の美少女をおいかけ家に乗り込み別のさらに下らない4コマ漫画のオチを考えさせるオチとか、読んで 喉の奥からぐひぐひぐひって笑いがこみ上げて来て仕方がない。

 「便利屋みみちゃん」の方だってちゃんとしっかりオチも描かれ読めばニヤリとすること請け負い。なんだけどでもこーしたギャグが主流派じゃなくどこか傍流として受け止められてしまっている現実を見るにつけ、「不条理日記」や「メチルメタフィジーク」のギャグが爆裂した挙げ句に炸裂する吾妻ひでお流のオチをもはや、時代が求めていないのかもって寂寥感に苛まれて気も滅入る。歳って奴かなあ。

 「失踪日記」も刊行されてベストセラーのロングセラーになっていた頃なのに連載がこれだけでおまけに途中で原稿料も下げられたってあとがき漫画にあって、漫画で食べていく難しさって奴を他人ごとながら感じて涙も浮かぶ。これだけの才能の持ち主に「漫画家志望の人たちにはプロなんか目指さず別に仕事を持って同人誌かネットで好きなもの描くことをお勧めします」なんて言われちゃあ、若い人だって絶望感に苛まれかねない。

 もっともそれだけの才能の持ち主だって売れるかどうかを心配していて、どうなんでしょうかと聞いた編集の人から「大丈夫ですよ」「表紙をオレンジにすれば」なんて言われてしまうのが、今の漫画を取り巻く状況って奴。大ベストセラーになった「失踪日記」にあやかりたくなるのも当然って奴なんだろー。でも僕は別だし僕たちの世代は別。その不条理さにあふれた展開を愛して病まない世代にとって「便利屋みみちゃん」は「不条理日記」や「メチルメタフィジーク」の再来に等しい傑作。読んで悔いなく且つ眼にも嬉しい美少女キャラのオンパレード。「失踪日記」のベタさが合わない人でもかつての吾妻的な世界を存分に楽しませてくれるから、臆せず逃さず買って読んで笑って泣こう。

 すげえぜサッカーU−19日本代表。遙かインドの劣悪なピッチコンディションの中でトラップミスをほとんど犯さずパスをつないでサウジアラビアを攻め立てた準々決勝は、前半に阿部勇樹ばりのニアに飛び込んでのヘッドが決まり日本が1点をリードするものの、敵フリーキックを守ろうとしたデカモリシのファウルがPKを読んで同点。ここから苦しい死闘が繰り広げられ延長にも突入は必死と思われた時、はるかジェフユナイテッド市原・千葉より送り込まれた青木孝太選手が、トラップもいれず切り返しもしない間髪入れずのシュートを決めて再びリードする。

 そのまま試合終了のホイッスルが鳴り見事、7大会連続でのワールドユース行きを決めてしまった。シュートがほとんど枠に飛ぶのが当然なんだろーけどちょっと凄い。見ていて浮かぶストレスもフル代表と比べて軽いかるい。この才能が歳を重ねフル代表に入って来たとしたら、相当にアグレッシブで得たいの知れないチームが出来上がりそう。とはいえ未だ残る大会なだけに日本代表にはベスト4のチームを蹴散らし決勝へとコマを薦めて満天下にそのポテンシャルを見せつけてやって頂きたいと平にお願い。、


【11月6日】 ってな訳でリアルタイム鑑賞した「乙女はお姉さまに恋してる」は、とてもじゃないけど朝比奈みくるちゃんと同じは思えない、ハキハキと早口で喋る後藤邑子さん演じる幽霊娘の一子ちゃんがほとんど出ずっぱり。22年前に死んでしまった彼女がお姉さまと慕った相手がお姉さまことボクこと瑞穂の母親だったことは言わずもがなな展開だけど、顔は同じとは言え性別も異なる瑞穂を、それだったらお嫁さんにしてもらえるって言い出すあたりの割り切りぶりがなかなか愉快。良いのかそれで。ついてるんだぞ。そのうち髭も生えて来るんだぞ。禿げて……は来ないかなああの可愛さじゃ。

 取り憑かれているだけあって幽霊に触れられる瑞穂が手を引く格好でチャペルへと赴き22年前には適わなかった一子の夢をかなえて上げてああ感動のクライマックス。降る輝きの中で22年の思いを果たして消えていく姿に涙もこぼれる一方で、オープニングにも出ていりゃエンディングにだってデフォルメキャラでしっかり漂っている一子がこれで終わりになるなんてあり得ないと思ったらやっぱりちゃんとこれからも、ちゃんと登場してくれるみたいで速射砲みたいな喋りをまだまだ楽しめそう。来週もリアルタイムで頑張って見よう。「やべっちFC」はもういいや。

 引っ張りだこの前哨戦って奴だったのか。11月4日付けの「朝日新聞」朝刊を遅ればせながら読んだら「第38回全日本大学駅伝」の紹介記事に駅伝小説の「風が強く吹いている」を刊行したばかりの三浦しをんさんが登場してコメントを寄せていて、これから本格化する駅伝シーズンにいろんな場所でコメントだインタビューだって仕事の依頼に忙殺されそー。オリンピックに駅伝があれば呼ばれたかもしれないなあ。でも駅伝は日本オリジナルなんで出かけてせいぜいが九州か。ちょっとつまらない。僕がもしもスポーツについて書くならオリンピックにある種目にしよー。

 「風が強く吹いている」自体は朝日とはライバルの「読売新聞」が主催する「箱根駅伝」をテーマにした小説なんだけど、そこは朝日紙面なだけあって「直木賞受賞後第一作となる小説で、テーマに取り上げたのは大学駅伝だった」とするりとごまかしたものの、やっぱりスルーは出来ず三浦さん自信が「正月に箱根駅伝をテレビで見るのが好きでした」って、冒頭で言ってしまっているのが妙に可笑しい。仕方がないよねえ、もはや箱根は「駅伝」の代名詞になってしまっているし。

 もっともそれはそれで問題で、たかだか関東ローカルの大学が国際的なルールも何もない中を走るレースに過ぎない大会が、日本のナンバーワンを決める大会の如く思われてしまっている状況は、傍目にはとっても不思議に見える。そんな関東ローカルの大会を持てはやし全国ニュースにして報じるメディアの夜郎自大っぷりも気色悪い。その意味じゃあ朝日が担ぐ「全日本大学駅伝」の方が格としては上になるんだろーけれど、でも知名度や実質的な格じゃあ箱根にまるで歯が立たない。三浦さんだってだから「箱根駅伝」で小説を書いたんだろー。東京6大学野球が日本の学生野球の頂点みたく見られている気色悪さといい、日本のスポーツ界が今も身に抱えたこれらの軋みは、いずれ何らかの影響となって記録とか国際的な地位とかに、跳ね返って来るんだろーなー。すでに男子のマラソンとかに出ているし。

 その三浦さんの新刊がまたしても登場。「シュミじゃないんだ」(新書館、1400円)は何とまあボーイズラブな漫画に関するエッセイ集でこれが間に「風が強く吹いている」を挟まずに出てしまった場合、ギリギリだった「三四郎はそれから門を出た」(ポプラ社)を別にすれば新・直木賞作家の受賞後の最初の単行本になった可能性もあった訳でそれはそれで何とも痛快時ではあったんだけにちょっと残念。でもまあ受賞会見であれだけ堂々とボーイズラブボーイズラブと連呼してたんだから今さら隠すことでもない。むしろその趣味嗜好が大っぴらにさらされたエッセイ集であり三浦しをんの神髄を究める上でも必読と、文芸評論家の人とか文化部の記者とかに読んでもらいたいもの。付いていけるかは知らない。

 そんなエッセイ集の何とも可愛らしく美しい表紙のイラストと、挟まれた漫画が気になって見たらあとり硅子さんって人でなおかつ、このエッセイの連載中に亡くなられていたことを知る。驚きつつ調べたら前に出た単行本の「四ッ谷渋谷入谷雑司ヶ谷 第1巻」(新書館、680円)を1999年12月4日に買っていて、日記に「東京都内のデートスポットを紹介したマップなんかじゃ絶対になく、って渋谷はともかく巣鴨だったらいざ知らず、入谷雑司ヶ谷でデートする人もそーはいないだろーから間違える人もいないだろーからウソだとすぐに解るから置いておき、美少年だけど得体が知れず食べ物には毒を混ぜ召喚魔術で謎めいた生物を呼び出し占い呪いのお手の物ってな四ッ谷と、そのクラスメートの雑司ヶ谷及び渋谷入谷との友情なのか打算なのか解らない奇妙な関わりが描かれた、ほのぼのと戦慄の走る作品に仕上がっている」って感想を書いていた。

 「初期の頃のアヤシい所は見せつつも知らず影で操ったり占ったり呪ったりしている、らしいところを類推させていた作品での四ッ谷の魅力が、後にあからさまに奇怪な生物を培養したり標本にしたり呼び出したりして、周囲でも妖怪変化の類が跳梁するよーになって来てちょっぴり当たり前っぽいヘンな奴になっている所に引っかかりはしたけれど、それでも得体の知れ無さは最初と代わらずむしろ一層のブキミさを増して雑司ヶ谷たちの学園生活に恐怖と潤いを与えているのを見るのは楽しく、自分ももっともーっとヘンな奴にならなくっちゃと強く固く心に誓う」とも。それだけのインパクトを残しながらも訃報の頃には気を逸らしてしまっていたことが返す返すも残念。今さらながらご冥福をお祈りしつつ単行本を探して読み返そう。涙なくしては読めない……なになに「四ッ谷の小ネコへの『誤って踏んづけたり、何日かエサや水をあげるのを忘れてしまったり、ケガでもしてコップ一杯分血が流れ出たりしただけですぐに死んでしまうスリルがたまらないっ』てな愛情にはうん、惹かれるなあ」だって? 泣ける話ちゃうねん。でも泣けそう。

 最初に見物したのが99年の第6回だからもうかれこれ8年連続でのぞいているのか「電撃大賞」の贈賞式。その割には作家の人たちにほとんど面が割れていないのは引っ込み思案の人見知りの出不精故に恥ずかしくってファンです読みました面白かったですって話しかけるのを躊躇ってしまうからか。それとも単純にネットであれこれ言ってる人間が胡乱な態度で話しかけて胡散臭がられるのも何だからと遠慮しているってことなのか。ともあれあちらに「キノの旅」の人がクールに佇んでいたり「ブラックロッド」の人が長身を見せていたり「いぬかみっ」の人もやっぱり長身を揺らしていたり「図書館戦争」の人と「我が家のお稲荷さま」の人が美人姉妹よろしく微笑んでいたりする様を、目深に被った帽子の下から観察。かろうじてインタビューをしたことがあった成田良悟さんと話しつつ今回から明治記念館へと移ってゴージャスになったパーティーの間をフラフラと飛び回る。

 同志的な同窓的な雰囲気で和気藹々としている電撃な作家の人たちは何とも羨ましい限り。見ればあの輪に加わりたいと作家を志しては電撃大賞に応募したくなる、若いライトノベル作家志望者が多いのもよく分かる。本を読んで感想を書くだけの人間にとってそーした輪は眩しくって近寄れない。だからこれからも遠巻きに眺めつつ新しい人が増えて輪に加わっていく姿に羨望を抱き続けるんだろーなー。ちなみに今回は21歳とゆー妙齢な紅玉伊月さんって人の「ミミズクと夜の女王」って作品が大賞に。ファンタジーなんだけど主人公が奴隷の少女ってあたりの設定がなかなかにハード。イラストなしで刊行されれば果たして額に焼き印を押された奴隷の少女がどんな感じなのかを想像する楽しみもあって、審査委員の深澤美潮さんはイラストなしでの刊行の可能性なんかを示唆していたけれど、果たして編集部はどんな判断を下すのか。世界観にマッチした耽美な絵師を連れて来るのか。発売がちょっと楽しみ。


【11月5日】 思い立って録画してあった「乙女はお姉さまに恋してる」を1話から4話まで見返したら面白くって面白くってこれで毎週日曜日の夜11時半から12時までにお風呂に入れなくなってしまったよ。お爺さまの遺言とかで女子高に女装して入学することになった少年って設定のありきたりさにちょっぴり敬遠気味だったけど、全校生徒の憧れるお姉さまの座に納まり幼なじみやライバルや、同級生だけど年上の元お姉さまや下級生や幽霊に囲まれる中で積み重ねられるエピソードの真っ当さと、あとエンディングに登場するデフォルメされた凶悪気味なキャラになった時に繰り広げられるコミカルなエピソードの面白さに、惹かれて引っ張り込まれてついつい最後まで見てさらに次見てって感じになってしまったよ。エンディング最高。絵も歌も。ゲームをプレーしていた人には今さらなんだろーけれど、十条紫苑ってお姉さまの病弱な癖にどこか得体の知れなさそうな所が好き。ダルマ形態に秘密があるのか?

 4万キロも離れた場所にいる関係で最近あんまりウォッチが出来ていなかったんだど、それでもサッカー界を中心にその名を全国、いや全銀河に轟かせている才能なだけに、地球を1周するくらいの距離なんて隣近所に等しいとばかりに強いパナウェーブが届けられた様子。題して「オシムJに新庄効果? 興奮続く札幌で予想外の完売 」って記事は相変わらずの秘密主義なのか冒頭の5行しか読めないけれど、それだけで充分な香りを発散しては、読む人たちに「MOTTAINAI」に続いて国連が世界共通語に推挙する日も近いとされる、あの合い言葉を叫ばせる。「MATAKUBOKA(=また久保か!)」。

 だってこの人、ちょっと前まで「オシムJ凍死寸前? 消化試合4万人動員は至難の業 」なんて書いていたんだよ、同じ新聞紙上で。それが不人気どころか完売と慌てて”新庄効果”なんて言い訳をもって来る。新庄選手の最後の雄姿を見たいからこそプロ野球の日本シリーズの札幌シリーズには連日満員の観客が訪れた。それは紛う事なき“新庄効果”だったけど、新庄選手とは無関係のサッカーの試合にいったい“新庄効果”なんてものがあり得るのか。札幌ドームに行くと新庄選手の残り香でも嗅げるのか。銅像が立ってて触れるのか。そんなことはなだろー。

 球場に来て欲しい、そして自分たちの戦いぶりを見て欲しいという思いから一所懸命プレーし、一所懸命ファンサービスも行った新庄選手の頑張りがもたらした連日の超満員という“新庄効果”は、新庄選手がそこに居てこそ成し遂げられたものであって、新庄選手の居ない場所に対して使って良い言葉じゃない。新庄選手だって自分とは無関係の場所に自分ではなく別の何かを見に集まった人たちが“新庄効果”によって集まったなんて思って欲しくないはずだ。人一倍他人を思いやる気持ちの強い新庄選手が、そんな言いぐさを許すはずがない。サッカーやサッカーのファンに対して礼を失するようなことを、自分の意図ではないとは言え自分に絡めて語られるのは我慢ならないに違いない。

 そんな新庄選手の想いをまるで汲もーとはせず、ただ自分の筆先が生んだ歪みを取り繕うためだけに、新庄選手のひたむきな努力がもたらした結果を持ち出し人寄せパンダ的な材料に貶め返す筆先でサッカーファンを人気に釣られるだぼハゼの如き存在に貶めるこの傲岸さ。なるほどそれが全宇宙に名を轟かせる秘訣なのだとしたら、記者とゆー仕事は並大抵の人にはとてもじゃないけど務まりそーもない。かの記者氏の職場には、きっとそんな風にはいつくばった凡人たちを見下ろし闊歩する偉大なる記者様編集員様たちが、ひしめきあってはさらなる高みを目指して日々健筆を競い合っているんだろーなー。凄まじい恐ろしい近寄りたくない。まあ近寄る機会なんてないんだけど、4万キロも離れているし。

超高速兵器清水由香の破壊力が得点につながれば来期こそL1に。そしてベレーザとの対戦が  逃げ回る眼鏡っ娘ジェーンのあたふたぶりにほくそ笑みつつエダとレヴィのグリップを重ねて健闘を誓い合う姿の格好良さに惚れ直しつつ次週のベニーの発揮される才能の凄さを想像しつつ「BLACK LAGOON」を見て寝て起きてそれから女子サッカー「なでしこリーグ」のディビジョン2のプレーオフ「ジェフユナイテッド市原・千葉レディースvs福岡J・アンクラス」の対戦を新習志野にある秋津サッカー場まで見に行く。まるで夏よのーに入道雲の沸きたつ競技場には兄貴分の活躍もあってか結構な人出。その昔に成田あたりまで見に行ったジェフレディースと当時はまだあったYKK・APとの試合なんてせいぜいが100人弱ってところだったからなあ。時代は変わったよ。これはあるいは“オシム効果”って言っても良いかも。

 そりゃイビチャ・オシム日本代表監督が来た訳じゃないけれど、ジェフ千葉時代に打ち立てた走り攻めるサッカーってのが女子にまで浸透している感があって、それを見たいって人の多さが確実に動員につながっている。何しろ走る。走り回る。特に23番を背負った清水由香選手なんて、最前線で右から左からボールを追いかけ後ろへと戻りそこから飛び出しゴール前へと詰めては戻りって動きを前半の最初から後半の最後まで繰り返す。時に中央で固められた前に突っ込んで奪われたり左右にフリーの選手がいるのに出さずミドルを打って外したりって所も見られるけれど、それも積極性の裏返し。この闘志をJFLの中位に安穏として位置するジェフクラブに注入してやればって見ていた人も話していたくらい、飛び抜けた存在感を放ってた。

 守っては阿部麻美選手をはじめとする守備陣がすばやい戻りと囲みで敵をフリーにさせず無失点。この固さだったらディビジョン1のチームと戦ったって相当な所に行けるんじゃなかろーか。あとは偶然とか相手のミスとかではなくってちゃんと、パスで崩して正しいクロスをあげて得点を必然的に奪う段取りの構築が必要なだけか。残念ながら今季はディビジョン2から上へは上がれなかったけれど、後半にかけて負けないチームになって来たことを来期につなげて是非に1部入り、そして日テレ・ベレーザと互角の戦いって奴を見せてやって欲しいなあ。酒井與惠選手が現役なうちは「なでしこ」のフェイバリットはベレーザなんで勝ってもらっては困るけど。観客動員ナンバーワンで資金も潤沢選手も豊富な癖にディビジョン2に落ちたTEPCOマリーゼはどこまで立て直して来るかなあ。

 完全にイカれたと思った「X32」だったのにシステムを1カ月くらい前に戻してついでにシステムスキャンをかけて修復したら調子が戻ってHDDをぶん回しても飛ばなくなった。ネックだったウィルス対策ソフトをインストールしても途中で吹っ飛ぶことはなく、導入できてさらにはフルスキャンも行えるよーになった。うーん訳分からない。この1カ月間の操作から想像するならエクセルシートで送られて来る表を見ようとしてソースネクストから発売されてた「スタースイート」の導入が何か影響を与えていたのかもしれない。そーいや入れてからどことなく動作が重くなった気がするし。けどネットで探してもそーした障害の事例は見られないから単にハロウィンでパソコンが気まぐれを起こしていただけなのかも。これなら「X41」を買わなくても良かったかな。でもまあいつまた飛ぶか分からないのがパソコンの世界。「X32」に何かが起こった時にすぐにバックアップとして持ち出せるから良しとしよー。軽いしバッテリーも長持ちするから外出時はこっちかな。


【11月4日】 明けてスポーツ紙は「東京中日スポーツ」と「スポーツニッポン」がナビスコカップでのジェフユナイテッド市原・千葉の優勝を1面で紹介する有り難さ。スポンサーにもなっている「スポニチ」は当然としても、連日何かしらFC東京の記事を乗せ続ける東京中日スポーツが1面とはやや意外ながらもまあ、それだけサッカーの持つ意味を重く見てくれているって現れか。少なくともプロとしては未知でしかない高校生が地方の大会で打った、160メートルと別に日本一でもない飛距離のホームランよりはスポーツ的な価値は高いし。そうは思わないスポーツ紙もあったりはするんだけど。

 ざっと紙面を見てやっぱり水野晃樹選手と阿部勇樹選手ばかりが取り上げられているのが気にかかるところ。それで調子に乗るキャプテンではないけれど、コーキの方は05年に開かれたオランダでのワールドユースでの活躍でもてはやされてからちょい、調子に乗ったか調子を崩したかで帰国してもイビチャ・オシム監督にはレギュラーで使ってもらえずアマル・オシム監督になってもスタメンでなかったり、途中ではずされたりしていたからスターシステムとやらに乗せられるのはとても気がかり。視察していた日本代表のオシム監督も守備でがんばった水本裕貴選手らをこそ、称えるべきだって牽制混じりのコメントを出していたし。

 それでもナビスコ杯の決勝で最後まで闘志を途切れさせずに走り続けたし、ゴールが決まって即座にアマル監督の所へと走った姿を見れば、以前のよーには浮かれふてくされることもなく、チームのためそして将来の自分のために今は滅私を貫いてくれると信じよう。信じて良いかな。ほかだとリベロの位置にはいって相手を無失点に押さえた中島浩司選手を称えた新聞がないのも気になったところか。ストヤノフ選手の出場停止を受けてあそこに阿部選手が入れられていたら、攻守の攻がやや薄くなってあれだけのパフォーマンスが発揮できたか分からないところを、中島選手が最後列で踏ん張ったことが全体のバランスを良くしてチームとして機能させた。同等に称えられていいはずなのに、日本代表に入っていないとやっぱり無視されてしまうんだなあ。国王が代表に入ればもっと注目されるかなあ。あり得ないなあ。

1億円ティアラの贈答もよっすぃーの登場もなしとは。でもだからこそ自前感漂う優勝となりました。この近さが女子サッカー  ウィナーの爆発する歓喜に触れた翌日はチャンピオンの沸き上がる喜悦に間近に接したいと「mocなでしこリーグ」のディビジョン1上位リーグプレーオフを見に「国立西が丘サッカー場」へ。勝って勝ち点でよーやく追いつくものの得失点差が大きく優勝は難しい浦和レッズレディースが、それでも最後に勝ち点では並んでJリーグでも屈指の競合チームに付属するクラブである意地を見せてくれるかそれとも兄貴分のふがいなさを後目に、今も替わらぬ強豪であることを日テレ・ベレーザが見せつけてくれるのか。注目の一戦はベレーザが開始早々に相手のトラップミスをかっさらった永里優季選手がそのまま持ち込みたたき込んでまず1点を先取する。

 中盤であらゆるボールを拾い左右にさばくスーパーMFの酒井與恵選手が出場していないベレーザにはそれでも不安があって、レッズレディースの縦へのスピードに翻弄される場面もあったけれど最終ラインで須藤亜紀子選手がふんばり来るボールのほとんどを跳ね返す。そこから3人がユニットを組むよーな形で短いパス交換を重ねてさらに効果的なサイドチェンジも挟んでベレーザが相手ゴールへと押し寄せる展開が続き最後にはゴール横をえぐった川上直子選手の浮き球のクロスを先発に入った近賀ゆかり選手が頭でたたき込んで2点目。さらにPKを永里選手が蹴り込み相手のミドルがバーに当たる幸運もあってベレーザが3対0で勝利を収め、長かったリーグ戦のチャンピオンの座を2年連続でつかみ取る。おめでとう。

 終了後はキャプテンの酒井選手も入っての祝勝ラン。スポンサーのニチレイから花束を贈られゴール裏のサポーター前でニチレイアセロラドリンクによる乾杯も行われて優勝の歓喜にあらためて浸る選手たち。拡声器パフォーマンスをガンちゃん荒川恵理子選手が努めていつもの抜けたよーな声でひょろひょろと喜びを語りエースの澤穂希選手に重鎮・小野寺志保選手と挨拶が続く中を西が丘から退場。帰りしなにアセロラローヤルゼリーももらえてニチレイ様に2年連続でよくぞスポンサーになっていただけましたと感謝の言葉を内心で贈る。

 対してリーグ戦のスポンサーになったモックからはとりたててパフォーマンスはなし。優勝が決まった試合とはいえリーグ戦の1戦でしかないって位置づけで表彰等は後に別に行うってことなんだろーけれど、でもピッチ上での結果がすべてのサッカーにとって、ホイッスルが鳴り試合が終わって優勝が決まった瞬間こそが最も価値を持つ。ましてや長いリーグ戦での優勝だ。決まった瞬間の価値はカップ戦のチャンピオンに勝るとも劣らない重さを持っている。そんな瞬間い居合わせ優勝を成し遂げた選手たちを祝福してこそスポンサー冥利に尽きるってものなんだけど、そこまでの意義をスポンサーは感じなかったのかあるいは主催試合のベレーザとそのスポンサーのニチレイに敬意を払ったのか。

 後者だたら納得。だけどよりスポンサー名を目立たせるために別にチャンピオンの表彰式を開くんだとしたら、そしてそれがチームとリーグとスポンサーのために行われるものだとしたら、でもってそんあリーグ優勝を称える場に応援し続けたサポーターがいないんだとしたら、共に戦ったサポーターたちにこれほど失礼な話はない。1億円とかゆーティアラを贈る場をスポンサーの見栄を発揮するだけの場にしないためにもリーグはサポーターも込みで優勝を称えられるよー、いろいろ配慮してもらいたいんだけど、果たしていったいどーなるか。問われていますリーグもスポンサーの立ち居振る舞いも。


【11月3日】 午前9時に家を出て、総武線を乗り継いで到着した「国立霞ヶ丘競技場」。アウェイ側は代々木門に行列ってお達しが出ていたんで、千駄ヶ谷駅から空手家のわんさと集っていた「東京体育館」の間をすり抜け、陸橋をわたった国立の横にある公園が並び場所かと思っていったら、そこは「鹿島アントラーズ」のサポーターの待機場所。めいめいが地べたに茣蓙とか敷いて座って会場を待つ姿は晴れ舞台に慣れた感じで、残る開門までの1時間ぐらいをのんびり構えてすごそうって余裕が感じられた。しばらく遠ざかっているとはいえ、これが9冠のなせる技。公園にはお好み焼きやらたこ焼きやら、焼きそばやらなにやら屋台もいっぱい出ていて空腹とか感じなくて済んだだろー。うらやましい。

 対する「ジェフユナイテッド市原・千葉」の待機列は、日本青年館の下にある公園のさらに横にあるアスファルト鋪の駐車場で、座ると砂利とかあって痛い上に近所に屋台もなく、空腹を満たせずめいめいが持ち込んだ弁当やらコンビニの総菜やらで、朝のご飯を楽しんでいた。グループが結構なスペースを取りお花見状態だったアントラーズサポと比べると、こっちはどちらかと言えばワンフェスまであと数時間って風景。ぎゅっっと詰まった待機列にお行儀よく並んでは、会場までの1時間をおしゃべりしたり、新聞を読んだりして過ごしてる。まあ決勝に出るのはこれが3度目で優勝はまだ1度。そんな初々しさが行列の風情にも出たってことなんだろー。連覇でもしてついでに天皇杯も獲得して王者慣れしてくれば、待機列にも余裕ってやつが出てくるんだろー。七輪でサンマ焼きながら待つとか。秋だし。サンマの季節だし。

 それにしても午前10時でこの行列は、切符が売り切れたことから予想していたとはいえやや意外。Jリーグでも屈指の不人気チームで、集客のために国立で試合をしてもホームよりはアウェーのチームの方にいっぱい、お客さんが入って前監督のイビチャ・オシムから、何でアウェーで試合すんだって怒られていたのはつい昨日のことだったのに、すごい戦いを見せ去年は優勝して、日本代表にもいっぱいメンバーが入った今のジェフ千葉は相手があの鹿島アントラーズでも、負けないくらいの動員を達成できるよーになった。感慨深い。

 1時間ほど待ってそれから開門後だいたい45分くらいで入場したアウェイゴール裏の自由席が黄色いジェフ千葉ファンで30分も経たずにいっぱいになったのと比べると、鹿島側は外で宴会でもしていたのか、それとも千葉と銚子の間で発生した電車の事故で遅れて途中で止まっていた人がいたのかなかなかいっぱいにならず、キックオフ1時間前の段階では全体色の濃さでは勝っていた。それでも試合開始の前にはいっぱいに埋まった人たちがグレーの紙を掲げその上で10冠目を象徴するんだろー1つの大きな星を見せる応援で勝てよそして細うぃ奪えよって激励をとばしていた。

 もしもアントラーズが勝てば、来年からはあっちがそんな星を1つ付けて戦い一方でジェフ千葉の方は小さな星を1つ付けたままでの戦いに。同じ1つ星でもすげえ違いが生まれてしまう訳で、そいつは是非にも阻止したいって思いも抱きつつジェフ千葉側のゴール裏では前年と同様、黄色と緑のボードを配って掲げてもらう応援イベントを慣行。青空に生えてなかなかのコントラストを醸し出していて、見栄えだけなら負けはしないって確信はあったけどでも敢えて1つの大きな星だけを出してきて、それだけの歴史を持ったチームであることを訴えてつつ、選手に是非にもゲットしてこいと知ったしたアントラーズ側サポーターに促され、アントラーズが発憤しないとも限らない。

 実際に試合は鹿島スタジアムで行われたリーグでの試合でジェフ千葉が4点を奪い蹂躙した時とはまるで違って、しっかりと守備を固めつつパスを繋ぎつつ攻めて来てはジェフ千葉のゴール前へ迫る。対してジェフ千葉も先発で入った水野晃樹選手が、ようやくここに来て緊張感とやる気が満杯になって来たのか、攻めだけじゃなくって守備にも気を配ってアントラーズの左側からの攻めを許さない。一方のアントラーズから見て右、ジェフ千葉からは左に当たる位置で右はマリオ・ハース選手がポストに入ってがんばっていたんだけど後ろからのチャージにつんのめった時に膝を悪くしたのかしばらくして交代。溜めてさばく動きを期待していただけにどうなっちゃうんだろうと不安に駆られたけれど、そこで替わって登場した我らが“隊長”こと坂本將貴選手がすごかった。

 何しろ「スタメンではなかったので、ロッカールームで思わず泣いてしまったら、アマル オシム監督に『Sorry』と言われました」って言うくらいにこの決戦に入れ込んでいた坂本隊長。途中出場でも試合にすんなりととけ込んでは左の再度を駆け上がり駆け戻る動きを続けて新井場徹選手を好きにさせない。そんな中でも鋭いシュートを放つ新井場選手の能力の高さよ。いつか代表に入っても不思議じゃない逸材って思っていたけどジーコジャパンでは終ぞ呼ばれなかったのはジーコ在籍時にはいなかった“外様”故の悲しみか。そんなこんなで攻守の切り替えも早く時間もあっという間にすぎる試合は後半に入って30分も過ぎた当たりで坂本隊長からサイドチェンジで振られたボールを受け取った水野選手が間髪入れずに浮き球をボレー気味に降り抜くと鋭く落ち気味に飛んでゴールイン! 貴重な1点を先取し勝利をグッと引きつけた。

 ここで気を抜いてカウンターを食らい逆転されてしまったのが今季のジェフ千葉なんだけどそこで緩めず奪ったコーナーキックから水野選手が入れた鋭い球に我らがキャプテン・阿部勇樹選手が得意のヘッドをたたき込んで2点眼をゲット! あとは時間をうまく使いながら残りの7分くらいを使い切ってそのままホイッスル、ゲームセットとなって栄えあるナビスコカップの2連覇を達成した。おめでとう。そのまま水野選手がMVPを獲得したけど、一方でアントラーズの攻めを0点に押さえきった守備陣にも何かの賞をあげたい気分。ひょろひょろとした動きが見た目には危なっかしい中島“NAKAJIMA”浩司選手が抜群の読みでもって攻めるアントラーズ選手の前に入り込んではカットしそこから前へと送ってビルドアップをし、中盤に現れてはさばいて左右へと振って攻めのきっかけを作り出す。

 その存在感はまさしく“国王”。ひょいひょいとアントラーズの選手をかわして進む姿の華麗さに、フジテレビで解説していた元ベガルタ仙台の監督として中島選手を扱いあぐねた清水秀彦さんも感慨深いものがあっただろー。後でテレビで解説聞いたら「見ていた」とはいったけどどんな選手だったかについては沈黙。干して解雇したとは言えんわな。そんな状況からトライアウトでジェフ千葉に入って戦力となり栄えあるナビスコカップでファイナリストとなってスタメン&フル出場。メダルを首にかけてもらって大喜びの国王の姿に涙を浮かべた千葉県民と仙台市民も大勢いたことだろー。涙の意味がちょい違うけど。

 控えでジャンボ田中淳也選手が入っていたのが気になったところ。188センチとジェフ千葉では191センチのアマル・オシム監督、193センチの中牧大輔選手に続くくらいの長身は守備にセットプレーからの攻撃に期待できるんだけど、JEFクラブでの戦いぶりでは時々抜けたプレーをしていたんでトップに上がってどこまで気持ちを引き締めて来ているかを注目したい。その前に出場しなきゃ。天皇杯には出してもらえるのかな。さらには立石智紀選手が復活していたのがうれしい兆候。黒河貴矢選手が移籍後に結局出場する機会を得ないまま、来年にどうなるのか分からないところが悩ましいけれど上半期の快進撃を支えた立石選手に後半の苦しい時期をハイボールへの抜群の対応と積極的な飛び出しで支え鼓舞した岡本昌弘選手が固めるゴールマウスはこれで万全。8日に行われるコンサドーレ札幌との天皇杯を制してそのまま勝ちあがってそのまま国立の決勝へを、駒を進めて今年2冠を達成してほしいもの。行くかフクアリ。その前に女子サッカー「ナデシコリーグ」のプレーオフ最終戦だ。こちらでも応援している日テレ・ベレーザが優勝に王手。行くぞ西が丘。


【11月2日】 「X32」の状態はどんどんと悪くなっていっぱいウィンドウをひらいて仕事をさせると吹き飛ぶ症状が頻発。ワープロだけならたぶん大丈夫なんだろーけれど、リサーチのためにウィンドウを開いたとたんに飛ばれると書いた原稿が消えてしまいかねないだけにやっぱりちょっと使えない。いったい何が原因なんだろうなあ。ハードかなソフトかな。とりあえずデータを全部移管したらシステムごと入れ替えてみるか。それともドック入りさせて部品を調べてもらったほうがいいのか。案外に中に小さくて黒くてカサカサと歩く虫とかがいっぱい詰まっていたりするだけなのかも。開けてびっくり。嫌だなあ。

 買っておいて結果としてよかった「X41」を稼働状態にして持ち運び。背後の大型バッテリーが邪魔になってふつうのA5サイズのケースに入らない。大きめを買い直そう。キーボードはやっぱり「X32」のほうがカッチリしていて好きかも。頑丈ってゆーかデスクトップ用のキーボードに近い感じがしたんだよなあ。「X41」はやっぱりノートパソコンのキーボード。それでも打鍵した感じはメビウスのMURAMASAよりはしっかりしているから前に戻ったと思えばそれよりはましか。MURAMASAでだって結構な原稿を打ったからなあ、毎日平均で原稿用紙5枚くらい。当時は日記とそれから仕事の原稿も全部自前のパソコンで書いてたからなあ。それであれだけ保ったんだから「X41」だって。でも中に小さい虫が入れば「X32」の二の舞か。うーん。掃除しよう。

 劇場版の「パト2」が公開されたのが1993年だから当然にして今のこの状況を見て描いた人なんていないはずなんだけどでも、初めて潜った虎ノ門の下にある「日比谷共同溝」は縦穴からのびるトンネルがまるで「パト2」に出てきた東京湾岸へとのびる地下トンネルのよう。奥へとのびる線路の向こうから今にもゴトゴトと音を立ててレイバーを積んだ貨車がやってきそうな雰囲気で、虎ノ門から地下にうがたれた縦穴に立つ僕たちは差詰め野明たちを待つ後藤隊長と荒川って感じ。シールド工法で地下にトンネルを掘ればどこだって同じ感じになるんだろうけど、作った方があるいは映画の「パト2」を見てこんな雰囲気を東京の地下に作りたい、なんて思って堀り込んだのかもしれないなあ。夢が現実になるとはこのことだ。

大雨が降ってきたらおぼれちゃうのなかあって考えると夜も眠れません、地下鉄はここから入れたのかなあ  もっとも「パト2」ではそこからさらに先へとトンネルが伸びていたんだけど虎ノ門の縦穴はそこで行き止まり。新橋を抜け地下にもぐり埋め立て地へと向かうことなんてできやしないのがちょっと寂しい。ともあれ「日比谷共同溝」は上に中央官庁がひしめいているとは思えないくらいの異空間。そんな場所に何しにいったかと聞かれれば、アニマックスが毎年開催しているアニメーションのシナリオを募るコンテストで大賞を受賞した人の作品が、いよいよアニメ化されることが決まったってんでその発表会に赴いたもの。何でも地下が主要なモチーフになっている作品だとかで、せっかくだからと東京でも屈指の地下を会場に選んだんだとか。

 聞くと国土交通省では「東京ジオフロント」って文化イベントにその場所を使ってもらい東京の不思議を見てもらおうって企画を03年から実施しているよーで、見学会とか音楽会とか展覧会とか割に行われているらしー。最近だと唐沢俊一さんが司会を務めた音楽会もあった模様。あの空間であの渋い声が響き渡れば広がるのはまさに異空間。うーん見たかった。もっとも40メートルほどの地下に降りるには螺旋階段を途中まで下りてそこから1基しかないエレベーターで下るしかなく、それも定員が操作する人も含めて10人しかないため、大人数が一気に降りたり逆に上ったりすると結構な渋滞が起こるみたい。記者会見はせいぜいが30人くらいだったから幾度かのピストンですんだけど、150にとか訪れるイベントでは1時間とか待つこともあるんだろーなー。そんな間にグラリとでも来た日にゃあ肝もふるえそう。あとは雨がごうごうと降ってくるとか。雨ってどこに行くんだろう?

 さて会見の方は受賞者の人も増して特別審査員の石井竜也さんが目立つめだつ。何しろ顔が良い。デビューした時からかっこうよさでは業界でもピカイチだっただけど20年近くが経とうってのに容色に衰えはまるで見られず、むしろますますツルツルになっていく感じ。いったい何を食べているんだろーこの人は。もっともそんな容色だけの冷やかしじゃなくってアートの分野でも活躍している人だけあってクリエイティブに関してはあれこれ指摘。とりあえずは中国韓国の技術力のアップに日本がこれからどう対抗していくかってところで、シナリオがやっぱり大事でテーマ性メッセージ性を持った話をちゃんと作っていくこと、それを長く育てていくことが強さにつながるって話してた。当たり前のことだけど大事なこと。なるほどちゃんと分かってるんだ。

 潜って見た時にこれって釈由美子さんが主演していた映画の「スカイハイ」に出てきた場所なんじゃないかって思って調べたら、それもやっぱり立坑だけど規模はさらに大きな「首都圏外郭放水路」にある立坑だと判明。なるほど確かに映画で見たような大きさだ。すでに工事も終わっているからガチャガチャとした機材もなくすっきりとしてまるでどっかの神殿のよーに見える。別に調圧水槽って本当に神殿みたいに柱がにょきにょきと立った場所もあってとっても幻想的。いつか日本が滅亡して地底に人が逃げ延びた時にはここが祈りの場所となり、みんなで偉大なる爆弾様をたたえる歌を唄うんだ。しかし本当に神秘的。暇になったら見学会に行こう。梅雨時は避けて。


【11月1日】 世界の最高峰が集い世界の技を競い合っていたとゆーのに、バスケットボールの世界選手権に対してまるで消極的な編成を見せて、もはやスポーツの放送をここには任せておけないって怒りを抱かせたTBSだったけど、バレーボールの世界選手権ではさらにみっともない編成とそしてみすぼらしい演出を施し、見るに耐えず聴くのも憚られるものにしてしまって怒りを通り越した諦めを感じさせる日々。国威発揚が見る人の期待にあった40年前でもなければ見栄えの良いアイドル選手をもてはやして話題を作り関心を集める20年前でもない、サッカーのチャンピオンズリーグの放送を待ち望むよーに、スポーツをスポーツとして見たがる人が増え、それも最高峰を求めて世界に目を向ける人が大勢出てきている中での旧態依然としたニッポンチャチャチャなスタンスを、いったいどこの誰が喜んで見ているんだろーか。視聴率とかちょっと知りたい。

 そりゃ未だに日本が頑張る姿を見たいって気はしているけれど、それだけじゃなく米国とか、イタリアとか中国といった強豪がいったいどんな戦いぶりを見せているのか、それが日本とどれだけ違うのかを確かめたいって思うのがスポーツに関心のある人に共通の気持ち。なのに結果すらろくすっぽ伝えないで日本戦に関する情報ばかりを流していったい、大会がどんな感じになっているのかが分からない。衛星とかケーブルでは放送しているんだろーから、真のスポーツ好きはそっちを見れば良いって棲み分けが出来ているから、地上波は1番確実に視聴率がとれる日本戦だけ放送していれば良いんだって言い訳も成り立つけれど、それにしても日本以外の情報が少なすぎる。

 世界トップクラスな上に日本にだって相当数の出稼ぎな人が来ているブラジルだって、やっぱり日本に相当数の人が来ている韓国や中国だって試合をしているけれど地上波での放送は一切なし。真夜中にだってやりはしない。ラジオではどーなんだろう? でも目で見てナンボのスポーツだからやっぱりテレビで見たいのが人情って奴ななのに、そーした日本に来ている人たちへの配慮ってものがまるでない。視聴率がそんなにとれないんだから営利企業として不必要だって言い訳は分からないでもないけれど、一方には国から免許を頂き公益に資するよう求められている組織でもあるんだから、1国で10分くらいのダイジェストでも良いから放送してくれたって罰は当たらない。アナリストだってぎゃんぎゃんとは言わないだろう。それが好イメージにつながり結果として企業価値を上げるんだって理解している真っ当なアナリストだったら。

 グループリーグは無理としても日本が決勝トーナメントに進めずブラジル中国韓国台湾あたりが抜けだした時に、はたしてどれだけの放送をどんな時間に行うのかってところに注目したいんだけどでも、やっぱりまるでゴールデンからははずれ真夜中にすら放送されないまま決勝だけを録画中継して終わり、なんてことになりかねないよなあ。男子に至ってはさらに手薄な編成。これでは世界の最先端を行くバレーボールがどんなスポーツになっているかを広く知らしめ、それに憧れるなりそれを打倒したいと思う子供達をわんさと増やして5年後10年後の日本バレーボールの復興につなげることなんて出来やしない。スポーツのスポーツとしての面白さを目の当たりにしてもらって心を掴み次からのいっそうの視聴率向上に繋げることにもならない。今をどれだけ食い散らかすか。それだけしか考えていないテレビの未来はやっぱり相当に辛いのかも。

 ハロウィンを超えたあたりから急激にパソコンの調子が悪くなって高速でハードディスクとかぶん回していると突然パシャンと妙なメッセージを出しつつ落ちて再起動し、深刻なエラーから立ち直ったぞ原因はデバイスだメモリだ何だと場合によって異なる報告が現れ、普通に動くよーになるんだけどでもやっぱり激しく使っている時に突然落ちる状況が変わらずこれはどっかにウィルスでも潜んでいるかとチェックをかけたら途中でやっぱり同じ状況になって再起動。安心して使えないんで1つ予備を揃えておくかと秋葉原に出向いてニッシンパルで旧IBMなレノボの今度は「X41」を買ってあれやこれやセッティングをして秋の夜長が更けていく。

 ポイントの使える石丸あたりで探したけれどもはやレノボは置いてなく、ラオックスでも見られず量販店ではもはやシンクパッドはエプソンダイレクト以上にマイナーな機種となり下がっている模様。それがレノボの望んだことだったとしたらパソコン事業を売り払ったIBMのとりわけノートパソコンで先を行ってた日本IBMのスタッフたちも報われないだろーなー。ニッシンパルでは最新の「X60」系に堅牢さもあって目を引かれたけれど、聞くと電源のジャックの太さが手持ちの「X32」とは違うってことで死ぬまでは使おうとおもっている「X32」との併用が面倒と旧型になってしまった「X41」を購入。重たいけれどキーのタッチが気に入っていた「X32」の姿はもはやなく、同じ機種で揃えることはかなわなかったけど「X41」もなかなかにコンパクトで且つ、買った機種は大型バッテリーで6時間くらい保つそーなんで外で使うのに宜しそう。週末はこいつを持って喫茶店に籠もり執筆から投稿そして受賞しデビューって夢を目指すか。書くこと? そいつはこれから考える。

 その足で石丸ソフトワンへと向かい今日が発売日だった時東ぁみさんのニューシングルの発売記念イベントをのぞく。おへそを出して胸元もやや開き気味の衣装で踊るぁみにぃ可愛いなあ。大きからずかといって小さくなどない胸元もなかなか。見渡すとイベントにいつも来ている奴らとは別に女の子とかの姿も見受けられるよーになって来たのは人気が浸透してきた現れか。ポップジャムにも出るらしーんでその勢いで年末は紅白歌合戦に出場……するのはまだ気が早いか。来年こそは。シングルを買うとサインがもらえるってんで買って並んで手ずから受け取る。ちょんと首を下げた時に見下ろすと開き気味の胸元から見えたあれは。もう1枚買って並ぼうかと真剣に思ったことは内緒だ。


日刊リウイチへ戻る
リウイチのホームページへ戻る