縮刷版2005年5月下旬号


【5月31日】 サッカーの試合後に付けられる評価の採点は10点満点だけど10点なんてまず出ず高くて7点から凄い場合に8点なんかが付く感じ。一方で下は4点あたりが下限で3点2点が付くことなんて滅多にない。目安としては6点が合格点で6・5点ならよくやったって感じになって5・5点はまあそれなり、それより下の5点は駄目でしたって落第点だと考えるのが良いんだろう。5点と6点の間にはつまり深くて厳しい河が流れているってことで。

 そんなことを踏まえて読んだ「週刊サッカーマガジン」と「週刊サッカーダイジェスト」の2005年6月14日・21日合併号は、日本代表のキリンカップでのUAE戦が特集されててそこで各選手の採点が行われているんだけどアレックス選手の採点が「サカマガ」5点に対して「サカダイ」6点と実に1点もの開きがあってどっちが果たして正しいのかと悩むことしきり。個人的には「サカマガ」に一票なんだけど、僕よりサッカーを見ているプロが6点を付けてるってことはあるいは僕には分からない良さが、あの試合のアレックス選手にはあったってことなのかもしれない。監督と選手の鎹(かすがい)役は1点分?

 少年探偵って言ったらやっぱり見かけによらない頭脳でもって起こる難事件を解決するのがパターンって奴で、そんな頭脳労働者が時として陥る肉体的な危機は別の誰かがカバーするって感じになっているのが普通なんだけど、ここに登場したゴツボ☆マサルさんの「少年探偵 犬神ゲル1」(スクウェア・エニックス、505円)は細身で眼鏡の軟弱だけれど頭脳は明晰って雰囲気を持った少年探偵が実は肉体派で武闘派だったって設定がまず意外。でもってそんな設定を一発芸に終わらせないで、助手として父親から売り飛ばされた関西弁少女の安川マリーにヒゲの執事のクラレンスを交えたドタバタチームが、馬鹿馬鹿しくも笑える事件に直面してはこれを解決していく展開が連続する笑いをもたらしてくれる。

 絵は適当に描いているようでバランスは崩れておらず動きも迫力があってなかなかの腕前と見たけど果たして。怪盗スパルタン6を評して「いやでもしゃーないやん!? あんな髪型からして超人やもん!!」と言うマリーのセリフの意味が分かる人ってこれの読者にいるのかなあ。でも今「ヤングキングアワーズ」で連載されているから分かるかな。でもこの連載だとあんまり超人っぽくないんだよなあ、ロック。そんなこんなでまだしばらく続くみたいなんでどんな空前絶後な少年探偵ぶりを見せてくれるのかに期待して続けて読んでいこう、単行本で。雑誌は流石に手を出せないなあ。

 わははははは。録画してあった「創聖のアクエリオン」を見て感動に爆笑。って矛盾しているよーだけどそれくらいにお話として完璧で、なおかつ笑える展開で今年4月から始まったアニメの中でもトップクラスに珠玉のエピソードだって認定しても良さそう。夢の中で何物かにとらえられて換えって来れなくなる少年少女が世界で続出。裏に天翔族の策動を予感した地球再生聞こうDEAVAの司令・不動GENは例の如くに「特訓だ」と叫んでアクエリオンに乗るパイロットチームを招集しては夢の世界へと叩き込むためいっせいにベッドに寝かせるけれどもそこは年頃の青少年たち。わくわくする経験に眠れず興奮から枕投げなんぞを初めて収拾がつかない。正義の味方が枕投げ。わははははは。そこにリーナが参加してたかは知らない。

 ところが特訓虚しく夢から目覚めたのはアポロにピエールに双子の片割れのクロエとあとはシルヴィアだけ。ほかは捕まってしまったみたいでこれはまずいと助けに行くべくアポロとピエールと今回本格的には初登場&搭乗のクロエの3人がベクターマシンの中で眠りに就く。そして気がつくとそこは夢の中。現れた化け物相手に苦戦が続いたその時、アポロの情念が現実世界からベクターマシンを呼び寄せては捉えられていたピエールにクロエを目覚めさせ、そして合体から戦闘へと至って敵をこらしめる。

 のかと思ったらそこでもう一山用意したのが巧みなところ。1人現実世界に残っていたシルヴィアが必殺の技でもって夢の世界へと意識を飛ばした場面に爆笑したのはそれとして、始まった真剣で真摯なバトルの派手さ格好良さに心は浮き立ち理由は分からないけど必殺の攻撃が決まった瞬間には喚起の衝動が背筋を駆け抜け喝采の嵐を画面へと送りたくなった。いやあ燃える。まじ燃える。夢の世界へ意識の壁を突き抜けベクターソルの変形した腕が現れた場面の迫力といー、合体してすっくと立ったアクエリオンルナの月に代わってお仕置きされたって構わないって思わされる美しさといー、絵的にも見所たっぷりだった今回の水準をこれからもずっと維持してくれたら、歴史に残る傑作になりそーな予感もするけれど、そうはいかないのがこの忙しい時代に作られるアニメの常だからなあ。せめて顔形だけは変わらない程度の作画をおねがいbyマイメロ。


【5月30日】 やっと見た「交響詩篇エウレカセブン」は「レントンのはいめてのおつかい編」で、何とゆーか子供っぽいってゆーか、同じことがホワイトベースで行われたとしたらアムロは拗ねて逃げ出すしブライトは起こって仕掛けるカイとかハヤトをそれこそ営巣に叩き込みそう。つまりはリアルな物語では起こり得ないシチュエーションってことで、それが起こって平気なモラル的マインド的レイヤーを持った作品なんだと、これはもー理解して見ていくしか毎日曜日の朝を納得できなさそー。

 もちろん作り手がリアル系だなんて言ったことはないから勝手な思い込みだったんだけど、せめて「機動戦艦ナデシコ」くらいには戦場でのリアルのレイヤーを保っていて欲しかったなあ。あれはお笑いの要素は山ほどあったけど設定に関してはリアルのレベルを厳密に保とうってしていたし。まあ「マジンガーZ」とか「コンバトラーV」といった昔懐かしいスーパーロボット的、あるいは「戦闘メカザブングル」的にギャグの回とかお笑いの回とか織り交ぜつつも少年の成長なり、世界の秘密といった大きな話を見せてくれる物語だって理解して楽しんでいくことにしよー。この21世紀に「ダサい」って言葉が「ダサい」って意味そのままに使われてしまう「ダサさ」もそう考えれば気にならないし。なるもんか。

 こちらは一気にリアル系へと切り替わってきた「ジオブリーダーズ」は「ヤングキングアワーズ」2005年7月号で大きな展開。フロッピーディスクから現れた化け猫娘を連れだした神楽綜合警備の蘭東に梅崎に姫萩とまやを追って厚生労働省のハウンドを操る謎の女が行動を起こしていったい何が起こるのか。これまでは死にそうで死なないギャグの要素もあって安心をして見ていられたけれど、事が国の安全保障に関わる部分へと至ってそこに直接巻き込まれて弾が全部避けてくれたり飛行機が無事に墜落してくれるとは思えない。

 謎の少女が最後に見た女の顔。病院で田波と高見ちゃんの会話を聞く社長のマジ顔。そして動き出した謎の女が渡した名刺に書かれた名字。それらがつながった先に待ち受ける神楽総合警備の面々の運命に不安が募る。とはいえ化け猫との戦闘でも高見ちゃん田波とも九死に一生を得ていたりするんでレイヤーが変わっても案外にみんな仲良く和気藹々と化け猫退治をフックにしたラブコメを演じてくれると願っているけど、やっぱりダメなんだろうなあ、もう。だったらせめて蘭東さんだけでも。とか言ってると夕ちゃんだけ生き残るんだ。そーゆー奴だ。あいつは。

 こいつは厳しいぜ宇都宮徹壱さん。「エルゴラッソ」の2005年5月30日号は日本代表のUAE戦についての記事が満載だけどそこに宇都宮さんが「盗まれた日本代表」ってコラムを寄せて読むと日本代表への評価は「あの体たらく」。加えて「試合後のブーイングの意味をどこまで理解していたのだろう」と日本サッカー協会の”偉い人”にも注文を付けていたりして、読んだ”偉い人”が怒りの矛先を宇都宮さんから「エルゴラッソ」へと向けて来やしないかと心配になる。

 まあその”偉い人”も「コメントのしようがない」「今日は腹立たしい」と激怒のご様子なんで結果があがらなければその怒りを形に代えて見せてくれると信じたい。今は立場としてジーコを推しても内心に忸怩たるものはあると思うよキャプテン。でもアジアカップで勝ったチーム、1次予選を勝ち抜いたチームの監督を代える理由はないからなあ。その意味でも運が良すぎるぜジーコ監督。幾度かの危機を乗り越えたトルシェ監督以上に。

 やはり英雄と呼ばれるんだろー大久保嘉人選手。最終節では得点こそしなかったものの引き分けでリーガエスパニョーラの1部残留決定は、前節での大久保選手の得点とアシストによる勝利がなかったらあり得なかった訳でローマでユヴェントス戦に得点を決めてスクデット獲得の行方を決定づけた中田英寿選手とは優勝と残留で重みも違うけど、ことマジョルカの島民たちにとってはローマ市民のスクデット獲得に対する感情以上に、残留は重くて大切なものだったんじゃなかろーか。

 それに力を発揮した大久保選手はもはやマジョルカ島の神。銅像だって立って不思議じゃないかもしれない。スペインに移籍した城彰二選手に西澤明訓選手が残せなかった足跡を、少なくともマジョルカに関しては完全に刻んだって言えそー。これで気分も良くした彼が日本代表へと合流してバーレーンを粉砕し北朝鮮も蹴倒してくれると期待したいのにできないこのもどかしさ。A代表が苦戦した二軍のUAEとは違う、五輪を目指して真剣に戦って来たチームを相手にアテネ五輪アジア予選のラスト、国立霞ヶ丘競技場でで得点を叩き込んだ彼の強さがあればなあ。ああでもあの時はセンターバックに阿部勇樹選手でボランチに今野泰幸選手でフォワードに平山相太選手田中達也選手で鈴木啓太選手も徳永悠平選手もいたっけか。その誰1人としていないフル代表。負ける訳だよ親善試合のUAEに。


【5月29日】 秩父宮ではラグビー日本代表の試合があって、隣の神宮球場では慶應と早稲田の大学野球があって行けば楽しめそうだったけど、ラグビーとか早慶戦とかいった学閥とエスタブリッシュメントな香り漂う場にいると、己のデラシネぶりに居場所のなさを覚え落ち込むこと確実なんで行かず家でふて寝しよーかと思ったもののそれだとさらに落ち込みそーなんで、決起して電車で千葉へと向かいモノレールで千葉動物公園へと行って例の立ち上がるレッサーパンダの「風太」を見物することにする。独りで。なんてあかるいにちようび。

 到着した千葉駅で上がったモノレールの駅には同じことを考える家族にカップルがわんさか。到着した「動物公園」も券売機の前に人が群がっていて上野動物園ほどではないにしてもそれなりな賑わいぶり。こいつらみんな「風太」目当てなんだろー、キリンとか像とかいった動物にはまるで無関心なんだろー、流行ものに目のないスノッブ野郎め、けっ、とか呟く自分がたった1人で日曜日に、「風太」を見に動物園へとたった独りで向かう中年独身オタクだとゆー厳しくも惨めな現実から目を背けた卑怯者だと、思って落ち込むかってゆーとそんなことは既にない。10年前に捨てたよそんな感情。自虐なんて下らない。ポジティブ。ポジティブにすべてを受け止めるのだ。

 なのでむしろウキウキと門をくぐり親子連れの子供の方に目をやり可愛さにニヤつきながらたどり着いたレッサーパンダのコーナーでも、ぐるりと取り囲んでいる「風太」目当ての観客の中の例えば女の子だったり、カップルで来ている女性だったりを目に入れて心を癒す1時間。女性っ気に乏しい会社では得られないエナジーを生い茂る緑から放たれるフィトンチッドともども吸い込み英気を養う。それにしても凄まじいばかりの人混み。これでは怖れおののいて「風太」もお立ち台には近寄って来ないよなあ。

 実際に1時間くらい眺めていたけど笹の差してある台へは近寄らず家を上がる階段やスロープを下がったり上がったりする繰り返し。時々お尻を棒の先っぽとかにすりつけ間寛平さんがよくやる「かいーの」を見せてくれて、それはそれで面白かったんだけど立ち上がるレッサーパンダが目当てのお客さんにとっては「かいーの」をやらない間寛平さん以上に期待はずれだった模様。ここに不動GENがいたら「立て」と叫んだに違いないけどそれで恐がらせては元も子もない。ここはしばらく観察を止めて再び台へと近づいて、立ち上がれるよーな環境を作らないと二度と立ち上がらないまま千葉動物公園ともども忘れ去られてしまうかも。

 しかしすごい人込み。家族連れは当然としてカップルで来ている若者はこの5月の日曜日に他にいくところがないのかと説教を……できる身分じゃねーよな。ロシアかどこかから来ていた白人の女の子のカップルとかいて国際色も豊か。しかし何しに来ている娘たちだったんだろー。出稼ぎにしては若すぎたし。そんな人々を観察した後、移動して象とかキリンとかゴリラとかシマウマとかダチョウとかマンドリルとかバイソンとかハゲワシとかを観察。あとクロミちゃんとか。違ったクロミちゃんが乗ってるバクだった。マレーバク。でも3頭いる全部が寝てた。夢を見ていたかは知らない。

 帰宅する途中で機本伸司さんの「僕たちの終末」(角川春樹事務所、1700円)をぺらりぺらり。太陽フレアが強くなって地球がそれに呑み込まれて何十年か後には滅亡確実って言われた人類が、だったらどうするかって言った時にごくごく1部の民間人がだったら恒星船をつくって移住すればいいんだって言い出すのが導入部。そんな莫迦な、スペースシャトルを打ち上げるのだって膨大な手間と時間がかかるのに5年で恒星船なんて造れるはずがないと思われて当然なんだろーけれど、そこは人間追い込まれれば何だってやってしまう存在らしく、あれやこれやと襲い掛かる難問をクリアして実行に移してしまう。

 そーした「プロジェクトX」的な巨大プロジェクト実現の物語が感じさせる面白さも世見所ではあるけれど、そーした面に加えて「人間とは?」ってテーマが最初から最後まで投げかけられていて、そこに対するひとつの答えを恒星船って環境を想定することで描き出している。それが人間なのか、違うそれは人間ではないのだってな葛藤を経つつ得られる人間存在の強さ柔軟さはなかなかの心地よさ。それが終末に直面しなければ得られないってのは悲しい話ではあるけれど、この強さ柔軟さがあればどんな終末だって始まりに変えてしまえそー。

 巨大すぎるプロジェクトを叡智でもってこなしていく話って点では「第六大陸」「復活の地」の小川一水さんに重なる部分もある設定。ただ圧倒的な設定の裏側にもう1枚とてつもないSF的な大技をかませて驚かせる小川さんに比べると、圧倒的な設定の裏側ではなく設定から立ち上がる人間のさまざまな心理の方へとスポットをあて、内奥へと迫りながら人間本質へと迫っていくのが機本流。どちらがSF的かって問われれば小川さんの方を挙げる人が多そうだけど、あるシチュエーションの上で動く人間心理を描くのも立派にSFだって言える訳で、あとは好みをベースに小川流なら小川流、機本流なら機本流のSFを堪能してみては如何。


【5月28日】 明けてスポーツ新聞はジーコジャパンな金子達仁さんも「アマチュアに負けて恥を知れ」って感じに糾弾。でもそれは選手達が相手であってジーコ監督についてはまるで触れていないのは営業上の理由かそれとも何かの信念からか。もしかすると、ジーコのここがダメってことをロジカルに抽出して指摘できなくなっているからなのかもって思えてくる。だってねえ。「漢(おとこ)か?」ってこの後のに及んで言うんだからねえ。

 そりゃ根性は大事で先のチャンピオンズリーグの決勝だってリヴァプールのキャプテンのジェラードが見せてくれた気迫が勝利につながった。けど根性だけで勝てる程、甘い世界じゃないのは誰でも承知。チャンピオンズリーグの決勝だって後半に選手を入れ替えポジションを組み替えた監督の采配があったからこそジェラードの技術と根性が発揮された。根性を出すならその土台になる戦術戦略ってのが必要なのに、最近の金子さんはそーゆー部分についてはまるで触れなくなっている。

 なぜその時そーゆープレーが行われるに至ったのか、それは選手たちの動きかまずかったのか、だとしたらどうしてそんな動きをしてしまったのか、それは配置が悪かったのかセレクトが悪かったのか、だとしたら監督が悪かったのかって分析をまるでしなくなっているから、コラムから将来につながる展望がまるで見えてこない。以前だったら選手たちに聞いて言葉を引きだし、それらを積み重ねることで問題点を抽出して提示してくれたのに。どうしてこんな風になってしまったんだろう。それとも昔からこんな程度だったんだろうか。

 96年のアトランタ五輪当時はネットもなければサッカーメディアも薄くて戦術戦略の面について知識も広まっていなかった。スポーツ専門の雑誌を通して発表される意見だけが唯一のものでそれを信じるしかなかった。けど今は万人が見て感想を発信できる時代。様々な意見がネットを飛び交いその中からよりベストな意見を調べることができる。いっぽうで発信する方も万人の目にさらされインタラクティブに批判されることを覚悟しなくちゃいけないから勉強をして日々新しい情報を取り入れていく。

 精度の上がった情報が巷にあふれるよーになった時代に、見た目と根性論とあとは過去の試合の蘊蓄だけて書いるよーな記事が時代遅れに見えてしまうのも仕方がないことなんだろーけど、そこに書き手も載せるメディアも気づいていない所がそのまま、代表を取り巻くメディア状況のヌルさになって今の停滞を招いてしまっているのかも。けどトルシェの時は戦術論が結構紙面をにぎわしていたしなあ。でもってそれに対して誰もがあれやこれや言えたしなあ。やっぱり上に立つ人とそれを取り巻く人々のレベルがすべてのレベルを決めてしまうってことなのか。だとしたら……当面は変わらないなあ、だって誰も代わらないから。

阿部よお前はどうして今ここにいるのだ? ジーコに聞いてくれ。  そんな代表に見切りを付けて、ホンモノのサッカーを見たいって人がきっと続々終結してくれたからなのか。日立柏サッカー場で開かれた「ナビスコカップ 柏レイソルvsジェフユナイテッド市原・千葉」の試合は8000人弱とジェフの試合にしてはまあそれなりな入りで、とりわけアウェーとなったジェフの側にちゃんとジェフのサポーターが来ているところに、サッカーってものを戦術で見る楽しさを味わわせてくれる試合をしてくてるチームをこそ応援したいんだって気持ちが表れている、って果たして言って良いのかな。けど国立に3万人を呼べる程じゃあないからなあ。その辺にスター・システムでしか伝えるメソッドを持たないスポーツ新聞に一般紙のスポーツ欄にスポーツ番組の至らなさを感じてみたり。

 ってかどーして阿部勇樹がスター・システムに乗ってこないのかが不思議。理由は簡単で日本代表にいないからでこれが別の監督だったら代表にFC東京の今野選手とともに呼ばれてボランチを形成しては潰しに攻撃に八面六臂の活躍を見せて定着して、スターとなってFC東京ともどもジェフも人気のチームとなって両者が対戦する「ナビスコカップ」には3万4万の人が詰めかけるよーになってたんだろーけど代表の監督が監督なんでそーゆーことはまるでなし。まあお陰でこの時期に阿部選手や佐藤勇人選手や羽生直剛選手坂本将貴といった代表に呼ばれて不思議のない選手が抜けてチームが弱くなって、「ナビスコカップ」で予選落ちなんて事態にならないで済むんだけど。阿部がいま見られる幸せと不幸せ。どっちを取るか? 悩ましい。

 もっともジェフにだって代表はいて6月の「ワールドユース」に臨むU−2Oに水野選手水本選手の2人が呼ばれてディフェンスと右サイドのレギュラー2人がとられてダメージはそれなり。あとハース選手が出ていなくって今日のレイソル戦は林丈統選手が初めてスターティングメンバーに名を連ねる布陣で果たしてどーなるのかな? って思ったけれどそこはスピードスターな林選手、早々に決め以後も後半にこぼれたところに突っ込み決めるシュートを見せたりと大活躍。結城耕造選手のクリアが詰めてた相手フォワードの宇野沢祐次選手に当たってゴールに入ってしまった失点もあったけどそれは相手ディフェンダーのクリアが背中に当たって入った斎藤大輔選手のゴールでチャラになって、相手1点のジェフ5点から差し引きでも0対4の完勝を見せてくれた。ああ面白かった。

 敗れたレイソルはクレーベル選手とか持つと怖い選手もいるしゴール前に結構攻めてきてはいるんだけどフィニッシュが決まらず。玉田圭司選手がいないから? ってことがあるかは今年の成績から見るとあんまり関係なさそーだけどともかくどっか歯車がうまくかみ合っていない感じ。あと後半途中から登場の崔成国選手は「韓国のマラドーナ」ぶりを見せてスピードよく詰め開きかわしてはゴール前へと入り込んだり良いパスを送っていたんたんでどーして先発で使わないの? って気になった。怪我かそれともコンビネーションか。

 ともあれともに勝ち点で並んでいた同組のレイソルを破って同じ組ではジェフが一頭抜けて来週の大分戦にも勝てばほぼ、予選勝ち抜けを決めそーな予感。あとはその上のトーナメントを勝ち上がって晴れ舞台での初タイトルを是非にとお願いしたいところ。でもナビスコ買ったってアジアには関係ないんだよなあ。やっぱりリーグだ。そして天皇杯だ。でおってアジアチャンピオンズリーグを勝ち抜かせて「トヨタカップ」でオシム采配で欧州の強豪を粉砕だ。その時幾つだよオシム監督。


【5月27日】 ひとり語るセリフ芝居の連なりに深夜、声を重ねて気取ってみたりしながら見終えた「ハチミツとクローバー」第7話のエンディングに流れるスタッフの名前を見て、静けさの中で淡々と、それでもしっかりと心の機微が語られたアニメーションの絵コンテと演出が舛成孝二さんだったと知ってなるほどと納得。監督を務めた「R.O.D THE TV」で紙使い三姉妹が日本へとやって来て菫川ねねねの家でぐだぐだしていた前半の、アニータちゃんの学園生活がメインになってたあたりに漂っていたほのぼのとしてほんわかとした空気に似たものがあったなー。あとひょろっと立ち上がってゆらっと動くモーションとか。アニータちゃんのへらっとした動きに重なったけどこれは演出よりは原画を1人でやった竹内哲也さんの色なのか。

 はぐちゃんの演技については今なお賛否両論だけど個人的にはまるでオッケー。四つ葉のクローバーが密からなくって修ちゃん先生に渡せず泣き出した場面のえぐえぐっとした声は絵柄ともマッチしてその心痛が伝わって来たよ。クローバー探しの場面に竹本が加わりそこにリュックを背負い両手に缶ビールの6缶パックを下げた山田が現れ乱入し、森田先輩が飛び込みそして物静かに真山が参加するその光景は、ある瞬間を共に過ごすことの素晴らしさが浮かび上がって泣けてきた。そこから10年の後まで彼ら彼女たちが共にいることはないんだろうけど、そーした流れる時間へのわびしさも伺わせつつそれでも瞬間を喜ぶ気持ちの大切さだけは、失わないでいつの時でも持ち続けなくてはって思わされる。もう老い先も短いし。

 ドラマの終わりに流れて心を浮き立たせつつ、終わる瞬間に発せられる次回予告の心を貫く一言に次週への興味をつなぐエンディング曲、スネオヘアーの「ワルツ」を秋葉原のゲーマーズで購入してジャケットを見て感涙にむせぶ。ゲーマーズだけあって面を向いているのはカバー代わりになっている「ハチクロ」のイラストだけどその下にあるメインのジャケットはワルツを踊るスカート姿の女性を撮影したもの。それも真下から。つまりはおそらくはアクリル盤かガラスの上に立っている女性ってことで当然とゆーか必然的に見えまくり。まあそこはそれ、秋葉原なんで他に山とあるイラストなんかと比べて突出してるってことはないんだけど、イラストでは見慣れたそれも実写で改めて見せられると、それも堂々と何パターンも見せられるとさすがに足の付け根への刺激も強いものがある。

 テレビ東京ではイラストであっても放映されないそれがレコード店の店頭に並べられる光景はちょっと凄いかも。アートディレクションは「ハチクロ」の賛否両論なオープニングを手がけたアーティストの野田凪さんと大島慶一郎さんで、写真はアイドル写真なんかをよく手がけている内田将二さん。撮影の時に下からライトを当てただろー助手の人とか、きっと楽しかったんだろーなー。ちなみにダンサーは紀元由有さんって人で調べると香瑠鼓さんがプロデュースするアーティスト集団「アウラ」の主要メンバーらしー。なかなかの見目麗しさなんだけどこれがジャケットではまるで見えていないってのは勿体ないもったいない。公演とかあれば言って「ワルツ」のジャケットに写ったそれらを想像しつつ正面からその踊りを堪能したいもの。機会は近いかな遠いかな。

 帰ってきて見て見なかったことにしたくなるけどこれが現実なんだなあ。サッカー日本代表キリンカップの対UAE戦は、左サイドのライン際でアレックスが地蔵になって棒立ちになってパスをもらおうとしている姿が幾度となく見られて、これでパスが回されればそこからドリブル突破を図ろうとしてマークにピタリとついているUAEの選手にカットされるか、かわしてもゴール前には守備の選手がいっぱいでクロスをあげても跳ね返されるのがオチだって、分かっているのかボールを持って駆け上がっていた福西選手か誰かはアレックスを横目に走り抜けては前戦にいる大黒選手にパスを出して、速攻が効いて良い感じだけどそこでアレックスが待たず走っていれば、前で受け取り即座にクロスを中へと入れて、前じゃなく中にいる大黒選手がシュートと分厚い攻撃が出来るのになあ。地蔵だって世話をすれば宝物を運んできてくれるのに。道祖神より役に立たんってことか。

 とにかく走らない。開かない。誰かが奪えばちょっと出て止まってそこにもらってドリブル。でもってちょっと動いた選手にぴたりのパスを出そうとするものだから読まれて奪われて反撃をくらう。その時のUAEの選手が1人が走れば左右を2人3人がいっしょになって前へと走って1の手2の手を出せて度々に日本を危険な場面へと叩き込む。1点を奪われた場面なんてカウンターだって言うけどだったら同じことを日本代表ができるのか? 1人が走ったってカウンターにはなりはしない。3人4人が前へと向かう連動がなくひたすらにつっかけ止められると戻して組み立て直す遅効ではカウンターなんて仕掛けられないし固めた相手だって崩せない。

 それを選手も多くが分かっているのにどうしようもできないのはおそらく分かってない選手もいてその選手を使う監督がいるから、なんだろーなー。つまりは今のままでは永遠にこーゆー試合が続くと。でもって幻滅したファンは代表よりも明日の千葉ダービー、明日のナビスコカップに思いを馳せると。おおそうだったのかさすがはジーコ監督、サッカーの本質はクラブチームにあってそこを応援する気持ちを代表なんてものへの幻想を自らたたき壊すことによって日本人の心の中に育ませよーとしているのか。代表にばかり人気が集まる状態はサッカーの発展にはなるほどマイナス。分かったよジーコ監督その意志をくんで明日は心ゆくまで千葉ダービーを楽しむよ。ありがとうジーコ。僕にクラブチームの素晴らしさに気づかせてくれて。

 本当だったら試合とちょっぴり重なって途中からになるはずだったドラマの「空中ブランコ」が野球中継のあおりで30分遅れで始まったんで最初から見てそのままずっと見続ける。人気小説のドラマ化なね陳腐になるだけだって思っていたけどそこは怪人・阿部寛。本当だったら不細工なとっちゃんぼうやだったはずの精神科医の伊良部を二枚目の長身で演じても、濃すぎる表情に狂気をはらんだ言動でもってものの見事に演じてくれた。まさに伊良部。傍若無人で我が儘勝手な振る舞いによって”人の振り見て我が振り直せ”的に噛んじゃを治療してしまったよ。それが全然不自然じゃないよ。原作の巧さとドラマ作りの巧みさがマッチした良いドラマでした。不愛想なナースを演じた釈由美子ちゃんも実にピッタリ。エロくて可愛くて怖くて美しい。あんなナースにだったら注射、何本だって撃たれても構わない。横で伊良部に見られても。


【5月26日】 前半で3対0ならもはや負けは決定。攻撃ではシェフチェンコとクレスポのツートップをカカが自在に操り、守備ではバロシュやキューウェルの攻撃をガットゥーゾが刈りスタムが潰すA.C.ミランのプレーぶりに後半もさらに点をとられまくって「チャンピオンズリーグ」の歴史に残る無様な敗戦を見せるに違いないと確信し、このまま寝ようかと思っていたら後半に入って我らがキャプテンのジェラードがどんぴしゃのヘッドで1点を返し、続いてキューウェルに代わって投入されたスミチェルがミドルシュートをズドンと決めて1点差。さらには攻め込んだジェラードをガットゥーゾが溜まらず倒してPKとなりシャビ・アロンソがこれを決めてリヴァプールが同点へと追いついて振り出しに戻し、寝る機会を失ってそのまま朝までテレビを見続ける。

 足が攣り走力も落ちて遅滞しつつも瞬間の冴えでもって攻めるミランにリヴァプールの攻守が激しく代わる試合はそのまま延長戦へと入り、倒れても立ち上がってピッチを這う選手たちの鬼気迫る戦いぶりが明け方に微睡んだ目を覚まさせる。そしてPK戦。”ふしぎなおどり”を踊ってミランの選手たちを迷わせてリヴァプールのゴールキーパー、デュデクがミラン選手のキックを止め外させ、一方で世界でも屈指の力を持ったミランのゴールキーパー、ジダの飛びつきにも届かない場所へと蹴り込んで、21年ぶりとなる勝利をリヴァプールがもぎとった。

 ガチガチに守備を固めた上でジャブを出し合う試合になるんじゃないかと思われ、それもまあビッグイヤーとゆー栄冠を手にする上では仕方のないことかもしれないと諦めていた「チャンピオンズリーグ」の決勝が、何故にこれほどまでに白熱して、なおかつ情熱的な試合になったのか。前半に3点を奪われてしまったことがきっかけではあるけれど、そこから守備陣を立て直し攻撃陣に厚みを加えて3点を奪い返したリヴァプールのベニテス監督の采配ぶりと、その采配に応えたちまちのうちに3点を奪ったリヴァプールの選手たちがいたからこその感動ストーリー。これがあるからサッカーはたまらない。これがあるからサッカーは生中継が相応しい。

 スター揃いってことでは年末の「FIFAワールドクラブチャンピオンシップ トヨタカップ ジャパン」にはミランが来て欲しいって気もあったけど、かくも凄まじい攻撃を見せたジェラードやスミチェルやバロシュたちと、かくも面白い守備を見せたデュデクをその目で見られるってのも悪い話じゃない。むしろそっちの方が楽しそう。途中の移籍で出場できなかったモリエンテスも加わってくる布陣は見応えもたっぷりで、そんな彼らが北中米から、南米から、オセアニアからアフリカらアジアから選出されるチームを相手にどんな戦いぶりを見せてくれるのかが今から楽しみで仕方がない。チケット買っておいて良かったなあ。だから去年のFCポルトみたく監督も主力も抜けて違うチームになって来日ってことだけは避けて欲しいもの。少なくともベニテス監督にジェラードにモリエンテスは来て欲しい。あと素晴らしい唄を聞かせてくれたリヴァプールのサポーターたちも。本気で唄う本場の「You will never wolk alone」を聴かせておくれよ横浜で。

 部屋か会社か社会かどこかに紛れて出てこなくなってしまったんでPHSを「京ぽん」に買い換えよーとしたら秋葉原の店はどこも軒並み品切れ中。知らないうちにとてつもなく人気の商品になっていた。音声通話の定額制導入がやっぱり効いたのかな。それともオペラで普通にネットがブラウジングできる機能性か。いずれにしてもこれほどの人気なのに追加の機種が出てこないところが携帯に押されまくって先行きに未だ不安の見えるPHSらしーと言えば言えそー。事前に「エッジ問屋」でアドレスは落としてあったんでそれを送り込み、あっちこっちを試してインターネット接続も出来るよーにしてこれでモバイルでの仕事環境は整ったんで暑くなるこれからの季節は手にパソコンを持って神田やお茶の水や有明の「VELOCE」を移動して、原稿を打つ流浪の旅に出かけよー。それだけで食える身になれば嬉しいんだけどなあ。


【5月25日】 テレビ雑誌作りってのも悪くないかもなあ、アニメのページとか勝手に作って騒げるかもしれないしなあ、なんて独り言を呟きつつ読み込む「SFマガジン」の2005年7月号。桜坂洋さんがハヤカワ文庫JAから来月出すらしい「スラムオンライン」の表紙とか担当しているtoi8さんが描いた表紙絵は腰にヒョウタンを下げた女性の大きく空いた胸元にクッキリと刻まれた谷間がグッド。顔を近づけ立ち上る香気を感じてみたいと思った人も多そうだけど、それをやるとこれもスックと伸びたおみ足によって股間を迎撃されること確実なんで遠くより眺めるだけにしておこー。しかし立派な足。これだとキックの威力も相当なものになるんだろーなー。蘭堂栄子ちゃんと戦わせてみたい。

 ざっくりと読んだ平山瑞穂さんの「野天の人」は野天を別の被差別的な存在に置き換えても成立しそーな文学だけど、時折のぞく不条理な描写が単なる差別的な言動へのレジスタンスとは違った雰囲気を全体から醸し出させる。叔父の後妻で、「野天人」とゆー野生人的で動物的で、けれどもおそらく見かけは人間と同じ存在だった女性が亡くなったってんで葬式が、姪の少女の家を借りて行われることになってその通夜から葬式から行われてる最中に、野天人だった叔母との不思議なやりとりとりなんかが少女の想い出として蘇り、また葬式に集まってきた人から野天人への差別的な言動も発せられて、野天人とゆー存在の不思議さが浮かび上がる。ジンワリと黒く滲む悪意に絡め取られ沈んでいく気持ちにさせられる短編。けどやっぱり野天人って暗喩に逸らされているよーな気もするなあ。

 バンダイへと出向いて夏から出てくる新製品なんかを見物。オセロのよーで五目並べのよーでチェッカーのよーな盤ゲームが出ていてバンダイで考案されたものだそーで流行ると面白そー。けど難しい。「pico」の新バージョンに対応した「ふたりはプリキュア」のソフトは「pico」だけにCGは絵が動く程度だけどそれでもちょっぴり気になる。シャア・アズナブルのドールは顔が安彦良和さんの描くシャアとは違って荒木元太郎さんっぽい美麗さだけど仮面を被ればシャアなんで気にしない。「創聖のアクエリオン」の超合金は9月発売で2万円超。でも3体がそれぞれに変形しては3タイプの「アクエリオン」になるギミックが完全に再現されている上に、合体後のそれぞれのアクエリオンもそれなりなプロポーションを保っているよーでこれは世紀の合体ロボット玩具になりそーな予感。だけどやっぱり高いなあ。

 近所にあるコンビニでテストマーケティング中っぽいガチャポンの「GAINAXヒロイン」を1回回したら「ナディア」が出て、2回目を回そうとしたら機械が壊れた。残念。でもほかはリイクニに綾波レイに月之森小夜にあるみちゃんでアスカはないし「フリクリ」の××もないんで露出の最大なナディアのゲットはそれで僥倖だったのかも。ついでに秋葉原をチェックして「交響詩篇エウレカセブン」のガチャに再挑戦。ニルヴァーシュが出てニルヴァーシュが出てエウレカが出てエウレカが出てレントンが出てニルヴァーシュが出てレントンが出てやっとタルホさんが出た、このアソートには絶対に作り手の悪意がこもってる。ちなみにホランドは未だ出ず。別にいらんけど。

 「K−BOOKS」では「よくわかる現代魔法 TMTOWTDI たったひとつじゃない冴えたやりかた」(集英社スーパーダッシュ文庫)のサイン本がレジ横に平積みに。思えば1年と半分くらい前に同じ「K−BOOKS」で未だ見ない著者の本だけどそれがサイン本だからって買って読んだのが最初の出会いだった、かなあ。あの時はこんなことになるとは想いもしなかったよ。「SFマガジン」に作品が載って山田正紀さんが笠井潔さんとの対談で「新しいSFのうねりを期待させてワクワクします。新城カズマさん、桜坂さんの新作も、楽しみに読ませていただくつもりです」って名前を挙げているんだからなあ。ああ羨ましい。きっとうらやましがってるSFの人やミステリーの人もいっぱいいるんじゃなかろーか。神林長平さんに帯の言葉をもらったのだってSFの人の垂涎だったんだから。その意味でも「スラムオンライン」の反響に興味。toi8さんが描くイラストにも。やっぱり胸とかおっきいのかなあ。

 でもやっぱりカトーと呼びたいミスター・スールーことジョージ・タケイさんのサイン会を見物に三省堂書店神田本店をチェック。30分前で3階まで行列が伸びるところに「スタートレック」ってゆー題材のどれだけ凄いファン層を持っているかが伺える。集まって来ている人も筋金入りのトレッキーっぽいし。サインの対象となった自叙伝「星に向かって」は2100円する本で版元も大垣書店とゆー決して有名な出版社ではないけれど、タケイさんの本だってことで最終的には予定していた100人は確実に集まったみたい。出版社としてもしてやったりって所か。タケイさんは背広姿でパッと見は普通の日本人のおじさんで、喋ると内容は完璧なんだけど発音にやや外国風のアクセントが出る日本語に2世っぽさも伺えるけどそんな人が誰あろー、幼い頃からテレビで見ていた「宇宙大作戦」のカトーなんだと思うと途端に見つめる目も輝く。

 米国を歩けば熱烈なトレッキーから讃えられ崇められ、ハリウッドのウォーク・オブ・フェイムにその名を刻む偉大な俳優。かといって話せば気さくで握手もしてくれて、自叙伝の「星に向かって」にはサインといっしょに僕も名前も入れてくれた。「長寿と繁栄を」って言葉を英語で入れてもらっていた人もいていっしょに手を挙げセリフを言ったりしていて楽しそう。そこまでの熱烈なトレッキーではないけれど、でもやっぱり心に残る作品であることは確かだし、印象に強く残る俳優さんであることも確か。本はだから生涯の記念として手元に置いておこー。読んでも面白い内容。晩年のウィリアム・シャトナーに対する評価は厳しいなあ。それでもフォローするところがタケイさんの人柄か。そっかテレビ雑誌だとこーゆー人も取り上げられるよなあ。


【5月24日】 必殺、嫌爆(イヤボーン)!! とゆー不動GENの声が彼方より聞こえたよーな気もした「創聖のアクエリオン」のバトルシーン。自分に自信がなくって緊張するとサイコキネシスが発動してしまうつぐみ・ローゼンマイヤが待望の「アクエリオン」搭乗を命じられたものの緊張感から動けずにいた所に起こるピエールと麗花の相次ぐ負傷。ジュンの誘いもあって自分がやらねばと奮い立ったつぐみは「はじめてのがったい」に官能を奮わせながらもバクバクの心臓を弾けさせては敵の心臓部を打ち砕く。そして不動GENの一言。「合体は爆発だ!」。

 面白いなあやっぱり。先週あたり絵がぐだぐだになって話も沈滞気味で面白さに疑問符が付き始めていたけれど、残るキャラクターのうちでドラマの終わってなかったつぐみをここに持ってきて、話を盛り上げるなんてなかなかの構成巧者っぷり。絵も割にしっかりしていてキャラクターの官能っぷりもバトルシーンの迫力もどっちも存分にたのしめた。つぐみの怯えた動きをそのままなぞるアクエリオンの可愛さよ。残るはジュンの過去話(かこばな)にリーナの謎を明かす話なんかがタイミング良く来れば半年の長丁場だって乗り切れそう。とは思うけど見方の覚醒だけではやっぱり不足するんでここは敵方にもドラマを見せて欲しいもの。堕天翔族が慰労に温泉に行ってそこでアポロたちと出会うとか何とか(それじゃー「チェンジング・ナウ」だよ)。

 届けられる予定だけれどいち早く読みたいと神田神保町あたりを巡って「SFマガジン」の2005年7月号を買う。をを海猫沢めろん。去年の今頃にその名前を言ってもSF方面ではおそらくほとんど誰も知らなかっただろー人が目次に名前を連ねて「左巻キ式ラストリゾート」以来の作品を発表しているんだから「SFマガジン」も変わったとゆーか「SF」が変わったとゆーか。その作品「零式」は収まらなくなったためか前後編の前編のみで途中まで呼んでお預けをくらった気にさせられるのが辛いところ。レシプロエンジンの音と燃えるガソリンの匂いが漂う導入部から空に飛翔しようとする緊張感と飛翔の解放感、そしてひとまずの離別が続く展開への興味を誘う。さてどーなるか。コヤマシゲトさんの美麗なイラストが来月も見られると思うと嬉しい。

 んでもって桜坂洋さんも「遊星からのカチョーフーゲツ」で再登場。「さいたまチェーンソー少女」の続編とゆーか姉妹編とゆーか双子姫とゆーか裏表な関係にある話であっち(さいたま)があーゆー外へと飛び出す展開を見せたその次に、残った人たちは何を思うのかって話が描かれていて世の中にはいろんな少女がいるもんだと改めて思わされる。「SFマガジン」に掲載されているインタビューでも話してくれているけど桜坂さん的にはここからさらに連作を積み重ねていく可能性もあるよーで、後はそれを後押しして掲載する「SFマガジン」の尽力があれば実現しそー。とはいえ「よくわかる現代魔法」のシリーズも読みたいし来年らしーハヤカワからの書き下ろしも読みたいし。うーん山籠もりだ。籠もってひたすら描くのだ。次世代ゲーム機はおあずけだ。しかし僕ってインタビューが下手だなあ。相手に語らせるばっかりで自分の意見なんかまるでぶつけてないや。

 「SFマガジン」を買った書泉グランでのレジでその桜坂さんの「よくわかる現代魔法」と海原零さんの「銀盤カレイドスコープ」の表紙が裏表で逆さについてる「初級ガイドブック」もゲット。それぞれのシリーズの重要な(高飛車な)セリフを抜き出しつつそれぞれの作品の冒頭を拾ってちょろりと載せてて読めばそれぞれの作品の感じが掴めるって寸法。それにしてもこーゆーPR用の冊子を作ってもらえるなんてやっぱりこの2つのシリーズが「集英社スーパーダッシュ文庫」の看板ってことなのかなあ。アニメ化の企画と連動して動いている作品も多々あるしゲームのノベライズもあってそーしたものと絡まない2作は正直マイナー系だと思ってたからちょっと驚き。それともこれからガンガンとメディアミックスが始まる、とか? だとしたらとらえず実写で「銀盤カレイドスコープ」で桜野タズサをスポーツならこの人の上戸彩でやるってことで。いや上戸じゃああの啖呵は切れないか。誰ならベストだろう?

 ついでに伊藤明弘さんの「ジオブリーダーズ」第11巻も購入。表紙が辛気くさくなったのはストーリーがリアルになったからってことか。辛気くさいっても背景がダークってことで描かれているのは「神楽総合警備」の5人娘(一部年齢不詳)であることには変わりないんで見ればそれぞれのファンは楽しめます。高見ちゃんちょっと胸増量? ストーリーはすでに「ヤングキングアワーズ」で読んだとおりで死地より帰還して入院した田波に成沢がまとわりついてる間に街では神宮司工業が襲われハウンドが戦いエンジニアが切れる一方でまやを奪還しよーと高見ちゃんが戦うハードな展開。高見ちゃんの大股オープンなシーンとかあって目にも鮮やかながらも一触即発危機一髪のスリリングな展開がサービスへの官能を超えた感慨を喚起させる。大きく動き出した連載の行く先とかも気になる所だけどとりあえずは緻密に描かれた単行本を舐めておさらいしておこー。


【5月23日】 めがろめがろな「こいこい7」は眼帯少女の歪んでしまった記憶がいきなりリセットに。それじゃあ意味ないじゃん。監視システムが発達して出来上がった疑似人格が入った眼帯少女の、哲郎に対する想いが行き過ぎた結果哲郎にもヤヨイにも迷惑をかけることになったんだけど、そーした迷惑も含めて記憶として蓄積しながら成長していってこそ、ロボットだって人間と同じよーに人を想い人から想われる存在になっていく。ショックで記憶を失ってもいずれ思い出して胸を痛めつつそれを乗り越えるってのが素晴らしいのに、壊れちゃったからリセットしましたじゃあ眼帯少女が長い間貯めてきた想いはいったいどこへ行ってしまうんだ? アニメの意味不明なパロディは気にならなかったけどそーゆー”人格”を軽んじる展開はあんまり好きじゃない。小さい体に生まれ変わって可愛いねでは済ませられない。けど世の中はそーゆー話が好きなんだろー。だからこーゆー話になるんだろー。わびしい時代になったなあ。

 試合中にジェフユナイテッド市原・千葉の選手に削られることはあっても 試合中に犬に囓られることってちょっと珍しい。ってかとてつもなく珍しい。話を聞いて最初はどっかの2部か3部の試合に犬が紛れ込んで選手に噛みついたのかなって思ったられっきとしたオランダリーグの1部の試合のそれも片方は藤田俊哉選手も所属していたFCユトレヒト。スタジアムだって真っ当な所だったはずなのに、どこから犬が紛れ込んだのかと記事を読んだら警備か何かに来ていた警察犬だったとか。何やってんだ警察犬。それともどっちかのチームのファンで決定的なチャンスだと想われたパスにオフサイドを出しやがった線審に怒りの牙を剥いたのかな。そーゆー利口な犬なら是非にも日本に呼んで我らが犬のチームに対する不当極まりない笛を吹きがちな某審判にも怒りの牙を向けてやって欲しいもの。頼むよ同じ犬のよしみで。

 そーいえば「ナンバー」の2005年6月2日号の巻末で浅田真樹さんが「審判のレベルに見る日本サッカーの現在地」ってコラムを寄せてたっけ。4月16日に国立霞ヶ丘競技場で開かれた「ジェフユナイテッド市原・千葉vs鹿島アントラーズ」の試合で笛を吹いた上川徹主審がストヤノフを1発レッドで退場にさせて試合を粉々にしてしまった一件を「好ゲームを台無しにした」って書いている。あれは見ていて残念な退場でもしあれがなければ試合も拮抗したものになって、その後のアントラーズの快進撃にもストップがかかったかもしれなかっただけに主審の人には犬に噛まれはしないまでもおしっこくらいはひっかけられて欲しいものだと思えなくもないけれど、日本で競技場に警察犬を連れ込むことなんてないから所詮はかなわぬ夢。ならば代わりチアリーディングに来ている「ジェットスィーン」のお姉さま方より黄金に輝くウォーターをば浴びせられれば大変に興味深い事態と相成ったかもしれない。それで喜んだらどーしよー。好きな人もいるしなあ。

 その「ナンバー」2005年6月2日号の巻頭、阿部珠樹さんがいろんな場所に出向いてスポーツを観戦する「日々是観客」でJリーグを取り上げているんだけど冒頭の1文が「家から一番近いチームというと、FC東京になる」ってなってる。おそらくは「味の素スタジアム」が家から乗り換えなしで15分ってことなんだろーけどそれだったら「東京ヴェルディ1969」だって家から1番近いチームじゃん。どーして2つあるチームの内のFC東京だけを挙げてるのか説明が書いてあったら、それはそれで阿部さんのサッカー観が見られて面白かったのにとやや残念。それとももしかして本当に知らなかった、とか。可哀想だなあヴェルディ、一時代を気づいて誰もが見たがるチームだったのは何時の話か。そんな時代の再来は日テレ・ベレーザが担うのでお兄さんたちは安心して会場をベレーザに譲りたまえ。稲城は遠いんだよ。

 もっとも世間的には女子サッカーはまだまだなよーでサッカー専門紙の「エル・ゴラッソ」ですら5月24日号は男子の日本代表のペルー戦がメインで女子代表のニュージーランド戦は結果だけが隅っこにちょろり。永里優季選手を取り上げたコラムが別にあることはあるけれど記事はスポーツ紙と比べても大差はないし、永里選手の兄の源気選手が「湘南で活躍」だなんて書いてあっていったいどんな活躍をしてるのか、レギュラーでばりばりやっているのかと思って調べてしまったよ。嘘つき。けどペルー戦での男子の不甲斐なさにはやっぱり頭に来ているよーで1面の記事でもって「同じ代表でも『なでしこ』は違った」って書いて「ボランチ酒井にボールが入った瞬間にチーム全体が動き出し、サイドに入れば躊躇なく、スピードに乗った縦の突破が試みられ、そこにはワンツーの崩しがあり、走り込んだ侵入者は容赦なくギャップを突いた」って女子代表の戦いぶりを讃えてる。酒井選手を鍵に見る辺りはさすがに分かってらっしゃる「エル・ゴラッソ」。末尾で「代表よ、『誇り』を取り戻せ!」を檄を飛ばしているけどもう良い僕には女子代表もあって夏の東アジア大会に来年のワールドカップ予選に再来年の本戦にその次の年の北京五輪での活躍を、楽しみにしつつ好成績を半ば確信してたりするんで「なでしこ」な方々にはそんな期待を是非にも叶えて頂きたいもの。来年のドイツ次第では(6月のバーレーン次第かも)似たよーな期待が集まり身動き取れなくなりまっせ。


【5月22日】 そうそう西が丘の帰りに神田神保町の三省堂書店神田本店によってカトー、じゃなくってミスター・スールーことジョージ・タケイさんの自伝「星に向かって」(悠々発行、大垣書店発売、2100円)を購入。何でも25日にサイン会があるってことで幼い頃にテレビで「宇宙大作戦」を見て宇宙(そら)へと想いを馳せた身として、これは駆け付け敬礼をせねばならぬと購入した次第。1週間ほど前だとまだ平積みだった本が最後の1冊になってて整理券の番号も68番だった辺り、同じ事を考えたオールドタイマーなトレッキー、って言葉なんて知らなくてもただひたすらに「宇宙大作戦」を楽しみカーク船長スポック副長ドクター・スミス、は違ったそれは「宇宙家族ロビンソン」だった、いやともかくテレビで再放送のSF番組を見て育った世代が大勢いるって現れなんだろー。世の中が「スター・ウォーズ」に一色となっているこの時期、宇宙物だったらこっちが本家とばかりに堂々のアピールをしてくれるとちょっと嬉しい。当日はどんな格好をして来てくれるのかな。あのピタピタなユニフォームで来てくれると嬉しいな。

 同じ神田本店では店頭で中古CDの即売会なんかをやってて古いところで何かないかと探して柿原朱美さんのCD4枚を発見して即ゲット。幻の「MOI」って奴はさすがになかったけど(CD化されているかも不明。僕は貸しレコード屋でLPを借りて録音した)、5年を経て復帰して出した「FACE TO FACE」から今井美樹さんに書いた「空に近い週末」なんかも入っている「Refile」に冒頭の「I Was Seventeen」、リズム感良い音楽が流れて心浮き立たせて売れる「Living Together」とあとベスト版にあたる「Friends In Love」を締めて4600円だかで買えてラッキーな気分。っても中古屋でそんな高い値段の付いてる人じゃないんだけど。今は「ak」って名前でヒップホップを演ってるらしーんだけどやっぱり昔の囁くような、それでいて伸びやかな声で唄うポップスが好き。「MIDTOWNにさよならを」は本当に良い曲で良い詞だったなあ。また唄ってくれないかなあ。あるは誰かが唄い直してくれないかなあ。誰が? あの声は出せないよなあ。「Living Together」は今聴くと何はシャーディーっぽいサウンド。時代だなあ。

 目覚めて「交響詩篇エウレカセブン」。そうですかおイタをする子供と仲良くなるには軍隊の基地を襲ってペンキで落書きをした上に、職務を忠実に果たして基地を守ろうと頑張る軍人さんたちを乗っているLFOごとぶち殺すことですか。たしかに横暴な奴もいるかもしれないけれど軍隊が総体としてそんな無法な集団であるはずはなく、ほとんどは何かの危機から国を、人民を守るために存在しては日々、命をかけてそーした危機と戦っていたりする訳で、そんな軍隊から追い掛けられる「ゲッコーステイト」の連中ってのはれっきとした犯罪者。その犯罪者に憧れるだけならまだしも一緒になって一気に人殺し荷担してしまってそれでまるで葛藤を見せないレントン少年の性格が分からない。そうしないと生きていけない世界でもあるまいし。おまけに犯罪者の癖して雑誌を発行しては稼いでる。それを買って喜ぶ奴がいる。

 不思議な世界。善と悪との基準が歪んだ奇妙な世界。もしかするとそんな命が、正義が軽んじられる世界はまやかしで、どこかで冷凍睡眠している人々が集団で見せられている夢の世界だったりするのかな。それだったら救いもあるけれどこのままだと見ている子供は好きな女の子の関心を惹くためにその彼女が世話をしている子供に取り入ろうとして商店を襲い玩具を強奪して、終われたら店主を返り討ちにするよーな人間に育っちまうぜ。所詮はアニメというなかれ。アニメだって守らなくては行けない筋があるんだ。それはそれとしてグラビア撮影に望んでいるタルホさんはやっぱりエロい。あんなに下着とか買い込んで衣装も買い込んでいるはずなのにいつもの衣装で撮影に臨んでいるのは解せないけれど。スタジオもゲッコー号の廊下か倉庫だし。そんな場所で一張羅で臨むグラビア撮影てまるでどっかのミニコミじゃん。それともミニコミでしかなかったのか。ホランドなんてアンダーグラウンドなヒーローでしかなかったのか。その割には乗ってる船がすげえ。やぱり分からないアニメだよ「エウレカセブン」は。

ピーターソンはどこだ?  仕事をする場所を探して有明の「VELOCE」に行くついでに「ノスタルジックカーショー」を見物でもするかと降りた国際展示場駅の前でチラシをもらうとスペインからマゼランを乗せて来てはいないけどマゼランの魂を今に受け継ぐ人たちを乗せてはるばるやって来た帆船の「ビクトリア号」が「東京ビッグサイト」の横に停泊してるって書いてあったんでそっちも見物することにしてまずは「ノスタルジックカーショー」に入場。ズラリとならぶ「トヨタ2000GT」にまず感動。クラブの人たちが乗っている奴が集まったみたいで10台とかあって、その流れるよーなデザインの美しさになぜいまこれだけの車が生まれないのかと国産メーカーのデザイナーを呼んで説教してやりたくなる。最近の車でこれに並ぶデザインとかろーじて言えるのはマツダの「RX7」くらいでそれももはや費えた。デカくてボリューム感のあるセダンや色気のカケラもないSUVばかりが居並ぶ国産車に商売上の成功はあっても文化としての成熟は望めないなあ。ポルシェ頑張れ。

甲板に立てば気分は海賊。ルフィもサンジもいないけど。  そのポルシェも懐かしい真っ赤な「930ターボ」があって感動。張り出したフェンダーと巨大なウイングがポルシェらしさを醸し出す。プラモデルを作ったなあ。あとスーパーカーでは真っ黄色の「ランボルギーニミウラ」が最高の格好良さ。「フェラーリ・ディーノ」も側にあったけど「ミウラ」の美しさにはかなわない。「ランボルギーニカウンタック」はスーパーカーとしての凄みはあってもデザインは、ねえ。「フェラーリ308GTB」はなかったなあ。13階の窓から飛び降りてしまったのかなあ(謎)。国産車では「KPGC110」ことケンメリの「スカイライン2000GTR」が何台か来ていて仰天。197台しか作られなかったうちの何台かってことで値段を見て880万円とかでこれまた仰天。買えません。ってゆーか買う気ないし。欲しいのは1975年以前の排ガス規制前に作られたケンメリの2000GTのセダンかその前の箱スカって呼ばれる「スカイライン2000GT」のノーマルな奴。時速は80キロくらいしか出ないけど110psとかそんなもんのL20型エンジンを回して街を巡航する心地よさってのがあるんだよなあ、あの頃の車には。田舎に帰ったら買おう。田舎に引きこもれるだけの仕事を作らないと。

 会場を出てとことこと歩いて「ビクトリア号」に到着。意外に小さい。けど船底はけっこうボリュームがあって、甲板に開いた穴からのぞくと居住空間になってて結構奥深そう。昔はそこで奴隷がオールを太鼓に合わせて漕いでいた、ってガレー船じゃないんだからそんなことはありません。喫水線から上に出ている部分も結構あるからなのか天気が悪くて岸壁に波が打ち寄せていたからなのか、甲板に上がっていると結構下から突き上げるよーな感じがあって揺れる揺れる。これで外海とかに出ると揺れも激しくなって甲板の上にはまず立てず、部屋に入っても揺れで気持ちを悪くしそー。ましてやマストの上なんざあ上がれません。公開は25日までとかでそのあとは「愛・地球博」が開かれ地得る名古屋港へと向かうのかな? 帆船なんでやっぱり帆を広げているところがみたいけれど湾内でそれをやるとどこかに吹かれてしまうからやらないのかな。でも満帆は無理でも少しは張ってくれるかな。見物に行きたいなあ。

 「VELOCE」でひとしきり仕事を片づけた後で側にある「パナソニックセンター」でプラズマテレビをながめたらサッカーの日本代表が試合をしていた。しまった「キリンカップ」は昼間だったよ録画忘れてしまったよ。でも見ていて録画なんてする必要はなかったと実感。動いてねえ。後半の終盤こそ稲本潤一選手が後ろから前へと責め上がったりして人間に動きも出てきて右サイドからの責めに厚さが見られたけれど時すでに遅くガッチリと固められたペルーのディフェンス陣は崩せず。そんな中から5分も儲けられたロスタイム、別名「ジーコのラッキータイム」が今回ばかりは裏目に出てペルーのカウンターを喰らって1点を奪われそのままロスタイムに。南米予選を戦う代表に入ったこともないメンバーがほとんどの”3軍”を相手にホームで戦ってこの体たらくではベストを揃えたってオマーンdねおアウェーなんて勝てやしねえ、同点だって危ういって心配になったかとゆーともはやそんな次元を通り越して、2010年のワールドカップに阿部勇樹とかカレン・ロバートが活躍する姿が目に浮かんで楽しみになってしまっている。これを人は諦観と呼ぶ。まあそれだとあまりに刹那的なんで次のUAE戦を見るだけ見て判断を下すことにしよー。その時のフォワードが大黒選手鈴木選手であることを願いつつ。


【5月21日】 目覚めてまわし(支度)をしてサッカー女子日本代表の対ニュージーランド戦を見に西が丘サッカー場へ。到着すると既に長い行列が出来ていて「なでしこジャパン」の人気未だ衰えずってところを見せてくれる。JリーグのナビスコカップとJ2の試合が重なっていてそっちを応援する人たちが来られないってハンディはあったけど、親子連れとか女の子どうしのファンなんかが集まってきては席を埋めていって最終的には3400人とかが入って大盛況。女子サッカーを見に地下鉄の都営三田線で本蓮沼まで行く途中で応援に行きそーな人を見かけることってこれまであんまりなかったから浸透ぶりも伺える。

 それでも西が丘だったから一杯に見えただけで国立霞ヶ丘競技場だったらメインスタンドだけで収まる人数で、去年一昨年あたりのメインスタンドだけを開けた全日本女子サッカー選手権とそれほど変わってないと言えば言えそーで、あともう少し増えて欲しいって気もしないでもない。Jと重なっていなかったらどんな感じになったんだろう? 今度は是非に日程を重ねず国立で欧州の強豪なんかを招いて女子代表の試合を組んで頂きたいところ。それよりやっぱり女子のワールドカップ開催を実現して欲しいところ。お願いしますよキリン様アディダス様。

 けどあんまりスポンサーに依存するのも考え物? 別に場内で売られる飲料がキリンのビールと生茶と激流とほかキリンの製品になるのは構わないんだけど、選手たちが履くシューズが全部アディダスになっているのはちょっとやり過ぎって気もしないでもない。だって日テレ・ベレーザの澤穂希選手はリーグじゃナイキを履いてるし酒井與惠選手はプーマだし、川上直子選手はミズノのシューズを開幕の時には履いていた。それが3人ともそろってアディダス。他の選手もみんな新品のアディダス。種類はパティークだったりプレデターだったりするけれどアディダス以外は皆無。喜んで履いているんだったら別に構わないけれど、履き慣れていないシューズを履かされているんだとしたらそれはいくら応援だからって本末転倒。最高のパフォーマンスを発揮してもらってこそ商品価値も上がり応援する意味も生まれるって訳で、それを邪魔するよーなことはやっぱり避けてもらいたい。どーゆーやりとりがあったんだろう? サッカー週刊誌なりサッカー新聞の皆様方には真相究明をお願い。

 さて「モーニング娘。」からよっすぃーも来ていたらしー西が丘で始まった「なでしこジャパン」の試合は米国から帰ってきている山郷のぞみ選手を控えのゴールキーパーに置いたり高校生の宇津木瑠美選手と永里優季選手を起用したりと意外なセレクト。だけどこれがズバリと的中するあたりは大橋浩司監督、なかなかな巧者ぶりを披露してくれていてどこぞの同じ代表を率いる監督との違いを見せてくれる。1番若いのが24歳だったっけ25歳だったっけ。4年後がマジ心配だよなあ。明日のペルー戦も見て楽しい試合になるとはとても思えないよなあ。お陰でジェフユナイテッド市原・千葉はじっくりと熟成が出来るんだけど。ナビスコ勝利おめでとう。

挟まれても抜けだし冷静に押し込みゴール! このテクニックと落ち着きを男子にも分けてやって下さい澤様  とはいえやっぱり澤穂希選手に酒井與惠選手に川上直子選手は巧いし凄い。酒井選手は中盤の底に入ってボールを左右に散らして攻撃へとつなげピンチには体を張って相手を止める役目も果たして影の司令塔ぶりを存分に発揮。川上選手は左のサイドバックに入って幾度となく前戦へとオーバーラップしては得点につながるクロスを放り込む。そして澤選手。2得点はお見事だし永里選手の2点目は川上選手からのクロスを頭で後ろに流して永里選手に渡すアシストも。強いし巧いし速くって、このコンディションの良さがアテネでも発揮されていたらあるいはもう少し上まで行けたんじゃないか? って気にさせられる。だからこそ今、世界のトップレベルとの試合が見たいんだよなあ「なでしこジャパン」。

 後半途中から登場の大谷未央選手は絞れてスピードがあって流石はナンバーワンフォワード。今年はL・リーグでまだTASAKIペルーレを見ていなかったんで久々のプレーに未だ健在って所を確認。日テレ・ベレーザとの試合が楽しみだ。何時こっちで見られたっけ? 宮間あや選手も得点こそなかったもののスピードがあって巧いところを見せてうくれたんでこのまま代表に定着しそー。柳田美幸選手と酒井選手のボランチも宮本ともみ選手と酒井のペアに負けず絶妙なバランスだったし安藤梢選手に高橋彩子選手の浦和レッズレディース組も入って来ているだけにベレーザの小林弥生選手のなでしこ復帰ってのもヤバくなって来た感じ。試合にもずっと出てないし。けど時として放つ長距離のパスとかは大きな武器になるだけに是非にも故障を直してリーグで活躍して呼ばれて再びあの笑顔を見せて欲しいなあ。出産した宮本選手も是非に復帰を。あの長身は大きな武器です。

 そう言えば三田戦で見た、これから「なでしこジャパン」を見に行くって雰囲気全開で実際に見に来ていた中学生だか高校生だかの女子3人組が楽しそうに交換していたのが「愛・地球博」のマスコット、「モリゾー&キッコロ」のシールだかタオルだったのにやや吃驚。そこまで浸透して来ていたのか。去年の今頃だと名古屋あたりはともかく東京あたりじゃ誰も知らず気にもしていなかったのに。キャラクターってのは難しいなあ。あるいは女の子の感性って奴は。可愛いければ人気になるって訳じゃないみただし。女子高生女子中学生が鞄に「リロ&スティッチ」のまるで可愛くないエイリアンをぶら下げていたりする姿も最近になって見かけるし。可愛くなくてもオッケーってことはもしかしてチャンスか(何のだ?)。


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