縮刷版2003年6月中旬号


【6月20日】 だーいじょうぶ、だと思うもののやっぱり1発で決めてほしかったなあとサッカーのアジア女子選手権「日本代表vs北朝鮮」の結果を聞いてギリギリと歯がみ。これに勝っていれば2位以内確定ってことで2位まで与えられる「ワールドカップ」への出場を、男子にはるかに先だって決められたんだけど、中国と並んで競合の北朝鮮が相手ではこれまで0点ゲームで押さえてきたディフェンダーもキツければ、29点とか取ってきた攻撃陣も0封されて仕方がなかったのかも。アトランタで活躍している澤穂希選手を擁しても得点できないってゆーのは北朝鮮女子、なかなかなものだなあ。顔とかもやっぱり例の「美女軍団」並にすごいのかなあ。「サカマガ」「サカダイ」のリポートに期待。

 まあ、もーひとつの準決勝だった「中国代表vs韓国代表」は中国が順当勝ちしたよーで、もともと本来中国で開催予定だった関係で出場権を持っていた中国が2位以内に入ってしまった関係で、3位決定戦の勝者に今大会でのW杯出場権が回ってくることになったんで、ここは男子の轍を踏むことなしに、韓国代表を粉砕してはメキシコとのプレーオフに回ることなく出場を決めてほしいもの。だーいじょうぶ、だと思いたい。日本が「コンフェデレーションズカップ」でフランスとコロンビアに引き分けるなり勝つよりリアリティあるし。酒井與惠ちゃんは頑張っているかなあ。小林弥生選手は少しは細くなったかなあ。

 日本人でいることってもしかして、サッカーを見る上でとっても良いことなのかもしれないと文藝春秋から刊行された「ナンバープラス 欧州サッカーを愉しむ。総集編」に掲載されている杉山茂樹さんの文章なんかを読んで考える。「チャンピオンズリーグ総括 日本人のサッカー観を劇的に変えたもの」ってタイトルのその文章で杉山さんが言うのは、欧州には「チャンピオンズリーグ」ってゆー超一流のリーグがあって「ワールドカップ日韓大会」を経てサッカーに関する情報を増やし始めたメディアなりを介して、日本人がその存在を再認識してなおかつ繰り広げられるスペクタクルなサッカーに気づいたってことになる。

 もちろん質の問題から半ば妄信的に欧州サッカーを崇め奉る、そうそれはかつてカズ選手がイタリアに渡った時に誰もが「セリエA」を世界で最高峰のサッカーが繰り広げられている場所と認識してしまったこととはちょっと違って、世界には中田選手中村選手が活躍する「セリエA」もあるしベッカム選手や稲本選手、戸田選手がいる「プレミアシップ」もあったりするし、それから日本代表に日本の「Jリーグ」もあってそーした各国に散らばるレベルも様々なサッカーを、「日本と欧州との中間に位置するシベリアあたりの上空の衛星から、長短のレンズを使い分け、それぞれを均等に眺める感覚で『サッカー』と向き合う理想的な土台が完成した」と杉山さんは指摘する。

 思うにこれは日本人ならではの特権で、なるほど地元に「チャンピオンズリーグ」を持つ欧州の人がより高レベルなサッカーに触れられるじゃないかって意見はあるけれど、一方で欧州には100年とか続くクラブチームに対する地元サポーターなりティフォージなりの、熱狂的とも偏執的とも言える愛情があってサッカーを見る時もそれが何よりのベースにあって、次に”我が国”の代表が来るよーに思える。つまりいくら身近にハイレベルのサッカーがあるからと言って、スイスの上空あたりにある衛星から長短のレンズで均等に眺めるなんて欧州の人たちには、そしておそらくは南米の人たちにも不可能なよーな気がする。日本人だけが、地元に根ざすチームを持つ課程にあってそれすらも決して熱狂的とは(浦和レッズは別かもしれないが)言えない日本のサッカーファンだけが世界を相手に好きなものだけを見て好きなことを言える”自由”を持っているよーに思える。

 それが果たしてサッカーの味方として正統なものかは悩ましい。伝統のある国で行われているあのピリピリとした雰囲気、殺伐としたスタジアム、熱い応援に激しい罵倒の渦巻く中でひたすらに自分の贔屓チームだけを一生かけて追い続ける”喜び”を知らず終わってしまうことを、果たして喜んでいいものか迷う。悲しいことかもしれない。けれども同じ「ナンバープラス」に掲載されている、ロシア代表でレアル・ソシエダの選手として大活躍しているバレリー・カルピン選手へのインタビューを読むと、衛星から見下ろすなり空気に流されるなりする日本の根無し草的サッカー観も悪くないかもと思えて来るから面白い。

 「ワールドカップ日韓大会」で日本と同じグループに入って対戦もして結局は1次リーグ敗退の憂き目にあったロシアチームだけど、そんな日本での滞在もカルピン選手には決して悪い思いでばかりが残った訳ではないらしー。「……それにしても、日本には本当に驚いたなぁ。優しいんだよなぁ。もう、信じられないいんだよ! あの国の人たちは」ってインタビュアーに向かって話す言葉ににじむのは、日本で受けた歓待への感謝の気持ちばかり。その感動で一時は日本でのプレーも真剣に考えJリーグのクラブに非公式ながら打診もしたそーだから、よほど気に入ったと見える。

 「日本戦のときですら、試合前から拍手で迎えてくれて応援してくれたし、試合後もサインを求めてくる。もし、スペインで俺たちがスペイン代表と対戦していたら、とてもあんなふうにいかない」って言葉がそのままサッカーへの対応の仕方の違いを表すのか、それとももっと大きな国民性全体を示すものかは曖昧だけど、広く「サッカー」することを愛しすばらしい「サッカー」なら等しく賞賛し敬い讃える感情は、日本と欧州のサッカーをシベリア上空から衛星で見る感覚と密接につながっているよーに思える。仮に100年構想の果てに、欧州ばりに日本人が地元クラブをメインに考え強くなった代表を応援する文化なり風土なりメンタリティーを得て、世界のサッカー大国の仲間入りをする、その反面でこーゆーカルピンみたいな「ボニート(素晴らしい)」な体験を、来てくれる人に与えられなくなるのも寂しい話、だろー。欧州から“本物”のサッカーを見る目を得る一方で、カルピン選手や「ナノ・フットボール」のサイモン・クーパーを嬉しがらせた気質だけは、失わず育み膨らませていってほしいもの。「また日本でプレーしたいなあ」って選手が増えれば増えるほど、あの感動の「ワールドカップ」が日本にまた、再び、それも早々に、やって来ることに繋がるだろーから。

   「サイクルスポーツ」を買う。たぶん25年ぶり、かな、それとも10年ぶりくらいかも。とにかく久々に買ったのは7月からスタートする「ツール・ド・フランス」の観戦ハンドブックが付いていたからで、地図とか見所とか用語説明とか各チームのマシンの紹介とか選手の一覧とか記載されてて眺めているだけで気分は山間部を、田園を、パリの市街を突っ走るツールの面白さにとっぷりと浸かって来る。っても昔みたくNHKがフォローしてくれる訳でも、フジテレビが毎晩結果を伝えてくれる訳でもないのがつらいところで、「スカパー」も見られない環境ではネットでの情報だけが頼りになる。どこでどんな情報が出るかまだ調べてないけど、スタートする5日に向けてネットを漁って関連サイトをブックマークしまくろー。

 ペラペラっと見た各チームのマシンは22チーム中で12チームがカンパニョーロセットしている一方で、10チームも日本のシマノのたぶん「デュラエース」を搭載しているのが興味深く、その大昔にベルナール・イノーやグレッグ・レモンが活躍していた時代には考えられなかった国産コンポの台頭に、時代の変遷とそしてシマノの高い技術力を改めて思い知らされる。フレームにはさすがに国産のはないなあ。ピストだとナガサワとかあるんだけどなあ、ってかまだあるのかなあ。「サイクルスポーツ」本誌は「神保くんの峠越え」リポートが掲載されてなくって残念、ってそれは25年くらい前の話だぜ。

 でも今も大根マークの「ラバネロ」のタカムラ製作所とか神田にあるランドナーの「アルプス」とか、「つねさぶらう」って変な名前のミズタニの広告が載ってて懐かしいやらうれしいやら。名古屋だとやっぱり「カトーサイクル」か、「カトー」ちゃんマークも未だ健在だし。「コルナゴ」とか「デローザ」のフレームを見たのってここだったからなあ、まだ中学生だったなあ、戻りたいなあ、髪ふさふさしてたなあ。今はロードレーサーとかマウンテンバイクの広告がぎっしりだけど、アルプスとかタカムラとかニコーとかに出ている泥よけ付きのツーリング用「ランドナー」が個人的にはお気に入り。昔は渋さに敬遠したこともあったけど、今となってはオールドファッションなそのデザインといー、踏めばそれなりのスピードが出て峠だって越えられる機能といー、高齢になった身に恰好よく写るのです。組みたいなあ、クランクにチェンリングはTAでディレーラーはサンプレックスとかユーレーとかで、マファックのカンティブレーキの亀甲マッドガードが付きブルックスの大銅鋲サドルを乗せた渋い茶色のランドナーを。バーはやっぱり日東B135?


【6月19日】 ハーフタイムを抜けて「宇宙のステルヴィア」で最初の頃より縦に延びてる感じがしたしーぽんとか、前に突き出ているよーに見えた眼鏡たんとか観察しつつ元に戻って「日本代表vsニュージーランド代表」のこゆるい試合を眺めた後、「ガドガード」を経てチャンネルを違えて始まった同じ「FIFAコンフェデレーションズカップ」の「フランス代表vsコロンビア代表」を見て、もしかしてこれって録画でそれも3倍速で再生されてるんじゃないかと仰天する。あの長身長脚でもってピッチを駆け抜けるアンリにその周辺を駆け回るシセの2人の素早さもさることながら、そんな2人をあっとゆー間に取り囲んでは仕事をさせないコロンビアのディフェンスも目に鮮やかで、点数こそ入らなかったもののハイスペックな攻防を楽しむことができた、眠さに倒れるハーフタイムまでだけど。

 翻って日本が中盤も前線も大活躍できたニュージーランド戦は相手が前線からも中盤からもチェックに来ず、ディフェンスの受け渡しもまるでできていなかったからこその勝利であって、これが対フランス戦と同じコンディションで来たコロンビアだったら果たしてどーだったかと考える。あるいはそんなチェックの早いコロンビアの間隙をぬって突破しシュートを幾本も放ったフランスのフォワード陣を相手に日本代表のボランティに4バックがどこまで対抗できるかも。全員が赤くて角が生えてて3倍速のテンポで迫ってくる両チームが、残り2試合に控えている状況を見るに付け、初戦が楽勝だからといって大騒ぎするのは早計も早計、なんだけどそこは「スターシステム」が息づく日本だけあって、2点を取った中村俊輔選手を「見たかトゥルシェ」ってな具合に持ち上げ、「圧倒的だったと大久保」と大久保嘉人選手を取り上げ若天狗への道を歩ませかねない懸念がプンプンしてる。さて2試合、競合相手に戦う日本に果たして予選リーグ突破の目はあるのかな。朝に眠たい日が週末週明けまで続きます。午前は仕事しない。

 斜めに対象への好悪も込めてスポーツの世界を斬る内容が時に苦手意識を醸し出していた「サンケイスポーツ」終面のコラム「甘口辛口」だけどこの数日は続けて割に真っ当なことを真正面から書いていて、人が変わった訳では筆者名を見る限り違っているんでつまりは揶揄が本領ではないってことなのかもしれない。2003年6月19日付けは大阪府の太田房江知事が阪神タイガースの優勝で道頓堀に飛び込む人が増えるかもしれないから川を掃除しておきましょう、って言ったことに対して決して飛び込むことを太田さん自身も奨励はしていないしむしろ反対しているけれど、それでいてそーした行動をとってしまう辺りの脇の緩さを取り上げ、なおかつ例の大相撲大阪場所の度に土俵にあげろと言うことも絡めて、いかがなものかと論じている。

 「人気とりのにおいも強い」がまあ斜め入っているけど言い得て妙なだけにサッカーを小馬鹿にされた時のよーな憤りは起こらず割にすんなり耳に届く。あげつらう感じがないのが良いのかもしれない。それより目を見張ったのはそーした太田知事への批判で終始するんじゃなく、「ごく一握りとはいえ、川に飛び込むことでしか喜びを表現できないファンがいるというのも、困ったものである」と言って堂々と、おそらくは読者になり得るだろー阪神ファンの人に向けて堂々と批判を繰り広げている点で、前に長良川で催涙スプレーを撒いたファンについて書いた時にサッカーのサポーターの欧州での乱暴さを引き合いにして真似したと言い、警備の甘さを付いてもファンの資質を問題にしていなかったことと比べると、毅然としていてなかなかななもんだと感じさせられる。

 「そんなバカげたことをするから、阪神はいつまでもローカル球団から脱皮できない」と嘆く阪神ファンの言葉を紹介しつつ牽制しているのも、大上段から振り貸さすことなく左右を見させて我が振り直させる段取りが見えて面白い。昨日のローカルな大学から優秀なプロ野球選手が育ってきている話といー、一昨日の日本バレーボール協会で起こっているスタッフの入れ替えと強化に向けた取り組みぶりを紹介している話といー、スポーツのよりいっそうの振興に寄与するものとして、小さなコラムなんかじゃなくむしろ大きな記事でもって書かれてしかるべきだと思うけど、さすがにそこまではスポーツ新聞もジャーナルな感じにはなっていないから、小さくても書いてあることで今は納得するのが吉ってことで。別に同じフロアにいるからって何か言われた訳じゃないんで念のため。会ったことないし。向こうは認知すらしてないだろーし。

 T−REXのおっさんにインタビューに行ってエメリッヒのゴジラは駄目ってことで意見の一致を見て帰る品川駅のレコードショップで3月に出ていた相曽晴日さんのベストアルバムを今更ながらに発見して即購入、帰宅して聴いて感涙にむせぶ、やっぱり良いなあ、詞も声もメロディも、またライブ行きたくなっちゃったよ。ベストっぽいのは前にもキングレコードから出てはいたけどこれは「水彩画」も「ビルディング・グレイ」も「苺のかぜ」も入っているから買わない訳にはいかないんだよね、入ってなくても買うんだけど。聴くとあとみず谷なおきさんの漫画を読みたくなるのも相曽晴日さんの特徴か、ってこれは単に同時代的に浴びたことからの連想なんだろーけれど、みず谷さんの漫画に「晴日」ってキャラが出てたたってことも理由。ファンだったんだろーなー。晴日さんは今も歌声が聴けるのにみず谷さんは……時の重さひしひし。

 鬼才っすか、と裏表紙のあとがきの末尾にある言葉を見つつ高瀬彼方さんの角川スニーカー文庫から初登場の新刊「ディバイデッド・フロント1 隔離戦区の空の下」(629円)なんかをペラペラ。割に学園ラブコメディっぽいテイストのイラストにこれまでとちょっと違った境地へと踏み出したのかなと思ったら大間違いで、相変わらずに見かけによらないシビアでシリアスで残酷で冷酷な現実を作り上げていて、なのにそんな境遇を強気か脳天気か強靱さが無神経さで乗り切る登場人物たちのすごさを見せてくれている、よーに見えるけどまだ100ページも言ってないから評価は保留。パッと読みテイストは「デビルマンパレード・マーチ」って感じ? ともあれ順調に続きが出てほしいものです、シャイアさんの方もついでに。グレゴリー・ペックが死んだニュースに「魔女たちの邂逅」を思い出した人もきっと多かったに違いない、分けないか。

 やっぱり、って感じで聞いた映画「スチームボーイ」公開延期の報。っても別に業界から切迫した事情が伝わってきたってんじゃなく、間際になって完成が間に合わず公開が先延ばしになった前例がアニメーションの場合過去にあったってことで気持ちが慣れていたことと、そもそも「スチームボーイ」字体が今は死語となりつつある「デジタルエンジン」構想から生まれて幾星霜、延々と制作作業が続けられていた作品だってことが、ニュアンスとしては微笑にちょっぴり苦笑の混じった「やっぱりなあ」って感情を浮かび上がらせた要因だったりする。完成してたって1年とか悠々に公開までを待たされる「千年女優」とか「機動警察パトレイバー THE MOVIE 3」とかあったりした訳だから、今さら2年が3年公開が延びたってビクともしないもん。「スチームボーイ DETH&RIBIRTH」とかってタイトルで完成しているところまで公開されても迷惑なんで、今は頑張って完成にこぎ着けてやってくださいな。それにしても大友克洋さんが呻吟している間に「パーフェクトブルー」に「千年女優」に「東京ゴッドファーザーズ」の劇場3本を完成させてしまう今敏監督って偉大かも。これを「スチームボーイ」の公開枠に押し込めば全国ロードショーで大ヒット、なのになあ。


【6月18日】 「マルドゥック・スクランブル」が「マル得! スクランブル」だったらバロットももーちょっと明るいキャラになったかも、とか思ったのはそれとしてあの高密度文章に負けず劣らず中身濃厚な浅井ラボさん「されど罪人は踊る2 灰よ、竜に告げよ」(角川スニーカー文庫、648円)は1巻で繰り広げられた衝撃の剣劇&化学反応魔術合戦が健在な上に騙し偽り裏を読み奥を抉る複雑怪奇な”政治”がやっぱり話に組み入れられていて、表でのキャラたちのバトルに加えてそーしたキャラたちが立たされている状況への興味をかき立てられて、濃厚で高密度で高速な展開ながらもぐいぐいぐいとページを繰らされる。

 老獪で大局的で冷酷無比な”政治”を相手にするだけでも大変なのにガユスとギギナの攻性咒式士の2人組、今回は異世界から現れた強力無比な悪魔ってゆーか魔人ってゆーかカーズにワムウにエシディシってゆーか、まあそんな超越的存在のヤナン・ガランにアムプーラって両「大禍つ式」を相手に非力な人間ごときで立ち向かわなければならない場面があって、相手の「無駄無駄無駄無駄無駄ぁっ!」って声も聞こえて来そーな中をギギナのパワーにガユスの頭脳を組み合わせ、挑む展開がとにかくワクワクとさせられる。ジョジョほど小ずるくはないんだけどね。そんな「大禍つ式」すら使う人間すら掌で踊らせる”政治”の恐ろしさにはただただ嘆息。主役2人がそれに今後どー立ち向かっていくのかそれともいけないのか、注視してシリーズの行方を追いたい。

 「代々木代二体育館」ってゆーから言ったら「関東大学バスケットボール新人戦」だか何かを開催中でそっち見てもいーかも、とか迷ったもののそれも難しいんで電話で入り口を聞いて「ジュラシック・パーク インスティテュート・ツアー」の製作発表会見を聞く。映画「ジュラシック・パーク」に登場する研究所さながらにラプトルが孵卵器で孵化させられてたりステゴザウルスが点滴治療を受けていたりする場面がセットと模型で再現されている中をめぐって雰囲気を味わいつつ遺伝子って何? 恐竜ってどう? ってなことを学ぶ一種のアトラクションで、リアルに造形された機械仕掛けの動く恐竜だとか有名なティラノサウルスの化石なんかも見物できて、恐竜好きな人ならとりあえず眺めておいて悪くはなさそー、1時間弱で2500円は映画に比べるとちょい高目、だけどテーマパークと思えばこんなものか、どーなのか。

 冠スポンサーに「ウェンディーズ」を経営しているゼンショーって会社が入ってて、フードコーナーなんかも提供しているよーで「恐竜バーガー」とか売ってくれるのかな、とか期待。この会社はほかに「すき家」も経営してて店も出すみたいなんでこっちでは「ハーブチーズプテラノ丼(実は鶏丼)」が出されることを期待したい。グッズ売り場もあるそーで頭骨の半分サイズの模型が売られるとかどーとか話があるけど詳細は全然不明なんでこれも行って見て確認しよー。「モーニング娘。」グッズはないみたい、ってそれは去年の幕張の「大恐竜博」だった。「チョコラサウルス」の限定版とかは出ないのかな、ってか「チョコラサウルス」って今も商品として残っているのかな、1年で食玩ってラインアップががらりと変わるからなー、海洋堂のご機嫌とかいろいろ多面的な要素も絡んで。

 会見で面白かったのはボブ・バーガーって古生物学者が出てきて演説を始めた時で、喋った英語に通訳の人が日本語を入れている途中で再びしゃべり出してそれに通訳を入れる流れがまるで、トルシェの演説を同時通訳的に日本語にしていくダバディを思い出させて面白かった。何でもおっさん、家で「ゴジラ」を見たのが恐竜研究に進むきっかけになったそーで、ただのリップサービスかもしれないけれど日本人的な自慢の気持ちをくすぐる言葉で良いプロモーションになったかも。あと中国で発掘されたばかりとかゆー「マイクロラプトル」の化石をもって来て披露してみせたのも会見に色を添えて関心を惹いた可能性もあって、フジテレビジョンが割に本気でPRなんかもしている状況もあって値段を越えてそれなりに、参加人数を集めることになるかもしれない。イベントを証券化して小口にして売るファンド、買っておけばよかったかな。

 帰宅してちょっとだけ寝てサッカー「FIFAコンフェデレーションズカップ」の「日本vsニュージーランド戦」。見ていて安心なのは鹿島アントラーズの選手が1人も出ていないせいなのか、それとも相手が弱いからなのか。と言っても前線で動き回る割に大久保選手は切り返してばっかりで囲まれシュートにもパスにも持ち込めず、高原選手はヘッドが当たる割にゴールへと向かわずフォワードとしての”得点力不足”は未だ解消されず。もっともそーした2人の動きをフォローしてつっこむ中田中村ら中盤が、きっちり点を取ったところを見ると点を取るばかりがフォワードの仕事じゃない、って”トゥルシェイズム”が今もきっちり生きている、って言えるのかもとトゥルシェビキは思うのです。スタンドから見てきっとニンマリしていたかも。中継のTBSは余計な盛り上げも過剰なひいきもなく淡々としていて「やればできるじゃん」って感じ。これがゴールデンになるととたんにど派手になるからなー、高原選手なんてきっと「ドイツ帰りのタートルヘッド」なんてニックネーム、付けられただろーなー、後頭部のでっぱりが中でひっかかり良さそうで、って中ってどこよ?


【6月17日】 あの両に「E2−Cホークアイ」のレーダーよろしく突き出た円盤の形状から見るにあるいは人間ではないのかも、なんて妄想していたけどもしかしたら本当にそーだったのかもしれないと思った「LASTEXIE」。タチアナのあまりに杓子定規でゴーマンな態度にブチ切れてしまったアリスティアが前に優しくされてホの字(死語)になったクラウスのナビに収まるってゆー修羅場もあったり、帰艦したアレックス・ロウに近寄り一緒に乗ったエレベーターで揺れを利用してソフィアがしなだれかかる濡れ場もあったりと、人間関係でいろいろ発展のあった回だけどやっぱり最後に描かれた、ディーオの言葉に回路が入ったか光り出したアルヴィスの姿にはやっぱり驚かされた。

 飛行服を着たアリスの女性っぽい体のラインのなめまかしさにはグッと来るものがあったし、ブランコに乗ったアルを下から煽って正面から押さえた関係でスカート奥がのぞけーになって官能をそそられたシーンも素晴らしかったけど、泣く子と光るアルにはどんなテコ入れシーンもかすんでしまう。いったい彼女は何なんだ。しゃべった言葉は残されていた最後のピースなのか。4つの言葉を覚え切れない頭の悪さには辟易させられるけど、幸いにしてすべて録画してあるんで見返してつなげて考えてみよー。それでもわからないなら暇を見つけて最初っからすべての話数を見直して、どーゆー世界がほの見えていたのか、気象に異状が見られ始めたプレステールの位置づけは、ってな謎のヒントを探してみよー。捨てられて悩むタチアナの自暴自棄になるかあるいは誰かにすがるかして変わっていく、かもしれない展開にも興味。「かわいくなっちゃって」とか言われるのかな、整備士軍団に。

 虎ノ門でドラガン・ストイコビッチに似た外国人ってゆーか外国人だからストイコビッチに見えてしまうんだか悩ましい外国人に取材をしてから電車を乗り継ぎ品川へ。ダイキン工業が数年前からエアコンのキャラクターに使って微妙にじんわりと人気を高めつつあった「ぴちょんくん」を今度、大々的にキャラクター関連商品としてライセンス展開するって発表があったんでのぞいてみる。企業のキャラってゆーと最近では例の「NOVAうさぎ」とかアイフルの「くぅーちゃん」が話題になっていたりするけれど、宣伝の数ではまるで少ないにも関わらず不思議な面もちが女性の心をくすぐるのか、それとも人間の疲れ果てた心を癒すのか、大した宣伝もないのに「ぴちょんくん」はほとんど口コミレベルで広まっていて、会見なんかでも司会の中井美穂さんの事務所だかの人が非売品のストラップをどこからか手に入れて付けていたりするそーで、そんな下で燻り続けて来た火をよーやくやっとパッパと燃やしてみよーかってことになったらしー。

狭い場所で踊ったり回ったりで中の人も大変だ、中に人なんていないけど  遅れて到着するとすでに会見が始まってたんで着席せずに後ろに並べられてあったいろいろな商品を手にとって吟味。CDについては聴けないんで後に置くとしてタイトーが繰り出してきたキャッチャー用のぬいぐるみは大きさこそ普通ながらも手触りが抜群で表情も3種類ばかりあってなかなかな愛くるしさ、顔ふきにしたくなったけどしたらファンに恨まれるからやらないのが吉でしょー。セガトイズの小さな器に入った「ぴちょんくん」が上下にふわふわ動く玩具は同じのが「NOVAうさぎに」でも出るみたいなんで競争しそー。先行「NOVAうさぎ」が爆発的な人気の後で一気に陳腐化してしまった来年とか再来年あたりで地道に人気を維持して来た「ぴちょんくん」が亀的に追い抜くって構図かな。

 アニメやコミックからのキャラクターにしてもこーしてCMからブレイクするキャラクターにしても、ブーム化してからたどる道筋はおんなじで、今流行っているからと群がり買ったは良いものの、その反動が出て逆に持っていることが恥ずかしく思えて来てしまってあとはジェットコースターのよーに人気は下がり、店頭に積まれ誇りをかぶっている姿がさらに哀れみを誘って「あのキャラは今」的な材料にされてしまう。思い出すでしょ「だんご三兄弟」のぬいぐるみが一山いくらで売られていたあの寂しさを。だから今回の「ぴちょんくん」の大フィーチャーもある意味諸刃の剣で、一気に知名度が上がり話題にされメディアで散々っぱら消化された後に浮かび上がる使い古されてしまったよーな雰囲気を、起こさないかあるいは起こったとしてもそれを上回る定着した支持を人気のあるうちに固めて置く必要がありそー。

 その点で言えばライセンスをしたといってもプライズ類はタイトーで玩具はセガトイズ、音楽はユニバーサルミュージックで菓子はノーベル製菓、ガチャはユージンといった程度に広がりを押さえていて、それぞれの分野でメインってよりはこっそりと、だけど確実に広めて行きましょうってことになっているみたい。後はメディアが大騒ぎして喰らい尽くさなければ大丈夫、かも。これで記者会見に中山美穂さんでも出てきたらスポーツ新聞がワッと群がって大々的に取り上げて、超有名にしたあげくにあっさり見捨てて「死語の世界」へと叩き送ってしまうんだけど、同じ美穂でも中井さんだから逆に馴染み深さ親しみ安さをキャラクターに感じさせ、見た人の気持ちをほんわかとさせつつ長い支持へとつなげていくのかも。まずはお手並み拝見といったところか。

 それにしても圧巻だったのは音楽のお披露目となった場面。1つくらいは着ぐるみの「ぴちょんくん」が出てきて中井さんと握手でもするのかなー、なんて思っていたらとんでもないことに巨大な「ぴちょんくん」が実に7体も登場しては狭いステージ前に横一線に並んで、どこか脳天気にテクノした音楽に合わせて動き踊り出したから驚いたのなんの。巨大な頭がバランスの悪さにつながったのか足下をフラつかせる「ぴちょんくん」あり、後ろ向きになって戻ってこれない「ぴちょんくん」ありと7体それぞれに違うところを見せてくれて、観察していて楽しめた。軽やかに足をあげて踊るやつもいたけど、地球の重力に慣れていたのかな、ってゆーか「ぴちょんくん」でどこの生まれなんだ、いったい。


【6月16日】 柳田理科雄先生におかれましては人が空中を100メートルも移動する際にどれだけのエネルギーが必要なのかを瞬時に計算して導き出した上で「不可能」の烙印をきっちり押してくれるだろーと思うけど、そこは妄想科学の闊歩する現代エンターテインメント業界だけに可能性として毛程でもいーからあってなおかつ面白ければ、オッケーってことなんだろーと上遠野浩平さんのミステリー風新刊「しずるさんと偏屈な死者たち」(富士見ミステリー文庫、540円)なんかを読みながら深く考えさせられる。ってかそれ以上に現在の常識的な科学に思考の範囲では不可能な物体すら現出させてしまっている辺りを見るにつけ、ミステリーはミステリーでも最近流行の妄想科学系ミステリーだったんだと気づいたりもする。

 これなら「犯人は宇宙人です。なぜならこの地球に人が存在するよーに宇宙にも宇宙人が存在しる可能性はそれこそ星の数ほどあるのです」と言っても通用しそーだけど、科学は認めても宇宙は認めない「デ・ジ・キャラットにょ」に登場する銭湯のご主人にも匹敵する目線の脇など気にせず一直線ってなタイプの人なんだろー、しずるさんって人は。それでも「幽霊犬」と「吊られた男」の2編に関しては御手洗潔も真っ青になる驚天動地のトリック明かしを見せるでもなくロジカルに明晰に事件を解き明かしているから、突き抜けて莫迦ミステリーってことでもなさそー。その辺は死の恐怖に怯え悩み惑うしずるさんのマイナスのエネルギーが溜まり爆発するかしないかで変わって来るのかも。もっと追いつめた上で派手な事件に挑ませてやって頂きたいもの。それで頭握りつぶされちゃ適わないけど。

 まあそりゃ「冒涜してますっ!」なんて怒られると「そんなに神聖なものなのかい?」と言ってからかってやりたくもなるけど、そーしたいささか情緒の立った反応は別にしても昨今の週刊誌上を騒がせている「新体操の元女王ヌード」に対して日本体操協会が反発したくなる気持ちは分からないでもない。だってそもそも「看板に偽りだらけ」なこの一件、高校時代に団体優勝はしていても正選手ではなかったとゆー経歴をもって「女王」だなんて喧伝するのはJAROって何JARO的な羊頭狗肉で、それを堂々とやって恥ずかしいと思わない、なおかつ1誌の抜きならまだしも3誌がそろっての掲載だなんってみっともないったりゃありゃしない。それほどまでして稼ぎたいの? ってゆー憐憫を体操協会が向ければちょっと面白いことになったかもしれない。

 それはそれとして仮に本当の元女王であったとしても、週刊誌でヌード姿で出ることに対して同じ新体操を志し頑張っている人たちにとっては悲しむべき話であって、そーした人たちを束ねる協会が「冒涜」は言い過ぎにしても「軽蔑」されたと言って抗議することに何の不思議も違和感もない。問題は、例の斜めからスポーツ界に苦言を呈するサンケイスポーツの終面に掲載のコラム「甘口辛口」が、体操協会の抗議を「そんなに目くじらをたてることなのだろうか」と言っている点で、真剣にスポーツに打ち込みその世界で頑張ろうとしている人たちが軽蔑されかねない行為に対し、スポーツすること、スポーツする人たちへのリスペクトを高めることを旨として日々取材にあたっているはずのスポーツ新聞の人が、こともあろーにスポーツへの敬意が汚されかねない行為を是認しているのが不思議でならない。

 ってか実を言うならちっとも不思議ではなくって、平生の報道の仕方なんかを見るにつけスポーツすること、スポーツする人の敬意を記事として書き雰囲気として遍く広めてスポーツの振興を図ろうってんじゃなく、スター選手への関心を下世話なものも含めて並べて歓心を買おうとするワイドショー的な記事が、スポーツ新聞の芸能面だけじゃなく1面から終面から中面までのすべてを埋め尽くしている、その中心にいる人たちがワイドショー的な視点でもって作られた「新体操の元女王ヌード」を讃えるに何の違和感もあるはずがない。スポーツ界の味方だと思っていたスポーツ新聞が実は邪(よこしま)な目線への協賛者だった、なんてことは今さら言うまでもないこと。もちろんその先には、そーした目線の記事を求める読者が世間の大半を占めていることがあるんだけど。

 「新体操がそれほど気高いスポーツなら日ごろから『ヌードになんか、なってはいけない』と教育すればいい」とまで書いているのはまさしくワイドショー的スピリッツをスポーツ新聞が持ち合わせている事の証明で、その根底にはスポーツが例え今は持っていなくてもいずれは持ち得たいと願っている「気高さ」への真っ向からの否定があるよーに思える。ちなみに筆者は前に阪神ファンのスプレー噴射事件をサッカーの悪い応援を真似たんだと書いた人。野球への冒涜と球団が嘆いたら「スプレーなんか噴射してはいけない」と教育しなかったから悪いと言うのかな。元ラグビー選手が「自分の打ち込んできた特技を生かすのは自由」だからと鍛え上げられた肉体を駆使してAV男優になってビデオで裸身を見せて、それにラグビー協会が抗議しても同じ事を言うのかな。もしかして言うかもしれないんだけどね。

 ジーコへの大批判でも載っているかと期待して読んだ「AERA」2003年6月23日号の記事「コンフェデ杯に臨む日本代表 ジーコ批判封切られるか」の記事だけどそこは世のさまざまる見解を集め並べて風潮にして提示する手腕に長けた「AERA」だけあって、後藤健生さんやセルジオ越後さんといった比較的一家言ある評論家の人の「そろそろヤバいかも」ってな意見を引っ張って並べて議論の必要性は説きつつも、主体的なジーコ批判の論陣を張るには全然至っていない。おそらくは批判できない最大の要因となっているジーコの上にいる人への気兼ねがスポーツマスコミ界を漂っていることを示唆はしているけれど、具体的にどー批判したらどー虐められたかを書いてなくって、反発していく材料になり得ていない。まあそれでもセルジオ越後さんに「ハネムーンはもう終わり。高い給料に見合う結果を出したかどうか、精算の時」と言わせているんで今週に始まる「コンフェデ杯」の結果を見つつ、セルジオさんと後藤さんと「AERA」がどう動くかに注目しよー。潮智史編集委員がどーするかは知らないけれど。記事でもどーとも言ってないし(むしろ擁護かな)。


【6月15日】 負け惜しみで言えば相手を選んでこその王者って奴で、南米の王者を相手にした「トヨタカップ」での対オリンピア戦の場合ですら、若干のミスマッチ感があったもののそこは堅守で鳴るオリンピアのタバレッリのセービングとかトップに立ったフォワードの頑張りとかで圧倒的な虐殺にはならないギリギリの線で踏みとどまって、レアル・マドリッドの良さが発揮されたそれなりに見られる試合になった。

 これがJリーグで優勝争いをしている訳でもないFC東京の場合だったら、一方的な試合になってスターは見られて楽しいもののサッカーとしてはどうだ、って内容になりかねないとも限らないだけに、今日から発売が始まった「FC東京vsレアル・マドリッド」の試合をSS席で1万円とかゆー大枚はたいて見に行く価値があるのか悩ましい所。シーズン前の8月の死ぬほど暑い時期に絶好調でもないパフォーマンスを見せられて喜んでいちゃー、良いカモだと思われボられるのが落ちなんでここは引いて遠くより試合の成り行きを見守るだけに留めよう。次の売りだしでゲットできなかっただけど(結局行くのか)。

 ニコルさんは鎌倉ハムだったっけ、丸大ハムだったっけ、ハムの宣伝なんてしてなかったっけ、それよりC.W.ニコルだなんてネタを健全な子供の人が分かるんだっけ、ってな疑問はこれありだけどいい歳をした大人にはむしろどーしてあーいった所で突然ニコルさんのモドキを出して来たのか、その発想の原点を是非に知りたいと思った6月15日放映の「デ・ジ・キャラットにょ」の後半パート。ハムのCMでも昔撮ったビデオの山から見つけてその語感に引かれ出してしまったのかな。ラストはそれなりに綺麗に賑やかなまま終わって良い話、でした。

 前半の神社へお参りに行く話は途中の「甘えん坊」のエピソードが伏線になってラストのスペクタクル(そんな体操なもんじゃねー)へと結びついた上に新登場(「にょ」ではだけど)のまじんがっぱの活躍へも繋がっていて脚本の妙に関心する。爽やかな話しでした。それにしても甘えん坊、甘えて誰かの家に転がり込んでいたと思ったら1人であんな所に澄んでいたなんて。甘えるだけじゃー世の中渡っていけないって教訓かも。

 気力を振り絞って池袋で開かれた「ラグフェス3」とやらまで取材におもむく。例の韓国渡来の人気オンラインゲーム「ラグナロクオンライン」に関連した同人イベントって言えば正しいんだけどオンリーイベントとは言えホールの1フロアを奥までギッシリと使った巨大なオンリーへと発展していて隣りと上で開催していた「サンシャインクリエイション」ほどの規模はないけれど、中の密度だったら存分に太刀打ちできたくらいにギッシリと来場者もサークルも詰まってて、「ラグナロク」人気の一端が伺えた。手にスライムもどきの丸い奴(ゲマではないゲマ)を持った人とかいたけどあれは人気のキャラなんだろーか。

 同じ奴を「ヤフーBB」のラグナロク特性バージョン(箱だけ)を配っているブースのお姉さんも持っていたけどあれが欲しいがために入る人もいたりして、そーしたマニアココロに訴える方法で地道にだけど確実に、伸ばして言った方が「ヤフー」的にも効率が良いんじゃないって思えて来る。道ばたで配ったってそろそろ誰も見向きしないもんなー。もっぱら全体写真を撮る方に専念してブースとか企画とかは見ず、新進士さんって聞いたことある名前の人のイベントが始まる時間はとてもじゃないけど待てないんで適当に切り上げ引き上げる途中で「ジュンク堂」へと寄って新刊なんかを仕入れる。既に10日は前に出ていたゆうきまさみさんの「鉄腕バーディー」(小学館)を読んでなるほどお話のベーシックな部分は原形をなぞってはあるけれど、事態へと至るプロセスが結構入り組んでいて奥深くなっていて、長期連載を練らうならではのお話の説得力を高めようって節が見て取れる。前なんて近所に出たところで巻き込まれて一身同体になって、けれどもパビくらず柔軟に受け入れてしまったからなー、千川つとむ。

 あのゆうきさんの作品ならではのお気楽さが前のバージョンの味でもあったんだけどリメイク盤はそればっかりだと逆に深みが出ないって考えたのか、人間ドラマを設定からしてしっかりと構築する方を優先させることにしたのかも。でもゴメス相手に「宇宙から来た正義の味方だ」と言って颯爽を逃げ出していくあのお気楽さももー少しは入れ込んで欲しいなあ。バーディーの衣装の素肌の露出はそれほど変わってないのかもしれないけれど形が違うんであんまり出ているよーに見えないのも残念。ってか尻をもっと。ついでなんで前のバージョンも同じサイズで復刻ん時に入ってなかったエピソード込みで復刊願いたいもの。やっぱり出てこないんだよ前の単行本が読みたい時に鍵って絶対に。

 そーか犯人はフリッツ・フォン・エリックでもバロン・フォン・ラシクでもキラー・カール・クラップでもデビッドやケビンやケリーといったエリック・ジュニアたちでもなかったんだと安心、して果たして良いのかどーか激しく頭をかきむしっていたらなるほどそれもありかもと、やっぱり思えなかった上遠野浩平さんの新シリーズ「しずるさんと偏屈な死者たち」(富士見ミステリー文庫、540円)所収の第一話「しずるさんと唐傘小僧」。山で見つかった遺体の片方の足がもげ両腕の手の平が頭皮に食い込み片方の目を指が貫いていたって状態が「唐傘小僧」に似ていたって猟奇事件の真相の、その驚天動地なことといったらおよそ人間の可能性の限界ってものを認めるに難しいことを強く思い知らされる。けどまあ世界には手で林檎ジュースを作るエリック一家を始めかくも大勢のクロー野郎がいるんだから、やっぱりこーゆー解決もあって大丈夫なのかも……しれない……かも。


【6月14日】 電源を入れてもなかなかハードディスクが回転し始めない奇病に冒されてそろそろ数ヶ月って所で、かといって電源を落とさずスリープ状態にしても自然とハードディスクに電源が回らなくなるのか画面が落ちてしまう症状も続いていて、最近は酷いと30分くらい電源を入れては消して入れては消しを続けたりすることもあって、いざって時にパソコンが立ち上がらず困ったことになりかかって来ていて何とかしなくてはと思い、使っているシャープのメビウス「MURAMASA PC−MT1−H5」を近くドック入りさせることに決定。その間に使えるパソコンを仕入れるべくあちらこちらのパソコンショップを回って商品を見物する。

 まあ別に何でも良かったんだけど前に予備とか買ってあった電源コードがそのまま使えて会社と家との移動が楽な同じタイプのメビウスの「MURAMASA」の同じデザインで形だけ前のがあったらそいつにしよーと思って探したものの、超古い(といっても使っている奴よりは1世代だけ新しい)タイプのUSBが1.1しか付いてないものしかなかったり、逆に最新型の23万円とかする奴しかなかったりで困る。PCカード型のUSB2.0を持っているから別に1.1の奴でも問題はなかったんだけど、どーせだったら楽して使える2.0が付いている奴が欲しかったんでいろいろあれこれ散策して、揚げ句に池袋の「ビッグカメラ」でセレロンを使った「PC−MT2−S3」って奴を発見、ってゆーか機能も見かけてはいたんだけど、14万8000円とゆー値段に他ならまだ安くなるかなと保留しておいたそれが、今日は一気に11万8000円まで下がっていたんで迷わず即決して購入する。機能見送って良かったよ。

 ラップトップのフタを開けるとキーボードがうにょんと上がってくる構造が、発売当初から結構話題になったシャープの「MURAMASA」シリーズ、使ってみるとキーボードのピッチはもちろんそれなりの深さのあるストロークが手にマッチして、結構な使い心地を感じていたんだけど、そのスタイリッシュさのどこかに問題でもあったのか、最新の「2003−5」のカタログからは最上位機種だった「PC−MT2−F1」って奴も落ちてしまっていて、モバイル系のMURAMASAのラインはより薄型でクレードルがついた「PC−MM」シリーズと、ドライブが内蔵されてちょっと分厚い「PC−MV」シリーズに集約されてしまったみたい。電源の不具合とかが恒常的に発生したのか、回るファンの煩さに辟易する人が多かったのかは分からないけど、性能的には十二分でデザイン面ではなかなかな名機だったんでこれで消えるのはちょっと勿体ないかも。気になる人は高いのでも安いのでも出回っている内に拾っておくのが良いでしょー。ネットだと10万円切ってるショップもあるみたいだし。

 途中の道中を川上稔さんの新シリーズ「終わりのクロニクル1 上」(電撃文庫、670円)なんか読みながら行ったり来たり。1とついて上ってあたりに「都市シリーズ」をも上回るシリーズとしての長大化の可能性が漂っているけれど、何しろ10種類とかあったらしー異次元をすべてうち滅ぼして唯一生き残った主人公たちの暮らす宇宙が、さらなるピンチに見舞われていてこれまでに滅ぼした10種類あった世界のうちの大半を、説得して行かなきゃいけないって壮大な設定があったりするんで、それをひとつひとつこなしていくだけで何巻何十巻と行っても不思議はない。

 となると気になるのはそーした展開が時に冗長さを招くって点だけど、この「終わりのクロニクル」に関して言えばいきなりそーした世界の成り立ちを知り巻き込まれた少年が、別に慌てることもなく「逃げちゃだめだ」を1万回繰り返しながら部屋でひざを抱えてうずくまっていることももちろんなく、生来の性格か家族の仕込みか冷静沈着に状況を判断し唐突なSF的シチュエーションを納得した上で、むしろ待ってましたよこれで本気が出せますよってな具合に事態へと身を積極的に投じる展開の、ちょっとした意外感と立ちまくりのキャラクターのインパクト抜群な存在感が読む手を休めさせずにぐいぐいと物語へと読む人を引きずり込んで話さない。結構分厚いのに先が読みたいと思ったし、読み終えて早く続きが読みたいと思ったくらいだからなー、来月に「下」が出るってんでそれが楽しみ、だけど次に「2の上」とか出るんだろー、先は長いか、やっぱ。

 多元世界どうしの争い、ってあたりはどーなんだろー、SFとかじゃー別に珍しくもない設定なんだけど読む人によっては「ガンパレードマーチ」とか想定してしまうのかな、妙に居丈高な少年とか、和風な設定が盛り込まれている点とか少年少女が部隊を作って戦闘に臨むとかって辺りも含めてそーした意見も出そー。けど実は未だ「ガンパレ」やったことのない人間には全然関係なくってむしろ、概念によって規定される世界の成り立ちの面白さ、って部分で言葉が世界を形作る話をゴマンと書いた、神林長平さん的な世界との関わりなんかも想像してしまった。まあ神林さんほど設定の探求に端っておらずひとつの条件として使った上で世界の形やキャラクターたちの行動、心理を物語りとして描く方が中心だから印象はまるで違うんで、神林さん苦手って人でも安心して読んで楽しめる。

 祖父が元総会屋で性格は見かけ尊大で中身は割に繊細で、悪役としてあらゆる勢力のネガティブな視線を一身に受けることを厭わず世界を脅かす敵に挑む少年・佐山の言動の格好良さが抜群で、冒頭から繰り出されるドジっ子教師のリール・大樹との言葉おバトルなんかだけでも相当にキてるなあって感じさせられるけれど、キャラクターではやっぱり大城至が手足として使う、実直で勤勉でおまけに強い戦闘メイドのSfって少女に注目したいところ。見かけもさることながらご主人様の理不尽さを耐えるってゆーより半ばいなしつつご奉仕するその言動と、そして戦闘の場面で見せる強さに世のメイド好きが注目を寄せない筈がない。いずれきっと全日本戦闘メイド選手権に出ては「ブラックラグーン」の殺したって死なないコロンビアのターミネーター・メイドの猟犬ロベルタや、「まほろまてぃっく」のまほろさんと、くんずほぐれつのバトルロイヤルを演じてくれることだろー。下から彼女を見上げた新庄(これもなかなかの美少女、ってゆーかさとやすさん描くイラストが美少女過ぎなのかも)がそのスカートの奥だかに見た”大人”が何なのか僕も知りたい。絵にしてくれー。

 ビジュアルだけなら負けてはいない「撲殺天使ドクロちゃん」(おかゆまさき、電撃文庫、510円)に登場の、少年を守る為に未来から引き出しを抜けて来たどらやきが好物とかゆー美少女天使のドクロちゃん。手にしたトゲ付きバット「エスカリボルグ」で相手の頭蓋骨を粉砕し脳漿を飛び散らせてはその度に「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー」って呪文で持って生き返らせるとゆー、本筋にはまるで意味がないけどシチュエーションとして面白い行動を繰り返す彼女だけど割に羞恥心に乏しいのか主人公の少年にそのドクロ入りの白三角をヘソまで含めてモロ見せしてる場面がイラストともども描かれていて目に福の到来と感涙にむせぶ。

 彼女の少年を守る動機の妙さに撲殺場面のスプラッタぶりがまるで本筋とは無関係な部分が微妙ではあるけど美少女がそんなイケナイ行為を平気でするってシーンの凄さに不思議に気を惹かれ、自分もそんなことをヤられてみたいと思う気持ちを喚起させてしまう辺りに、数ある新人たちの中から編集の人の関心を集め賛否両論の中で文庫の発行まで決まってしまう秘密があったのかも。ドクロちゃんを追ってきたサバトちゃんの役に立ってなさもぽけぽけとして楽しさアップ。そんなキャラの出し入れぶりは阿智太郎さんに通じる所があるかも。若くしてフォロワーを生むまでに至ったか阿智太郎さん。ともあれ異常で微妙だけどでも絶妙なスプラッタラブコメの「撲殺天使ドクロちゃん」。巻数とか書いてないけど、続くのか?


【6月13日】 サッカーの応援でとくに外国なんかの優勝がかかっているとか同じ街を2分するダービーマッチとかでスタンドで焚かれている発煙筒がピッチに落とされるケースがない訳じゃあないけれど、そんな試合がテレビで放映されるなんて滅多にある訳じゃなくあっても真夜中とかいった時間帯でとてもじゃないけど普通の人は見られないし見もしない。ましてや野球が大好きってな人たちがそんな番組を積極的に見るとも思えず、従ってサッカーでごくたまにある現象に刺激されて真似するなんてことが、あって可能性としてどれくらなのかを考えるのも間抜けっぽい。

 「サンケイスポーツ」の最終面に毎日載ってる「甘口辛口」はそれなりに一家言を持った記者の人がスポーツ界に起こった現象についてあれこれ苦言提言を述べるコラムなんだけど、2003年6月12号の最終28面に掲載された分は、阪神タイガースと中日ドラゴンズの6月11日の試合で起こった痴漢避けスプレー噴射事件を取り上げて、「外国のサッカーではスタンドから発煙筒などが投げ込まれて、騒然となる光景が見られる。テレビでそんなシーンを見すぎて、まねしてやろうとした大バカ者の仕業かもしれない」なんて書いていやがって、いかにもサッカーの応援の悪い部分が”神聖なる”野球に影響を与えたってニュアンスが漂っていてとても気になる。

 「若者が中心のサッカーに比べ、野球はとっさに逃げられない老人や子供も多い」ってゆーけど今時のJリーグの試合なんて見れば3割くらいは女性だし、地元に支えられたチームは高齢者も子供も結構な比率いて、決して若者ばかりじゃなく従って事故が起こったら大変なことになるし、だからこそ誰もが事故なんて起こさないよーに気を付けてる。近所に迷惑にならないよー紙吹雪とかも原則禁止。投げ込まれる恐れのあるペットボトルや空き缶は持ち込めないよーJ1だったらだいたい入り口で持ち物をチェックされる。海外は女性はあんまりいないけど子供はいるしおっさんはいるし地元密着なだけに高齢者もいる。「サッカー=若者ばかり=傍若無人=事故多発<野球」ってな図式をどこか漂わせようって空気が感じられて気持ち悪い。

 何でも首から阪神のメガホンを下げていたってことらしーけど野球の応援グッズであのプラスチックのメガホンほど最低最悪なものはないと思ってて、ひとりあれをメガホンとして使ってわめけば本人は気持ち良いけど周囲は喧しくって仕方がないんじゃなかろーか。またメガホンをハリセンのよーに手とかにバシバシとぶつけで出す音の耳障りなことといったら最近流行のチアースティックの比じゃなく、硬質で周波数が太いのか辺りに妙に響くあの音が、鳴るバットの快音に走るランナーの足音、ミットに収まるボールの音を消して野球を感じる楽しさを殺いでいる。そーした応援の是非を触れずにサッカーのごく1部のマナーの悪さ(当該国では了解事項風物詩化している面もある)を引き合いに出すってのは迷惑なことこの上ない。

 去年の秋の日米野球は基本的に鳴り物禁止だったけどそこに1人、どこかの球団のファンの人がいて例のメガホンを持って椅子とかにベシベシやるものだから喧しくって鬱陶しくって仕方なかった。最近じゃあJリーグでも同じよーなハリセンメガホンを作っていやがるけど、早々にチアホーンよろしく禁止にしてやって欲しいもの。拍手でいーんだよ、千葉ロッテマリーンズだって拍手を声で圧倒的な応援を繰り広げているんだし。「簡単にグラウンドにおりられること自体、明らかに警備の手抜かりを物語っている」ってゆーけど降りられたって降りないのがマナーって奴。アメリカの金網のないフェンスなんて簡単に乗り越えられるけど誰も滅多にそーしないのはそーするのが礼儀だと誰もが理解しているからで、警備云々を正すよりまず、観戦マナーの至っていない輩を誅するのがスポーツの振興に資するスポーツ新聞の役割なんじゃなかろーか。それが大切な読者様であってもね。

顔を近づけ唇で触れてちゅうちゅうしたい、プリンにだよ  丼いっぱいのプリンをひとりで全部食べるのが、子供の頃の夢だったなーと思い出し折角だからと近所で「プリンミックス」だかを買ってきては暖め丼に流し込んで冷蔵庫の中に入れ、冷やして出来上がったのを開けると崩れてしまう可能性があるからとそのままスプーンで掬って全部食べて、もうしばらくプリンはいーやと思ったあれは10年くらい前の夏だったか。スプーンじゃなくお玉で食べるのがより通っぽかったかもってのはさておいて、あの量にしてあの満腹感から想像するに重さ3キロ、量にして20人分のプリンがいったいどれくらのボリュームかってのは想像するに胃が痛くなりそーだけど面白そーでもあって、池袋にある「ナムコナンジャタウン」に明日14日からオープンする「プリン博覧会」ってののプレビューに行っては、ケーキカットならぬプリン食べ初め式で出されるジャンボプリンなるものを見物する。

 仕込みかそれとも会場で見つけたかは分からないけどサマンサちゃんだかサブリナちゃんって美少女を椅子に座らせナジャヴにナジャミーが両脇を固めて始まった食べ初め式、持ち込まれてきた皿に載ったプリンの遠目にはそれほど大きくないかも、って一瞬思ったけれど人間の前に置かれてスプーンとか対象になる物体が置かれてなるほどこれは巨大だと判明。テーブルトップみたく上が平らになっているのは良いとして、それが富士山のよーなコニーデじゃなくキリマンジャロっぽく押しつぶされ気味になっているのは仕様もあるけどきっと自重で潰れてしまっているから、なんだろー。

 味の方はといえばまあ、食べればそれなりの美味しさだとは思うけど眼前の巨大さに臆したか、それとも式典の前に他の全国各地や全世界から集められたプリンを散々っぱら食べていたのかサブリナちゃん、1口食べてはスプーンを起き、折角だからとせかされよーやくもう1口を食べた程度で後は口の端にちょっとだけプリンをつけながら椅子に座っていただけで、ほとんど原形を残したままで巨大プリンは式典から引かれてしまった。後は一体だれが何人くらいで食べたのか知りたいところ。ナジャヴだったら1口でペロリ、だけど猫にプリンって食べ合わせに良かったっけ、実家の猫は食べてたけど。巨大プリンは要予約とかで値段はいくらくらいだったっけ、6000円くらいだったかな、1人で30分で食べてもタダにはならないんで、そーゆー人じゃなくみんなでワイワイとプリンをつつきたい人が、頼んでから行くのが良いでしょー。中国の燕の巣プリンってのは味なかなかだったなあ。名古屋コーチンの卵のプリンってのはやっぱり味も濃いのかな。


【6月12日】 目出たい、といったら鹿島灘から怒りの念波が飛んで来そーで恐いけどでもこの1年間、クラブでも代表でもまるでほとんど仕事らしー仕事をしてこなかったフォワードがそれでも晴の舞台に立ち続けられる程世の中は甘くないんだってことを示す意味でも良かったんじゃないかと思った鈴木隆行選手のサッカー「コンフェデレーションズカップ」日本代表辞退の報。理由は一応は怪我だけどでも今の彼を連れていって1点も取れなかった時の日本のみならず欧州とかへ与える影響なんかを考えると、ここはしばらく日本でリハビリをしつつ得点感覚を取り戻させて、再び欧州なり南米なりへ挑ませる方が良いんじゃなかろーか、まだ若いんだし、ってそんなにも若くないのか、中田英寿選手より年上だったとは気づかなかったよ、けどまだチャンスはあるってことで。

 先のパラグアイ戦で活躍してた福西崇史選手が肉離れとかで辞退ってのは返す返すも残念で、代わりの穴を中田浩二選手が埋めてまた流れの中に埋没してしまって折角の評判がダウンしてしまうのかな、って思ったら何と去年の「ワールドカップ日韓大会」でも活躍してくれた明神智和選手が復活の日本代表入りで、稲本潤一選手と組んでの活躍がまた見られるのかと思うとちょっとは期待してみたくなる、けど出るのはやっぱり中田浩二選手なんだろーなー、連続出場記録とかかかってるし。残る1人の入れ替わりは京都パープルサンガの松井大輔選手なんだけどここしばらくのチーム自体のパフォーマンスの低下とそれからひたすらに技を見せびらかすプレースタイルは、チンチンな勝負の場じゃあちょっと通用しなさそーで、得点力って意味なら別に連れていくべき人がいたよーな気がしないでもない。けどまあ決まった以上は是非に頑張って頂きたいもの。ニュージーランド戦くらいには出ないかな。

 良く分からないけど早めに手に入った「電撃hp」の第24号で秋山瑞人さんの「イリヤの空、UFOの夏」の最終回を読む。ふーん、へー、ほー、うわー。なるほどこーゆー終わり方にするとは秋山さん、物語ってものを分かってるなあと感嘆する。設定なんてどーでも良いとまでは言わないけれど設定そのものを見せて設定マニヤな人を喜ばせるってタイプの小説に堕すことなく、徹頭徹尾に浅羽直之と伊里野のラブでラブラブでラブラブラブな関係とそれから、その周囲で画策したり暗澹としたり嘆いたり超然としたりする人たちの心の機微をしっかと描き切っている。読めば落涙のエンディング。18日頃に発売かな。悶えるイリヤの表紙に騒げ若人。

 うーん対談させたい、って思った冒頭の阿智太郎さんへのインタビュー。誰とってそれは滝本竜彦さんで何故って理由はどちらもつんつるてんだから。すでにして滝本さんはその頭のツルツル具合をあいちらこちらのメディアで露出しあまつさえそんな悩みを誰にぶつけるどころか他人からぶつけられてそれに答える人生相談なんってものを、「メフィスト」から分離独立するんだったかな「ファウスト」って雑誌だか何かで始めてしまうけど、阿智さんの方も憂いある表情の上に被さっていた前髪を横髪と上髪と後ろ髪も含めてまとめて刈り上げていて、その見事な坊主頭にちょっとガタついているなあと思わされ、なるほどこーゆー顔をしてんたんだって改めて気づかされる。夏場に向けて涼しそーで真似したいけどきっかけが、なあ。潔く剃るかどーするか、相談してみよーかな、滝本さんに。

 某「SFマガジン」の次世代に輝くキミこそスーパースター的作家だと、別のページに居並ぶ秋山さんやら上遠野浩平さんやら古橋秀之さんやら冲方丁さんの向こうを張って大フィーチャーしよーとしてアレコレ言われた阿智さんだけど、インタビューで「住めば都のコスモス荘」のことを「SFですッ!!」と胸張って(たっけ)断言してくれていて救われた気分。7月にスタートするアニメ化の情報は10日に発売されたアニメ雑誌にもだいたい載っていたけど本家だけあって紹介も多くって桜咲小鈴ちゃんんの絵が挿し絵にも漫画にも匹敵するくらいの可愛さで、こんな彼女が動いて喋ってくれるなんてと今から放映が待ち遠しくって仕方がない。見られる千葉に住んでて良かった。声はラジオドラマと一緒なのかな。ヒヤシンスが三石琴乃さんかあ、ハマってるなあ。ラジオドラマは次に「イリヤの夏、UFOの空」が予定とか。7月12日スタート。声誰なんだろ。部長とか。


【6月11日】 なんだサンシャインのプラネタリウムって6月1日で閉館になっていたのかと今さらながらに気づいたのは昨晩、何故だか知らないけれど韓国の新しいネットワークゲームの発表会がプラネタリウムの中とそれから隣の「サンシャイン水族館」で開催されたからで理由は海中でバトルするゲームだってことらしーんだけどその前に、折角なんでプラネタリウムの円い天井をスクリーン代わりにしてプレゼンテーションをやったって事らしく、入ると前方で喋っている人を見ている人もいればあの背もたれが水平方向に倒れかかっている椅子に座って天上を見上げている人がいて、何だろーなと思って見上げて四角くパワーポイントの資料が映し出されてなるほどと思った次第。

 けどメーカーは知らないものの丸くてレンズがピカピカ光ったプラネタリウムの映写機から、放たれるパワーポイントのもったいないとゆーか力の入れ間違いとゆーか。暗くした場面で背景となった丸天上いっぱいに煌めく北斗七星やら蠍座やら白鳥座やらがその時ほど美しくて寂しく見えたことはなかったよ。文化ってのはこーやって果てて行くんだなあ。名古屋の科学館のプラネタリウムは元気かな。「おおぐのしっぽ」で小さい「っ」で死兆星を指しているのかな。

 それもそれでなかなかだったけど隣の水族館に場所を移したプレゼンテーションで初めて入った「サンシャイン水族館」の風景のこれまた面白かったこと。夜の営業時間が過ぎて人もそれほどおらず明かりもどこか薄暗い水族館の水槽を物言わず魚や何やらが泳ぎ回る光景ってものの、それはもう何とも言いがたい美しさに感動することとひとしきりで、「うる星やつら」の劇場版「ビューティフルドリーマー」でラムだっちゃさんが無邪鬼と出会うシーンの幻想的な感じを実際に体験できた感じがした。あとは吉野朔実さんのあれは「ジュリエットの卵」だったっけ、「少年は荒野をめざす」だったっけ、今すぐに思い出せないけれど閉館間際の水族館のシーンに見られた静寂感があって良い気持ちになれた。

 もっともそんな気分を横目で大きな水槽の中をアザラシが1頭はもぐっては進み浮かんでは戻る動作を繰り返し、もう1頭はなぜか逆さまに直立して顔を正面からこちらに向けていて、愛想がいーのかそれとも好奇心旺盛なのかはアザラシじゃないから分からないけど、ともかくそこだけ賑やかな雰囲気を出していた。横のイルカもボール遊び頑張ってたからなあ、ウツボが穴蔵でジッとしていたりアロワナっぽい大きな魚が顔だけ泡に突っ込んで洗顔だか美顔だかをしているのにも関わらず。ケモノって奴はやっぱ地球に喧しい生き物なんだなあ、その最たるものが人間様って訳で。真夜中にいっぱいで押し掛けてめーわくじゃなかったかな。

 ってな訳で早朝から起き出して浅草で昨日から開かれていたらしー「東京おもちゃショー」を見物、といっても今年から一般向けと業者向けを分けて開催することになった業者向けの方で、気合いが入らなかったのか会場が狭かったのかいつもやってる「東日本見本市」と内容が被るからなのか、どのメーカーも気合いがあんまり入ってなくって会場は早々に退散して、各社が個別に開いている商談会の方を幾つか回る。まずは会場で配られていたチラシに掲載されていた「NOVAうさぎ」のグッズが気になったセガトイズの商談会を浅草橋で見物。腰をふりふり「いっぱいきけて」とか何とかゆー音楽を奏でるダンス人形とか、フィギュアが上について表情もそれぞれに異なるスタンプとか、顔の形をして背中にあてるとブルブルとなるクッションとかが出ていて割に「NOVAうさぎ」としての再現度が高くってこれなら売れるかもと感じた。「NOVA」で売ってるぬいぐるみって本家なのに今ひとつ、だったからなあ。餅は餅屋ってことか。

 その足で総武線で2つ先の錦糸町へと出向いてこっちはタカラの商談会。あっちが「NOVA」ならこっちは「アイフル」って訳なのか例のチワワのくぅーちゃんを型取ったぬいぐるみが出ていて、7980円って結構な値段なのは中にいろいろ動いたり鳴いたりする仕掛けがあるからみたいだけど、これもまたまあそれなりな再現性で欲しい人には受けそー。目とか潤むんだったら勝ってお父さんに見せながらいろいろねだると効果があるかも。

 もっともタカラの販売とはいっても中身はセガトイズの「ドリームペット」のシリーズで、何でも元タカラだったセガトイズの社長と今のタカラの社長とが同じ傾向の製品でガチあっても共倒れなんで一緒にやったらどーですか、ってことになったらしー。タカラって言えばコナミとコラボしている会社なんだけどアトラスを買収したと思ったら今度はセガのグループ企業とコラボレーションって訳で、いろいろと多方面への展開が目立って来ている。もしかするとコナミ色を薄めよーとしているのかな、そーではなくてもそー見られる可能性があってなお、やってしまえるところに上り調子の企業の強さがあるって言えそー。これを見て別に何もしないコナミも太っ腹なんだけど。

 ロビーでどこか前に見たことのある人とすれ違ったけど以前に比べて細くなっていたよーで一瞬迷う。岡田斗司夫さんだったと思うけどダイエット進行中だって聞いていたからその効果が出ていたのかな、何しろ横から見ればちゃんと前のとーりの体型なんだけど正面に回ると薄さ0・3ミリで目に入らないんだから、ってそれじゃーアリスのトランプの王様だよ。もちろん正面も真横も斜めの前後も均等にほっそりとしてました。食玩関係でいろいろと手がけられているらしーからそーした話で来場してたのかな。でもロケット関係の食玩は展示してなかったからこれから続々登場して来るのかな。食玩関係だと「リカちゃん」の世界観をロリプニな原型で立体にした食玩のシリーズが参考展示してあってこれがなかなかのロリプニぶりで出たら絶対に買うぞと決める。ブルマーなんて久々に見たよ。それが例えフィギュアでも嬉し懐かし目出たし喜ばし。スカートめくられとかはないのかな(ありません)。

 つまり鹿島はいらないってことで、それからスリーバックが正解だってことなんだと、サッカー「日本代表vsパラグアイ」の試合を見て確信。上がりっぱなしでペナルティエリアに侵入はするは右サイドへと寄ってチェックに行くわと大活躍するアレックス選手のどこが左サイドバックなんだ。つまりはもとからサントスはバックスじゃなく左サイドのMFで、それにちょっとだけ守備の意識を持ってもらうためにDFとして送り出しただけってことになる訳で、残る宮本選手に坪井選手に山田選手が正式なDFでつまりは3バックでそれを福西選手に遠藤選手のボランチの2人と時々中村俊輔選手とかが守備に回る、トルシェ時代にも割にあった形を再びやっていただけってことになる。なるほどだからパラグアイを零点に押さえられたんだ。

 鹿島がいらないってのは秋田選手に名良橋選手に中田浩二選手に鈴木隆行選手のいなかった前半に圧倒的な攻めの形の良さを見せていたことからも分かる歴史的な事実で、それが証拠に後半になって調子の良かった福西選手を下げて中田浩二選手を入れたとたん、激しいチェックから奪い組み立て回し前へと送りクロスを入れてシュートするなりこぼれたボールを拾って波状攻撃につなげるといった、日本代表っぽい動きが消えてちょっとばかり退屈な展開なってしまった。どーしてそんな交替をジーコ監督がやってしまったのかは分からないけど、もしかして就任時の契約に鹿島の選手は代表戦で1試合に1人は必ず出すこと、ってな条件でもあってそれを自分から破る訳には行かないと配慮したのかな。

 まあいいそーしたジーコ監督の行動が、逆に鹿島の選手の必要なさを裏付ける証拠にもなってしまった訳で、フランスで始まるコンフェデレーションズカップでもしも前のアルゼンチン戦のよーなメンバーを先発に使って来よーものなら、喧々囂々とした非難が巻き起こり侃々諤々の論議が繰り広げられることになるだろー。途中に映ったベンチでビブスとか来て中を見つめる秋田選手名良橋選手鈴木選手の顔の実に眼光爛々として表情の険しかったことよ。きっと気づいたんだな、自分たちのいらなさを。フォワードに関しては大久保選手の動きは素晴らしく高原選手のマリーシアはダメだけどスピードとキープ力なら他のフォーワードに抽んでて、これに中村選手のタイミングのよいロングパスやら飛び道具と、自由に動き回ることで良さを発揮したサントス選手の素早いクロスが加われば相手によっては結構良い所まで行けるかも。このサントスが去年の仙台にいてトップに高原選手が入っていたらなあ、と遠い目。やっぱ頑張ってたよ、トルシェは。


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