縮刷版2003年4月中旬号


【4月20日】 火浦功さんが時を超えすぎて何処へと去った、訳ではないけど時空間の狭間でハレー彗星のごとくに現れるよーになってしまって滅多なことではお目にかかれず、あかほりさとるさんは作品の中に萌芽としてあったエロティックなものへの関心を大人な方々に向けたノベルズの方で爆発させるよーになってしまってあんまり爆裂してくれなくなった今、ヤングアダルトな文庫の世界でひたすらに徹底してギャグを追い求める孤高の存在となってしまった感のある阿智太郎さんがまたもやってくれたと「いつでもどこでも忍2ニンジャ」(電撃文庫、530円)を読んで感慨に耽る。戦国の世よりタイムスリップして来た女忍者が主人に面影を一にした少年を主人と勘違いして大騒動を繰り広げるってお話は、聞けばどこかにあったよーな印象だけど読めばそんなことは無関係、ひたすらにてんやわんやな展開に読者を絡め取っては一気呵成の笑いと涙の活劇へと引きずり込んでくれる。

 ひとつ、どたばたが過ぎればさらに別のどたばたが訪れる連作調なのも「みのりちゃん」シリーズで馴れ嗜んだギャグ小説の直系ってゆーか、とりあえずは落ち着くところにおちついた美少女忍者はさておいて、彼女と戦国の世で戦っていた忍びの一党も何故か一緒に現代へとタイムスリップして来ていたからこれがまたてんやわんやのしっちゃかめっちゃか。幸いにして事情を掴んだ女忍者の涼葉と違って事情を察するに時間のかかった彼らが引き起こす時代錯誤ぶり(時代が違うんだから仕方がないけど)の面白さ、頭領として屈強でおバカな部下の面倒を見なくちゃいけないんだけど根は優しくて引っ込み思案な少年のあたふたぶりに笑って笑って60分、ほらそこな子供よ早くパンツを履きなさいって感じにくすくすゲタゲタと笑わせてくれる。涼葉が居候した少年の家が両親ともに出張中、って辺りに妙な作為を感じてあるいは少年が涼葉の主人にそっくりな理由なんかもそこら辺にあったりするのかも、とか考えたけれどそーであってもなくてもどっちだって構わない、今はともかく涼葉の行き過ぎる健気さに血桜忍者のブラックゲマゲマ団的壊れっぷりでもって大いに笑わせてやって下さいな。

 あのチラリと見えたのはアナローグ星ではありませんか、と驚きつつも見た「デ・ジ・キャラットにょ」は後半にちょっとやっぱりどこかおかしいでじこママの艶っぽさも漂う色香に和服姿で頭に耳の突き出たメイドさんの可愛さが炸裂していて、ついでにエンディング前に「2本角頭くん」も登場したりしてキャラクター的に豪華この上なかったけど、お話の方も前半で中心にすえられたぷちこの例の呟き「ぷいぷいぷい」が山と出て、テレビに向かって手をさしのべて「ぷちこちゃーん」と抱きしめたくなったけど出来なかったんで代わりに縫いぐるみを抱きしめよーとしたけどどこかに埋もれて出てこない。読んでも返事がないところを見るとあるいは既に白骨化してしまっているのかも。もしかしてちよ父に食べられてしまったか。そのちよ父も既に半年、見てないなー。どこに行ったんだろ。ちなみに等身大ノーマッドはまだ買ってません。

 その前半、「ぷいぷい」ってつぶやきも去ることながややっぱりあの柏餅とか食べてた時に見せた口を横にちょっとだけ開けてかじるお得意のポーズがこれはぷちこだけじゃなく全員について見られたのも良かった点で、さすがは桜井弘明監督、視聴者がピンと来ただろー部分を忘れずしっかりと投入して来てくれたと心の中で賛辞を贈る。「ぷちこ焼き」とかいったほのぼのとした落ちが「らしく」ないって言えば言えるかもしれないけれど途中にでじこの毒もあって落ちくらいは心にピンと来るものを、でないと本筋の子供のためにならないからって配慮があってのことだろーから仕方がない。ってかそれで人気が出ればそれだけ、別に例えばOVAなんかで「ゲーマーズ」なでじことか見られる可能性も出るかもしれないから(出ないだろーけど)、ここはむしろ諸手をあげて今の話設定キャラクターを歓迎させて頂こー。しかし3週目でまだキャラクター紹介やるってのはなあ、もしかして今週から「黒ブリーフくん」を止めて来る人がいるって想ったのかな、エンディングの1発ネタはそんな人たちへのせめてものサービスだったりするのかな。

 起き出して「日本青年館」で今回も開催された「ライトノベルフェスティバル」に出席、途中で神宮球場で開催されている大学野球の応援に来ているらしーチアリーダーの練習風景にぶつかって足が止まったけど雨も降っていることだしスタンドで観戦はキツいと諦めて素直に「青年館」へと入る。受付をすませて始まったオープニングはだいたい30人くらい? それを多いと見るか少ないと見るかはイベントを仕切ったことのない身には不明だけど前回とか前々回とか見たことのあるっぽい人に編集者っぽい人に関係者っぽい人にゲストっぽい人のそれなりな比率含まれていただろーことを考慮すると、ここら辺でもーちょっと新しい参加者をそれもヤングアダルト文庫が主要な読者層にしている人をしっかりと取り込んでくれないと、若い女子高生とか女子中学生とかのキャピキャピとしてけたたましい姿に触れて若返りたいと願っている身にはちょっと淋しいものがある。初参加の人とかどれくらいいたんだろー、でもって平均年齢は何歳だったんだろー。

 さてオープニングでは受付時に配らなかったバッジを今回は性格を反映した色でもって配る試みを実行。つまりは超能力をあなたが持ったとして何に使うかってテストで答えは3つ、「敵と戦う」「タカラを探す」「たくさんの女の子を落とす」があって個人的には「スカートをめくる」「服を透視する」が正解なんだけどそれはなかったから近いもので「たくさんの女の子を落とす」を選んだら煩悩まみれと言われてそりゃそーだと納得する。煩悩で悪いか。ってか敵と戦い宝を探すのも結局はライバルをけ落としてお姫様をゲットするとかお金でもって令嬢を娶るとかって所に行き着くわけで、つまりは全員が煩悩に満ち満ちているってことでそれを正直に答えた僕たち「紫バッジ組」は正直者だとむしろ誉めてもらっても罰は当たらないんじゃなかろーか、ねえ。

 と自画自賛しても信じてもらえないから黙って企画。「抱負な知識と卓越した洞察力を持ちつつ、若い人にっもわかりやすい、平易で明快な文章を綴ることの出来る稀有な存在」と紹介文に書かれていて羨ましい柏崎玲央奈さんを聞き手に迎えてひから玲子さん相手に行ったインタビューは、ファンタジーは寓話じゃないって話が個人的には面白く、そこに描かれているものに何か意味を求め正解を出したい人はファンタジー読みとしてまだまだって感じのことを言われて意味を探ってナンボな感想文屋として頭を叩き割れれる気分を味わう。ってか求めても良いんだけどそれが唯一絶対ではなく、人それぞれに状況を鑑み世界を映して見て良いんだ、そーゆー自在さがファンタジーにはあるんだって言われた気がして張った肩肘がすこし解れた気がした。そーゆー自在さがあるからロリコン監督の欲望を仮託した存在としか見られてなかった謎なカオナシの存在をむしろ前向きに受け入れ「千と千尋の神隠し」を宮崎作品でベストと見て取れたんだろー。

 あくまでも参加者に過ぎないんで特になにもせずひたすらに企画を聞く1日。2時間目は赤城毅さんに田中芳樹事務所の足立裕章さんが聞くってゆーか足立さんが作家とゆー仕事の大変さを喋って現実に作家として活動する赤城さんが参考意見を述べる企画になってて、どーゆー原稿が新人賞で落とされるのかって話に新人じゃなくても実際に出ている本でどーゆー所が気になるかって話を聞いて、プロの読む目の付け所を参考にさせてもらう。誤字脱字もキャラクターの性格の変転も気にせずひたすらに「物語」の圧倒ぶり、設定の異質ぶりに目を向けてその意気を買う読み方しかしてないからなー。文章を書くのに傍らに辞書を置かないのは失格も甚だしいとは至言、ってか辞書もやっぱりどこかに埋もれて出てこやしねえ。買うか諸橋大漢和(国語辞典にしなさいってば)。

 田中芳樹さんの法則、って訳でもないけど足立さんが紹介する田中さんの直言も納得なものばかりで、名シーン名セリフがないとってのはなるほど読んでいてその方が頭にピンと来るからその通り、なんだろー。これに加えて赤城さん、キャラクターをしっかりと作ってしかるべきシチュエーションに叩き込めば名シーンも名セリフも生まれるってゆー言葉にはつまり、それだけのことをして初めて小説ってものが書けるんだってことを教えられた気になる。ビジョンへのこだわりも大事みたいで例えば首吊りしたいだったら場所は樹海でつり下がったまま白骨になった姿がモビールのよーにカラカラと音を立てているとか、水死体だったら目の回りの柔らかいところが魚につつかれぐちゃらぐちゃらになっているとかいった、細かいディティールがあって説得力のあるシーンが描けるみたい。「描写は説明と違う」ってのがキモ、なんだろー。それが出来る秘訣は……いっぱいいろいろ読むことだそーで。読んではいるんだけどなー。

 定金伸治さんと映島巡さんが歴史を題材にした小説について話すって企画を見物したのが3時限目で、どちらもあんまり読んだことのない人だったんでどーゆー思考でもって小説を書いているのかが分かって作品への興味が湧いてくる。知っている人に会えるイベントも悪くはないけど知らない人が見られるのもイベントの醍醐味って訳で、誰でも知ってるあの作家が来てないからといって参加を見合わせている人には勿体ないから来てみておいで、って別に主催者でもないし関係者ですらないけど言っておこー。4時限目の中里融司さんに5時限目の都築由浩さんは前も見たから今回はパスして帰宅。恒例のプレゼントコーナーには何が出たんだろー、山と持ち込まれていた「徳間デュアル文庫」全種類1冊づつだったら……いらない、持ってるし部屋がさらに狭くなるから。帰宅して「スキにさせて!」。何でエンディングが橋本侑里映さんじゃないんだよー。


【4月19日】 油断をすると風邪をひく可能性が心配で4月にもなって未だに電気毛布を手放せない軟弱な素肌を汗まみれにしながら昼頃まで泥のよーに眠ってからむくむくと起き出して東京ビッグサイトで開かれている「デザインフェスタ」へと向かう。なま暖かい空気が漂ってはいるけど時折吹く風が肌を刺す、その曖昧な気候に着ていくものを悩んだけれどここは我慢して長袖のシャツを1枚引っかけた格好を選択。歩き出すとこれがなかなかに夏っぽくってこれだったら半袖のTシャツにしておくんだったと悔やんだけど、夜に味の素スタジアムで開催される「FC東京vs名古屋グランパスエイト」の試合を見に行くつもりもあったから、冷え込みを考えるとこれで良かったと気を取り直す。

 着いたビッグサイトは恒例の屋上テラスでのライブが見えず音も聞こえる日にちを間違えたかな、あるいは規模が小さくなってしまったのかなって思いながら入ると今回は上のフロアじゃなくって下のフロアに会場が移ってて、むしろ広くなっていた場内をそれでもぎっしりと埋め尽くされた出展ブースを見ながら面白そーなものなんかを探して歩く。まずは見つけた恒例「ちくわぶ」では前回あんまりみかけなかった新作Tシャツがたくさん出ていてこれがどれも楽しくて、欲しくなったけど手元不如意だったんで1枚に留め置く。買わなかったけど欲しかったのは「田中耕一さん」がプリントされた奴とそれから「タマちゃん」がプリントされた共に癒し系シリーズ。あとイラク戦争に対するTシャツもあったけど人前で着るにはちょっと卑猥なモチーフが選ばれていたんで欲しかったけど遠慮する。でも良いシャツでした。

(ピコピコ)名門ブラマンシュ家の娘であるわたくしが人前で着ぐるみなど被るわけがありませんわ(ピコピコ)ええありませんとも(ピコピコピコ)  ファッション系ではやっぱりTシャツが圧倒的だったけど、ほかに着物をアロハにしたこれも「デザインフェスタ」の常連さんのブースも出ていてつり下げられた色とりどりのアロハがなかなかに華やか。これもいつか買おうと思いつつお金のタイミングが合わないんだよなー。アート系だとこないだの「GEISAI−3」とやらで足した東浩紀賞を受賞していた大きな熊のぬいぐるみの顔だけって作品がここにも出ていて転がされておりました。あとウサギの被り物がつり下がってる作品があって椅子に座って被って正面の鏡を見て自分の姿に惚れるも良し、笑うも良しって作品があってこれがなかなかにおかしかった。そこに着ぐるみがあれば被ってみたいミント的心理をうまく衝いた見かけ以上に奥深い作品だったりするのかも。こーゆーのが「GEISAI−3」も沢山出てれば見ていて楽しくそれでいてアートっぽかったんじゃなかろーか。

 ってかこの春の2つのイベントを比べてみた印象では、アートの祭りだってチェアマンの人が旗降って回りに信頼する人がいっぱい集った割にはどこか肩肘張った雰囲気が「GEISAI−3」にはあったよーな感じがして、それはコンペティションの場でもあるってゆーイベントの趣旨から皆さんが頑張っていたってことの現れかもしれないけれど、結果としてそーした空気が見ている側にも浸透して、気楽に遊んで中にキラリとしたものを見つけるって楽しみ心をくるんでしまったよーな気が今はする。アートって言葉への未だ重さを感じる先入観の拙いところなのかもしれないけれど、そーした権威を怖そうとして始めたはずの「GEISAI−3」が世界で活躍って看板を背負った村上隆さんの上に仰いでいる関係から別の権威となってプレッシャーをかけてる、ってことなのかもしれない。いや単純に思いこみなのかもしれないけれど。

 一方「デザインフェスタ」の方はもー始めっから巨大なフリーマーケットってゆーか全面明治通り歩道ってゆーか、ジャンルも問わずアクセサリーからイラストからファッションからアートから音楽からパフォーマンスから何から何までが無作為に並べられていて、けれどもそれぞれの人たちが何かを見せてやるって気概を持って集まって来ていて来場した人への愛想もあれば見る方にもどこか話かけてみたいってゆー気持ちがあって、全体の空気をふんわかとしたものにしている。出ているものだって素人の僕が言っては間違いなのかもしれないけれど、アートとして「GEISAI−3」に並んでたって不思議はないしそれで目を付けられる可能性だってよっぽど高い作品がわんさとあって、ここに出したって村上さんには目をかけてもらえないのに、って思ったりもする。ブースの料金は「GEISAI−3」の方がちょっと安いのかな。どーなのかな。

 とはいえ別に村上さんだけがアートシーンへの道ではないし、意あるギャラリストなり雑誌社の人だったら別に「GEISAI−3」に限らず「デザインフェスタ」にだって足を運ぶだろーから、人の大勢集まる「デザインフェスタ」の方に出して不思議はないのかも。本当にギャラリストの人が行ってるかは知らないけれど。「美術手帖」って「デザインフェスタ」取り上げてたっけ? 「GEISAI−3」がトップで紹介してたけど。あと広くなった分通路に余裕が出ておまけにセンター部分を屋台村にできていろいろな物が食べられるよーになっているのも「デザインフェスタ」の勝利ポイント。だって「GEISAI−3」、食べられる場所が中にはもちろん外にだって常設の所以外はまるでなかったんだもん。

 これも恒例のしゃがんだローライズのジーンズの背中部分から見えるパンツのラインをあちらこちらで観察、中に背中まで伸びたTバックのパンツの後ろ部分をTの字型にのぞかせたお姉さんとかいて目のやり場に困る、とかってしっかり観察はしてるんですが。歩いていてバイクのアクセルをふかすとタンク部分に仕込まれたミキサーが回る作品を出していた兄ちゃんがいてちょっと楽しげ。それもそれで良かったけれど、隣りの隣りに出ていたブースにこぢんまりと並べられた少女を描いたイラスト作品を見て、「ちくわぶ」以外で初めて足が止まり、遂にはしゃがんでその作品をじっくりと見る。

 出していたのは水島えみさんて人で描いているのはコミック調とでも言うんだろーか、頭が大きかったり瞳が輝いていたりする女の子のイラストなんだけど、そのタッチの淡さとか色彩の独特さ、描かれている少女のポーズやしぐさの可愛さとかに、大向こうを狙ってやろうってな気持ちのそれほどない、多分可愛いものを描きたいんだってゆーだけのスレてないストレートな作者の想いみたいなものが現れていて、見ていて気持ちが和んでくる。もちろん幼女好き少女好きってゆー性向が幾分かは働いていることは確かだけど、そーした邪な心をさっ引いても描かれている少女は最高に愛らしくって素晴らしい。ほかにどーゆー仕事をしている人かは知らないけれど、ホームページにある絵を見るにつけ、きっと遠からず出て来そー。「GEISAI−3」にも出ていたらしーんだけど気づかなかったなあ、ってか賞なにも取ってないのか、目立ってなかったのかなあ。手元不如意で作品を買えず心残りだったんで明日も出ていたら今度は買おう。ブースは「C−763」。行った人は寄ってみては如何でしょう。

 臨海線で新宿まで出て京王を乗り継いで味の素スタジアムで「FC東京vs名古屋グランパスエイト」。同じスタジアムをホームにしているのにゴール裏に半分も満たないサポーターしかやって来ない東京ヴェルディ1969とは対称的にFC東京のサポーターつまりは「ガスサポ」の人たちはゴール裏をほぼ埋め尽くす動員で、どちらが地元により愛されているのかってのが如実に分かる。地元に人気がなくても全国にファンがいるから経営も好調なトリノのユヴェントスとはえらい違いだなあ。とかいって名古屋グランパスエイトの方もゴール裏はなかなかの入り。加えてゴールライン付近にあたる指定席はおそらくは楢崎正剛選手を見に来たんだろーか、妙齢の女性たちがわんさとつめかけていて、殺伐とする時すらある男の戦場だったりするプレミアシップのスタンドとは、まるで違った華やかで甘やかな雰囲気に試合を見る目を横にずらして薄着になりかけて来た女性たちの躍動する出っ張りとかを観察する。春っていいなあ。夏になればさらに薄着に。いいなあ。

 試合の方は前半はグランパスがまるでダメで、中盤でのプレスがなくボールをパスするとカットされ奪われ反撃される展開に幾度となくピンチを迎え、それを楢崎の流石な攻守が防いでいたものの遂にはサイドから切れ込んで来た石川直宏選手にシュートを打たれバーに当たってはねかえったのが不運にも前にいた楢崎に当たって跳ね返ってゴールに入ってしまって1点を先取されてしまう。その中盤のメタメタぶりにベルデニック監督もキレたか後半に一気に2人を変える大鉈をドン、岡山選手と酒井選手を引っ込め山口慶選手と原竜太選手を入れるとこれがきいたか面白いよーにボールが回り始めるよーになって、幾度となく東京のゴール前へと迫る。そして幾度も作ったチャンスの中で、中村直志選手のミドルがきまって1点を奪取。同点となってさらに勝ち越し点を奪うべく猛攻を続ける。

 ただ今度はウェズレイ選手がプレーを幾度もファールにされてモチベーションを下げてしまったのかパスへの反応が甘くなり、それでも反転して放ったシュートとかあったけど入らずヴァスティッチ選手のミドルも外れて追加点を奪えず、今年恒例の同点で試合を終えてしまった。まあアウェーで勝ち点1なら良しとしておくのが良いのかな。それにしても凄かったのが原選手で、岡山選手を埋める形で左のサイドに入ったんだけどボールを持ってかわす動きの軽快さ、切れ込んでいくスピードのすさまじさのどれをとっても一級品で、こんな選手がセンターフォワードに入らないのは何でだろーと不思議に思う。けどサイドだからこそボールに触って仕事が出来るんであって、センターに入ると後ろからボールが回ってくるか分からないのが中盤に藤本選手が入ってもなお不安なグランパスエイト、だからなー。中田英寿選手みたく3本槍の1本みたくフォワードにミッドフィルダーに司令塔にいろいろと動くのが良いのかな。生で見て分かった原選手の凄さにアテネ五輪代表での活躍も見たくなった。やっぱり行くかな「SFセミナー」を抜けて5月3日の味の素スタジアム。


【4月18日】 そうそう思い出したけど新番組の「TEXHNOLYZE」で冒頭にボクシングの試合を終えた主人公らしー兄ちゃんが黒いブリーフ1枚でよたよたと歩いているシーンが登場したけどこれってやっぱり毎週日曜日に「デ・ジ・キャラットにょ」の裏で奮闘している例の「黒ブリーフくん」なアニメへのリスペクトとかだったりするんだろーか。「TEXHNOLYZE」でシリーズ構成を担当している小中千昭さんって確か「アストロボーイ・鉄腕アトム」でも脚本を担当してたりするから当然手塚治虫さんファンだろー、ってことは同じ4月に始まるアニメーションの中でそーした先人への敬意を入れていたって不思議はない。

 あるいは寸胴なロボットだったら可愛いと見ていられる黒ブリーフ1ちょうでの闊歩が現実に存在した場合にはとっても見苦しいものだってことを教えつつ、空想の世界に遊ぶ「鉄腕アトム」のなんでもありな自由さ、素晴らしさを敢えて問おーとしたのかもしれない。なるおど冒頭の重苦しくもどこか笑える兄ちゃんの黒ブリーフ姿はまさしくさすがに引いたからなー。どーせだったら例のどこから見ても2本あるお化け煙突も吃驚な髪型も混ぜ込んでよりリアル「アトム」ぽさを出して欲しかったけど、それやってしまうと今度はリアルさが売りの「TEXHNOLYZE」の世界が崩れてしまうからここは我慢のしどころって奴で。次があるならゴム長靴を掃かせてよりアトムっぽくして欲しいけど。切り落とされた手はきっと「サイコガン」かロックマンの武器か何かに変わるんだな。その意味でもまさしくリアル「アトム」だったんだなー、「TEXHNOLYZE」は。

 珍しく「ファミリーマート」の先行予約していたサッカーの「第1回 東アジア選手権大会2003」は行ける日取りってことで5月31日土曜日の「韓国代表vs中国代表」とそれから「日本代表vs香港代表」とゆーダブルヘッダーのチケットを獲得に成功。2階席ってのが気になるけれど試合全体を見渡せる位置ってことで有り難く受け止めるのが筋なのかも。本当だったら最終日に来る「日本代表vs韓国代表」のカードが混じっているダブルヘッダーを見たかったんだけど、相当に客の取れそーなこのカードを当たり前に土曜日に持って行ってしまうと他に影響が出たかもしれないってことから分散させたのかな。だとしたら残念だけど仕方がない。

 まあ「韓国代表vs中国代表」なんて日本にいては普段は絶対に見られないカードだったりするし、遠くない将来日本を超えてアジアの2強となるかもしれない2チームの試合でもあるから見ておくに拙いことはない。日本が相手をする香港代表がどれだけ強いかは分からないけど中国や韓国に勝っているって話はあんまり聞かないだけに、あるいは相手にゴール決めまくる日本代表が見られる可能性が高かったりする訳で、点の取れなさに貯まったフラストレーションの解消にうってつけの試合になってくれるかも。とか言っててコロリと負けたりするからなー、日本代表。それはそれでジーコ監督の去就に影響が出るから面白かったりするんだけど。とりあえずは今再び日本代表の試合が見られることが決まったのを喜ぼー。

 日本代表といえばちょっぴり偽日本代表とっも言えるかもしれないアテネ五輪代表が5月の頭に試合することになっていて、後学のために見ておきたいなって気分が高まって来てるんだけどこれまた2試合のうちの1試合が平日にかかってしまっているとゆー状況で行くかどーか迷う。が、そこはそーした思いを汲んでか国立競技場がその日は試合会場になるみたいで、チケットさえ余っていれば当日にもで行って高いとこから観戦しつつ降る代表との印象的な比較を楽しんでみよー。平日じゃなく立派な休日にも、これは「味の素」スタジアムではあるんだけど1試合汲まれていて、行きたい気持ちが沸き上がっているけど裏に「SFセミナー2003」なんてものがあるから悩ましい。

 SFに若干なりと縁を持つ人間とし行ってみたいとゆー気がしているのは仕方がないんだけど、それを揺さぶって五輪代表の公式戦ってのはハートに重たく、さてどーしたものかと思案に暮れる。合宿とか飛ばして昼間だけ見てかけつけるのが理想だけど未だスケジュールの判然としない合宿には何が混じっているか分からないだけに悩ましい。昼間の企画に関しては判明分で飛浩隆さんとそれかで出渕裕さんの来場が決まっているみたいだけど2人ともすでにどこかで見たことの在る人たちだけにちょっぴり新鮮味が減殺している。3番目に明らかになった特別企画「これがSFだ2003」は僕がセミナーで楽しみにしている滅多に会えない人の話が聞けるプログラムとはちょっぴり異質で、別にセミナー会場じゃなくっても合宿企画とかでも良いよーに思ったんだけど 、企画した人にはそれなりな狙いも思い入れもあるんだろーから、どーゆー段取りの企画になるのかとりあえずは様子を見るしかない。参加費に見合った有り難いお言葉も聞けるイベントになることを祈ろー。

うーん、格好良いんだけど果たしてピッタリだったかと言われて悩ましい「はじめの一歩」の金曜ロードショー向け特別版に登場した医者でボクサーの真田の声。2枚目で理知的で闘争心の持った人物ってゆー設定からイメージするのはクールな2枚目声なんだけど、実際の番組では2枚目ではあってもちょっぴりイカつさが浮かぶ山寺宏一さんが演じていて、長いセリフお場面では生来の力強さがこもっていたりして、間違ってはないけど100点万点でもないなー、なんてことを考える。誰だったらピッタリだったんだろー。それにしても完璧にして超絶的な作画に演出で、大げさじゃないけど貧相でもない、肉と肉、維持と維持とが凄まじい高速でパワフルにぶつかり合う様を見せてくれた。これくらいのクオリティーで夕方とかにやって欲しいなー、「はじめの一歩」のテレビシリーズを今一度。


【4月17日】 もとより皆無に等しかった記憶力がここに来てなお一層、衰えてしまっていてもはや誰がいつ頃出てきてどのファティマがどの騎士と組んででこのモーターヘッドは誰のものなのか、手探り状態で読み始めた永野護さんの「ファイブスター物語 第11巻」(角川書店、1100円)は主筋のダグラス・カイエンvsボスヤスフォートの哀しくも壮絶なバトルに、ボスヤスフォート側の騎士となってエストをパートナーにバッシュを駆るデコース・ワイズメルの凄さが際だつモーターヘッド戦と、昔馴染みの顔が活躍するシークエンスこそどーにか理解できたものの、クリスティン・Vが凶状持ちと言われるに至った事件がいつ頃どんな感じで起こったのか、メヨーヨのクラーケンベールってこんな泥鰌髭兄ちゃんだったか、アルル・メロディ王女が追われるのは何故でセイレイ・オーラス王女って前にいつ頃出ていたのか、考えても思い出せず前の巻きを見よーにも見つからず、悩みつつもどーいか11巻を読み終えてさてこの先、続きが読めるのは何年先になるんだろーかと遠い目になる。連載も止まってるしなー、でじこ描いてる場合じゃないんだけどなー。

 分からなかったと言えばミラージュ騎士団でえっと左側? だったっけ、凶悪無比な奴等が連なる中でも際だって異形を誇っていた長髪モヒカンのスパークが、その実超絶的な美少女でおまけに剣聖の号すら与えられる可能性を持つ超強力な騎士のマドラ・モイライとやらだったとは、連載中も読んではいたけどちょっとづつで記憶に堪らない上に飛ばし読みしていて気づかなかったこともあり、今は亡きヤーボ・ビートとちょっぴりエロティックな関係だったことを描写したシーンがそのままちょっと前のマドラの超絶カマトト美少女ぶりと重ならず、迷って読み直してファティマの名前を確認し冒頭にちょっとだけ登場した45年後のこちらはスパーク並に悪辣さが滲んでたミス・マドラの言動を重ね合わせて、そーゆーことになっているのかと納得する。あの髪型をどーすればマドラになるんだろー。引っ張ると生えるのか、オヤジ坊太郎みたく。

 しまった「宇宙のステルヴィア」を録画し忘れた、ってゆーかさらに深い時間に放映が始まった「テクノライズ」を録画するために泣く泣く諦めた、ってゆーか「テクノライズ」に気を取られて「スレルヴィア」を忘れてしまっていたってことだけど、「宇宙のあずまんが大王」とも「宇宙の大運動会」とも「宇宙のリヴァイアス」とも「宇宙の女神候補生」とも言われる話の3話目がどこまで進んだのかを見逃したのは残念なところ、なんで次回は「テクノライズ」の録画は変えず「ステルヴィア」を生で見られるよーに頑張って夜を起きていよー。でもきっと無理だな、最近午前0時を回ると途端に瞼が落ちてしまうんだよなー。歳かな。でも朝はやっぱり未だに遅いんだけど。

 それでもちょっとばかり早めに起きられたんでビデオを再生して「テクノライズ」を見る。「lain」っすか? って突っ込みがパイオニアLDCってメーカーに小中千昭さんって脚本家に安倍吉俊さんってキャラクターから連想されて山のよーに寄せられたみたいな気がするし、じっさい極力セリフを使わず淡々とした描写でもって得体の知れない世界観を緊張感の中に感じさせてしまう展開は「lain」に近いものがあったけど、少女の回りで現実が遊離していく感じにぐいぐいと引き込まれた「lain」とは違って、場面が転じてキャラクターも移るなか、あちらこちらでいろいろなことが起こってるってことを見せよーとした所が「テクノライズ」にはあって、「lain」の倍ではきかない情報量に画面を見る目もさらに強く激しいものになる。それでも未だつかめない世界観は公式ページで補完できるのかな。未だ判然としていなかったりする「灰羽連盟」の例もあるから細かいところは気にせず考えないで感じるに任せるのがいいのかな。

 それでも知っておいた方が良い情報もあるから、たとえば「テクノライズ」されることの意味とかってのはちゃんとつかんでおきたいところ。でないとラストで腕叩っ切られた場面の重さがつかめないからなー。絵的な感じは硬質な「lain」ともノスタルジックな「ニア・アンダーセブン」とも、ナチュラルな「灰羽連盟」とも違って猥雑でグロテスクで殺伐。マッドハウスがやってるっても「メトロポリス」的な世界でも「で・ジ・キャラットにょ」的な世界でもない、「バンパイアハンターD」とかみたいな陰影の効いた画面で「幼獣都市」みたいなグロい世界が繰り広げられる系統の話として、これまでにはなかったビジュアル的衝撃を楽しめそー。尻も胸も寸止めなのは残念だけど、この辺DVDで派手にしてくれると買おうって気も増すから発売元にはお願いしたいところ。狐面の少女がせめて「吸血姫美夕」くらい可愛ければなあ、でも小夜よりは良いか。

 ダッチロール気味なセガの話を原稿にして馬に喰わせる。「サミーとはコミュニケーションが出来ているからセガ・バンダイ合併解消のよーな悪夢はもうない」と大見得を切っていたセガの人が足下のセガ社内のコミュニケーション不足に突き上げられてるってのは皮肉とゆーか時代は巡るとゆーか。社内の突き上げで合併解消へと至ったバンダイの轍を踏むならトップは神棚にまつり挙げられグループ会社から時の氏神が戻りそして大番頭が復帰して綱紀を引き締めた後で外から招かれた人が立て直しを図る、ってストーリーが描けるんだけどセガで戻って全権を掌握できるOBってまだいるのかな。それともやっぱり中で頑張ってる人が一気に先頭へと躍りでるのかな。

 あまりの量に馬も喰わなくなった原稿をそれでも適当に積み上げて外出して6月に公開となる韓国映画「二重スパイ」の完成披露試写会をのぞく。「シュリ」で一躍トップスターの地位へと躍りでたハン・ソッキュが3年ぶりに主演するってことで、派手なアクションまんさいの南北サスペンスかなー、なんて思っていたら大違い、銃撃戦もなければ派手なアクションもなく激しいラブストーリーも演じられない、けれどもそれだけにリアルでシリアスな問題として南と北とい分断された朝鮮半島で起こっていた、でもって今も起こっている出来事の悲しさを強く感じさせてくれる。

 時は1980年代、まだ東西に分断されていたベルリンで西に亡命した北朝鮮のエリート工作員が激しい拷問もくぐり抜けて認められ、韓国の国家安全企画部に入って北朝鮮の情報分析にあたり始める。ところが彼は本当のところは北朝鮮のスパイで疑いの目を向けられるなかを巧みにかわし、それでも人目をしので北からの指令を受け取り南の情報を伝える仕事を続けている。けれども北からの情報を伝えていた女性に迷いが生まれ、その迷いが彼をも動揺させて状況を大きく変えていく。彼はスパイとしての立場を貫くのか。それとも韓国のスパイとして裏切り者になるのか。どちらに転んでも何かを犠牲にしなくてはいけない状況が、見ている人に信頼を裏切ることの辛さ、失った信頼を取り戻すことの困難さなんかを考えさせる。

 際だつ顔立ちではないけれど、それが逆に筋金入りのスパイらしさを醸し出すハン・ソッキュの演技も良ければヒロインとして迷いの中にいきる姿を見せるコ・ソヨンの美貌もなかなか。アクションを期待すると間違うけれど淡々と進む展開の中、スパイ戦とゆーシチュエーションに心理的な葛藤が生み出す緊迫感が2時間とゆー尺を長くは感じさせず、ラストまで連れていってくれる。最後の最後におとずれる事態も、ありがちではあるけれどありがちなだけに激しく哀しく、そんな展開の舞台となるブラジルの海岸風景の底抜けな明るさ(本当にブラジルかは保証はないけど)、心地よさとの対比に切なさもグッと盛り上がる。謎があるとすればそんな事態をもたらしたのがいったいどちらだったのか、ってこと。絶対の正義なんてあり得ないんだなー、やっぱ。


【4月16日】 そうそうトミーの新製品発表会ではあとディズニー関連の商品に結構出物があったりして、全部の権利を獲得したは良いものの商品ラインアップの絞り込みに時間をかけてた関係で出ていなかった効果がここに来て、そろりと発揮されていきそーな印象を受けた。もとより人気のディズニー関連商品だけど、いわゆる知育的な部分とは別にフィギュア関連のラインに良いのが揃い始めて来たよーで、近く出るブリスターパック入りのフィギュアシリーズはタイトルに寄らずディズニーのキャラクターが封入されている上にどのフィギュアも素晴らし過ぎる出来映えで、ディズニー関連のフィギュアやぬいぐるみの実にアメリカーンな大ざっぱさに涙して来た日本のファンも、これなら満足できるどころか進んでコレクションし始めたって不思議はない。

 おまけに一風変わったラインとして、「トイストーリー」のフィギュアのウッディと馬と女の子には映画の中でかつて人気だった番組に登場したってゆー映像が流れた時みたく、モノクロバージョンってのが作られ初回限定ながら売り出される予定とか。メディコム・トイが「鉄人28号」のフィギュアのモノクロバージョンを「トイザらス」限定で売ったことがあったけど、今回はそーゆー方式は取らないみたいなんで出荷が始まる時期を見越して扱ってそーな店をのぞくこといしよー。

 あと同じディズニーの「ピーターパン」に出てくる妖精ティンカーベルを型取ったフィギュアが登場するんだけど、背中の羽根が留まった蝶々みたくゆっくりと開いたり閉じたりするギミックが見ていて心に不思議な癒しを与えてくれて人気を集めそー。加えてこのティンカーベルのフィギュアが日本で原型を起こしただけあって激しくも素晴らしく良い出来で、過去に見たどのフィギュアも越えて見る人にその愛らしさ表情の豊かさでもって感銘を与えそー。日本の造型技術ってやっぱ世界の最先端を行ってるんだなー。これだけの造型技術を使ってくれればどんなディズニーキャラだって美しく再現できそー、「ムーラン」だってきっと多分……無理か。

 強く散々っぱら駄目になったもはや終わった消えてしまえ初心忘れるべからずと言い続けたことが届いて悔い改めたか(そんなことはない)「週刊少年マガジン」連載の赤松健さん「魔法先生ネギま」は2003年4月30日号で今ふたたびの白い三角がたっぷりと拝めるよーになっていて、朝の通勤電車の中でページを繰る手をしばし止めさせてくれる。まずもって新体操美少女の大開脚を繰り出したと思ったら、終盤にはもはや目的はその為でしかないと見え見えな「ツイスターゲーム」が脈絡もなく登場しては、上で遊ぶ美少女たちに激しくも悩ましいポーズを強いて読者にその悩ましさを激しくアピールして来る。

 前屈みな少女は白い三角が前を後の分でつながって鼓型の布きれをバックからのぞかせてくれるし、他の娘たちも下から前から斜め横からそれぞれにそれぞれの形状をした白い三角の部分を見せてくれて有り難さに週央の疲れも吹き飛ぶ。たくさん出すぎた関係で全体にサイズが小さいのが難だけど、それを覆ってあまりあるだけの物量があるでここは良くやった感動したと言っておこー。願わくばこのペースに加えてサイズのよりいっそうの拡大も望みつつ、来週の連載を待つことにしよー。今週は「ゲットバッカーズ」でも卑弥呼が見せてくれてて最高な気分。「探偵学園Q」で超絶美形なリュウがお風呂で腰に卷いたタオルを絶対に取らないのは大きいからか小さいからかそれともついていなかったりするからなのか。妙に期待。2本ついてたらちょっとイヤかも。

 弾丸ツアーには流石に仕事もあって行けず仕方なく会社で見たサッカー「日本代表vs韓国代表」の試合は前半の最初の頃こそ割に良い感じで攻めてた日本代表だけどそれ以降は足下でボールをさばいてキープし続ける韓国の攻めに防戦一方って感じになって、韓国のミスとか拙攻もあって助けられたところもあるけど総じて韓国優勢で進んだよーに見えた。疲れが出てきた後半も半ば過ぎ以降は双方に攻めてを欠く試合でこのまま終わってともに課題ありってな感じになるのかと思ったら、最後の最後で浦和から代表入りした永井選手の偽ループすなわちゴール前で韓国ディフェンダーがクリアしよーとしたボールが出した足に当たって跳ね返ってキーパーの頭を越えてゴールに吸い込まれていくとゆー、およろゴールのカタルシスとは縁遠いシーンが訪れて日本代表がジーコ監督になって初の勝利を得てしまった。勿論勝ちは勝ちだけどこれを誇られてもちょっと困ったなあってのが正直なところで、本当のとおろどっちがリアルに強いのかってのを見て確かめたくなる。6月だかの4カ国対抗戦で組まれてる日韓戦がマジ楽しみ。行きたいけどなあ、金がなあ、仕事もなあ、辞めたいなあ。


【4月15日】 「宇宙のうーみーはー、おーれーのうーみー」、って主題歌かまたは「星のはてーをー、おれはさすーらうー」ってな挿入歌が耳に聴こえ、はためくドクロの海賊旗が目に浮かんでしまったシルヴァーナの登場だったけど、ブリッジにいた偽ハーロックのどこか気むずかしくって気怠そーな態度はあんまり海賊王っぽくなくって、単純に自由を求めて雲の海をさすらう人々って訳でもなさそーな感じを覚える。とはいえ指令を受けた操舵主の含み笑いから察するに艦長への単なる忠誠心にとどまらない信頼感めいたものもありそーで、偽ハーロックのアレックス・ロウもあれで結構いー奴だったりするのかも。そんな偽ハーロックのやる気なさげな感じと対立する眼鏡っ娘ソフィア副長の生真面目さがなかなかにキュート。あの声あの顔で罵倒されてみたいと思った人のおそらく世界に1万人はいるんじゃなかろーか。3倍では飛ばない赤いヴァンシップで再び登場のタチアナさんは顔見えず残念だけど、設定からして地味顔なアリステアさんよりは出番があるだけまだマシか。マドセイン中将の娘の喋りがヘンで好き。でも別にレギュラーって感じでもないからなー。また会えるかな。

 浜松町からモノレールを乗り継いで「流通センター」で開催されたトミーの記者発表を見物。何でもバイオリンを手軽に弾けるよーにする玩具だってことで、ヤマハが出している「サイレントバイオリン」か同じヤマハだったっけ、フレットがボタンになっってて押さえてジャンとやるとコードが鳴らせる「イージーギター」の親戚かなって思ったけど、それだと値段が数万円はしてしまうから玩具にするにはちょっと不向き、ってことは玩具じゃなくってもーちょっとハイエンドな感じの商品なのかなって逡巡しつつ、発表までの時間を待つ。やがて登場したお姉さん3人が首にあてて弾き始めた「velio」って商品は、見かけこそヤマハの「サイレントバイオリン」っぽくバイオリンっぽい形のフレームの中央に棹がくっついた形状で、弓が前後に動くと同時に音が出ていながら、押さえなくっちゃいけない弦とかついてなくってどーやって音程とか出しているのかが分からない。

 やがて始まった説明会で秘密を聞いて吃驚しつつ納得。音はタカラのカラオケ「e−kara」と同じ感じに本体に差し込まれているカートリッジから読み出されて再生されているだけで、ただし再生するためには弦をバイオリン本体のセンサーの上を行ったり来たりさせる必要があって、弦を手前に動かすと音符1つ分が再生され、奥に戻すと次の音符が再生されっていった仕組みになっているみたい。長くストロークさせれば8分音符が4分音符になり2分音符になり全音符になって響くって感じでカートリッジから曲を引っぱり出して来る。鳴ってる音に合わせて弦を行ったり来たりさせてるんっじゃなくって弦を行ったり来たりさせることで音楽を奏でるって意味ではなるほどバイオリンならではの演奏を部分的ながら再現しているって言える。

 テレビにつないで遊ぶ「e−kara」とかエポック社の野球や卓球のゲームとか、トミーでも空気鉄砲のゲームとかと同じ「ザビックス」ってゆーチップが使われていて、これらのゲーム機と同様にテレビに繋ぐと画面にいろいろガイドが出てきて、伴奏付き演奏とかソロ演奏とかを選んで楽しめる。伴奏い合わせて丸いマークが次々と現れ流れていく、その丸にタイミングを合わせて弦を動かすと音楽が正しいテンポで奏でられるってゆー仕組みは、タイミングに合わせて太鼓を叩いてリズム感を競うナムコの「太鼓の達人」にも通じるところがある。ストロークする時の強弱とかスピードとか、手で棹の部分を押さえることで表現できるビブラートとか技の探求も結構出来るみたいで、ただ叩けば良い「太鼓の達人」よりも楽しめるかもしれない。本体7000円でカセット1800円もまあお買い得。あとは楽曲次第ってことで「Feel」みたいなイーリス系の曲集とか出してくれたらひとり家で弾きながらハカセタロウな気分を味えるんだけどどーでしょー。アニソンばかりでもオッケー、テレビにつなげなくても弾けるらしーんで街頭で弾きながら唄っちゃう人とか出てくるかも。

 チェロとか出してくれれば欲しいけど家には置けそうもないのが辛いなー、とか考えつつ同じ会場で開かれていたトミーの商談会も見物、中にかつてガイナックスがハマって世界大会とやらまで開催してしまい、あまつさえ特別仕様の「エヴァンゲリオン」パッケージバージョンまで作てしまった赤外線を使って撃ち合う玩具「サバイバーショット」の新製品が展示されてて、これがこのまま売り出されれば、荒川べりだか江戸川べりの巨大迷路に大勢が集まって撃ち合った時みたなブーム今ふたたびの可能性なんかもあるんだろーかと妄想する。実はその前後にリニューアルされたこともあったんだけど、その時はあくまでカラーリングの修正だけで、全面的なリニューアルとはいかなかった。手に持つ感じの大きさがあってそれもリニューアルでは変わらなかったけど、今回の一新ではまず大きさがハンドガン程度まで小さくなった上に、引き金を弾くと10発分だか弾倉が回転してそれ以上射てなくなるよーになっていて、プレーヤーはそこでいったん銃をおさめて遊艇をスライドさせて、リボルバーに”弾込め”しなくちゃいけなくなっている。ちょっとナムコの「ガンコン」っぽいかも。

 ぐっとコンパクトになっておまけに値段も2980円と超お買い得になった新型「サイバイバーショット」は、程がちょっと短くなっているそーだけど、その分遠くから狙撃されるとかいったケースがなくなり、拳銃っぽく近接戦闘を楽しめるからかえって大会には良いかも。いかにも面白そーな新型「サバイバーショット」の登場に、ここは是非ともガイナックスに今再びの「世界大会」なんか開催して頂きたいところ。前の巨大迷路で開かれた大会を取材した時に買ったガイナックス謹製「エヴァンゲリオン」パッケージバージョンの「サバイバーショット」も悪くはなかったけれど、新しい奴でも作ってくれたらやっぱりきっと買っちゃいます。今夏から「エヴァンゲリオン」のリニューアルされたDVDのリリースが始まるのとタイミングもピッタリだし。問題は小さくなった本体に「GAINAX」ってペイントできないことか、いや前のってそーゆーペイントが施されていたんですよ。


【4月14日】 なんだそうだプログラムも公表になった「ライトノベルフェスティバル」は開催が20日だから味スタでの「FC東京vs名古屋グランパスエイト」の試合には重なっていないんだった。つまりは別にケツとか気にせず見物していられる訳だけど悩ましいのはかくもその筋では著名だったりするにも関わらず、当方の読書傾向とそれほど重なっていなかったりする出演者の方々によるプログラムを、星の数ほど刊行されているライトノベルの少ししか読めていない、言うなれば初心者とも言える人間が聞いて果たしてどこまで楽しめるのかってところで、これがせめて読みつけている作家の人だったら気持ちにとっかかりも出来たんだけど、主催する人の尽力と広範囲な交流から招かれた人だけに当方とのとっかかりが薄く、場違い感を味わうことなく最後まで過ごせるのかにちょっと自信がもてない。まあ残る1週間で予習も可能だったりするから、その辺の状況を見て行くかどーかを決めよう。でももしかすると参加者殺到で締め切られちゃうかもしれないなー。その時は「デザインフェスタ」で1日潰そうっと。

 「ライトノベルフェスティバル」に参加しても末席を汚しても構わないくらいの、豊富な知識と卓越した洞察力が込められた、若い人にもわかりやすい平易で明快な文章を綴ることの出来る希有な存在とやらになるべく頑張って読書。川崎康宏さんの「モノクロス」(ファミ通文庫、640円)は「ヘルシング」に「トライガン」と「デビル・メイ・クライ」が混ざってシェイクされたよーな雰囲気を持った、そーゆーのが好きな人にはあるいは響くかもしれない内容で、悪魔に魂を渡した代わりに無敵の銃を得、街に蔓延る悪魔教団をぶち倒していく男が、一般の人間でもっぱら殺し屋稼業をしている少女と関わりを持ちつつ敵教団が放ってくる異能の剣術使いや拳銃使いや体術使いといった輩をばったばったとなぎ倒していくストーリーの、「ガン・ホー・ガンズ」相手に激しいバトルを繰り広げたバッシュ&ウルフウッド的な格好さ痛快さに惹かれる人も割にいそー。設定よりもキャラクターよりもアクションを楽しむ小説、ってことで。続編はなくてもいいや。

 こっちは既にして続編とゆー高橋弥一郎さん「灼眼のシャナ2」(電撃文庫、550円)は、「紅世の徒」って輩を相手に戦う少女と彼女に力を与えた魔神とのペアがふとしたきっかけで出会った悠二とゆー少年を巻き込んで、街を狙った強力な「紅世の徒」を倒した前巻から引き継いだストーリー。シャナたちにとって捨てておけない能力の持ち主となった悠二を監督下に置く意味もあって、彼が住む街に留まったものの、長い闘いの日々に荒んだ心がそう見せたのかシャナは微妙に微妙な感情を悠二に抱くよーになる。一方で街に出没している新たな「紅世の徒」を狙ってシャナとは別の「フレイムヘイズ」と呼ばれる特殊能力者の女性が入り込んで来て、その暴れっぷりから同じ「フレイムヘイズ」のシャナを相手に大立ち回りを始めてしまう。

 2巻目は主にそんな2人の「フレイムヘイズ」のバトルを基軸に、シャナにとっては”恋敵”ともなる少女と悠二との関係なんかが描かれる。それはそれで闘いに明け暮れてきたシャナがつかんだ平凡な日常への憧憬とかを描き感じさせる話として悪くはないし、おそらくは将来ともそーいった揺れる乙女心を描きつつ能力全開な闘いのすさまじさも合わせて見せていくんだろーけど、前巻で物語の大きな部分を占めていたよーに感じた、人にして人にあらずな悠二とゆー存在が抱く限りありまくりな時間への絶望、特殊な存在とゆー自身への不安、本物か否かとゆー葛藤といった感情が醸し出す複雑なニュアンスが、1巻のラストに示された事実によって2巻ではまるで機能しなくなっていて読んでいて切実な物語として迫って来ない。まあそこはバトルの楽しさ、世界観の奥深さを楽しむ物語として捉えれば気にもならないくなるんだろーからあとは読む人次第ってことで。僕はどーしよーかなー。永遠とかチャラにするよーな事件が勃発するなかで増した存在の不安がどー解消されるかってなドラマがあれば喜んで読もう。

 これも続編、ってことは人気があったんだろー上田志岐さん「ぐるぐる渦巻きの名探偵2 逆しまの塔とメイ探偵」(富士見ミステリー文庫、560円)は、見える人にしか見えず行ける人にしかいけない渦巻きの忠心にある部屋に暮らす名探偵の「カタリ屋」と、その名探偵が見えてしまった少女がさらに腐れ縁的な刑事を伴い地方の有力者が作った「逆しまの塔」へと出かけるところから物語はスタート。やがてそのとてつもない形状を持った「逆しまの塔」で恐るべき”密室殺人”が起こり、ひとり隠遁する「カタリ屋」を横に少女と刑事は同宿していた他のメンバーたちの助力なり反発を得ながら事件の真相へと迫っていく。

 館シリーズに限ら新本格なミステリーによくある異形の場所を舞台に起こる事件を、メルカトル鮎に代表されるよーな不条理きわまりないキャラクターを持つ名探偵がしっちゃかめっちゃかにしつつも次第に真相へと近づく展開を、「ブギーポップ」じゃないけどどこか現代の虚無感みたいなものを、雰囲気として漂わせつつ描いた話といった感じで、そーゆー雰囲気にあこがれるローティーンにはきっと読んで格好良さ炸裂な内容だったりするのかも。それ故に、ってことなのか描かれる殺人事件そのものの解決には超絶的な推理もなければ超常的な仕掛けもないし、とてつもない割にはその舞台が有効に働いたってこともなく、何とはなしに不可思議な感じを味わいながらちょっとした謎解きを楽しめる、まさしくライトノベルを読む世代すなわちローティーンにはぴったりな小説になっている、よーに見える。

 「カタリ屋」の言動がよくある「さてみなさん」と謎を解く名探偵と同じになっていて、その存在の不可思議さが事件にもストーリーにもほとんど絡んで来ないのが不満と言えば不満だけど、作り上げられたキャラクターを後はどー華麗に転がしファンにアピールするかがライトノベルに重要なんだと思えばこーゆー作りも当然なのかも。雰囲気が気に入った人はこれからも着いて行くんだろー。シリーズ化って僥倖の前には霞むものもあるってことで。さらに1冊は神野淳一さんって人の「シリフィナイト」(電撃文庫、570円)は帝国と王国が戦闘状態にある中で妖精だかの力を持った少女が戦闘機乗りとなって人間のパイロットとペアを組んで戦う中で成長していくってストーリー。プロペラ機によるドッグファイとが出てくる世界に魔法的な要素が絡むの部分が「撃墜魔女ヒミカ」(電撃文庫)にちょっと重なる。戦闘機乗りの物語って点では「アリソン」(電撃文庫)とも。妙に同時多発的で面白いけど、何か流行に源流があるんだろーか。それとも電撃に特徴的な傾向か。電撃戦じゃなく空中戦が好きなのは解せないけど。


【4月13日】 目覚めも快調に日曜朝のすでに日課となった「デ・ジ・キャラットにょ」を観賞、裏の「黒ブリーフくん」が作画的にも物語的にも政治的経済的文化的社会的にも素晴らしいアニメーションであることは承知しているけれど子供には面白いか楽しいか、オタクには可愛いか見目麗しいかが重要であって政治も経済も文化も社会も無関係、作画はちょっとは興味があるけど崩れない絵でも描かれるものが重要って訳で「黒ブリーフ」より「ちょうちんパンツ」が興味では上を行くのは当然で、ビデオで録画するのもデフォルトならばリアルタイムで見るのも「デ・ジ・キャラットにょ」がデフォルトとなっているのである。もちろん世界の大方の人もそーだと信じたいけどこの1週間、あちらこちらをサーフしてもまるで見かけないんだよなー、「デ・ジ・キャラットにょ」を讃える言葉を。どーしてだろ?

 それはともかく今週も先週に増して不条理いっぱい不気味たっぷりな絵柄の上で可愛さ楽しさ炸裂なストーリーが繰り広げられて明日から始まる1週間を楽しく過ごせそーな元気が湧いてくる。前半はテンポがちょっとユルい感じがしたけど3分ちょっとの「ワンダフル」版の詰め込みテンポが15分も続いたら、メインの視聴者に考えている子供たちには何が何やら分からないアニメになってしまうから仕方がない。テンポはゆったりでも間あいだに挟まれる小ネタなり得体の知れない生き物なりが目を楽しませてくれたから、ハーフタイムを超えて気持ちを繋ぐことが出来た。子供にやさしく大きなお友達にもやさしい作品作り。これこそが世界征服の鍵って奴だな。

 後半はうさだ大爆発、いや爆発はしなかったけど突如登場しては着替えるわ避けるは飛ぶわと得体の知れなさを見せてくれて次回以降にどんな絡み方をしてくるのかに興味が湧く。実家の美容室のショーウインドー越しに見えたうさだママの見目麗しさはエンディングに登場のでじこママとタメ張ってるね。大団円っぽく終わって次回予告を混ぜずにパーンと映る尻尾映像からエンディングの「EQUALロマンス」へとなだれ込むテンポはちょっと好き。「CoCo」とか世代を外してるんで過去への思い入れのまるでない身にはまったりとほっこりとした気持ちに心地よいリズムを与えてくれて、さあお外へ飛び出そうって気持ちを高めてくれる。「Priere」が出ている「ゴムダンステッピー」のCMも飛び跳ねる少女がいっぱいで眼福、教則ビデオでセットになった奴を買ってきてビデオを見倒したい気にとてつもなく駆られる。けど1人じゃ練習できないんだよなー、「SFセミナー」で誰かやってくれないかな(やりません)。

 そうそう角川書店が流通をやってたブロッコリー刊行の「季刊デ・ジ・キャラット春号」は薄い癖に500円もしやがるのはまあ、アンソロジーコミックと比べて逆に安いと思うこともできるし、大きなポスターが入っていたりチラシがわりに商品カタログが入っていたりして広告も情報のうちと前向きに捉えてあげることにしよー。掲載されている漫画は本家コゲどんぼさんの描く漫画が本編「デ・ジ・キャラットにょ」をまんまコミカライズした内容で4コマ的な毒が交じってないのがちょっと残念、だけどアニメで見て読みたいと思った子供にはこれくらいが良いのかな。

 他の漫画はうさだフィーチャー、ぷちこフィーチャーともほのぼのとしてなかなか。ひなさんの描くぴよこがまだ悪に目覚めてない頃の漫画はリク・カイ・クウのPKOが妙に格好良くってなるほどこーゆー切り口からあーいったファンが出来たのかってことを改めて知る。山田J太さん描くすでに悪の一味となった「ブラックゲマゲマ団」が悪に迷って善をなしてしまう展開のほこほことした感じも悪くない。情操教育に役立つちます。けど何より最高は菜の花すみれさんの小説に寄せられた渡辺明夫さんの挿し絵、かな、でじこの媚びもうさだの高飛車も良いけどやっぱりぷちこの「にゅ」としか言い様のない表情が最高にゅ。切り抜いてアイロンプリントにしたいにゅ。誰かしてくれにゅ。にゅ。

 仕事場で「名古屋グランパスエイトvs鹿島アントラーズ」。向こうが柳沢選手を落として来たんでバランスととってやるためにウェズレイを落として差し上げたことが奏功してか、共にゴール前へと迫りながらもあと一歩のところで固い守備なり上へ左右へとゴールを惜しくも外れるシュートなりで点が入らず一進一退の攻防が見ていて楽しめた、ってのは半分本当で半分うそで、決めてればもっと盛り上がるだろーところを外す双方の拙さにこれがひいては日本代表の決定力不足へとつながってるんだとゆー思いがして頭を抱えたくなる。攻めの感じはアントラーズが流石なもので、対するグランパスエイトは中盤での持ちすぎがテンポを止めて見ていてイライラさせられて、どーしてそこでフォローにいかない、どーしてそこでサイドに送らないと声が喉から出て来てしまう。

 ドリブルで抜こうったってストイコビッチじゃあるまいし、2人の間を抜けてかわして迫るなんて無理も無理、にも関わらずそれをやろーとしてしまう辺りにベルデニック監督ももーちょっと指導をした方が良いんじゃないかと思えてくる。まあ最後は藤本が頑張り中村直志がセンターへと送ったところをヴァスティッチがどんぴしゃりで決めて1得点。以後はセンターバックのパナディッチ坊主の頑張りと老練な岡山選手の時間稼ぎ的活動によってアントラーズ相手に”金星”を収めることが出来た。点をとれなくても点を与えない守備が出来て来たのが収穫で、ウェズレイとか戻って来ればさらに一段の勝利とそして上位進出も期待できるかも。来週はレッズ戦に続く東下りで味の素スタジアムに来臨。午後7時って時間がアレだけど頑張って見に行こう。「ライトノベルフェスティバル」はどーしよーかな、レプリカ着て出てそれから味スタ、ってのも良いかな。

 帰宅してビデオ撮りしておいたテレビ東京「スキにさせて!」をじっくり観賞、15歳以下の少女たちがおそろいの制服姿になって雛壇にならんで太股に膝小僧を見せながら順繰りに喋っていくとゆー趣旨の素晴らしさもさることながら、出てくる少女たちの選び抜かれただけあって実に可愛く愛くるしいその姿その声そのこまっしゃくれた言動に、見る目はらんらんと輝き背筋はビンビンに痺れ出す。総勢で30人とか40にんとかいるそのほとんど全員について、喋りかあるいは事前に撮影されたポラロイド写真か何かでもって名前の紹介があって2週間ほど頑張れば全員の名前を覚えて顔も覚えて名簿とか作れそー。所詮は絵でしかなく、おまけにこの3週間ばかり露出がグッと減って見る価値も初回2回目の10分の1以下へと下がっている「魔法先生ネギま」なんて見て喜んでいる場合じゃありません。

 目に付いた人で言うなら髪の毛がフワフワとソバージュっぽく広がった山田由梨さん11歳の人形みたいな可愛さがなかなかだったし、ウェービーな髪を束ねた上に大きめの帽子を被ってモデルっぽさを出している林清羅さん11歳もこれからの成長が期待できそー。逆に尾崎美佳さん14歳は中学校3年生にして身長が171センチもあってこれからさらに成長したらバレーボールとかバスケットボールとかの選手かあるいはファッションのステージで活躍するモデルとかになってしまいそーで今後に要チェック。目立たないけど彩月貴央さん12歳は見るからにキュートな美少女ぶりでこっちはアイドルとか女優とかって方向が似合ってそう。エリザベス小泉さんは凄い名前だなあ。山本スーザン久美子は越えてないけど。

 でもやっぱり究極は先週も本番中に眼鏡を外して拭いてはかけなおすそのはにかみやさん的仕草と、一所懸命喋ってはいるんだけど内容がどこか微妙にズレっておかしい感じが最高だった天然系眼鏡っ娘の橋本侑里映さん11歳が今週も本番中とそしてエンディングに登場しては、愛くるしいところを見せてくれていてなおいっそうのファンになる。かくも素晴らしき天然眼鏡っ娘の降臨にも関わらず「デ・ジ・キャラットにょ」以上に誰も話題にしていないのが不思議っちゃー不思議。それとも騒ぐのは小僧でホンモノは内に秘めて心で愛でるものなのか。だとしたら僕はまだまだ修行が足りません。来週までに根性、叩き直して今度は正座しながらリアルタイムで番組を見ることにいたします。


【4月12日】 寝倒しでアニメーション版「成恵の世界」をまたしても見逃してしまってゲショゲショ。けどあんまり残念な思いがしないのは原作のコミックの方で存分に白い三角を見せてもらっているから今さら、アニメで同じキャラクターの規制もきっとかかっているだろー白を見てもあんまり感動しないだろー気がするから、なんだけどきっと見てしまえば来週も見せろ今週だってもっと見せろとなるんだろーなー。ところでどーなんだろー、「ナジカ電撃作戦」よりは少ないのかな。「キディ・グレイド」よりは多いのかな。「Aika」級だったら嬉しいな(そんな訳はない)。

 起きあがって東京都現代美術館で今日から始まった「舟越桂展」を見物、木彫りの半身像で有名な彫刻の人ですでに90年代から日本のみならず世界でも人気となっているアーティストだけに、初日から長蛇の列が出来ているに違いないとか思ったけれどそこは地の果て木場の現代美術館、並んでいる人もおらず「日蓮展」のよーに仏像をぐるりと取り囲む観覧者もないなかを、1つひとつの彫刻の間近にまで迫って面から裏からじっくりと作品を見ることができた。これまでも西村画廊とか名古屋にある美術館とかで数点づつの作品を見る機会はあったけど、過去に作った作品の3分の1に上るとゆー数をまとめて、それも数センチって距離から眺められたのはこれが初めて。企画してくれた現美の人には心からのお礼を言いたい。何でもっと早くやらなかったのかって苦言もついでに。

 それにしても楽しい展覧会。買った写真集で見たことがあったり名古屋市美術館で実際に見たことのある作品に実際に今ふたたび見えることができたのは喜ばしい限りで、例えば舟越さんには珍しい全身像で見るからに「コム・デ・ギャルソン」とか着てるっぽい青年の姿をかたどった「午後にはガンター・グローヴにいる」を、前に東京オペラシティギャラリーで見たドローイングと合わせて見られて、その大きさその雰囲気に改めて木とゆー素材の持つぬくもりと柔らかさを伴った量感の心地よさを感じる。名古屋市美術館所蔵の「かたい布はときどき話す」とは7年ぶりの対面か。生きているような表情を持つ造形に顔をぎゅっと抱えて抱きしめたくなる。

 西村画廊の個展で見た眼鏡っ娘女性の半身像「午後の青に」とは10年ぶりの対面か。12年くらい前に「小説新潮」の記事で舟越さんとゆー作家のことを知ってしばらくして開かれた個展にかけつけ虜になった作品で、その時も真正面から顔をながめてその場に釘付けになった記憶があるけれど、10年経ってこっちは歳をとり失うものも失ったのに彼女はまるで変わらず叡智を讃えた表情をして見つめ返して来る。時をそこに固めて永遠に残す彫刻作品の良さ、それを実現してみせる舟越さんの活動の素晴らしさを今さらながらに実感する。真横に置いてあった「野の印画紙」って作品も瞬間を固めた作品は、土台がおそらくは森村泰昌さんで、ドラクロアになり女優に化けて本体を見せない森村さんの本性が意外な形で見せてくれていて面白い。

 まとまって見られたことで初期の、表情もファッションもリアルさを残した半身像がだんだんと歪みふくらみ削られていった様を目の当たりできるのも回顧展ならではの収穫。89年の「言葉の降る森」や「言葉が降りてくる」あたりから髪型に奇矯なフォルムが現れファッションもスモッグみたいな法衣みたいな不思議な形が現れてはいたんだけど、91年の腕が前について振り子みたくなった「水の上の振り子」に92年の「遅い振り子」がきっかけになったのか、人間っぽさを残していた胴体にも変化が現れ形に家が建ったり山が盛り上がったりして、具象ではあるんだけどどこか抽象っぽい暗喩を放ちはじめる。その現時点での究極が新作として展示された「水に映る月蝕」と「夜は夜に」とゆー作品「月蝕」はまるで瓢箪のよーに下部がふくらんだ胴体に乳房が張りだし背中には天使の羽根のよーな腕が張り出す。にも関わらず顔はあくまで美しく整った女性で、そのギャップが逆に美を放ちつつ世界を育む力も秘めた慈母としての女性とゆー存在を醸し出す。

 「夜は夜に」も瓢箪化したいびつな形の腕の胴体にこちらは悪魔的な笑みを浮かべた道化のよーな顔が乗った抽象へと傾きを鋭くした作品で、木の素材が醸す暖かさを覆って鋭さと冷たさが感じられる表情・フォルムに人の持つ心理の複雑さ、奥深さが伺えるよーな気がする。実を言うとどこかにいそうな誰かの半身像を眺めてそのリアルな表情に人恋しさを免れよーとする見方で舟越さんの作品に接してきて、だからこそ90年代に始まったさまざまな試みにちょっとだけ反発も感じてもっと「午後の青に」みたいな作品を作って欲しいと思っていたんだけど、ファッションとかモデルとかいった情報を濾過して深層へと迫ろうーとして来たんだとゆーことを作品を通して目の当たりにすると、変化の過程にある作品にも作家の葛藤が見え、込めた想いが伺え浮かび上がる本質が感じられて好きになって来た。そんな変遷の理由を話してくれるかもしれない講演会にも行きたいけど、混むだろーから気分次第。むしろ今は刻まれた思いを作品からくみ取る方に心をもっと傾けたい。また行こう。

 ついでに、と言っては失礼ながら同じ現美で始まっていた「サム・フランシス展」を見てその圧倒的な美の探求ぶり、生み出した作品が持つスケールの大きさに舟越さんとはまた違った、とゆーか舟越さんの内省的な世界へと抱く感情とは対極の感動を覚える。初期こそ小さいキャンバスに色をいろいろ塗り重ねた、どちらかといえば枠の内側へと見る人の気持ちを向かわせる作品が中心だったけど、だんだんと作品が大きくなるとともに色彩も増えて賑やかになって、不思議な存在感を放ち始める。「セイル・ペインティング」とゆーシリーズでは、画面を白で固めて四方の縁にほんの少しの色彩を重ねる作品で、白とゆー色の持つ無色故の存在感に、広大なキャンバスサイズと合わせて見る人をづかせる。そして70年代前半の「フレッシュ・エア・ペインティング」と呼ばれるシリーズで、10メートル前後の巨大な白いカンバスのところどころに色彩を撒き、その巨大さによる圧倒感の中で浮遊する色彩が放つ生命観、躍動感を見る人たちに突きつける。

  圧巻が「タイアイシャ」というタイトルの巨大な画。86年に描かれたこの作品は色彩の自由さがさらに高まり、静謐だった宇宙に光が起こりカオスから銀河が生まれ分裂し成長していくパワーを感じさせてくれる。仕切りもない巨大な展示室の壁一面に並んだ同じ時代の作品群の最中にひとり、佇んで生まれ育ち輝く宇宙に漂う感覚を味わう。何とゆー贅沢。何とゆー幸せ。舟越さんを見に行った人は是非に一緒にサム・フランシスも見ておこー。ーゆー作家に育っていくのかどーかも分からなかった50年代末に、才能を見出し作品を買い親交を深めた出光佐三の炯眼には恐れ入る。名のある作家の作品を半ば名誉欲から、半ば騰貴目的で買いあさった後の経営者たちと比べて、ブリジストン美術館を作った石橋一族といーこの出光さんといー、昔の経営者には商才に偏らない偉才の持ち主が多かったなー。自分もかくありたい。その前に金が欲しい。


【4月11日】 どっかの海外の新聞が「衝撃と恐怖」ってゆー例の米英軍によるイラク攻撃の緒戦の作戦名をソニーが特許局だかに商標登録して、ゲーム化を予定してるってことに米国あたりから激しい反発が起きているってニュースを書いていたって、通信社が流しててネタかと思ったら本当っぽい。伝えているニュースは反戦団体の言葉を引いて不謹慎さを醸し出そうとている風があるけれど、ゲームに使うのは不謹慎とか、ソニーが日本発の会社だから機を見るに敏すぎて鬱陶しいとかいったニュアンスがあるかってゆーと判断に難しく、戦争当事国の戦争遂行者からどんな反応が出るのかを見守りたいところ。マッチポンプ的に日本のメディアが「不謹慎ですよねえ」と軍部とかにチクって「そうかもね」って返事をこれ見よがしにフレームアップしてソニー叩きへと走らないとも限らない、からね。ノルマンディー上陸作戦の作戦名とか湾岸戦争の「砂漠の嵐」とかって商標登録されているのかな。あと「人間の楯」とか(作戦名じゃねー)。

 世田谷の若林でゲームソフト業界についての勉強会。去年のゲームソフト売上げランキングで世界市場のトップと2位を「グランセフトオート」とかってゆー車やバイクを盗んでバットやゴルフクラブで頭をスイカ割りしてナイフや拳銃で血まみれにして楽しむ(楽しいのか?)ゲームが占めたよーで、合わせて1000万本とかそんな数字に達しているらしーことを知ってゲーム業界の未来に留まらずアメリカって国の未来にあれこれ思いを馳せて気が重くなる。

 レーティングのしっかりと行われている国だから、こーしたゲームが18歳未満でも買える玩具屋ゲームショップに平積みされて子供たちに”悪影響”を与える可能性があると非難されるよーな環境にはなっておらず、買える年齢の人しか買えないよーに分け隔てられていて、それも日本の18禁コーナーみたく日陰者的な扱いにされているんじゃなく、18歳以下は入るなと言わんばかりに堂々とした場所になっていて、店側も18歳以下に売って後で問題になるよーな懸念なく堂々と売っていて、それがとんでもない売上げ本数に繋がったんだろー。それはそれで悪くはない。

 けれどもしかしより高度だったり複雑だったり奥深かったりするゲームでも楽しめる年連になっている大人たちが、にも関わらずある意味で究極のバイオレンスに走って耽溺してしまうってゆーのは気味の悪いことだし、そーした大人層に向けて素晴らしいゲームを幾つも創り出している、とゆーか「ファミコン」に始まってゲームに慣れ親しんだまま上へと上がってきた世代に向けて複雑だったり奥深かったり単純明快で親しみやすかったりするゲームを作って評判を得よーとしている日本のゲームソフト会社が、世界でトップの米国市場じゃバイオレンスが足りないとゆー理由から、まったくもって活躍できない可能性を示唆してたりする。米国で「太鼓の達人」が売れるとは思えないし。

 まあそれでも3位から下は日本のゲームソフトがずらりと占めていたりする訳だし、「ニンテンドー64」「プレイステーション」で育った90年代半ば以降のキッズが上がった時には遊ぶゲームに求める要素も単純バイオレンスとは変わる可能性もあるから悲観することでもないのかも。あと多分「プレステ」ってフォーマットを使ってコンシューマーゲームを遊ぶ層、ってのにも日本とは違いがあるかもしれず、日本とは違ってハイソな方々はパソコンでゲームをしている可能性もあるだけに、ゲームそのものの未来は決して暗くはないのかも。それともパソコンでも出てて大人気なのかな「グランセフトオート」。

 とかゆー日本だって絵こそアニメ絵だけど内容はもーぐちゃぐちゃでぬとぬとでびちょびちょでぬらぬらとしたゲームが18禁として売られそれなりに人気となっていたりする訳で、人間の持つダークだったりエロティックだったりバイオレントだったりする部分をバーチャルな世界で解消したいってゆー欲求は不変なもの、それがアメリカではバイオレスに向かいここに日本みたく曖昧さがスポイルする方向へと働く懸念がない、整備されたレーティング制度が加わって爆発的な売上げへとつながっただけなのかもしれないんで、心配せずとも良いのかも。もし「グランセフトオート」が入って来た時に、欧米ほど爆発するかってゆーと……爆発するかもしれないなあ、だって面白そーだもんなー、キャラのエディット機能とか付けてくれると嬉しいかもなあ、あの上司あの教師あの親を取り込み金属バットを叩き込みインパクトの瞬間にヘッドが回転する感触を味わわせるゲーム……売れる、かな。

 「噂の眞相」2003年5月号の1行情報で「『文藝』で大売出し中だった美少女作家D」って「キぐるみ」とかのDさんを取り上げてる情報があって「ウワシン」の1行情報に没ネタじゃなくて登場できるくらいにDさんって有名だったんだと感嘆、某工業新聞よりもメジャーってことか。あと有名人文化人のお言葉に突っ込む「七人のバカ」のコーバーで、ぴあから出ている「インビテーション」って雑誌の4月号でタカシロマンこと高城剛さんが「僕はわりと楽しいことに誘われがちなんですよ」ってゆー言葉を引いて突っ込み中。なるほど「AIBO」とかいろいろ顔を出してはいるんだけど、「インビテーション」がネタにした「ルイ・ヴィトン」アニメ化計画ってまず高城さんありき、だったのかな、それとも細田守さんを担ごうとしたら高城さんが入って来たのかな。「戦略家・村上、高城を利用したつもりで、おいしいところだけはもっていかれたというお粗末。狸と狐の化かし合いか。平和だね、まったく」とはなかなかに構図を言い当てている感じ。「月刊ニュータイプ」2003年5月号の写真でしょんな両名の間に挟まって笑顔の細田さんは動物にたとえると何、だろー、いたいけなネズミかそれとも狐狸の上を行く狢か。


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