縮刷版2003年3月中旬号


【3月20日】 帰宅して刻々と迫るイラク攻撃の時間を、気にしているかってゆーと余裕がまだあったんでそれほど気にも止めないで、録画しておいた「キディ・グレイド」のラスト2話をビデオで鑑賞、6万キロの巨大ロボットによるダイダロスアタックが見られると期待したのに変形もしなけりゃ合体もせず、時々「伝説巨神イデオン」みたく針鼠ビームを全身から放ったくらいで敢えなく正義の味方の攻撃によって沈没してしまう体たらく。全身をアールヴにトランスフォームして宇宙最大のナイスバディを銀河に見せつけた上に、攻撃によって衣服を全部はがされて宇宙最大のヌードを銀河に披露して、攻められている地球の人にせめてもの目の保養をさせてあげれば良かったのにと、終盤にかけてサービス精神の沈静化していった内容への視聴者としての慚愧の念も込めつつ想う。

 だいたいが全長で6万キロってゆーんだから腕1本の太さだって1000キロ2000キロはあって不思議はなさそーなのに、日本列島よりも長いそんな幅を結んで細いワイヤーだかエネルギー糸だかを走らせて、ブギーポップよろしく腕を切り落としてしまえるんだから不思議なもの。地球よりはるかに巨大な物体に全長で20メートルあるかどーかってな戦闘機が立ち向かったところで分子が粒子が当たった程度の影響しか受けなさそーな気もするけれど、そーした厳密なスケール感を気にせず時には無視しても絵としての臨場感を出すのがアニメーションの良い所。まるで30メートルはあろーかってなスケールに見えるラオウにケンシロウが挑むその逆の演出を、巨大ロボットとGOTTのESメンバーたちの間にやったと想えば許せる……わきゃないか。せめれ60キロとかにしておけば良かったのに。もしかして6万メートルを勘違いしてる可能性もあるから週末にかけてまた見直そー。ドヴェルグ母さん可愛かったねえ、ってえっ? 母さん?

 起きて会社で攻撃の瞬間をテレビで鑑賞、始まってしまったか。3連休の間に片づけば来週はまたお気楽な1週間を過ごせるんだけど、短期決戦とか言ってた割に今だってまだしこっているアフガニスタンの例もあるから微妙なところ。押した引いたで経済情勢が一喜一憂してその度に編集が大騒ぎして右往左往して仕事が増える可能性があるだけに、社会政治外信とは無縁のマイナー新聞稼業もおっとりとは構えていられない。仕事とは別に無理筋は無理筋として始まってしまった以上はせめて無辜の民間人に犠牲者が出ないことを願うしかない。うまく目的が果たされ戦闘が終結してから世界はその行動の正当性なり、言われている石油利権が言われていたとーりにならないよーな観察なりをするべく、成り行きを注視して行かなくてはならない。監視しても言うこと聞いてくれるとは思えないのも困ったことだけど。うーむ。

 「GAP」のシャツにパンツにベルトに「エディバウアー」のジャケットに「レッドウィング」のワークブーツに「グレゴリー」のディパックとゆーUSAなファッションは別にフランスワインを捨てるアメリカの逆を言っている訳ではないんだけど、「POPEYE」(80年代前半まで)の洗礼を受けて染みついたアメカジへの信仰は信条とは違うところで抜けず残っているのが何とゆーか根が深いとゆーか。ちなみに靴下は「ユニクロ」でした。これも同盟国だから一緒か。そんな格好で向かうは攻撃が始まったことがどこまで広まっているか分からないまま、美少女がパンツ見せてたりする、かもしれないアニメーションが花盛りな「東京国際アニメフェア2003」。例の東京財団とかが募集していた「アニメーション感想文(評論文)コンテスト」の発表があるってんで、どんな人が応募して受賞したのかを確かめに行って遅れて着いたらすでに講評が始まっていて、「プロ級」って誰かの賛辞が流れててそんな凄い人が出たんだと近寄って椅子に座って受賞した人を見たら「プロ」だった。

この私を恐れぬのならかかって来なさい、とは言わなかった初代アニメ評論名人  つまりは「千年女優」のDVDなんかで絵コンテの解説を担当しているアニメライターの藤津亮太さんが最優秀賞の受賞者だったってことで、ちょっと前には伸び伸びだったヒゲも切りそろえてはパリっとした格好で舞台に立って、背中に岡田斗司夫さんに竹内義和さんに切通理作さんに「なんでだろー」な岡部まりさんら、錚々たるメンバーを従えて、晴れ晴れとした表情で訥々を受賞の喜びを語っていた。未だかつてアニメーションの評論に関するコンテストが開かれたって記憶がなく、おまけに今回は東京都が主催者に名を連ねたオフィシャルもオフィシャルな賞だった訳で、言うなれば公的機関によって認知されたアニメ評論の初代チャンピオンに藤津さんは輝いたってことになるのかな。来年はその座をかけて大勢の人がプロもアマチュアも含めて挑むだろーから大変だなー。5人抜けば「永世アニメ評論名人」の称号が名乗れます。ってそーゆー賞だったのか?

 それにしても今回から始まった「アニメーション感想文(評論文)コンテスト」。前例のまるで存在しない1回目ってことで、一体どんな文章が集まるんだろーってことに1番興味があって、それは求められている文章のレベルなり、方向性なりの見当が皆目付かなかったからで、日記とかに書き散らしているよーな個々の作品のレベルで印象を述べれば良いのか、その作品が作られた時代背景なりも含めて論じるべきなのか、論じるにしてもストーリーを文学的に論じるのか、映像作品なんだから映像表現を論じるべきなのか、アニメならではの作画の可否を云々すべきなのか、出演している優の演技の質を論じてみても良いのかがちょっと掴めず、50万円ってゆー賞金に魅力はあったけど、書いて送るのを躊躇してしまった。送ってたところでラストの20本には残らなかっただろーけど。

 かくも多方面からの切り口があって迷うコンテストに、藤津さんが応募した「言葉とアニメーションと2人の監督」とゆータイトルの評論は、宮崎駿監督に富野由悠季監督とゆー2人の大物監督を対比させ、なおかつ言葉と映像とゆーアニメーションの両輪を絡めて論じってあって、テーマの選び方といーその扱い方といー、”アニメ評論”のまさに急所を突いたって感じがする。一般に「絵の宮崎」「言葉の富野」と思われている概念をひっくり返して提示して見せるのも面白く、こーした過不足のなさと目の付け所の巧みさが、プロ達をしてすでにプロだと(プロだけど)言わしめたんだろー。来年の公募に向けてひとつの指標となった訳で、その意味でも重要な論文だったと言えそー。石碑に刻んで吉祥寺に建てるか。

 大方のものは昨日のうちに見てしまってたんで今日は見逃していたブースなんかを散策、「プロダクションIG」のブースで「ジバクちゃん缶バッジ」とか拾ったり「ガイナックス」のブースでニナモリのブルマー絵を見て感動したりしてから会場を出よーとして、出口付近なんて可哀想な場所に作られた「MANSEIDOU」ってゆー団体のブースでホワイトボートに「スポンサー募集」とかってな感じの文章が書かれているのを見て立ち止まる。何でも去年の「新世紀東京国際アニメフェア21」に来ていた人たちが集まって、アニメの企画を立ち上げようって話になったとかで、1年を経て立ち上がってきた企画をまずはお披露目して、集まって来ているアニメ界なりキャラクタービジネス界の重鎮たちに向かってアピールしては、企画を実現してくれるスポンサーを募ることになったのだとか。

 すでにマンガになっていたり小説になっていたりするのをアニメ化するのは当たり前にあるケースだし、同人誌界隈で人気を盛り上げるとか、小説をどっかに応募するなり出版するなりして知名度を上げるとかした上で次のステップを目指す、ってのは「月姫」の例とか見れば今時に割にありそーだけど、それなりに経験はあっても会社に雇われるんじゃなく自分たちの意志で参加した人たちが、原案を作りキャラも練った上でスポンサーを募って商業的な企画にしよーと意気込んでいる、ってのはちょっと珍しく、果たしてどんな展開を見せるのかをちょっと見守って行きたい気分。ちなみに企画されている作品は「伍法傳 狂騒異聞」ってゆータイトルで、絵の1枚を見ればおわかりな中国っぽい場所が舞台の妖怪調伏アクションアニメって感じ。キャラクターデザインの「井上ちよ」さんは講談社X文庫とかで活躍している人なのかな。来年には形になっていると面白いな。


【3月19日】 すでに文芸局長から反論も出ている横山秀夫さん「半落ち」(講談社、1700円)に関連しての、直木賞選考委員・林真理子さんによる”無理落ちだ”的批判について今度は当の作者の横山さんが、「朝日新聞」の3月19日付朝刊に登場して大反論。「作品個々の良しあしを論ずるべき選考会の講評で、ミステリーという特定のジャンル批判に及ぶなど言語道断」といった感じの厳しい論調で、「一般読者と実作社とは、こだわるポイントが違う」と「オール読み物」3月号で林さんが書いた選評を挙げて怒り心頭なコメントを出している。「直木賞という権威を笠に着たおごりとしか思えない。今後、作品をゆだねる気にはならない」とはつまり、永劫において候補作になることすら拒否したとも言える。

 実の所読んでなかったりする「半落ち」だけど、結末がバラされていた選考の経緯を読んだ限りにおいて、人の命がかかっていてなお規則をたてに拒絶することが果たしてできるのか、って疑問があって実際、「朝日新聞」の横山さんの反論を取り上げた記事を読むと「あり得る結末」ってゆー判断も示されているらしー。ってことはつまり選考会の席上で確認した上で”無理落ち”と判断したこと自体が間違っていた訳になるんだけれど、その時は電話で聞いた相手が規則を厳格に適用したケースとして杓子定規に答えたから、選考委員が「欠陥」と認識したのも仕方がないし、「オール読物」3月号の林さんの選評が「欠陥」が事実として認じられていた1月中に書かれたのなら、その筋に沿った認識の文章になっていたのも仕方がない。ミステリーの読者を侮辱しているって指摘もあるけれど。けれどもこーしてつまびらかになった今もなお、「欠陥」とゆー選評が厳然と歩き続けていることに関してやっぱり、選考委員側にも態度を表明してもらいたいよーな気がする。「週刊朝日」の林真理子さんの対談に横山さんを呼ぶ、とか? 行くわきゃな、よな。

 ブッシュ大統領が猶予は48時間だと18日に演説で言った時点でまずまあ無理だろーとは思っていたけど案の定に大リーグの日本での開幕戦「オークランド・アスレチックスvsシアトル・マリナーズ」は中止が決定、2日分とも一応チケットをおさえておいていたんだけどこれで総額でえっと幾らになるんだったっけ、内野のAとBとで1万6000円だかが浮いたことになった訳で、残念ではあるけれど仕方がないとあきらめ代わりにDVDでも買うことにする。果たして「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」にすべきかそれとも「キディ・グレイド」を揃えるべきか。エッチなのはいけない「まほろまてぃっく」も欲しいなあ。「キングゲイナー」もまだ買ってない。「はれときどきぶた」ボックス、「天地無用」ボックス、「ぴよこにおまかせぴょ」エトセトラエトセトラ……嗚呼やっぱり金がない。

 同じ国民が遠くイラクの地で命張ってるのにベースボールをそれも海外なんかに出向いてまでやっていられない、自国に残す家族だって心配、ってな理屈はとっても分かるから、遠征の中止は分かるしあるいは開幕時代を遅らせることだってやってそれほど違和感はない。ここで例えば日本の優秀な警視庁が全力をあげて守ります、レイバーだって動員しますと行ったところで相手の繰り出す理屈を超えるだけの安心感を与えることは不可能だから(飛んでる飛行機まで護れないしからね)仕方がない。それにしても奇妙なのがこの期に及んでもなお、日本のサッカー代表の遠征が明確に中止になったってゆーアナウンスがないこと。なるほど向こうの警備関係者が厳密極まりなくやるって明言しているんだけど、戦争の当事国でありながら本土は警備状況によって無関係な同盟国以上に安全が確保されるってゆー状況は、国と国の人と人とが顔と顔を突き合わせて血と血を洗う戦いを繰り広げる”戦争”にはやや遠い、実に一方向的なものなんだってことを示している。

 独立戦争からこっち、アメリカってのはずっとそーだった訳だけど、「9・11」のテロで自国が襲撃され人命が眼前で大量に失われた様を目の当たりにしてもなお、とゆーより一段と戦争への、それも他国へと出向いて危険をツブす意欲を増してしまったよーにも見える。ひるがえって日本は太平洋戦争の折、東京大空襲で10万人が焼かれ広島の原子爆弾で15万人くらいが直接間接で亡くなり長崎の原子爆弾でも10万人近くがたぶん亡くなっている。北から南へと主要都市を襲った空襲も同様で、かくも大量の戦争による身近な人たちの死を目の当たりにしてなお「戦争をやろう」ってゆー気が起こるはずもなく(最近はそれも変わって来てしまっているけれど)、今に至るまで一応のところの戦争放棄を主義として通してる。つまりはだからアメリカも、日本なりドイツなりと同様に本土を完膚無きまでに叩かれてみないといつまでも世界の警察官面し続けて先制防衛し続けるよ、って理屈になるんだけどアメリカが完膚無きまでに叩かれる時は世界が政治的にも、軍事的にも経済的にもガタガタになる時だし、そーした人の犠牲の上に成り立つ平和を称揚はしたくない。

無邪気で積極的が健康の秘訣、なのかな。  かといって他にアメリカ人に分からせる方法があるか、とゆーと「これだ」って明暗が浮かぶはずもないだけに悩ましい。教育? それが出来ていてればカナダなみに銃による犯罪だって減っているからなー。やっぱ見せるしかないのか、戦争の愚かさをたっぷりと描いた日本製のアニメーションを。「ガンダム」とか「アンパンマンとか。「ガンダム」は違うかな。って訳でアメリカ人にも見てもらいたい平和で愛い溢れたアニメを探しに 「東京国際アニメフェア2003」へと出向く。開会式を終えて中に入ると今の日本でもっとも愛されているアニメの作者の人が実に愛らしい格好で子供が喜ぶ乗り物に乗り込んではポーズを取っていたんで即スナップ。人を助けるために自分の頭を犠牲にして食べ物として差し出す、その作品に溢れたメッセージを子供の頃から植え付けられていればとてもじゃないけど余所の国へとわざわざ出向いて、パンの変わりに爆弾とか落とそーだなんて考えなくなるんじゃなかろーか。

 さらに歩いていると東北新社ってブースで展示のパネルの高さを遠くから確認しては近寄って直せと支持する白い頭の老人を確認、って植村伴次郎さんだよ、社長の。日本の映像業界を仕切るとも言われている凄い人なんだけど現場へと出て自ら指導するバイタリティーとリーダーシップを見るにつけ、このご時世にしっかりと業績を確保しているのも当然かもって想いになる。現場はタマんないだろーけど。他のブースだと「コミックス・ウェーブ」で新海誠さんが手がけたってゆー「みんなのうた」の映像のうちの1枚絵をモニターで確認、新海さんぽかった。5月くらいから放映される予定だそーで、唄うは岩崎宏美さん。「ふたりっ子」ではもちろんなくって「ロマンス」でデビューした「タッチ」のお姉さんの宏美さん、です(分かってるよ)。まだ歌も動く映像も聞いてないし見てもないけど音楽に合わせて気持ちよい映像を作るに長けてる(と東浩紀さんが出雲で熱烈に主張していた)新海さんだけに、それなりなものを仕立て上げて来るだろー。でもってこれが景気となってミュージックビデオにバンバンと起用されるよーになり、その伝で松浦亜弥さんのPVも担当して仲良くなって結婚した果てに「破裏拳ポリマー」の実写を撮ると。見てみたい。

文化庁を獲り東京都を獲った次はやっぱり米アカデミー? 「千年女優」は世界を走る  そんな感じに時の人旬の人をひとりでやってる新海さん、午後からのコンペティション部門でもあつらえられたかのよーに公募作品の中の特別部門で表現技術賞を受賞しては、その表彰に間に合うかのよーに現れた石原慎太郎・東京都知事の真横に立って握手とかしていた程で、メインともいえるノミネート作品部門の華ともいえる劇場映画部門で最優秀賞を受賞した今敏監督の「千年女優」の表彰が、表彰式の前半に行われてプレゼンターも都知事ではなかったことと考え合わせると、偶然とは言え新海さんへのスポットの当たり様にはちょっと際立つものがある。とは言え今さんも最後の写真撮影では石原都知事の真横に立って、背の高い都知事を唯一見下ろす存在として(それだけ今さん、背が高い)ステージ上に屹立してたんで、端で見ていて他人ながらもちょっと気持ちが良かった。人間、1番に立ち続けると時に慎み深さをなくするもの、なので都知事は今度当選したら副知事に190センチ級の人を2人並べて、見下ろされる感覚を味わい自重する大切さを学んだ方が良いでしょー。

 なるほどインディペンデント系では新海さんが一種スタアになっているけど、この広い世界にはその後を襲う才能は幾らだっているよーで、そんな一端が会場隅の「クリエーターズワールド」で作品として紹介されていて、見ながらなるほど日本はまだまだ安心だと確信する。新海さん的、ってことだと1人でほとんど全部をパソコンで作り上げてはウェブでちょくちょくと発表しているロマのフ比嘉さんが「URDA」とかって作品を披露していて、そのアクションの迫力と人物造形のなかなかぶりに感動を覚える。「モーゼルミリタリー」を持ったヒロイン、ってだけで勿論オッケーなんだけど、それよりヒロインが対戦車ミサイルだかを両脇に抱えて撃った相手が、両手でパンと軽くはらったりする場面がまた痛快で、そんな気持ち良いシーンの積み重なりで作られるだろー完成品への期待がかかる。夏の「コミックマーケット」には出したいってことだったけど、それだけじゃなくってもっと広い範囲で売れて「ジャパニメドリーム」を打ち立てて、新しい才能が更に出てくる間口を広げてもらいたいもの。期待しよー。

 あと見ていて面白かったのがあさをゆうじさんって人の作品「こいぬぐんだん」で、犬のキャラクターたちが織りなすショートコント、ってゆーかショートショートの連続なんだけど妙にシニカルだったりシュールだったりする展開に、見ていて思わず口元がほころぶ。たくさんいるキャラクターでは1番小さいチワワがミニチュアダックスだかかのアクションが爆笑もの。ポニーキャニオンが早速唾を付けてるよーで6月にDVDが発売される予定とか。おまけに何とあの朝日新聞社から絵本までもが出版される予定とかで、ドリームはそれほど高みではない所にあるんだなー、ってことを実感する。カートゥーンみたいだけどサイケデリックな所もあるしエロティックな所もあって引き込まれそーになるケイトゥーンズさんの作品も気になったけど、これってビデオか何かで見られるのかな。探してみよー。


【3月18日】 スポーツ新聞のフィリップ・トルシェ前監督嫌いは今に始まったことではないし、その後を継いだジーコ監督への尻がカユくなるよーな美辞麗句をもっての賛辞ぶりもすでに半年以上が続いているから「やれやれ」とは思うものの結果が出て来なかったときにさてはて、どんな言い訳をするのかキャプテンと恥ずかしげもなく自称する会長の言動ともども見守っている最中ではあるけれど、それにしてもちょっと持ち上げ過ぎじゃないかと思った「サンケイスポーツ」3月18日付の記事。今度の米国遠征ではジーコ監督は4バックに固執しないで3バックも試すらしいって内容だけど、それを新聞は「神様の考えは柔軟だ」って書いて支持している。「まさに臨機応変の神様戦略」とも書いてあるけど、これと同じことを例えばトルシェがやったとしたら「柔軟」は「優柔不断」となり「臨機応変」は「場当たり的」となっただろーし、それで勝利を収めたとしても「怪我の功名」とかって貶しまくったに違いない。

 未だ2戦しか経てないとはいってもジーコ監督が去年の10月と11月に率いた(アルゼンチン戦は電話支持。その通りに山本監督代行も差配した訳でジーコは式しなかったといって逃げてはマズいだろー)日本代表で試した4バックは、名良橋選手のなるほどワールドクラスの上がりはあってもそれで点はとりまくれなかった訳だし、逆にバックスは連携の乱れからか共に失点を喫してしまった。これでもしウルグアイ代表や米国代表相手に3バックを試し始めたのだとしたらそれはジーコ監督が就任以来説いて来たらしー4バックの優位性に自ら疑問符を付けたこと、すなわちトルシェ監督が信奉して来た3バックの利点と日本代表へのフィットぶり認めたことになる訳で、あるいは「神様、赤鬼に脱帽」とかってやってもまんざら妙でもないんだけど、キャプテンな会長自身が毛嫌いするフランス野郎におべっかつかえるほど、サッカーメディアにゆとりはないだろーから絶対にそんなことはないんだろーなー。いずれにせよ米国遠征での2試合の様子に4月の韓国での試合(0泊3日の強行軍なら参加できる、かな、したい、なあ)がどんなシステムでどんな結果になるかを見てほくそ笑むかスポーツ新聞に倣って讃えるかを見極めよー。

 昨日から青山の「TEPIA」で始まっていた「デジタルコンテンツジャパン2003」を見物してネタひろい。いっしょに開催されている「東京コンテンツマーケット2003」って方に何故かガイナックスが出展していて「ぷちぷりユーシィ」とかエヴァ関連のグッズが積まれたブースに結構いろいろ作ってるなあと感心する。アニメ制作スタジオではゴンゾ・ディジメーション・ホールディングスも出ていたけれどモニターを置いて「青の6号」とか流していた程度でアピール度今ひとつ。まあ明日からの「東京国際アニメフェア2003」の方が本番だろーからこっちはおつきあいって感じだったのかもしれないけれど、そんな中で壁に3枚くらい貼られた新作「LAST EXILE」の設定画が村田蓮爾絵でちょっぴり気になる。

 あとホリプロが出資している「カレイドスター」ってののプレス向けシートもあったけど、小麦ちゃんなんて比じゃない巨大なウサギ耳の被り物を身につけた少女のビジュアルと、同じ少女が折り畳み椅子の上で逆立ちして開脚しているシーンに一体どんな話なんだと興味が湧く。お話については原案・監督が佐藤順一さんってことで安心して良い、のかな。舞台になっている「カレイドステージ」ってのの説明が「サーカスでもない、ミュージカルでもない世界的に大人気のエンターテインメントショウ」ってあるから想像するに「サルティンバンコ」とか「キダム」とかいった「シルク・ド・ソレイユ」みたいなものだと考えて良いんだろーか。けどあの空間にいて肌で感じる幻想性をアニメでどーやって見せるのかが謎っちゃー謎。「美少女戦士セーラームーン」的な賑やかさ華やかさでそれっぽさを出すのかな。1回くらいは見よー。オーバーオールの太股部分から下をカットしたヒロインの田舎っぽい服装が時代超えててキャッチィ。

 「デジタルコンテンツジャパン2003」に出展してコンテンツ制作支援事業の成果を発表している企業ではデジタル・フロンティアのフル3DCGプロジェクト「不思議世界アタゴオル」に興味津々。「アタゴオル」ってことはつまりはますむらひろしさんの名作「アタゴオル物語」をフル3DCGでアニメ化しよーって試みなんだけど、絵だとぐにゃぐにゃとしてキッチュにポップなますむらさんのタッチが、あのカッチリとしたCGに合うのかどーかってのがまずは抱いた疑問。おまけにパイロット版として公開されていた映像に3DCGで表現されていた「ひでよし」は、それこそ「スチュワート・リトル」が「ねずみくす」かってな感じにフワフワとしてモコモコとした毛並みが体表を覆っていて、点点点と引っ張られて描かれた漫画の「ひでよし」とちょい違うかも、って思ったけれど聞くと実はこれがますむらさんの抱いていた「ひでよし」のイメージなんだとか。

 ますむらさんのキャラクターとゆーとかつて杉井ギサブローさんが監督した「銀河鉄道の夜」の中で使われたことがあるけれど、そんなセル画のますむらキャラよりもよりますむらさん的な世界が見られるらしー「不思議世界アタゴオル」。問題は資金とそれから脚本だそーで、訪れた投資家さんメーカーさんの果たしてどこまで関心を惹いたことか。ちなみにデジタル・フロンティア、去年に公開されたいがらしみきおさんんの「ぼのぼの」のフル3DCG映画を作った会社で、あのサワサワとしたフル3DCGの「ぼのぼの」のタッチが、「ひでよし」にも使われている、と言ったら映画を見た人には伝わりやすいかも。パイロット版の監督は「橋本カツヨ」さん。「少女革命ウテナ」とかで絵コンテ切ってる人らしーけどその正体は謎に満ち満ちている、とかいないとか。稀代のアーティストがデザインしたあって不細工きわまりないパンダを出さなきゃいけなかった「ルイ・ヴィトン」のCGアニメよりはきっと、楽しく不思議な作品になると期待しよー。


【3月17日】 激しい睡魔に午後の9時頃ベットに潜り込んで午前零時には起きよーと想っていたのも無駄になり、ラス前あたりだった「ストラトス・フォー」を見逃す大失態を演じて泣く。まるでB級エイリアン物ってな感じで人々を次々と「t.A.T.u」状態へと招き入れては接吻によって仲間を増やしていく展開が、いったいどーなったのかに興味があったし地上で唯一の感染者っぽかった香鈴がどーなったのかも知りたかったけど、その辺は「月刊アニメージュ」だかのあらすじ紹介で理解しておくとして、今はかくも広がりまくった風呂敷がどー畳まれるのかに注目して、来週の放映を今度はちゃんと起きて待とー。「MOUSE」も見逃してしまったけどこれは1話2話見逃したってちゃんと適当に楽しめるから良いや。実は最近この「MOUSE」が1週間でもお楽しみ度の高いアニメになってたりするんです。堕落? いいえ快楽。

 結局寝倒しまくって快調な目覚めの中を起きて通勤の電車で読んだ「週刊将棋」の3月19日号。ぼつぼつと決まり始めている「順位戦」の結果を確認するのが目的だったけど、今号掲載分では人数の多さに魔の階級と恐れられる「C2」でその強さと加えて顔立ちもそっくりだったことから、かつて読売だか朝日だかから「大山康晴15世名人の再来」と言われた渡辺昭4段が見事に9勝1敗のトップ成績で中座真5段、窪田義行5段と並んで昇級していて、評判倒れに終わりがちな新鋭がここの所多かった中でしっかりと「平成の天才」の呼び名そのままの実力を維持していたことを知る。まだ18歳の渡辺4段がこれまた鬼の住処のC1を1期で抜けB2B1も1期づつで抜けてA級でトップに立てば、25歳までには名人になれる訳だからこれはちょっと期待出来そー。ギャンブルとか興味なさそーだし、いずれ来ると思ったのにC1で足踏みが続いている屋敷伸之8段を超える日はあっさりと来るでしょー。

 もちろん最後に控えるだろーラスボスにして「21世紀の将棋王」候補ナンバーワンの羽生善治竜王を相手にどこまで戦えるかって方が重要で、その最初の試合となった王位戦のリーグでは、自身「完敗」と言うくらいの負けっぷりを見せてしまったからまだまだ若いってゆーか、プロ2年目だか3年目だかに名人経験者を次々と撃破して「NHK杯」チャンピオンになった羽生竜王ほどの強さにはちょっと至っていないみたい。それだけ羽生さんがすさまじかったってことで、今も依然としてすさまじいだけなんだろーけれど。それでも今期の勝率で34勝9敗の7割9分1厘を維持して羽生竜王を抑えて今の所トップに立っていたりするから、昇級で気を良くして挑む来期の活躍に期待しよー。C1に来期も留まるお化け屋敷に足、引っ張られないでね。

 経営成績はますますの鈍化に株式市場も手厳しさを増して来ているブロッコリーだけど、そんな暗雲を吹き飛ばそーとゆー意図も半ば込めてぶつけて来た春からの新番組「デ・ジ・キャラットにょ」の発表会を見物に行く。六本木の「ヴェルファーレ」だなんてアニメにはちょっと似つかわしくない場所かな、って気もしたけれど「デ・ジ・キャラット」が今ある要因のひとつにもなっている声優オーディションが行われたのがそもそも「ヴェルファーレ」だった訳で、生誕の地に帰って再出発を期すんだと思えばこれほど最高の舞台はない。ってゆーか昔はそれこそ年に何回も、ここでブロッコリー関連のイベントが開かれていたんだから不思議でも何でもないんだけど。

 さてもエレベーターで下って降り立ったフロアに待ち受ける「でじこ」「ぷちこ」「うさだ」の着ぐるみの愛らしさに顔も思わずほころで、いっしょに記念撮影をしたくなったけどさすがにそこはグッと抑えて時間までを「D.U.P」とか秋葉原駅のテーマソング候補ナンバーワンと僕が勝手に決めている(当然だろ)「Wellcome」とか「PARTY NIGHT」がBGMで流れるのを聞いて、指でビートを刻み足でステップを踏みながら過ごす。そして開幕した発表会のまずは木谷高明社長ほかの挨拶を聴き、テレビ大阪も含めて相当に気合いを入れていることを改めて確認、裏が何であってもこれまで積み上げてきた人気でもって突き抜けよーとしている覚悟の程を知る。

 次に登場の桜井弘明監督と声優の真田アサミさん氷上恭子さんの挨拶を経て、いよいよ始まった「デ・ジ・キャラットにょ」の第1話Aパートの上映を見て、口にも顔にも出さなかったけど心の中で「勝ちはもらった」と快哉を叫ぶ。桜井監督変わってねえよ。「でじこ」毒吐きまくりだよ。「目からビーム」も健在だよ。つまりは今や伝説ともなっている「ワンダフル」版のシュールで突拍子もなくほのぼのとして脳天気な毒々アニメのテイストをそのまま引き継いだ内容で、おまけに時間が長くなったこともあって「ワンダフル」版を100とするならこちはら200、いや300%の面白さを持っていて、一瞬たりとも見逃せない緊張感とどこを彷徨っているのか分からない酩酊感に、見ている短い時間をどっぷりと浸らしてくれる。玩具屋とのタイアップにつきものの小道具をしっかりと取り入れつつわざとらしくならないように、というよりわざとらしさも含めてお話の中に叩き込んでいて、商品を妙に欲しくさせてしまっているのには驚いた。単に「てじこ」グッズなら何だって買うマニアの欲目って可能性もあるけれど。

 そんなお話の良さに加えて今回はテーマソングを歌う新グループも大きな目玉。まずもって出すレーベルがブロッコリーの立ち上げた「b−fairyレコード」だったりすることがひとつと、それからこれでデビューする新グループの「Priere」が5人とも1990年か1991年生まれの美少女だってことがひとつで、最前列に席を取って取材していた目に飛び込んでくる、スカートもひらひらとさせながら回り足踏みをしつつ唄う「Priere」の姿に嗚呼ハンバート・ハンバート、まもなく不惑なおじさんは脳天から足のつま先まですっかりとヤられてしまいました。背の大きな椎奈ちゃんも良いけど顔立ちくっきりな日加里ちゃんも良いなあ、けど都花沙ちゃんも捨てがたい。真子ちゃんは亜也奈ちゃんもなかなか。うーん迷っちゃう。「デ・ジ・キャラットまつり」でどれがベストか再確認だ。きっとどれもベストだ。

 そんな彼女たちが唄う歌もこれまた話題性たっぷり。まずはオープニングが「ABBA」を生んだスウェーデンロックを彷彿とさせる曲にアレンジで耳に残る。さらにエンディングにいたっては、「Priere」が所属する事務所の代表がかってコンサート制作に携わっていた「CoCo」の伝説のデビュー曲、「EQUALロマンス」をパンチの効いたテンポの良い新アレンジ(誰だろー、坂本さん?)で唄っていて、美少女アイドルグループ好きの本家だった(元祖はやっぱり「おニャン子」か)「CoCo」のかつてのファンにも通りそー。そんなこんなで桜井テイスト炸裂しまくってるアニメ本編に、美少女軍団による主題歌の圧倒的なパフォーマンスをひっ下げて登場する「デ・ジ・キャラットにょ」が裏に何が来よーと負けるなんてことがあるはずない。「日本製アニメやゲームの世界市場での評価も終焉に近づき、クールな文化生産拠点として日本の文化価値を評価する論議も、すでに時代遅れの様相といえる」 なんて抜かした上に、不思議な脈絡で食を対比させて語ってみせる人もいるけどそんなこたぁ絶対にねえ、なるほど誕生日前日に復活する裏番組は、日本アニメのクールさの代表例として賢しらな言葉にあしらわれる可能性はあるけれど、我らが表番組は偉い人のシニカルな視点も海外の日本アニメに対するクールな視点も軽くいなす、誰も見たことのないハードでホットで目からビームなアニメとして、日本文化の奥深さ底知れなさを見せつけ新たな議論を誘発させることになるだろー。世界が「でじこ」の足元に跪く日も遠くない、にょ。


【3月16日】 君に電撃、ってCMがあったなあ、と遠い眼になりつつ電撃文庫から出た新人の在原竹広さんって人の「桜色BUMP シンメトリーの獣」(電撃文庫、590円)を読む。ミニモニサイズをちょっとだけ出た慎重で「可憐という言葉を溶かして鋳型に流し込んだ」(18ページ)美少女ながらも口を開けばつっけんどんでナンパ目的の高校生から「きみ、可愛いね」と言われて間髪入れずに「いいえ」と答え、「ねえ、よかったら」と言われてこれまた「よくない」返してそのまま歩み去る、そのキャラクターの素晴らしさに脳天から足元へと衝撃の雷が落ちる。君が電撃。あまりの素晴らしさに「僕は君に会うために生まれてきたんだ」、なんて言って花束を手に持ち足元へと跪きたくなったけど、そこはそれ、「私はそんなことのために生まれてきたんじゃない」なんて言われてズドンと落ち込むんだ。それもまた良し。

 かくも独特なキャラクターをした桜子が、クラスで話題になっていると小耳に挟んで、何の気もなく立ち寄った骨董屋なのか何屋なのか今ひとつ不明な「不思議屋」をすべての震源地にしてスタートする物語は、その「不思議屋」の不思議な店主が獣のようなものに襲われ死んでしまい、さらには桜子たちが通う高校でも同じような座夏死体が発見されたことをきっかけにして、彼女とその同級生の男子を探偵役にした犯人探しのミステリー的な様相を見せ始め、やがて人間の抑圧された感情がほとばしる先にもたらされる悲劇へと発展しては、少しばかり悲しいクライマックスへと進んでいく、かのよーに見えてとりあえずの一件落着を見て、桜子再登場の続編の可能性なんかも残して幕を閉じる。

 可憐でキュートでつっけんどんな桜子のキャラがこれでおしまいなのは淋しいと思っていただけに、続きそーなのは有り難いことこの上ないんだけど、1人、無辜の人間が死んでしまった事実は残っている訳で、それをそのままにして進んでいくのもちょっとなあ、って気もしないでもないけど子供向けのアニメーションでだって、毎週のよーに人が断末魔の顔をして殺されているんだから、言っても詮無いことなのかも。展開の非現実的ってゆーか伝奇っぽさはあるけれど、後々になってそうかあの時の、って感じて張り巡らされた伏線が生きてくる辺りは割に考えられているミステリーって言えそー。展開的に無理だろーけど、最期にあーなってしまうんだったら「エイワスランド」に彼女を彼と、1日だけでも行かせてあげたかったかな。何のことから読んでのお楽しみ。GUNPONさんのイラストの桜子の、その醒めた目がまた最高です。蔑まれたい。

 テレビ前がCDとビデオの洪水で見られなくなってしまっているのを掘り返すのも面倒なんで、「ギャラクシーエンジェル」の放映はすっ飛ばして池袋の「サンシャイン」へと向かう。っても別に同人誌の即売会の方じゃなくって、同じ文化会館の3階の方で開かれていた「カードゲームフェスタ」を見物に行ったもの。両脇をブロッコリーの「アクエリアンエイジ」とバンダイの「ガンダムウォー」が固める展開は前といっしょだったけど、「ガンダム」の島がだんだんと巨大になって来た上に、メガハウス謹製のガンダムチェスの大会まで開かれていたのにはちょっと驚きで、今さらとはいえ「ガンダム」ってものが持つ使い勝手の良さみたいなものを感じる。連邦のポーンが戦車か何かでジオンのポーンはザクだったっけ、よく見なかったけどそれだと何かあまりに火力違い過ぎな気が。シャアザクはポーンの3倍(3マス)動ける訳でもないし、そのシャアザクはガンダムに絶対に適わない、ってガンダムならではのルールがある訳じゃないのはチェスだけに仕方がないか。軍人将棋なら出来たかな。

 知ってる顔もいないんで「フロムゲーマーズ」の4月号だけ頂いて早々に退散して、池袋から埼京線に乗って武蔵浦和へと向かう途中の電車でペラペラと読んで吹き出す。でじこ偉い。4コマ漫画の「げまげま」で「4月からデ・ジ・キャラットのアニメが始まるにょー」と行って踊るでじこの背中に背負われたあれは2本角の近く誕生日を迎える奴ではないですか。そんでもって決めの言葉が「裏番組は見ちゃだめにょー」。こーまで言われて裏番組を見る人がいたらその人ははおそらく3日以内にはるかより降り注ぐ「目からビーム」で焼き滅ぼされるに違いない。ちなみにテレビ東京系の6局が裏にでじこの背中の奴が来るのは仕方がないとして、それ以外の全国14カ所(そんなにも!)は例えば見えテレビが金曜午後6時半なんてベストタイムだったり、テレビ和歌山が土曜9時半とこれも良い時間だったりとそれほど重なってないみたいで、地方にいる人ほど裏とか気にせずに見られそーでちょっと羨ましい。さすがにテレビ静岡の木曜26時15分ってのややり過ぎのよーな気がするけれど。さすがはオタク立県を目指す静岡、子供でも容赦なく深夜アニメで毒でじこを見せてオタク遺伝子を顕在化させようって腹づもり、だな。

 その「フロゲー」最新号に遂に公式に「湘南ベルマーレとのスポンサー契約期間を満了」のお知らせが掲載されて、これでもはや「ブロッコリーサンクスデー」に行ってでじこやぷちこと一緒に写真に収まる夢もかなわないんだと遠い目になる。折角のサミア監督就任にパラグアイじゃなくコロンビアの点取り屋を迎えてJ2リーグの初戦から快勝する強いチームになったのに、勿体ないなあって気がして仕方がない。景気悪いし本業で今年にかける意気込みもあって無駄遣いをしてられなかったんだろーけれど、出来れば「ベルマーレ」のJ1復帰とともにスポンサーへも復帰して、今度はプラクティスじゃなく本ユニフォームのそれも胸に、今の「MISIA」が所属しているレコード会社のロゴの代わりにあのでじこの顔をプリントしてやって頂きたいもの。その可愛さに相手選手も削れなくなるから一石二鳥だぜ。

 なあにでじこのグッズが山と売れ、26日に出る「デ・ジ・キャラット ベストアルバム」がミリオンを突破し、何故ここが出すのか分からないけどビジュアル最高っぽいプレイステーション2向けゲームの「ちょびっツ ちいだけのヒト」がダブルミリオンを達成し、「綾波育成計画・アスカ補完計画」が「新世紀エヴァンゲリオン」のリニューアルDVDリリースに合わせてこれまた売れまくれば5億10億なんてちょろいちょろい。いっそ「平塚陸上競技場」のネーミングライツも買ってあそこを「でじこスタジアム」にでもすれば、モデム押しつけられそーなどっかの野球場とは違ってカードとかうちわとか余った「ゲマまん」とかもらえそーな感じがして、きっとお客さんも山とはいるよーになってなおいっそうの収益に結びつくかも。今の株価だと夢のまた夢にしか思えないけど、月曜日の制作発表のインパクトと、21日22日の「デ・ジ・キャラットまつり」の大盛況(予定)を超えて一気の立ち直りを期待しよー。

 さて武蔵浦和から武蔵野線を乗り継ぎ東川口で降りて埼玉高速鉄道で向かった先は「埼玉スタジアム2002」。すでに昨日から開幕しているJ2だけど1試合だけ今日に回っていたらしく、あの綺麗なスタジアムでプロサッカーの試合を見る機会もそれほどないし折角だからと見物に行く。スタジアム側の露天で500円にしてはなかなかなボリュームのお好み焼きを仕入れて到着したスタジアムで行われる今日のカードは、地元の大宮アルディージャと大宮から山を越えた先から到来のアルビレックス新潟とゆー”オレンジダービー”。ともにオレンジを基調としたカラーのチームだけに、試合開始1時間前で三々五々と人の集まり始めたスタジアムに入るとそこは既にしてオレンジ色の洪水で、ゴール裏に陣取るサポーターは勿論、メーンスタンドとバックスタンドに陣取る人たちの手に振られる旗もトレンドらしーチアースティックも共にオレンジ色だったりして、どっちがホームでどっちがアウェーか一瞬分からなくなる。

 とりあえずは地元の方が当然人も大勢いるだろーし、メーンスタンドからグラウンドを見下ろして普通は左がホームだと思って、ゴール裏にオレンジの壁が出来ていた右側ではなく人の少ない右へと寄ってよくよく見るとレプリカユニの胸には「NTT東日本」の文字が。そんなはずはない地元でこんなに淋しいのは東京ヴェルディ1969だけだと思い、おそらくは欧州みたくホームは9割9分を地元のサポで取り囲むんだと思って反対側のゴール裏のオレンジのユニの胸にも「NTT東日本」と書かれてあるのを確認しよーとしたらそこには「亀田製菓」の文字が鮮やかに染め抜かれていて2度吃驚、地元「ビッグスワン」ではあの巨大な施設をオレンジ一色に染め抜く大軍団を動員するとは聞いていたけど、はるばる埼玉の地でさえこれだけの人数を動員してしまうとは、さすがにJ2サポの優等生だと感嘆する。

   優等生なのは応援ぶりにも出ていて出す声の大きさ揃い方、唄われるチャントの巧さ面白さなんかはこれまでに見たさまざまなJリーグのチームのサポーターたちの中でも上位に入るんじゃなかろーか。動員力では浦和レッズや鹿島アントラーズが凄かったけど、開会式が始まっていて挨拶とか行われている最中でも延々と歌を唄い音頭を取って自分たちの応援スケジュールをこなすのに精一杯だった「天皇杯」の鹿島アントラーズの応援ぶり(試合終了後に選手のファイナリスととしての健闘を称えるどころかブーイングを浴びせてたし)のと比べると、シンプルでまとまりがあって迫力もたっぷりだった。相手選手紹介でのブーイングも口いは出さず遠く手で示すくらい(正し新潟から移った黒崎久志選手の時だけは結構声も出てた、これは当然か)だったのにも好感。行って楽しめる応援だったらまたやろうって気にもなって、それがこれだけの動員につながってるんだろー。

 試合はといえば大宮の黒崎選手が早々と2枚のレッドで退場となって、折角1点をリードしながら後半は防戦一方なってしまって、新潟側の攻めの迫力を堪能はできたけど試合としてはとっと大味になってしまった感じ。それでもゴールキーパーの20日にやっと20歳になる川島永嗣選手が1対1を2本は止め、名古屋グランパスエイトから移ってすでに中心選手として大活躍の山口素弘選手のシュートを止め、他に何本も決定的なシュートをはじいてその潜在能力の高さを見せていた。あと気になったのは中盤で主に左サイドでボールをさばいていた背番号17の島田裕介選手。21歳なのになかなかの巧者ぶりで運動量も結構あったし、サイドの原崎政人選手のオーバーラップの起点にもなっていて大器の片鱗が伺える。一方で新潟の方はさっきも触れた山口選手が中盤で司令塔としてボールを華麗にさばいて流石は元日本代表って所を見せてくれていた。新潟ともども是非にJ1復帰を果たして頂きたいところ。もちろんペアは湘南ベルマーレ、なんだけど。


【3月15日】 ってか何か行くと帰りにいらないお土産の増えそーな「ヤフーBBスタジアム」。入ろーとすると門でまず1つ、白い紙袋に入ったあれが手渡されて次に中でビールとか頼むと、大きなタンクを背負った売り子さんの横に20個とか黒い箱を背負ったジャンパー姿のお姉さんが付き添っていて1杯のビールのお盆代わりにそいつを手渡して来る。幕の内弁当を買えば上げ底で底の下に例の黒い箱。ホットドックを買えばパックの代わりが黒い箱でホームランボールをキャッチしてサインに行くと選手はボールを回収して代わりに白いサインペンで堂々のサインを入れた黒い箱を手渡してくれる。

 これでえっと5つだっけ、10個だっけ、とにかくいっぱいの黒い箱を手に持って帰るオリックス・ブルーウェーブと対戦相手のファンで神戸の街は一色に塗りつぶされ、途中で捨てる人でゴミ箱は溢れ海に流した人でポートピアは沖まで埋まりやがて瀬戸内海から太平洋へと流れ出て黒潮に乗り海を渡ってシアトルへとたどり着き、陸に上がって進軍しては「セーフィコフィールド」を「ヤフーBBフィールド」へと変貌させてしまった。恐るべき孫子の商法。さらには開拓者とは逆のルートで北米大陸を超えたモデムはそのまま「スピリッツ・オブ・セントルイス号」を操り空へと上がり大西洋を超えてドイツ上空へと到達。「翼よあれがハンブルグの灯(に見える高原の輝く頭)だ」と言いって「AOLアレナ」までをも「ヤフーBBアレナ」に変え、そのままポーランドへと侵入してモスクワに迫るのであった。かくしてクレムリン前「赤の広場」は白いパラソルを差して白いジャンパー姿で積み上がった箱の入った袋を配る人の波で「白の広場」となったとさ。

マギーブイヨンは禁止です、たぶん。コンソメにしなさい。  ちなみに「味の素スタジアム」に行っても別に味の素はくれなかったし飲んだコーヒーにも味の素は入ってなくって昆布茶みたいな味はしなかった。ホームにする「東京ヴェルディ1969」も試合前にシューズの中に味の素を降る儀式をしていませんでした。ちょっとつまんない。しかしこーした「ネーミングライツ」って知らないと格好良さげに聞こえても普段から見知っている企業だと逆に妙な違和感があってお尻の居心地が決まらない。「味の素スタジアム」に行くと燦然と門やスタジアムのトップに掲げられた見慣れたロゴが、あるいはスタジアムを巨大なお鍋へと変えてそこで味の素の「ほんだし」をつかったおでんでも煮てるんじゃないかと思わせるし(思いません)、「ヤフーBBスタジアム」に至ってはなにをか況や、聞くだけであのパラソル軍団の裏たっぷりとありそーな笑顔とネット企業への転進に駆けるあのお方の自信だけはいつもいっぱいな表情が浮かんで、ただでさえ影の薄いオリックスがますます後ろへと追いやられてしまう。

 とは言え「豊田スタジアム」がそのまま「トヨタスタジアム」になってもむしろ「トヨタカップ」のイメージに重なってスタジアムっぽさを増す気がするし、「ソニースタジアム」でもエッジな感じがして良さげ。要するに企業イメージがそのままスタジアムのイメージになってしまうのが通例で、スタジアムのメセナ的な印象から企業イメージを高めるなんてことは、企業がスポーツを抱えてきた風土の日本では土台無理なんじゃなかろーか。ってことで「神戸グリーンスタジアム」が聞くも珍しい「ヤフーBBスタジアム」になったとしても、感謝とかされず逆に今のいろいろと大変なイメージがまんまスタジアムからオリックスから神戸へと染みいって、あの街を風光明媚な歴史のある港湾都市ってイメージから、ビジネスにスーパーシビアな弱肉強食のイメージへと染めてしまいそー。でもっていずれ「神戸市」から「ヤフーBB市」へと名前も変わるとゆー訳だ。羨ましいなあ、神戸の人が。

 花満開。だけど赤松健さんの「魔法先生ネギま」の栄光の第1話、感銘の第2話ほどに背筋を電波が走らないのは見せるシチュエーションとか描き方の肉々しさの部分に年期の差異があるから、なのかもしれないと思ったもりしげさんの「こいこい7」(秋田書店、533円)。表紙からしてバックスタイルで花満開だったりするし、特装版に至ってはセーラー服すらなく水着に替わっているとゆーサービスぶりではあるんだけど、その過剰さがかえってあだになってか感情が分散されてしまうみたい。口絵のよーな皺もしっかりと描写された丁寧な仕事ぶりが慎ましやかな中に激しく現れれば読んでいて感動に心を鷲掴みされたかも。本編ではむしろ下より上の2つの丸味の描きっぷりが気になります。

 肝心のお話の方はといえば転校して来た眼鏡のちんちくりんな少年が入ったクラスが女子ばっかりとゆーお目出度さ。そんなクラスメートのひとりにかつて少年から遠く離れていってしまった少女と同じ名前の少女がいて、そんな彼女が何くれとなく少年にまとわりついてはガードしさらには不思議な力を発揮して少年を事故から守る。いったい彼女は何? って思ったさらに先、空を飛んで帰り着いた下宿に入居しているのがまた女子ばっかとゆー極楽状態で、おまけに彼女たちがこれまた何くれとなく少年に世話を焼き始めたからもう大変。一体何が起こっているのか、彼女たちの正体は何なのか、そもそもどうして少年が守られることになっているのか、って辺りの謎は脇へとおいてまず1巻では、もっぱら少女達の抱えた悩みやプロフィールを紹介していくエピソードがつづられる。不良ありオカルトあり幼女あり田舎娘あり特撮娘ありって感じの彼女たちと少年との、織りなす物語のどこか脳天気でボケててズレた感じが読んでいて微笑ましくもある。個人的には花皇先生かなあ、おとなのみりき、って奴で。次も買いそう。花もそれなりに咲かしてね。

 「かぼちゃワイン」か? って思ったのはさほど漫画とか読んでいないロートルな眼にそー見えてしまっただけのことで見る人が見たらさらに違う人が浮かんだかもしれない「週刊コミックバンチ」の2003年15号に収録された「第2回世界漫画愛読者大賞」の候補作になっている山口育孝さんって人の「東京下町日和」。上手いんだけど今時に最前線って感じじゃない絵にキャラクターのズルリとすべったりあんぐりと口を開けたりする表現が古き漫画を想起させたんだろーけど、描いている人自体が40過ぎの元プロなアシスタントとゆーからこーゆー絵になってむしろ当然か。親が失踪して学費が払えなくなったバンカラくんが向かった先が下宿になっててそこには3人の少女がいた、ってまるでこれまた「こいこい7」が「ネギま」か「ラブひな」って感じだけど、全員が少女じゃなくって1人が30歳の独身女性ってあたりが非21世紀的でむしろ新鮮かも。東京の街並みや失われつつある慣習を都電荒川線なんかも交えて描いて読んでおじさん世代にはグッと来る。それだけに人気とか獲得出来そーもないけどこの人には是非に描いてもらってタイムスリップな気分を感じさせて欲しいもの。投票しよーかな。


【3月14日】 電撃一気。上遠野浩平さん「ブギーポップ・スタッカート ジンクス・ショップへようこそ」(メディアワークス、550円)はまたしてもちょーのーりき(by大野安之)バトルの連続でこんなにも山のよーに不思議な力を持った人がいる街って、ほかに杜王町くらいしかないんじゃなかろーか。お告げよろしく紙にご託宣を書いて渡す店ってのが出来てそこを軸にして4人くらいの能力者が、出たり入ったりつけ回していったりする展開から浮かび上がる世界の秘密、って感じでだけど良くできた話で運命がどーとかいった問いかけはあっても、「ブギーポップ・ワールド」の核心にぐぐっと迫るよーな感じはなく、言葉通りの「支離滅裂で行き先不明の、とりとめもない運命の幕間劇」(280ページ)に終わっている。それでもちょちょっと裏主人公めいた存在の示唆、なんてのもあって今後の展開が楽しみ。ブギーポップの格闘シーンをいつもより多めに見られたのが戦闘美少女(?)好きには収穫。パンツは見えません。

 1巻物ではなかった時雨沢恵一さんの「アリソン2 真昼の夜の夢」(メディアワークス、610円)はでかい大陸を2分して営々と繰り広げられてきた戦争が、とあることをきっかけにあっけらかんと終わってしまうデカい話を1巻で見せられた後だけあって、何を書いてもショボくなってしまうかもって心配したけどスケールではショボくてもお話的にはあり得そーな分、読んでてなかなか面白かった。やにゃな飛行機乗りの美少女アリソンとその下僕、じゃなかった幼なじみで理知的な少年のヴィルがあれこれ画策をして2人だけのピクニックに行ったところが迷い込んだ村でひと騒動。得体の知れない輩を思われたのか一服盛られて昏倒し、目覚めたら捕まっていたとゆー次第で、何でこーなるの? と訝る間もなく熱血美少女アリソンは、監禁場所を抜け出して逃走を図る。そこで出会った村の少女がアリソンのヴィルにまたしてもとんでもない役割を与えてしまうことになる。

 けどそこはそれ、前巻と同様に目立つところは別に仕立てた英雄さんに任せるとして裏でいっしょに連れだって、かつて起こった王国での王族全滅の出来事の真相究明に一役買う。刑事と犯人の心理戦、めいたシチュエーションもあったりしてミステリーな人でも興味を持ちそーな内容で、加えてちょっぴり詐欺的っぽくってがっかりだったクライマックスのさらに後に、救われる話を持ってきていて良い気分で読み終えることが出来る。良作。これからもこんな感じで吶喊美少女とその下僕(違うって)と脳天気パイロットの3人が、それぞれの立場と役割(順に体力、知力、外面)を果たしながらいろいろと事件を解決していくのかなあ。それにしてもタイトルロールのアリソン、目立ってねえ。まあ一種物語が動くきっかけな人だからそれで良いんだろーけれど。

 杉原智則さん「頭蓋骨のホーリーグレイル4」(メディアワークス、670円)は西洋魔術的なお話が一転して和風呪術合戦に。猪狩遼馬と咲夜の親子が保養にいった温泉宿で巻き込まれた事件と弟子の須賀弘人がボディーガードの仕事で行った先で巻き込まれた事件とが重なり、平安の世より続く怨念とそれを鎮めよーとする巫女との戦いに最期の決戦が繰り広げられる、っていった感じ。エロちょっとあり。篠崎砂美さん「猫猫雑伎団」(電撃文庫、590円)は猫耳少女がレオタードで開脚屈伸と大活躍する話、な訳はない。人と猫やら犬やらが混じり合って果てに人が消えてしまった多分未来、過去の文明を掘り返すトレジャーハンターになりたかったのに親の残した借金を返すため、家業のサーカス団を次いで街から街を渡り歩く少女が主人公の話で、行く先々で事件に巻き込まれながらも雑伎団の皆さんと助け合いながら、わたわたと解決していく物語が積み重なって行くんだろー。軽いよーで彼女たちが戦う危険な虫の繁殖の秘密が猫人間犬人間のあふれる世界とも関わる感じがあったりと奥深そー。サーカス団の連中の得体の知れなさも興味の的でその辺りを徐々に証ながら、根幹の部分へと迫っていく楽しくってそれでいて考えさせられるシリーズになることを願おう。

 テキサスの荒馬来る、ってそれじゃーテリー・ファンクだよ。違うテキサス大学で日本文学なんかを研究しているスーザン・ネイピアさんが10日から「丸ビル」で開かれていたイベントに来日して、来週の「東京国際アニメフェア2003」を見ることなく帰るってんでその迎撃&送別会がSF界では例会の場所として名高い渋谷「WEST」で開かれたんで紛れ込む。主軸は小谷真理さん巽孝之さんだけどそこに来るわ来るわの老舗アニメーション雑誌の長やらSFファングループ連合会議の長やら精神科医やら哲学者の元おニャン子ファンやら漫画家やら、編集者やら講師として行ってる学校で女の子からチョコレートをもらって嬉しい漫画評論の人やら社会学の新鋭にしてストリートダンサーやらがくんずほぐれつぎっこんばったん。中でも驚いたのがパトレイバーがらダンバインでラーゼフォンだったりする人で、抱えたゲーム版「ラーゼフォン」のシナリオも重そうにやって来ては、明るく楽しげに親しみ深く話していて、出たぞブチメカ30秒と評判を取っていた時代から数10年、生きてて良かったと涙ぐむ。でもテレビ版「ラーゼフォン」はほとんど見ていない。

 メインのスーザン・ネイピアさんは「現代日本のアニメーション 『AKIRA』から『千と千尋の神隠し』まで」(中央公論社、2600円)を書いた人でその、日本人のアニメな人には思いも寄らない角度とそれから、日本文化を研究して来た眼でもって切れ込んだなかなかの本、ってことらしーけど買った記憶はあっても相変わらずの状況で行方不明。かといって渋谷界隈の本屋を探しても見つからず、中身について聞くことはせずもっぱら背後霊的に「『ビューティフルドリーマー』はいい」「『ああっ、女神さま』は賛否両論」といった真面目な話を耳に入れる。娘さんがいっしょに来ていてこれが絵に描いたよーなアメリカ人の女の子、って感じで心がにやけてしまいそーになったけど顔には出さず神妙に観察。オタクでナーブなギークどもの騒々しさに落書きしてやり過ごしていた手すら止め、渋谷ウォッチングに出ていってしまったのは残念であった。いずれまた来るその時は、プレゼントした「ノーマッドTシャツ」(野尻さんも着ていたアレ)を着て、秋葉原を闊歩して頂きたいところ。あるいはネイピアさんがテキサス大学の授業で着ても吉。果たしてどんな喚声が巻き起こるのかな。

 まんざら知らないでもない人が超有名になってしまうのってぶっちゃけビミョーな感じ。ベーシックに考えているところを言えば、リンクが著作権を侵害するなんて思えないし、許可を必要とする法的な根拠も思い当たらないってことで、あとはマナーというかエチケットというか相手方の事情とゆーか、そーした部分を勘案しながらそれぞれのケースで”大人の判断”をしましょうよってこと、かなあ。そりゃネット上にあるどんなコンテンツでも自在につなげて蜘蛛の巣状の情報の銀河系を生み出すのがウェブの面白さであって、その可能性を「インターネットマガジン」創刊号の付録のソフトを使って「マッキントッシュLC575」で地力でインターネットにつないで現れたブラウザー画面のハイパーリンクに見て、大興奮してかれこれ8年って人間だから、リンク禁止とかってゆーのは正直奇異な感じがするんだけど、往事の誰もが感じた興奮も、ネットが当たり前になってしまった今ではネットをする人に共通のものではなくなっているみたいだから難しい。ともあれ起こった議論がウェブの利点を伸ばす方向へと収れんしていくことを今は祈ろー。


【3月13日】 午前2時頃までうだうだうだと原稿叩き。してはみたものの最初に立てたコンセプトどーりにはまとまらずついつい安易な出だしにまとめで終始してしまい、読んで妙ではないものの凡であったりする内容にぐぐっと落ち込む。腹も鳴る。鳴っても食べるものはなく、寒さに凍えつつ電気毛布にくるまりつつ、横目で始まった「L/R Risenced by Royal」を見て、だんだんと深みにはまってきた「千年女王」ではなく「15年王女」の謎と立場とアイヴォリー島をめぐるバトルの行く末に思いを馳せる。けどまるでどこに落ちていくのか見えず、王女さまは影薄いしジャックなんて姿も見せないし。残る話数もそんなにないのに一体どこに連れていってくれるのやら。DVDもそろそろリリースになるけどなあ、やっぱり最終回待ちかなあ、1月の放映時に前後して流れたゆで卵チョップ娘のCMがいっしょに収録されてれば買うかなあ。関係ないけど「灰羽連盟」のアイキャッチ間に「アパッチ野球軍」が入ってたらDVD買ったかなあ。

  午前4時頃まで原稿を見直したり日記を書いたりしてから1時間だけ寝て起きて着替えて家を出て渋谷へと向かう。「ファイナルファンタジーX−2」とかいった世界的にどれだけのバリューを持つのか今ひとつ判然としないソフトであるにも関わらず、午前の6時45分から「TSUTAYA」でもって早売りのカウントダウンイベントを行うってことで、およそ人類が活動しているとは思えない時間であるにも関わらず、行って見物しなくてはならなくなった仕儀。ってか単にソフトを発売するだけなら「ドラゴンクエスト8」だって多分行かなかっただろーけれど、今日に限ってはスクウェアの和田洋一社長といっしょに、4月からいっしょになるエニックスの本多圭司社長も登壇するってことがアナウンスされていたのが運の尽き、正式な入籍を前にして早ご両人の共同作業が始まるとはっては、ゲームの人気も内容も無関係に行って見物しなくてはならないからなー。

 さても到着した「TSUTAYA渋谷店」はかつて「Xbox」発売時に周囲を群衆が埋め尽くした時とはまるで対称的に、道路に面したあたりは静けさが漂っていてやっぱり人気ないんじゃん、とか思って横に回ったらこれがなかなかにそれなりの行列が出来ていて、たとえ「FF」であってもそしてそこが秋葉原でなくっても、並ぶことに命をかけている人間ってのはいるんだなーと関心する。それと今日に限っては最近結構人気が出てきているらしー、エイベックスからデビューしていて「FFX−2」ではイメージソングなんかを唄っているシンガーの倖田來未さんが来場して挨拶するってことで、それを知ってかひと目見たさに朝まだ暗いなかを起き出してはるばる渋谷へと足を運んだファンもいたりするのかも。こーした地道な人気をちゃんと育てていけばやがては看板、浜崎あゆみさんも乗り越えるアーティストになるのかもしれないけれど、焦ってドカンと売りだそーとすると盛り上がっても下火になった途端に過去の人扱いされかねないから難しい。さてもどーいった成長を遂げるのか。歌はなあ、張り上げてないのが気になるなあ。

 死にそうに(眠りそうに)なるなかを耐えて30分くらいの発表会を聞いてから上がって原稿を書いて1時間だけ椅子に座ったまま沈没。それから起き出してふたたび外へと出て「帝国ホテル」で開催された「アニマトリックス」ってゆー新作DVDタイトルの発表会を見物する。「アニマトリックス」とゆーのは「クイントリックス」に続くカラーテレビの新規格、な訳はなくって読んで字のとーりに「アニメ」な「マトリックス」のこと。つまりはアニメーションであのウォシャオスキー兄弟の「マトリックス」をやってしまおうってコンセプトを元に、日本の名の知れたアニメーション監督たちが集められ作った短編アニメを何と9本、時間で言うなら90分とプラス81分の特典映像をセットにして収録してしまった画期的にして革命的なオリジナル・アニメーション・ビデオを指す。そのメンバーについてはすでに知られていることなんだろーけれど、改めて書いておくと前田真宏さんに渡辺信一郎さんに川尻善昭さんに小池健さんに森本晃司さんといった、聞けば作品のすぐに浮かぶグレートフルにスーパービッグなメンバーで、そんな彼らがハリウッドの潤沢な予算とそしてアニメから影響を受けたとゆー元祖「マトリックス」を、どーやって再びアニメへと還元しているのかに興味が及ぶ。

 パラパラっと上映された予告編を見る限りにおいてもそーした興味は尽きるどころかさらに拡大する一方で、スカートのすそからのぞく白、ってほどではなくても繰り出される格好良すぎるシーンにキャラクターに物語りが、あの「マトリックス」とどー関わっていて、そこに日本のクリエーターの腕前がどれだけ入っているのかを早く知りたくなる現実はすべての作品が完全に出来上がっている状態ではなくって、見せられた予告とプレスシートに掲載されているスチルから判断するしかないんだけど、名前から浮かぶよーにどちらかと言えばジャパニメ系な人たちって印象もそのままに、スタイリッシュでアバンギャルドな作品になっていそー。どー考えたってこの5人で、コゲどんぼさん的なキャラが微笑みながら語尾に「にゅん」とか付ける「マトリックス」を作るはず、ないものなー。それはそれで見てみたい気が大変とってもするけれど。

 予告編の印象から言うと森本さんは例の独特な2次元に見えて3次元とゆー空間をつかって平べったい顔の少年少女を繰り出しつつ、現実とはちょっと違う動き(やストップモーション)が可能な「マトリックス」的世界を描写している感じ。小池さんは「PARTY7」なんかと同様にアメコミチックに大げさ感を出されたキャラが手足をぐぉんと伸ばしたりしながら動いてた。川尻さんは川尻さんとしか言いようがなく、渡辺さんはビバップ的? いやそれほどポップではないけれどハードボイルドな感じに仕立て上げていたよーに見えた。外国から参加のアイディー・ジョーンズさんの作品は「ファイナル・ファンタジー・ザ・ムービー」の技術をまんま活かしたスーパーリアルな映像。彼だったかどーか自身がないけど女性のキャラクターがパンツ(ズボンのこと)を脱いでお尻を露出させたシーンがあって、そのお尻のボリューム感にはちょっと圧倒されました。これを見るために買う、って人が、いたらそれは僕だ。

 そんな中で唯一、上映されたのが前田真宏監督による「セカンド・ルネサンス」のパート1とパート2の両方。ネオとかが「マトリックス」を離れて自立する際に告げられる人間と「マトリックス」との関係が、どーゆー過程で成立して来たのかを描いた内容で、見ているとそーかだから「マトリックス」ではあんな世界になっていたのか、ってのが分かって参考になる。そーした意図をウォシャオスキー兄弟はシナリオに込めていたんだろーから、まんまその意図を組んで極端なオリジナリティーは追求しないで、記録映画っぽくつづった前田さんは狙いは見事に捉えているって言えそー。ただロボットと人間との関係がやがて大変なことになっていく、なんて展開はそれこそ「鉄腕アトム」や「火の鳥」以来、手塚治虫さんが散々っぱら描いて来たことで「ターミネーター」的に人間が一方的に虐げられるのでもなければ、逆に人間が機械を制圧するよーな展開にもせず、深い物語に仕立て上げていたりするんだけど、「マトリックス」って作品との整合性ってこともあったのか「セカンド・ルネッサンス」で提示される展開はどことなくステレオタイプで、今さらこんなの見せられてもなあ、ってゆー気にちょっとなる。

 いや絵は本当に素晴らしい。素晴らしいんだけどでもやっぱり、差別されたものや虐げられたものがどーいった扱いを受けたのか、って部分を例えばベトナム戦争での路上での射殺事件と重なるシーンなり、天安門で戦車の前に立った男の姿を思い出させるシーンなりがあって分かりやす過ぎかもなあ、と悩む。追いつめられたロボットたちが集まる場所が中東のあれはペルシャ当たり? なのも今にタイミング良すぎ。もちろん合わせた訳じゃないんだけど、ハマり過ぎててちょっと風刺が強すぎるなあ、なんて思う人が出そうで悩ましい。これを含めて全9本で構成の「アニマトリックス」のDVDは2980円と新作のアニメーション映画作品としては異例も異例の低価格で、なおかつ中国語にインドネシア語にタイ語にハングルも履いたマルチリンガルでリリースされる予定で、いくら全世界で相当数のリリースが見込まれるとはいっても、これだけの値段で新作OVAを出されてしまうと日本の映像ソフトメーカーももーちょっと、勉強が求められることになりそー。ともあれ今年でも最大級に期待のソフト。絶対に買います。でも見ないかも、「デジタルジュース」と同様に。5月に「ワーナー・マイカル」辺りで上映もあるそーで、大きなスクリーンで見られるチャンスとして要チェック。


【3月12日】 やる気まったく起こらずひたすらに惰眠を貪る夜。当然ながらリアルタイムでは見ないで朝起きてビデオで「キディ・グレイド」の2話分を一気に見て、思わず「デ・カルチャー」と叫ぶ、意味まるで違うけど。相変わらずオープニングともエンディングとも違う格好顔立ちをしたエクレールとリュミエールはもはや諦めたとして、一山超えたと思った物語に新しい展開が訪れたとしたらそれが6万キロとか60万キロとかいったとてつもない大きさを持った宇宙船デュカリオンの登場。いったいどーやって作ったんだろー、それ考えると夜も眠れないとか悩んでいたけれど、やがて動き出したデュカリオンがワープしてGOTTのある惑星へと現れたと思ったら、トランスフォームして超巨大人型ロボットへと変形して宇宙空間に屹立したから悩みなんて軽く粉砕。変形したあの船のどこかでリン・ミンメイと一条輝が閉じこめられてイチャイチャしてると思うとデクステラは嫉妬に怒り狂っていだろーし、エクリプス局長もピリピリしていたことだろー。何でだろー?

 それからあの巨大な船のどこかに司令室があるとして、入り口から何千キロとか何万キロとかありそーな場所へとわずか数分でかけつけられるなんて脚の早い娘たちだなあ、とエクレール&リュミエールのコンビに感心する。いちいちドアをドカンと吹き飛ばして進入するなんて電子も量子も操るGOTTのESメンバーとは思えず気になったけど、それが”進入”とゆー行動を一番確実に表せる描写だってことなのかもしれなし、実際に状況がよく理解できたから別に構わないのかも。小さくて細っこい割には胸の谷間の割にしっかりとしてふくらみ具合のふくよかな様にドヴェルグちゃん良いねえ、と興奮していたらアールヴとの関係が明らかになって呆然。人は見かけによらず女性に年齢は聞くのはエチケット違反だってことで。エクレールに向かって元が分からないくらいに老けあがったシュバリエが履くセリフも微妙に背筋をゾクゾクさせてくれる。 来週はいよいよ惑星に向けてデュカリオンがダイダロスアタックを見せてくれるだろーから、起きてその記念碑的な瞬間を目の当たりにしよー。

 続・景気の良い話。「超人計画」で出会い系に迷い込み髪を剃りエロ本を焼き捨て薬からもすっぱりと縁を切って「愛」のさかあがりに邁進中の滝本竜彦さんがこれまでに出した2冊の傑作「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」と「NHKにようこそ」がともに重版7刷を迎えたとかで、発売から1年以上が経過してなおまだちゃんとしっかり売れ続けているよーで、ほとんど雑誌と化して初版を売り切れば商売はほぼ終了、店頭からも2カ月経つか経たないかの間で消えてしまう本の結構あったりする中で、両著が異例とも言える状況にあることが伺える。ましてや重版にかけては慎重も慎重な角川書店の本だけに、異例さの度合いにも相当なものがあると言えそー。かくも人気となっている(よーに思える)にも関わらず、未だ「王様のブランチ」に滝本さんが出たって話も聞かないし、「本パラ関口堂」で紹介されたって話も聞かないのは何故なんだ。かくなる上はNHKつながりで「スタジオパークからこんにちわ」に引っ張ってもらって昼の茶の間であっちっちのトークを繰り広げてもらい、「10代しゃべり場」に出てもらっては生意気な美少女から突っ込まれまくってもらって世にその本物ぶりを知らしめて欲しいもの。「ようこそ先輩」はその後だな。しかしホント、映画化とかって話は出ないのかなー、未だ知る人ぞしる本なのかなー。

 1回目2回目とたっぷりな「白猫の三角」を見せまくっては健全な男子の先端を刺激しまくってくれた「魔法先生ネギま!」だったけど3回目に入ってこのところの「キディ・グレイド」以上にトーンダウンが激しくって、見ながら「青春のバカヤロー」と声を出さずに叫ぶ。なるほど元が旅館の「ひなた荘」よりもさらに唐突にして不釣り合いな温泉風の巨大浴場が登場したことまでは認めよー。けれどもそこに入浴する少女たちのどーしれ誰も彼もが両耳の横の毛を前へと垂らすのか。垂らしたところで突き出た山のさらに突き出た先端に、髪の束も分けられ隙間から突起が顔をのぞかせて不思議はないと思うんdかえど、健全にして健康な少年漫画誌において先端はその存在自体が認められていないらしく、影も形も表現されていない。先端あっての土台の丸味ってことで、先端がないとどうにも平板に見えて仕方がなく、見る目から脳への刺激にどこかやるせなさが漂う。風呂場での堂々とした披露ではなく恥ずかしげにチラリとのぞかせる、その所作あってこそのエクスタシー、なので次週は原点に返ってクラス全員の紹介を、チラチラとさせつつ行っていくレギュラー仕様での掲載を強く望む。「スクールランブル」は初期のシュールさが薄くなって美少女に頼り勝ちで今ひとつ。再考を求む。


【3月11日】 景気の良すぎる話2題。例のステージ上でキスはするは下着に近い姿で唄うはバックで踊るダンサーのミニスカートがいやらしいわと話題になりまくっている「t.A.T.u」のデビューアルバムが3月17日付のオリコンチャートで1位になることが決まったとか。洋楽のデビューアルバムがオリコン全チャートの1位になるなんてことは前代未聞で過去を繙いても今は亡きシキャットマン・ジョンが95年に2位を記録したことがある程度。洋楽アルバムが1位になったこと自体も2001年11月の「バック・ストリート・ボーイズ」ベスト盤以来ってことだそーで、快挙も快挙、大快挙っていった所になる。

 そのビジュアルからしていわゆるオタク受けする程度に留まるかも、って思っていたけど現実の数字から類推するに一般層にも広く人気が波及しているよーで、大きいお友達の秘めやかなアイドルがメジャーになってしまう一抹の寂しさなんかも感じつつ、このレコードが売れず洋盤に至っては壊滅的な音楽業界に差し込んだ一条の光と思って、その活躍をネットの底から見つめよー。ちなみに15日には渋谷の「TSUTAYA」前と新宿「フラッグス」前と池袋「サンシャイン」前にその名も「t.A.T.u GIRLS」が登場してのキャンペーンが行われるとかで、どんな格好をしていてくれるのかが今からちょっと楽しみ。キスとかしてくれるのかな。女子高生デュオだからってジャパンなCO−GAL的女子高生がそのモビルスーツみたいな脚でチラシとか巻いてたら困るなあ。

 もう1題はゲームから。コーエーが発売している一騎当千ゲーム「真・三國無双3」が2月27日の発売からわずかに9日間で出荷100万本を達成したとか。「ポケットモンスター」の400万本とかに比べれば全然及びはしないけれど、「プレイステーション2」対応ソフトが軒並み伸び悩んでいる中で(「ドラゴンボールZ」が2月の2位に入ってしまうくらいだし)のミリオン達成、それも猛スピードでの達成はやっぱり相当に珍しい。グラフィックの良さはあくまでも表面的なものとして、あたるを幸いとなぎ倒していく爽快感をつきつめてゲームの本質的な面白さを引き出したって点が、薄くても広いユーザーに受け入れられた背景にあるんだろー。発達するメディアと進化するCPUの性能を最大限に引き出すよーな、重厚長大な物語を早大希有なグラフィックを持ったゲームこそが進化した姿だって思いたい気持ちはあるけれど、今はそんな時代ではないのかも。

 富野由悠季監督と「現代日本のアニメ」を書いたスーザン・ネイピアさんが登場する貴重な対談を聞き逃したのはガッカリだったけど、それでも一応は確認しておくかと東京駅前の「丸ビル」で開催されている「ASEAN2003 日本のアニメ・マンガアニメフォーラム」を見物、したのは良いけれど吹き抜けになったビルにちょっとした張りぼての塔と2枚のスクリーン、数台のモニターが適当に置かれて各国から寄せられたアニメーションが上映されている程度といった、まとまり感にかけるパブリックアートみたいな展示で、今のアジア各国のアニメーション状況をまじまじと確認することが出来なかった。シンポジウムやっぱり聞いておくべきだったかなー。

 3階の回廊部分には各国から寄せられた漫画作品が展示してあったけど何ページかで1編となる漫画の一部を抜き出してパネル展示した所で、学べるのは絵の傾向とテーマにしている内容くらい。ストーリーの機微とかいった部分についてはちょっと分からず、その辺りを知れるよーな展示が欲しかった気もする。1階部分のラックに漫画雑誌が刺さっていたかもしれないから、時間を見てまた確認に行くか。絵の傾向では本当に日本のとくにアニメーションとゲームの絵が浸透して来ているって感じで、いつかどこかで見たっぽい、日本人なら心ときめかせるよーな絵がインドネシアやタイやカンボジアやマレーシアで描かれているって分かってちょっと面白かった。あっちの人も「moeeeee!」とか言っているのかな。

 あと日本人作家のパネルで山本夜羽さんが大御所たちひ混じってパネル出展していたのも眼を引いたところ。その展示がまたすごくって、左が「鉄腕アトム」の手塚治虫さん、右が「アンパンマン」のやなせたかしさんで上が「釣りキチ三平」の矢口高雄さんとゆー超大御所に囲まれて、ウヨキッシュなショーツ姿の女の子の絵を展示してみせた山本さんなり展示を企画した人に心からの拍手を送りたい。見ていた女性陣にとっても受けてました。展示自体は3月16日の日曜日まで行われるとかで、おばあさんお母さんのお供で「丸ブラ」(丸の内をぶらぶらすること、造語、それも今作った)する機会があったらのぞいてみて、山本さんの快挙に触れてみては如何。

しかし分からない「eプラス」のチケット販売システム。日曜日にはすっかり品切れと思った米大リーグ「オークランド・アスレチックスvsシアトル・マリナーズ」の試合のチケットがなぜか一部発売中になっていて、それも25日と26日の両方にそれぞれ空きが発生していてどこから湧いて出たんだろーかと悩む。折角なんで25日の1塁側を買ってイチロー選手の強肩を去年の日米野球に続いて見よーと決めて注文を出したけど、問題はコミッショナーのセリグ氏がまたぞろイラク開戦の場合は中止もあり得るなんて言い出したこと。ここで胸を張って「自衛隊と警視庁が全力を挙げて大リーグ選手を完璧にガードします」と言って来日を要請すれば、向こうもそこまで言うならと腰を上げるのが外交ってものだろーけれど、現実的にはむしろ不安感を増して「それならなおのこと行けません」となる可能性もあったりするから難しい。さてもどーなることやら。太鼓判押されたサッカー日本代表はそれでものうのうと遠征に行くのかな。


"裏"日本工業新聞へ戻る
リウイチのホームページへ戻る