“ポーラー・エクスプレス” ★☆
THE POLAR EXPRESS
(2004年アメリカ映画)

監督:ロバート・ゼメキス
原作:クリス・ヴァン・オールズバーグ
脚本:ロバート・ゼメキス、ウィリアム・ブロイルズ・Jr

 声 :トム・ハンクス、ノーナ・ゲイ、ピーター・スコラーリ

 

クリスマス・イヴの夜、サンタを信じなくなった少年の耳に列車が停車する音が聞こえます。家から飛び出した少年の前には、なんと巨大な蒸気機関車「急行・北極号」が停まっていた。
列車に飛び乗った少年は、他の子供たちとともにサンタのいる北極点を目指すことになるという、ファンタジー冒険物語。
原作は、クリス・ヴァン・オールズバーグの名作絵本「急行「北極号」」だそうです。

サンタ・クロース、正直言って私は子供の頃からサンタがいると信じたことはなかったと思う。それにクリスマスは本来、キリスト教でイエスの誕生を祝うお祭りですよね。
それでも12月になると、ディケンズの「
クリスマス・カロル」等々クリスマスの物語を読むのは好きですし、心が温まる気がします。
そうした気持ちはこの作品を観ても同じこと。

予告編をTVでちょっと観て、実写によるファンタジー映画と思っていたら、全てCG。しかしよく出来てますねー、実写による物語との違いをあまり気にせず観ることが出来ます。
その理由のひとつは、北極号の車掌がトム・ハンクスそっくりなこと。もちろんトム・ハンクスがモデルでしょうし、車掌はじめ5役の声をトム・ハンクスが担当しているのですが、生身のトム・ハンクスを彷彿させるところに人間味が感じられるのです。
車掌の他にもうひとり忘れてはならないのが、北極号の屋根の上に居座る無賃乗車者。アーネスト・ボーグナインとリー・マーヴィン主演の「北国の帝王」(1973)を思い出させられますが、この登場人物の存在感が実にいい。
一緒に乗り合わせた子供たち3人の友情も良いのですが、見ものはトム・ハンクスと、様々な娯楽要素が取り入れられているところ。
純粋なファンタジー物語かと思えば、列車車外でのハード・アクションあり、ジェットコースターに乗ったようなスリルを味わせられる場面あり、まるで未来都市というSF気分もあり。まさに意表をつく場面の繰返し、次に何が待ち受けているか全く予想も付かないという面白さ。
それでいて、最後の締めにはきちんとサンタが登場するクリスマス・ストーリィ。
やはりこれはクリスマス前に、クリスマス・イブに観るなら文句なし!という映画です。

※同じくクリスマス・ストーリィ「34丁目の奇跡」も私は好きです。

2005.12.01

       
→ 原作:「急行「北極号」

  


  

to 映画note Top     to 最近の映画 Index