“ガール・ネクスト・ドア” 
the girl NEXT DOOR
(2004年アメリカ映画)

監督:ルーク・グリーンフィールド
脚本:スチュアート・ブラムバーグ

出演:エリシャ・カスバート、エミール・ハーシュ、ティモシー・オリファント

 

“プリティ・ピンク・コメディ”シリーズのひとつ。
地味で堅物な高校生マシュー、ジョージア大学への進学も決まり順調だというのに、高校時代の思い出となるものが何も浮かばない。
そんなマシューが、隣の家に越してきた美人のダニエルに一目で恋してしまう。そのダニエルは、なかなかのしたたかもの。真面目で冒険のできない性格のマシューは、奔放なダニエルに引っ張りまわされてしまう。
そのダニエルの影響で果敢に行動することを知ったマシューは、ダニエルとの恋仲が順調に進む様子だったが、そのダニエルはなんとAV女優だった!
そこからマシューは、それまで考えもしなかったようなトラブルに巻き込まれるというストーリィ。
高校生の青春ラブ・ストーリィ+AV風味、という作品。

恋した清純そうな女の子がなんとAV女優だった、というのが本作品のミソですが、清純そうには見えませんでしたね、最初から。
ダニエル演じるエリシャ・カスバートの色っぽさが見所でしょう。「
メリーに首ったけ」でのキャメロン・ディアスを思い出します。
エリシャ・カスバートと、高校生マシュー役のエミール・ハーシュが頑張っていて、2人の演技はかなり楽しめます。
とくにエリシャ・カスバートの普通の女の子らしい表情と、AV女優の表情の使い分け、そしてファッションは見ていて楽しい。
一方、ストーリィの方はというと、非現実的だよなという思いに加えて、ストーリィににじみ出ている陰湿さが、正直言って嫌だ。
その陰湿さはもっぱら、ダニエルの仕事仲間であるAVプロデューサー、ケリーの存在によりもたらされています。
俯瞰してみると、高校生の世界と、AVというの汚い仕事世界が交錯しているストーリィと言えます。すっきりと爽快な作品になりきれないところは、後者の要素が大きい。しかし、AV女優を主役の一方に持ち出した以上、この辺りの出来が精々だったのかもしれませんが。

ストーリィにおける見せ場は、マシューによるジョージア大学奨学生選考会でのスピーチ、高校生活最後を飾る行事プラムをめぐっての逆転劇にありますが、両者ともいかにもアメリカ映画によるある展開で、面白くはあるものの月並み。
部分、部分ではそれなりに楽しめるところもありましたが、作品全体としては陰湿な印象が最後まで拭えず、いまいち。

 
2005.01.10

      


  

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