“ラ・ラ・ランド” ★★☆
LA LA LAND
(2017年アメリカ映画)

監督:デイミアン・チャゼル
脚本:
デイミアン・チャゼル
出演:
ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン

 

往年のMGM風ミュージカルと現代的なドラマを合体させたという印象を受けるミュージカル風ラブ・ストーリィ。

カフェでバイトしながら女優を目指しているもののオーディションに落選してばかりのミア(エマ・ストーン)と、ジャズを聴き楽しめる店をいつか持ちたいという夢を持ちながら生活の糧を得るため不本意なピアノ演奏を余儀なくされているピアニストのセブが、最悪な出会いを繰り返しながらいつしか恋し合い、互いに励まし合うようになるというラブ・ストーリィ。

特記すべきことは、とにかく往年のMGM風ミュージカルを再現しようとしている点にあります。
冒頭、ハイウェイで渋滞で止まっている車の中から次々と男女が出てきて踊りまくるシーンは、まさにあの頃のミュージカル風です(私としては「フェーム」の、芸能学校の生徒たちが道に飛び出して踊りまくる場面も思い出しましたが)。

ミュージカル場面を除けば、切ないラブ・ストーリィ。ハッピーエンドがお約束の往年のミュージカルとはそこがはっきり異なる点。決して、往年のミュージカルの真似だけではない、という主張を感じます。

どこかのTV番組で本作品を紹介するにあたってジーン・ケリーとデビー・レイノルズ主演の「雨に唄えば」を引き合いに出していましたが、それは明かな間違い。どう見たってこれはジーン・ケリーとレスリー・キャロンが主演した「巴里のアメリカ人」でしょう。
知り合ったばかりのミアとセズが夜、外で踊るシーンは、「巴里」で主役の2人が夜のセーヌ河沿いで踊るシーンを彷彿させますし、エンディングの夢想場面はまさしく「巴里」での夢想場面に着想を得たものと言って間違いないでしょう。

主役のエマ・ストーンとライアン・ゴズリング、唄い踊るシーンをしっかり演じきっていて好感。
エンディングでの2人の姿には、心に染み入るような感動がありました。

※エマ・ストーンを初めて観たのは「アメイジング・スパイダーマン」でしたが、彼女の可能性を感じたのは「ヘルプ」でした。本作と合わせ、これからますますの活躍を期待したいところです。

2017.02.24

       


  

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