“下妻物語” ★★  
(2004年日本映画)

監督:中島哲也
脚本:中島哲也
原作:嶽本野ばら
出演:深田恭子、土屋アンナ、宮迫博之、篠原涼子、樹木希林

 

嶽本野ばら原作の小説を映画化した作品。
茨城県の牛久を舞台に、ロリータファンション好きの女の子とヤンキーの友情を描いた青春コメディです。
最初に題名を聞いた時には、どんな映画なのかと戸惑いました。まるで小津安二郎作品のような題名ではありませんか。
まさか、茨城県の牛久にある地名とは、思いも寄らなかった。

主人公の竜ヶ崎桃子はロココ調のロリータ・ファッションが大好きな高校生。牛久から電車に乗り継ぎ、2時間以上もかけて東京の代官山までフリルいっぱいの洋服を買いに行くのが楽しみ。
しかし、田んぼばかりの牛久の舗装もされていない道を、傘をもったロリータ・ファッションで歩くのですから、周囲から完全に浮いている。
その桃子の元にひょんなことから押しかけてきたのが、50CCの原付で暴走するヤンキー娘のイチゴ。
牛久の田舎に突如として現れるロココ・ファッションに加えて、イチゴの暴走族ファッションと、田んぼとのアンバランスさが面白い。
そのうえ、友達など誰もいないと言って、平然としている桃子の姿勢が痛快。
そんな冷めている桃子でしたが、次第にイチゴのペースに巻き込まれ、熱くなっていくところが見もの。
奇妙にもこの相反するような2人に友情が生まれ、ドタバタの果てに2人で一緒に自分たちの壁を突き破ってしまう最終場面が快感。

一見ばかばかしいようなストーリィですけれど、場面、場面での屈折したユーモアは見応えあり。また、牛久のジャスコが度々引き合いにだされるところには笑ってしまう。
桃子役の深田恭子、イチゴ役の土屋アンナが、役柄にぴったりはまっています。

2005.07.18

  
→ 原作:「下妻物語
 


  

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