“日本のいちばん長い日 ★★
(2015年日本映画)

監督:原田眞人
原作:半藤一利
脚本:原田眞人
出演:
役所広司、本木雅弘、松坂桃李、堤真一、山崎努

 

連合国提示のポツダム宣言受け入れを昭和天皇の御聖断で決定した1945年8月14日の御前会議、玉音放送の録音、戦争終結に反対しクーデターを起そうとする一部陸軍若手将校の動きと、翌15日の玉音放送までの戦争終結に至る激動の一日を描いた半藤一利原作の映画化。

歴史上の事実、映画作品として、いろいろ語ろうと思えば尽きないことと思いますが、率直に観ながら思ったことを書き出すと次のとおり。

まず感じたのは、陸軍への怒り。とくに指導者の立場にない若手将校の勝手な行動。そもそも中国大陸で勝手に戦争を始め日本国を、また日本国民を未曾有の苦しみに巻き込んだのは関東軍でしたし、終戦の最後まで妨害しようとしたのも陸軍若手将校。
元々陸軍若手将校には冷静に自軍と敵軍の情勢を見定める視力が欠落しているばかりか、下克上、クーデター体質を持っていたのは一目瞭然。それをまざまざと思い出し、認識した次第です。まぁ陸軍将校全てがそうであった訳ではなく、海軍にも特攻をし続ければ勝てるといった訳のわからぬことを言いまくった将校らはいた訳ですが。

終戦実現に向けては米内海軍大臣の存在も大きかった筈ですが、本ストーリィは阿南陸軍大臣、昭和天皇、鈴木首相に視点が当てられているので、脇役に終始したのは少々残念。

軍人が国を動かす政治に携わってはならない(当時は陸軍と海軍の軍人が閣僚として内閣に参画)ということをつくづく感じました。
また、自分の名前で戦争を始められ、国民の苦しみを自分のものとして感じられていたであろう昭和天皇は、どんなに苦しい思いを抱えていただろうかと考えずにはいられません。

2015.08.15

      


  

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