|
|
1.あの戦争は何だったのか 2.昭和天皇 |
●「あの戦争は何だったのか 大人のための歴史教科書」● ★★ |
|
2007/01/16
|
第二次世界大戦での日本の敗因(そもそも始める前から敗戦必須だった訳ですが)を客観的に整理、分析した本。 何故日本は負けたのか。情報を重視し、願望的予想を廃して自らを客観的に分析することの重要さをこれ以上教えられる歴史上の好事例はないと思うのですが、それなのに日本の学校ではこの部分がいつも省かれてしまう。歴史上の事件というにとどまらず、現在の企業経営にも通じる問題だと思うのですが。 それにしても、確たる勝利の指標もなく、かつなんら戦略さえないままに一部のエリート軍人による机上の児戯にも等しい思い込みだけであの戦争が繰り広げられてしまったのですから、本書題名どおり「あの戦争は何だったのか」と私も思わざるを得ないのです。 旧日本軍のメカニズム/開戦に至るまでのターニングポイント/快進撃から泥沼へ/敗戦へ−「負け方」の研究/八月十五日は「終戦記念日」ではない−戦後の日本 |
●「昭和天皇」● ★★☆ |
|
2006/02/12
|
昭和天皇の生誕から崩御まで、昭和天皇の生涯を辿りながら、昭和という時代、天皇制の意味を浮き彫りにした書。 “昭和”という時代は私の人生でも半分を占めていますから、折に触れて昭和という時代を振り返ってみたいという思いは常にあります。そして“昭和”という時代を語るにおいて昭和天皇という存在を無視することは出来ない。 皇太子時代にヨーロッパを外遊し、英国王室に家族のような親しみをもったほか、ジョージ五世から立憲君主の在り方について大きな影響を受けた辺りは、青年皇太子としての高揚感を感じることができます。 プロローグ(崩御のとき−昭和64年1月)/帝王教育とヨーロッパ外遊/軍部暴走の時代/日米戦争突入へ/終戦、国民とともに/皇太子結婚と経済成長/ヨーロッパ再訪とアメリカ訪問/天皇と経済大国日本/寡黙な当事者/エピローグ(平成新時代の幕開け) ※本書中で度々引用されている著作 |
歴史の裏側には実にいろいろな人々の働きがある、と改めて感じさせられた一冊。 |