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1.ノーティアーズ 2.神たちの誤算 |
●「ノー ティアーズ No Tears」● ★★ 第7回小説新潮長篇新人賞 |
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2001/07/10 |
「ノーティアーズ」という題名、本書を読む限り、「泣き言は言いっこなし」という意味のようです。 |
●「神たちの誤算」● ★☆ |
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2002/11/02 |
アメリカの総合病院、そのハードな現場で産婦人科医として働く久保田春生を主人公に、生殖医療(出産、不妊治療、中絶等)の問題、その宿命を担わされた女性達の苦悩を意欲的に描いたストーリィ+ミステリ。
春生は、恋人と別れた心の傷を今もなお引きずっている女性。その悔しさで渡米したが、生殖医療の現場において同僚、患者との軋轢等、現在も悩みは深い。日米間の、患者と医者の関係、医療現場における違いへの戸惑いに加え、独身女性としての悩みもあります。その辺り、米国社会で働く独身女性としての葛藤を語る部分は「ノーティアーズ」のジューンに共通します。 期待したミステリ要素はイマイチ迫力不足。その点では、帚木蓬生「臓器農場」の方がスッキリしています。 ※忘れ難いノンフィクションに、中平邦彦「パルモア病院日記」があります。出産医療の現場を描いた、私のお薦め本です。 |