若竹七海
(ななみ)作品のページ No.2

 

11.プラスマイナスゼロ   

12.みんなのふこう

 

【作家歴】、ぼくのミステリアスな日常、水上音楽堂の冒険、火天風神、マレー半島すちゃらか紀行、プレゼント、スクランブル、名探偵は密航中、依頼人は死んだ、悪いうさぎ、親切なおばけ

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11.

●「プラスマイナスゼロ」●    画:杉田比呂美


プラスマイナスゼロ画像
 
2008年12月
ジャイブ刊

(1200円+税)

    

2009/05/22

 

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若竹七海さんの作品、いつも評価は低いのですが、私は割りと好きです。というか、時々読みたくなるのです。
ミステリにしてもユーモアにしても軽やか。それが杉田比呂美さんの挿画と合わさると、一休みした気分になるというか、気分転換になるというか。

本書は、個性的な女子高生3人組を主人公にした、ドタバタ事件もの連作短篇集。
“テンコ”こと天地百合子は、成績優秀品行方正、実家はお金持ちで典型的な令嬢タイプ。あぁそれなのに、次々と不運に見舞われてばかり。神は愛するものに試練を与える、私は神に愛されているんだと健気。
“ユーリ”こと黒岩有理は、成績最低品行下劣、極悪腕力娘と陰で噂される人物。行動ぶりは単純で力づく。
そんな両極端な二人の間に立つ“ミサキ”こと崎谷美咲は、成績・運動能力・容姿・身長体重バストヒップはおろか靴のサイズまで全国標準という“歩く平均値”。
そんなお互いに共通点のない3人が、不運と成り行きと偶然の重なりで同級生。
3人が歩く先、常に何かが起きる、という具合。そんなことから「なんか最近、アタシら死体に縁がねーか?」というユーリの台詞に繋がるという次第。

そんな3人を評して学校の教師曰く、「プラスとマイナスとゼロが歩いてら」。
プラスとマイナスはテンコとユーリのことであり、この2人が目立って騒ぎを大きくしているのは間違いない。
何をしても必ずといって良い程不運に見舞われ、その結果として事件にまで巻き込まれてしまうというテンコのあれこれがとにかく滑稽で、マンガを読むような面白さあり。
それに比較してゼロと評される平均娘のミサキ、目立たず、本書での役回りは地味な語り手。
でも、実は一番面白いのはミサキではないかと思っていたら、案の定最後の「なりそめは道の上」で真価を発揮。

ちょっとした気分転換向き、軽く楽しめる、ドタバタ喜劇+学園ミステリ連作短篇集。

そして、彼女は言った/青ひげのクリームソーダ/悪い予感はよくあたる/クリスマスの幽霊/たぶん、天使は負けない/なれそめは道の上

           

12.

●「みんなのふこう」● ★★


みんなのふこう画像
 
2010年11月
ポプラ社刊
(1300円+税)

  

2010/12/13

  

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葉崎FM<町井瞳子のライトハウス・キーパー>の人気コーナー、土曜日午後10時の「みんなのふこう」
そこに毎月寄せられるのが、ラジオネーム「
ココロちゃんのぺんぺん草」からの投稿。
17歳のフリーター=
ココロちゃんは天涯孤独、何をしてもドジばかりなうえに、あらゆるトラブルに巻き込まれるのが常という不幸このうえない身の上なのですが、何故か本人はいつもにこにこしていて、嬉しそう。
そんなココロちゃんとバイト先で同僚になり世話役を押し付けられたのが、同じ17歳の女子高生=自称:
ぺんぺん草ちゃん

毎月ぺんぺん草ちゃんからの投稿で知らされるココロちゃんの状況は、驚愕することばかり。
ココロちゃんのとんでもない不幸ぶりに同情しきりの瞳子ですが、その後ニュースを読み上げる番になる度、
「えっ」「まさか」と絶句するのが毎月のパターン。
伝聞方法は変われども、少しも変わらないのはココロちゃんの不幸ぶり。いやむしろ、ますます磨きがかかるというべきか。
瞳子はじめ、周囲の絶句ぶりもとても楽しい。
こうしたストーリィ、私は好きだなぁ。

ココロちゃんに同情はすれど、それでも愉快、痛快、毎回笑ってしまわざるを得ません。もちろん、ココロちゃんがちっとも不幸という表情を見せないが故。
パロディ的な可笑しさが大好きな方には、是非お薦め。

      

若竹七海作品のページ No.1

 


 

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