辻堂ゆめ作品のページ No.2



11.あの日の交換日記

【作家歴】、いなくなった私へ、コーイチは高く飛んだ、あなたのいない記憶、悪女の品格、僕と彼女の左手、片想い探偵追掛日菜子、今死ぬ夢を見ましたか、お騒がせロボット営業部!、君の想い出をくださいと天使は言った、卒業タイムリミット

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11.
「あの日の交換日記 ★★★




2020年04月
中央公論新社

(1600円+税)



2020/04/28



amazon.co.jp

好いなぁ、辻堂ゆめさん。素敵だなぁ、本作。
7つの交換日記に隠されたミステリ、そしてその真相が判った時にもたらされる温かな感動。

連作日常ミステリ。でもそこにはミステリを超えた優しさ、温かさがある感動、ふと初期の加納朋子作品に親しんだ頃のことを思い出させられます。
とはいえ、加納朋子さんと辻堂ゆめさんの間には、ミステリの趣向においてかなり違いがあると思いますし、辻堂ゆめ作品にはいつも若々しさを感じます。
その中でも本作は、清冽さと熟練を感じます。是非お薦め!

「入院患者と見舞客」:長期入院している小学生の愛美と担任女性教師との間に交わされる交換日記が中心。第2話以降のストーリィ全ての始まり、そして感動の始まりとなる篇です。
 
「教師と児童」:同級生の女子を殺したいと交換日記に書いた生徒と担任女性教師との交換日記。
「姉と妹」:一卵性双生児である姉妹間の交換日記。双子なのにこんなに憎み合うなんてあり得るのでしょうか。
「母と息子」:自閉症の晃太と母親との交換日記。大好きな井上先生が交換日記を続けられなくなり、母親が代役に・・・。
「加害者と被害者」:交通事故で重傷を負わせてしまった女性教師の元に、謝罪のため毎日通う礼二。彼女から依頼され、交換日記を始めるのですが・・・。
「上司と部下」:オフィス家具を販売する小さな会社が舞台。何と営業日報がまるで交換日記のような有様に・・・。ちょっとした可笑しさとロマンスが嬉しい。
 
「夫と妻」:切迫早産で入院した妻と夫との間に交わされる交換日記。それまでの6話を総括するような篇。
7話に登場した全ての人たちに幸あれ、と祈りたくなります。
 
どの章にも、直接あるいは間接に、交換日記という方法を提案した、ある女性教師の姿があります。
こんな教師がいてくれたらと思う程、素晴らしい女性教師。たとえストーリィの中のことに過ぎないといっても、彼女の姿に接することができたことは、読み手にとっても幸せなこと、そう思います。

 
1.入院患者と見舞客/2.教師と児童/3.姉と妹/4.母と息子/5.加害者と被害者/6.上司と部下/7.夫と妻

      

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