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●「剣客春秋−里美の恋−」● ★ |
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2004年4月 |
「剣客春秋」という題名から、池波正太郎“剣客商売”シリーズを思い浮かべるのは私だけでしょうか。“剣客商売”、シリーズ化を意識した作品だろうか、というのが興味をもった所以。 町道場師範の娘であり、自ら剣を遣う男装の里美が、通りがかりに複数人から暴行を受けている若者を救ったのが、ストーリィの始まり。 |
●「剣客春秋−女剣士ふたり−」● ★ |
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2004年6月
2003/06/12 |
“剣客春秋”シリーズ2作目。 町道場主・千坂藤兵衛と娘・里美を中心とした時代小説。 本来の主人公は藤兵衛なのでしょうが、この人物、実直にして極めて地味。その藤兵衛が主人公らしい迫力を出すのは、どうしても剣戟交わる最終場面になってきます。その分、女剣士・里美が前半に彩りを添えるというパターン。したがって、このシリーズ、藤兵衛と里美の父娘コンビの時代小説と言って間違いないでしょう。 ストーリィは、藤兵衛の昔の弟子が斬殺され、残された子供=幼い姉弟が仇討ちのため江戸にのぼり、藤兵衛に助太刀を頼むところから始まります。姉弟そろって千坂道場で剣を習うことになるのですが、里美と姉娘・初江の2人の様子が、まさに女剣士ふたり、という次第。 |
●「剣客春秋−かどわかし−」● ★ |
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2006年4月
2004/04/22 |
“剣客春秋”シリーズ3作目。 今回は、北町奉行所与力、同心各々の息子が誘拐され、それを脅し材料にした押込み強盗事件が連続して発生。誘拐された子供の内の1人が千坂道場の門弟だったことから、女剣士・里美らも探索に乗り出しますが、その里美までも一味に誘拐されてしまう、というストーリィ。 本シリーズは、時代小説作品の中でもとりわけ地味な作品です。それなのに何故読むかと言われれば、池波正太郎「剣客商売」を意識したシリーズ名に当初惹かれ、時々時代小説を読みたくなること、シリーズものは安心して読めるからと答えるほかありません。本シリーズは、そうした点で手が伸び易い作品。折り良く図書館に入館したとなれば尚更です。
「剣客商売」の秋山小兵衛・大治郎父子+三冬に相応するかのように、千坂藤兵衛・里美父娘+彦四郎が主要な登場人物となっていますが、前者と比較するといずれもスーパーヒーローでもないし、華やぎもあまりない。強いて言えば、藤兵衛のいぶし銀のような地味さが、秋山小兵衛に対抗しうる渋い味わいを発揮している、と言えます。 |