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2.アクアリウム 3.絹の変容 4.夏の災厄 5.斉藤家の核弾頭 6.聖域 8.百年の恋 |
●「女たちのジハード」● ★★☆
直木賞受賞 |
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2000年01月 |
読み進みながら、随分と印象が変わっていった作品でした。 ナイーヴ/アダムの背中1/シャトレーヌ/アダムの背中2/コースアウト/扉を開けて/ファーストクラスの客/上昇気流/それぞれの春/二百五十個のトマトの夜/離陸/タッチアンドゴー/三十四歳のせみしぐれ |
●「アクアリウム」● ★ |
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1996年08月
1997/08/25 |
率直に言って、つまらなかったです。途中からは飛ばし読みになってしまいました。 |
●「絹の変容」● ★ すばる新人賞 |
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1991年01月
1997/09/05 |
正直言って、途中で気持ち悪くなりました。肉食の大型化した芋虫が、人を睨みながら群をなして蠢いているなんて。でも、そのあたりからストーリィに引っ張り込まれているのですよね。おかげで、
朝の通勤電車内+αで、一気に読み切ってしまいました。思うに、篠田さんの強みって、ストーリィの展開が早く、そのスピードに読者を巻き込んでしまう、というところにあるのかなと感じました。 |
●「夏の災厄」● ★★ |
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1995年03月 1998年06月
1997/09/09 |
首都郊外の昭川市を突然襲った新型日本脳炎の蔓延。何の備えもなかった市民はパニックに引き込まれる。取り上げられた問題が、身近なものだっただけに、よけい引きずり込まれました。特定のヒーローは居ませんでしたけれど、役所の若手事務員や、開業医、ベテラン看護婦なり、いろいろな等身大の人間がそれぞれの立場で活躍したあたり、親しみがもてました。 |
●「斉藤家の核弾頭」● ★☆ |
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1997年04月 1999年12月 2001年08月 1997/09/11 |
近未来社会。そこはコンピュータによって、すべてが判断、結論を下される社会でもある。斉藤家は都心の高層建物に囲まれる只中で、古い一軒家に固執していたが、ついに東京湾の真ん中に作られたベイシティに油断をつかれ強制移転させられる。あきらめて定住を覚悟したところ、今度はナリタニュータウンへ転居せよとの行政側指示。その裏に隠された、秘密。そして、斉藤家の家長・総一郎の戦い.... |
●「聖 域」● ★ |
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1994年 1997年 2008年08月
1997/09/14 |
篠田ファンでは、本作品をベストワンにあげられる方が多いみたいですし、巻末の解説でも「篠田節子の最高傑作であると同時に、現代日本文学の中でも稀有な存在であることは間違いない」との評だったのですが、私にとってはよく判らなかった、というのが正直なところです。思うにこの作品の読後感は、神、宗教、霊、死後の世界という諸々のものをどう考え、感じているかにより、 全く違ったものとなるような気がします。
ストーリイは、文芸雑誌の編集部にいる実藤が、退職した社員の残した中から、「聖域」という題の未完原稿をみつける。読んで、その内容にとらわれた彼は、原稿を完結させるべく、行方不明となっている作者水名川泉を捜し求める、というもの。 |
●「ゴサインタン−神の座−」● ★★ 第10回山本周五郎賞受賞 |
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1996年 2000年06月 2002年10月 1997/09/25 |
確かに長編作品ですが、実際の頁数以上に長大なドラマを感じました。前半は贖罪、後半は再生あるいは新生、といった物語ですね。それにしても、読んでいる最中の折々に、玉虫色のように物語の印象が変わってしまうのを感じます。これは、篠田さんの持ち味と言えるかもしれませんが、同時につかみ所がない作家というイメージも抱きざるをえません。
前半、淑子が急変した後のストーリィは、考え方という点で共感を覚えるのですが、その一方において神懸かり的・ホラー的であることにいい加減にして欲しいという気持ちも否定できませんでした。捨てる、ということは仏教本来の考え方でしょうし、それを前提にした生活はトルストイなども作品(例えば「光あるうち光の中を歩め」)の中で繰り返していることです。でも、生き神がいるからこそ、
というとチョット違和感を感じてしまいます。 |
●「百年の恋」 (作中育児日記=青山智樹作)● ★★ |
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2007年01月 2001/04/14
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大林梨香子は、信託銀行の国際営業開発部に勤める才色兼備のエリート行員、33歳、年収
800万円。一方の岸田真一は、小柄で要領の悪いオタク的ライター、30歳、年収僅か
200万円。
ホラー系でなく、現代社会らしいストーリィのものとして、篠田作品においては「女たちのジハード」に列なるものです。 |