澤 大知
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1996年神奈川県生。2021年「眼球達磨式」にて第58回文藝賞を受賞。同年逝去。

  


       

「眼球達磨式 ★★        文藝賞


眼球達磨式

2022年03月
河出書房新社
(1400円+税)



2022/04/18



amazon.co.jp

題名と紹介文に惹かれ、そして文藝賞受賞作という点も考慮に入れて読んでみた作品。

デパートのバックスペース、従業員向けに割引販売が行われる売り場で主人公は、本来はホビー用のRCカーなのだという
移動式小型カメラ「アイ」を勧められて購入します。
人目につかず、地面を自在に失踪するアイ。それ以来、仕事から部屋に戻るとアイを遠隔操作して、その映像を見るのが唯一の楽しみとなります。
ところが、ある日見知らぬ女性にアイが捕獲されたと思うと、その後アイは勝手に自走し始めます。

地べたの視点から人間を眺める、それはアイだけでなく、
瓦猿や奇妙なものたちがそれに加わります。
機械の目から見る人間の姿は、欺瞞に満ちて・・・。

地べたの視点から人間を見るという趣向がとても面白い。虫の視点を私は想像してしまいました。
そしてその目線は、人間の選挙運動に向かっていくのですが、そこにどんな意味があるのか、はっきり捉えきれなかった処が残念です。

※やはり地べたに近い視点、ロボット掃除機を主人公にしたミステリ、
そえだ信「地べたを旅立つを思い出しました。

           


  

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