乗代雄介
(のりしろ)作品のページ


1986年北海道生、法政大学社会学部メディア社会学科卒。2015年「十七八より」にて第58回群像新人文学賞、18年「本物の読書家」にて第40回野間文芸新人賞を受賞。

  


       

「本物の読書家 ★★       野間文芸新人賞


本物の読書家

2017年11月
講談社刊

(1600円+税)



2018/02/12



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「本物の読書家」は、大叔父が老人ホームに入居するに当たり、その最寄り駅まで送っていくことを言いつけられた主人公=間氷が遭遇した、その途中、車内での出来事。
その大叔父は、
川端康成からの手紙を持っているというのが親戚中の噂。途中の車内で間氷にそのことが打ち明けられるのか。
ところが、車内で隣り合わせた30代らしい恰幅の良い男、主人公と大叔父に遠慮なく話しかけてきます。
その男、相当な読書家なのか。有名な小説家の誕生年月日をすらすらと答えます。そして話題は数々の有名作品を経て、川端康成へと。そこで大叔父が明らかにしたのは、驚くべき事実・・・。

「未熟な同感者」は、大学文学部のあるゼミが舞台。
サリンジャーの手紙等について講義するその先生、何故かいつも講義中にトイレへと席を外す。
一方、主人公の
阿佐美は、同じゼミ員である美少女=間村季那と親しくなるのですが、彼女には不思議なところもあり。
ストーリィは、ゼミでの現実と合わせるかのように、サリンジャーや
二葉亭四迷らの著述断片がコラージュとして数多く挿入されています。

私自身、川端康成やサリンジャーは余り入れ込んだ作家ではないということもあって、ストーリィへの興味は今一つといったところ。
それでも前者については、登場人物3者の思いがそれぞれ微妙に絡み合う展開が少々スリリングで、結構面白かったです。
それに対して後者、伝えようとしているのはこういう処かなと感じたものの、今一つ読みこなせなかったという思いです。


本物の読書家/未熟な同感者

   


  

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