人間六度
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1995年生、愛知県名古屋市出身、2021年現在日本大学芸術学部文芸科に在学中。同年「スター・シェイカー」にて第9回ハヤカワSFコンテスト大賞、「きみは雪を見ることができない」にて第28回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞し、「スタ・シェイカー」にて作家デビュー。

  


       

「スター・シェイカー Star Shaker ★☆   


スター・シェイカー

2022年01月
早川書房

(1900円+税)



2022/02/12



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ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作と聞いて読書。

舞台は、人類がテレポート能力に目覚め、移動手段をテレポートにより行うことになった未来社会。
主人公の
赤川勇虎(いさとら)は、運送業を営む職業テレポーターでしたが、機械故障でテレポート翔突事故(他人の体内にテレポートしてしまい相手を膨殺)を起こしたショックでテレポート能力を失ってしまう。

その勇虎、何かの組織に追われているらしい
少女ナクサを偶然に助けたことから、大きなトラブルに巻き込まれてしまう。
しかし、その過程で勇虎は超越的なテレポート能力に目覚めることになりますが、ナクサを追う組織の手は緩むことなく、勇虎とナクサは上空を走る高速道路に逃れた結果、
“ロードピープル”の援助を受けることになりますが、戦闘度はさらに激しくなっていく。
組織の狙いは何なのか、そして勇寅虎とナクサの運命は・・・。

上田早夕里さんのデビュー作
火星ダーク・バラードをふと連想させる処がありますが、終盤になって事態の真相が明らかにされる辺りから、理屈はどんどん細かくなり、敵味方の境は曖昧になっていき、ストーリィ展開に付いていけなくなった、というのが正直なところ。
そしてその結果は・・・何だったのでしょうか?

いずれにせよ地球は救われたようですが、勇虎とナクサは救われることができたのか・・・。

ストーリィ構成・展開とも確かな作品。その意味で大賞受賞は納得できる処ですが、ストーリィの理屈について行けなかった処が残念です。


1.距離の存在しない世界/2.前進する遺伝子/3.死の黎明期/4.ゼロ震度の果てに/終章.パシャン!

           


  

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