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「スター・シェイカー Star Shaker」 ★☆ |
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2024年03月
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ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作と聞いて読書。 舞台は、人類がテレポート能力に目覚め、移動手段をテレポートにより行うことになった未来社会。 主人公の赤川勇虎(いさとら)は、運送業を営む職業テレポーターでしたが、機械故障でテレポート翔突事故(他人の体内にテレポートしてしまい相手を膨殺)を起こしたショックでテレポート能力を失ってしまう。 その勇虎、何かの組織に追われているらしい少女ナクサを偶然に助けたことから、大きなトラブルに巻き込まれてしまう。 しかし、その過程で勇虎は超越的なテレポート能力に目覚めることになりますが、ナクサを追う組織の手は緩むことなく、勇虎とナクサは上空を走る高速道路に逃れた結果、“ロードピープル”の援助を受けることになりますが、戦闘度はさらに激しくなっていく。 組織の狙いは何なのか、そして勇寅虎とナクサの運命は・・・。 上田早夕里さんのデビュー作「火星ダーク・バラード」をふと連想させる処がありますが、終盤になって事態の真相が明らかにされる辺りから、理屈はどんどん細かくなり、敵味方の境は曖昧になっていき、ストーリィ展開に付いていけなくなった、というのが正直なところ。 そしてその結果は・・・何だったのでしょうか? いずれにせよ地球は救われたようですが、勇虎とナクサは救われることができたのか・・・。 ストーリィ構成・展開とも確かな作品。その意味で大賞受賞は納得できる処ですが、ストーリィの理屈について行けなかった処が残念です。 1.距離の存在しない世界/2.前進する遺伝子/3.死の黎明期/4.ゼロ震度の果てに/終章.パシャン! |