永瀬隼介
(しゅんすけ)作品のページ


1960年鹿児島県生。週刊誌記者を経て独立、フリーのジャーナリストとして主に犯罪ノンフィクションを手掛ける。2000年、初の小説「サイレント・ボーダー」を刊行。

  


       

「凄 腕 ★☆




2017年05月
文芸春秋刊

(1600円+税)



2017/06/05



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警察ものハード・サスペンスと言えば、まずは警視庁捜査一課、殺人事件なのですが、本書の主役たちが属するのは新宿署・警視庁の組織犯罪課(部)という点がかなり異色(※今野敏「確証も捜査三課:窃盗・盗犯を主役としていて異色でしたが)。

主人公の
高木誠之助は、立川南署で半年前に刑事となったばかりの31歳。いずれは本庁捜査一課の刑事と、目標は高いのですが現実はままならず。そんな高木の前に姿を現したのは、本庁組織対策部のベテランで、独自の情報ネットワークを築き上げているという桜井文雄警部補
その桜井の存在感に衝撃を受けた高木は、暴力団抗争の現場というべき歌舞伎町を抱える新宿署の組織犯罪課への異動を志願、桜井の後継者となるべく一歩を踏み出すのですが・・・・。

誰も知らない、自分だけの情報ネットワークを独力で築き上げた桜井、存在すら定かではない桜井の太いネタ元は、シーラカンスのようなものと噂されている。
暴力団間の抗争による殺人かと思われていた事件は、次第に桜井が抱える闇とも絡んでいく・・・・。

それなりに迫力あるサスペンスが味わえますが、所詮は暴力団絡み、特殊な世界の住人たちの間における事件ばかりですので、ストーリィを縁遠く感じてしまうのは仕方がないところ。
本作の真価は、続編があったとして、そこでの高木刑事の活躍ぶり次第になるのではないか、と感じます。


1.凄腕/2.相棒/3.逆転/4.追跡/5.真相

  


  

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