こまつあやこ作品のページ


1985年生、東京都中野区出身。清泉女子大学文学部日本語日本文学科卒。学校や公共図書館の司書として勤務。2017年「リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ」にて第58回講談社児童文学新人賞、21年「ハジメテヒラク」にて第54回日本児童文学者協会新人賞を受賞。

 


                   

「リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ ★★


リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ

2018年06月
講談社

(1200円+税)



2022/02/09



amazon.co.jp

父親の仕事の都合により家族で2年半マレーシアで暮らし、中二の9月に日本の中学校に転入した花岡沙弥が主人公。
その沙弥、帰国子女ということでシカトされないかとピリピリ、すっかり萎縮している風です。

そんな沙弥をいきなり呼び出し、ギンコウ?に連れ出したのは、「督促女王」と仇名される、三年生の
佐藤莉々子
仕方なくついて行ったところ、ギンコウ=吟行(短歌を作るための外歩き)とやっと分かります。

佐藤先輩の吟行パートナーにされた沙弥、それにより自分の感じたこと、思ったことを、マレーシア語を入れ混ぜながら言葉にすることに慣れていきます。
そして、マレーシア行きの前に好きになっていた同級生、
藤枝港が無愛想になっていた理由に気づき・・・。

ひとつのことが切っ掛けとなって状況が、自分の心境が変わっていくことがある・・・沙弥にとってはそれが、吟行であり、短歌であり、そして佐藤先輩との出会いだったのでしょう。

最後、打って変わったような様子の沙弥を見て、嬉しく、また楽しくなってきます。
気持ち良く、ちょっと愉快な帰国子女物語です。

※本作、2019年度中学入試最多出題作だったそうです、驚き。


1.督促女王/2.初めての歌/3.わたしは変わってしまったの?/4.赤い下着/5.タンカードNo.1/トナカイからのプレゼント/7.時計と寿司は回り続ける

        


   

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