池田ゆみる作品のページ


神奈川県生、法政大学文学部卒。図書館司書、ドールハウス作家を経て友人とアートギャラリーを経営。その傍らで創作活動。

 


                   

「坂の上の図書館 ★★


坂の上の図書館

2016年07月
さ・え・ら書房

(1300円+税)


2018/01/28



amazon.co.jp

こんなところの世話にはなりたくなかった、という母親と共に、自立支援センター<あけぼの住宅>に入居した小学五年生の春菜が主人公。学校の勉強も満足にできなかったこれまでから、春菜は引っ込み思案の女の子。
しかし、あけぼの住宅の隣に会った市民図書館、本との出会い、そして学校では元気な同級生=
佐久間真琴との出会いが、少しずつ春菜を、さらには母親をまで変えていく、というストーリィ。
 
作り話かもしれませんが、本の中にある物語の世界が、どんなに自分の世界を広げてくれることか、勇気づけてくれることか。
それは子どもの頃に本が好きになった人なら、誰でも経験したことではないでしょうか。
とくに春菜のように(私自身もかつてそうでしたが)、自分に自信が持てない子供にとっては初めて得られる拠り所、そこから全てが変わっていく、貴重な出会いだったと思います。

本との、そして親友と出会う喜びが、強く語られている一冊。
※なお、ファンとしては、
ウェブスター「あしながおじさんの取り扱いがとくに嬉しい限り。

1.あけぼの住宅/2.市民図書館/3.学校/4.夏休み/5.グループ学習/6.お母さん、そして白い馬/7.「ホビーコレクション」/8.佐久間さん/9.読書リーダー/10.研修会/11.手紙/12.六年生になって

        


   

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