阿川せんり作品のページ


1988年北海道生、北海道大学文学部卒、札幌市在住。2015年「厭世マニュアル」にて第6回野生時代フロンティア文学賞を受賞し作家デビュー。

 


                   

「アリハラせんぱいと救えないやっかいさん ★☆
      In Search of Eccentric People


アリハラせんぱいと救えないやっかいさん

2017年02月
角川書店刊

(1400円+税)



2017/03/01



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本ストーリィは冒頭、主人公のコドリ(子鳥多喜)がしつこく追いかけてくる同じ2年生のミレイから懸命に逃げ回っているところから始まります。
コドリがつい逃げ込んだ部屋にいた4年生の
アリハラ、何とミレイからコドリを助けてやろうとしたのか、何といきなり〇〇。
それがコドリと
アリハラせんぱいの出会い。

“変人”に出会わんと北大に進学してきたのに、出会ったのは“やっかいさん”ばかりというコドリに、アリハラせんぱいは<変人研究>を持ち掛けます。
その対象はというと、ミレイと3年生のマイせんぱい。

“変人”と“やっかいさん”はどう違うのか。珍行動を繰り返すアリハラせんぱいこそ、実は「変人」なのではあるまいか。
自分勝手に行動し、はた迷惑お構いなし・・・それが個性であると勘違いしている現代人への皮肉を込めたストーリィかと思いきや、後半思わぬ展開へ。

後半、一転してネクラな展開になりましたけれど、終わりよければすべてよし、というところでしょうか。

※本当の変人に会いたいのなら北大より京大、という一言、森見登美彦作品を連想してつい笑ってしまいました。
森見作品に比較すると、こぶりな変人たちのストーリィ、と言えなくもなし。

        


   

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