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1.ローワンと魔法の地図 |
●「ローワンと魔法の地図」● ★★☆ |
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2004/12/09
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児童向けファンタジー冒険物語。 物語の舞台はファンタジーらしく、いつの時代のどこの場所とも判らぬリンの村。牧畜で穏やかに暮らす共同体風の村です。 そのリンの村に、川に山からの水が全く流れてこなくなるという困難が生じます。このままでは家畜のバクシャーばかりか、村人も暮らしていけなくなる。原因をつきとめてこれを解決するためには、竜が住むという禁じられた山に登てみるほかない。 そこで6人の勇者(男女各3人)が山へ向かうことになります。ところが、魔女とも言われている老婆のシバから与えられた、山への道筋を示す地図を見ることができるのは、ローワンという少年ただ一人。 そのローワンはとても臆病で、そのためバクシャーの世話係となっている少年。そんなローワンを加えた7人が、村を救うため山へと向かいます。 山への途中には様々な困難が待ち受けていますが、それを導くのが魔法の地図。この辺りファミコンゲームのような感覚で、いかにも児童向きストーリィ。 そんな本書の魅力は、冒険にあるのではなく、どの子供をも勇気づけてくれるその内容にあります。 |
●「ローワンと黄金の谷の謎」● ☆ |
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2004/12/18 |
“リンの谷のローワン”シリーズ・第2巻。
第1巻で、山からアランが持ち帰ったヤマイチゴの栽培が進んでいるリンの村に、<旅の人>たちがまたやって来ます。 プロローグ的な部分で2/3程まで過ぎてしまい、ローワンと先駆けのジールが黄金の谷を探す冒険部分はほんの僅か。 |
●「ローワンと伝説の水晶」● ★☆ |
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“リンの谷のローワン”シリーズ・第3巻。 これまで読んだ3巻の中では、もっとも冒険ファンタジーらしい作品です。 宿敵ゼバックと共に戦った同盟者の残るひとつ、海辺の民マリスの村から、リンの村に使者がやってきます。 このシリーズ、各巻には必ず子供たちへのメッセージが籠められています。それが子供たちにとっては大切なこと。 |
●「ローワンとゼバックの黒い影」● ★★ |
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2004/12/26 |
“リンの谷のローワン”シリーズ・第4巻。
ここまでこのシリーズを読んできて、そのしっかりとしたストーリィ構成に感心します。一歩一歩着実に段階を踏んでストーリィは進み、またローワンも成長を遂げています。 今回のストーリィは、ゼバックが偵察に放った翼をもつ巨大な爬虫類グラックによって、妹アナドが攫われてしまうところから始まります。 児童書にふさわしい単純で素直な物語ですけれど、その読み応えは確かなものがあります。 |
●「ローワンと白い魔物」● ★★ |
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2004/12/28 |
“リンの谷のローワン”シリーズ第5巻にして最終巻。
第4巻までで、<旅の人>と海辺の民マリス、そして仇敵ゼバックとの関係が明らかにされ、ひととおりの決着がついたと思っていたのですが、また新たな危機がリンの村を襲います。
本巻の面白さは、これまでの物語以上の苦難と、一行4人の固い友情、助け合う心が試されるという展開にあります。 |
「スター・オブ・デルトラ1−<影の大王>が待つ海へ−」 ★★ |
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2016年11月
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児童向けファンタジー冒険物語、四部作の第1巻。 10年以上前に“ローワン”シリーズ5巻を読み終え、エミリー・ロッダに関しては一区切りついたと思っていましたが、新シリーズ刊行と聞いてつい手が伸びました。 “ローワン”シリーズの世界観が楽しく面白かった、という印象が残っていたからでしょう。 本ストーリィの舞台は、“ローワン”シリーズと同じ世界。ローワンシリーズは、魔術と謎の王国デルトラの西<銀の海>の向こうにある島が舞台でしたが、本シリーズはその海こそが舞台。 主人公のブリッタは、デルの港で最大の大商船団「ロザリン船団」の<スター・オブ・デルトラ号>に乗って、<銀の海>への航海へと乗り出す物語。 第1巻では、主な登場人物の紹介と、主人公ブリッタの訳ありの家族事情が描かれます。そしてそれと共に、ロザリン船団の見習い船員の最終候補者の一人に選ばれてようやく航海に乗り出すまでの経緯が描かれます。 本冒険物語の真価はこれから。 本書では、スター・オブ・デルトラ号の船出にその船上で胸をときめかすブリッタと共に、読み手もまたこれからの冒険に胸がときめくといった具合。これからの巻が楽しみです。 1.魔杖の持ち主/2.ブリッタ/3.<スター・オブ・デルトラ号>/4.チャンス/5.ろうそくの光のそばで/6.港/7.ライバルたち/8.試験/9.発表/10.金貨一枚/11.地下室/12.取引/13.証書/14.星空の下/15.悪意/16.影たち/17.夜明け |