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「ガルヴェイアスの犬」 ★★ オセアノス賞 |
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2018年07月
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ポルトガルの小さな村、ガルヴェイアス。 その村にある日、猛烈な爆音が襲います。その原因は、空から落ちて村はずれの原っぱに巨大な穴を作った物体によるもの。 異臭を放つその物体は「名もない物」と呼ばれますが、人々はやがてその物体のことを忘れますが、犬たちだけは覚えていた-という処から始まる長編ストーリィ。 ストーリィは、「1984年 1月」と「1984年 9月」、2つの時期に分けて、村人たちの様子が語られていきます。 村人たちが何人も、入れ代わり立ち代わり登場する、といった具合。 いろいろな人物、いろいろなその暮らしぶりがそこにはあります。 でも、お互いが関連し合っているというより、混濁したままそこに散在しているという印象。 どういう意味があるのか戸惑うところもありましたが、終盤になってふと、ガルヴェイアスという村、そこに住み暮らす住人たちを俯瞰的に見ているような気がすることに気づきます。 ポルトガルという国、ある小さな村での、ポルトガルらしいリアルな人間模様、その黙示録を見せられた気がします。 1984年1月/1984年9月 |