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「エヴリデイ」 ★★ 原題:"every day" 訳:三辺律子 |
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2018年09月
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自称「A」、彼は物心ついたときから、毎朝、違う誰かの身体で目を覚ます。 その誰かに宿るそのパターンは、自分と同じ年齢(16歳)の人物であること、そして宿るのは1回だけ、1日限りであること。 それ以外はまさに何でもあり。性別、人種、健康状態、家族状況等々、いやはやとんでもない状況です。 5994日目、宿主は傲岸な性格のジャスティン。そしてAは、ジャスティンの恋人であるリアノンにひと目で恋してしまう。 それから毎日、Aはリアノンのことを想い、リアノンの姿を何とか目にしたいと望み、そして自分のことをリアノンに認識してもらいたい、恋人になりたいと願うようになる。 時間を超越したり、タイムスリップを繰り返したりと、これまでいろいろなパターンのラブ・ストーリィを読んできましたが、流石に自分の宿る相手が毎日違う、というパターンは初めて。 毎日違う人間になっているというのに、恋愛という継続的な関係が果たして築けるものなのかどうか。 5994日目から6034日まで、40日に亘るストーリィなのですが、毎日ハラハラドキドキしっ放しです。 今日は、どんな宿主か。そこに危険はないのか。そして今日、リアノンとはどういう関係を結べるのか、と。 そこに、宿主であったネイサン・ダルドリーが、誰かに身体を乗っ取られたと、執拗に追及してきます。 Aにとってもリアノンにとっても、切ないラブ・ストーリィ。結末はどうなるのか、全く予想がつきません。 そしてついに・・・・・。 Aとリアノンの毎日を存分に楽しめたストーリィでしたが、最後はやはりこうなるしかないのかなぁ。 ※読書中、ふと東野圭吾「秘密」を思いだしました。 |