|
|
「ピアノを尋ねて」 ★★ |
|
|
台湾の実業家=初老の林サンは、音楽教室を経営していた音楽家の妻=20歳のエミリーをすい臓がんで亡くしたばかり。 音楽教室や」、妻の遺したピアノをどうすればよいか迷っていた処に出会ったのは、冴えない中年男性のピアノ調律師。 そこから、二人の物語が始まっていきます。 調律師の「わたし」、実は昔、ピアノに対する天賦の才能を高く評価された子どもだった。 しかし、両親は音楽や文化について何の理解もなし。 ピアニストの道へ進むことを熱心に勧めてくれた先生もいたが、結局自分で棒に振ってしまった。 わたしはピアニストの道について、実業家は妻のことをもう一つ理解していなかったことに、悔恨を抱えている。 そうした2人が一緒に何かしようとするストーリー。 誰にしても、これまでの人生において選択を悔いること、幾らでもあるのではないでしょうか。 悔いがあってもその都度、それを乗り越えてやってきた。 でも、この二人の悔恨は深い。だからといって単なるミスと片付けられるものではなかったのでは。 悔恨を抱えてこれからも生きていこうとする姿に、深い哀切感があります。 ※シューベルトやリヒテル、グールド、フジコ・ヘミングといった音楽家たちの人生も語られます。何が違ったのか。 |