E・W・ヒルディック作品のページ


Edmund Wallace Hildick 1925年英国ヨークシャー州ブラッドフォード生。教師等を経て作家。トム・ギャロン賞、アンデルセン賞等を受賞。「マガーク少年探偵団シリーズ」の他、「幽霊探偵団シリーズ」等作品多。2001年死去。

 


     

「こちらマガーク探偵団−マガーク少年探偵団!− ★★  訳:蕗沢忠枝
 原題:"THE NOSE KNOWS−A McGurk Mystery−"

 
こちらマガーク探偵団画像
 
1973年発表

2003年11月
あかね書房刊
(900円+税)

   

2013/08/24

   

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竹内真「図書室のキリギリスの中に登場していたことから読んだ一冊。
それまで全く知らなかった児童文学のシリーズですが、読んでみると、こりゃ面白い!

近所の遊び友達=
ジャック・マガークジョーイ・ロカウェイ、共に10歳の少年。そこに引っ越してきたのがウィリー・サンドフスキー。ところがそのウィリー、何やら奇妙な行動を繰り返している。何故かと2人が聞いたところ、大事な新品のキャッチャーミットが見当たらなくなったのだという。
そこでマガークが宣言したのが“
マガーク少年探偵団”の設立。それから3人はキャッチャーミット探しに奔走することになります。

少年冒険物語というと、性格が良くて頭脳も明晰、そのうえ年下の子供たちの面倒見も良いという、優等生的な主人公が多いのではないかと思うのですが、本シリーズの主人公=マガークは、どうも対極的なキャラクターらしい。わがままで自分勝手、そしてやたら恰好づけをしたがる等々。
途中から
ワンダ・グリーグというお転婆な少女がメンバーに加わり、これまた珍妙な捜査作戦を考え出すのですが、これが噴飯もの(是非お楽しみに)。
一見本格的なミステリに、底抜けのユーモアが繰り返し盛り込まれ、キャラタクターの面白さと合わせて楽しい探偵団ストーリィになっています。

私見ですが、マガークの源流は
M・トウェイン「トム・ソーヤー」にあるような気がします。
なお、ウィリーは鼻の利く少年で、それが原題の所以。
また、ジョーイは探偵団活動の記録係ということで、本書の語り手となっています。

    


      

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