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「こちらマガーク探偵団−マガーク少年探偵団!−」 ★★ 訳:蕗沢忠枝 原題:"THE NOSE KNOWS−A McGurk Mystery−" |
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2013/08/24
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竹内真「図書室のキリギリス」の中に登場していたことから読んだ一冊。 それまで全く知らなかった児童文学のシリーズですが、読んでみると、こりゃ面白い! 近所の遊び友達=ジャック・マガークとジョーイ・ロカウェイ、共に10歳の少年。そこに引っ越してきたのがウィリー・サンドフスキー。ところがそのウィリー、何やら奇妙な行動を繰り返している。何故かと2人が聞いたところ、大事な新品のキャッチャーミットが見当たらなくなったのだという。 そこでマガークが宣言したのが“マガーク少年探偵団”の設立。それから3人はキャッチャーミット探しに奔走することになります。 少年冒険物語というと、性格が良くて頭脳も明晰、そのうえ年下の子供たちの面倒見も良いという、優等生的な主人公が多いのではないかと思うのですが、本シリーズの主人公=マガークは、どうも対極的なキャラクターらしい。わがままで自分勝手、そしてやたら恰好づけをしたがる等々。 途中からワンダ・グリーグというお転婆な少女がメンバーに加わり、これまた珍妙な捜査作戦を考え出すのですが、これが噴飯もの(是非お楽しみに)。 一見本格的なミステリに、底抜けのユーモアが繰り返し盛り込まれ、キャラタクターの面白さと合わせて楽しい探偵団ストーリィになっています。 私見ですが、マガークの源流はM・トウェイン「トム・ソーヤー」にあるような気がします。 なお、ウィリーは鼻の利く少年で、それが原題の所以。 また、ジョーイは探偵団活動の記録係ということで、本書の語り手となっています。 |