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●「極北で」● ★★ |
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2009年02月
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1616年、夏が終わろうとする北極海の孤島。その島に一人の男を残して捕鯨船が出発しようとしている。 極寒の地に建つ小屋でたった一人越冬しようとしている男は、トーマス・ケイヴ。 果たして生き延び、捕鯨船が再び戻ってくるのを彼が目にできるのかどうか、それは定かではない。だからこそ、一人で岸に佇むケイヴと、遠ざかっていく船上の乗組員たちの間には、厳粛な沈黙が横たわっています。 売り言葉に買い言葉から賭けとなり、トーマス・ケイヴは島に残ることを選んだのですが、彼には人々から離れ、孤独に身を置きたいという動機があったのではないか。 太陽の光も消えた極地で一人過ごす、ケイヴの孤独な日々。その彼の元に現れる幻影。 ケイヴが極地で過ごした前後を、ケイヴと親しんだ若いトマス・グッドラードが彼について語るという3部構成。 人が人らしく生きるためには何が必要なのか。そのことについて考えさせられると共に、大自然に対する人間の微力、大自然への敬虔な思いを描いた素朴なストーリィ。 |