スーザン・フィナモア作品のページ


Suzanne Finnamore  米国の作家、1960年代生。サンフランシスコの広告代理店でクリエィティヴ・ディレクターを勤めた後、「婚約したけれど」にて作家デビュー。本人は37歳で結婚、夫と息子の3人で北カリフォルニア在住。

 


 

●「婚約したけれど」●
 原題:"Other Engaged"   訳:森洋子




1999年発表

2002年9月
新潮社刊
(1400円+税)

 

2002/10/19

帯の宣伝文句は、「結婚してよかったことは? 結婚すべきかどうか悩まなくてよくなったこと。」
う〜ん、かなり効いてくる言葉です。

本書の主人公は、広告代理店勤務のキャリアウーマン、イヴ、36歳。かつて一度婚約経験あるものの、相手の男が暴力を振るい、婚約解消。年齢的には、結婚・出産に向けてギリギリの線上にあり、かなり焦り気味。
半年近く同棲してきたマイケル(44歳)を遂に追い詰め、彼からのプロポーズを引き出すのに成功。一時は勝利感に酔いしれたものの、その後にくるものは、これで良いのか、大丈夫なのかという不安。
婚約から結婚式までの1年間、イヴの揺れる胸の内が日記のように綴られていきます。
B.J.の日記の後にくるべきストーリィと思いますが、作者自身の経験が基になっているようで、説得力があります。男性である私にとってはもうひとつですが、女性読者にはかなり共感を呼びそうな作品。
個人的には、イヴがそうした心境に陥るのは致し方ないことでしょう。女性のクライマックスが結婚式であろうのに対して、男性のクライマックスはプロポーズへの承諾を取り付けた時。あとは坂道を下っていくだけなのですから。そんな男性の姿を見ていれば、女性側が不安を感じるのも当然のことと思います。まぁ、これは私だけの意見で、世の男性は違うかもしれませんので、未婚女性の方、あまり気にしないようにお願いします。

     


 

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