1999年発表
2002年9月
新潮社刊
(1400円+税)
2002/10/19
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帯の宣伝文句は、「結婚してよかったことは? 結婚すべきかどうか悩まなくてよくなったこと。」
う〜ん、かなり効いてくる言葉です。 本書の主人公は、広告代理店勤務のキャリアウーマン、イヴ、36歳。かつて一度婚約経験あるものの、相手の男が暴力を振るい、婚約解消。年齢的には、結婚・出産に向けてギリギリの線上にあり、かなり焦り気味。
半年近く同棲してきたマイケル(44歳)を遂に追い詰め、彼からのプロポーズを引き出すのに成功。一時は勝利感に酔いしれたものの、その後にくるものは、これで良いのか、大丈夫なのかという不安。
婚約から結婚式までの1年間、イヴの揺れる胸の内が日記のように綴られていきます。
「B.J.の日記」の後にくるべきストーリィと思いますが、作者自身の経験が基になっているようで、説得力があります。男性である私にとってはもうひとつですが、女性読者にはかなり共感を呼びそうな作品。
個人的には、イヴがそうした心境に陥るのは致し方ないことでしょう。女性のクライマックスが結婚式であろうのに対して、男性のクライマックスはプロポーズへの承諾を取り付けた時。あとは坂道を下っていくだけなのですから。そんな男性の姿を見ていれば、女性側が不安を感じるのも当然のことと思います。まぁ、これは私だけの意見で、世の男性は違うかもしれませんので、未婚女性の方、あまり気にしないようにお願いします。
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