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1.ふたりの箱 2.わたし、ぜんぜんかわいくない |
1. | |
●「ふたりの箱」● ★★ |
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2010年09月 2012/06/02 |
両親の離婚で、お互いに大好きなのに離れ離れになった父と娘の物語を描いた絵本です。 お互いジュリーのこと、お父さんのことが忘れられない。忘れられないからこそそんな気持ちを封じ込めようと、お互いの存在を心の箱の中にしまい込む。 切ない物語です。この物語に母親は登場しません。両親の離婚、それはもうどうしようもないことだからです。 でも父親と娘は別。それなのに・・・ 表題にある箱とは、“心の箱”のこと。上手い表現だなと思います。 何より、絵が素敵です。何度見てもいいんだなぁ。 お父さんの影が薄くなったような後ろ姿、寂しそうで表情の消えたジュリーの姿と。 ※小川糸さん、初の翻訳絵本だそうです。 図書館にはなかったので、ネット購入して読みました。 |
2. | |
●「わたし、ぜんぜんかわいくない」● ★★ |
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2011年02月 2011/02/27 |
「パパは、わたしがかわいいって」 「そんなのウソだもん」 「パパは、わたしのことが大好きだから、そう見えるだけ」 愛する小さな娘の口からそんな言葉が飛び出したら、父親としてはどうしたらいいのでしょう。 きっとどうしていいか判らなくなって、可愛いかどうかなんてそんな大事なことじゃないんだと、娘が少しでも早く自分で気付いてくれるのを、祈るような気持ちで待つだけ、というような気がします。 一人の女の子の悩みを真っ直ぐに描いたこの絵本、フランスで共感を読んだ本だそうです。 デッサン風の小さな絵と、その絵に合わせて女の子=ステファニーの一言ずつ。その絵と呟きがとても可愛いのです。 大人から見れば何でもないことが、小さな女の子にとってはとても深刻な悩み。そんな幼さが、愛おしくなる一冊です。 |