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1.むずかしい愛 2.冬の夜ひとりの旅人が |
1. | |
●「むずかしい愛」● ★★☆ |
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2004/02/26
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ありきたりな出来事が、ちょっとしたズレから日常生活が一変してしまう、そんなストーリィ12篇。 列車で隣り合った婦人が反応を示さない為に、触れる程度から痴漢行為にまでエスカレートしてしまう兵士(ある兵士の冒険)、海水浴場で水着が取れて困っているのに他の人間は無関心と憤りを募らせる婦人(ある海水浴客の冒険)、列車内の一晩を快適に過ごそうと用意周到な旅行客(ある旅行者の冒険)、鍵を忘れて外出したために朝の時間帯の楽しさを知ってしまう人妻(ある妻の冒険)の話が、とくに楽しめます。 ある兵士の冒険/ある悪党の冒険/ある海水浴客の冒険/ある会社員の冒険/ある写真家の冒険/ある旅行者の冒険/ある読者の冒険/ある近視男の冒険/ある妻の冒険/ある夫婦の冒険/ある詩人の冒険/あるスキーヤーの冒険 |
2. | |
●「冬の夜ひとりの旅人が」● ★★ |
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1995年10月
2013/01/12
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本、そして作家、さらに読者にまでまつわるお話。 本書は「あなたはイタロ・カルヴィーノの新しい小説『冬の夜ひとりの旅人が』を読み始めようとしている」という印象的な一文から始まります。 折角読み始めたのに、本当に同じ物語かと困惑も生じれば、途中で物語が中絶してしまうということが繰り返し。 ※なお、本の迷宮に入り込むという辺り、小田雅久仁「本にだって雄と雌があります」に共通するところを感じます。 第1章/冬の夜ひとりの旅人が/第2章/マルボルクの村の外へ/第3章/切り立つ崖から身を乗り出して/第4章/風も目眩も怖れずに/第5章/影の立ちこめた下を覗けば/第6章/絡みあう線の網目に/第7章/もつれあう線の網目に/第8章/月光に輝く散り敷ける落葉の上に/第9章/うつろな穴のまわりに/第10章/いかなる物語がそこに結末を迎えるか?/第11章/第12章 |