1998年10月
童話屋刊
(1500円+税)
1998/12/23
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この本を知ったのは、一昨日TV「筑紫哲也NEWS23」を見ていた時でした。番組の中で、CMアイドルの“なっちゃん”がこの本を紹介していました。昨日の会社帰りに寄った書店でこの本を見かけ、中身を見て迷うことなく買いました。
何のためらいもなく買おうと思う本、そんな本との出合いは、私にとりとても素晴らしい瞬間です。
著名な哲学者である作者が、生涯で書いたただ一冊の絵本とのこと。
四季の梢の写真と葉の絵が、各ページに挿入されています。
ストーリィも、写真も、絵も、それぞれに清々しく、眺めているだけで読み手の心を豊かにしてくれるような気がします。
この本の主人公は、1枚の葉っぱであるフレディです。たった1枚の葉っぱに託して、作者は青春の謳歌、円熟、人生の黄昏を語ってくれます。そして、やがて誰にも訪れる死と永遠に生き続ける“いのち”のことを。
大人向けの絵本ということでは、シルヴァスタイン「大きな木」にも感動しましたが、同じ木を題材にしながら内容はかなり異なります。
本書には、哲学者らしい前向きな生命への信仰があります。そして、死とは決して恐れる必要のないことなのだよ、という諭しも。
いつか、時機をみて私の子供達にも読ませてみたいと思う本です。
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