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●「優雅なハリネズミ」● ★★ |
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2008年10月
2009/03/19
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高級アパルトマンの管理人をしている未亡人のルネ54歳は、背が低くて醜く、ぽってりとした体型。 日がな一日TVばかり見て過ごしているというのが、いわゆる管理人像。ルネも住民たちにそう見せかけているのですが、実は哲学書も読むし、トルストイの小説は愛読するといった、職業に似合わず知性的な女性。 一方、そのアパルトマンに家族と暮す天才少女パロマ12歳は、周囲の低劣さに幻滅していて自殺を決意している。 自分の殻に引き篭って暮しているような2人ですが、アパルトマンに新しく引っ越してきた日本人紳士=オズ氏との出会いによって、2人の目の前には新たな未来が開き始める、というストーリィ。 表題の「優雅なハリネズミ」とは、パロマがルネを評して言った言葉。つまり、堅固な砦で身を固めているその内には、知的で高貴が心が隠されているのだ、という意味。 前半、ルネもパロマもやたら堅っ苦しく、理屈っぽいセリフが続くのでやれやれなのですが、オヅ氏が登場してからガラリと面白くなります。ただ、面白くなってからの部分が短い。 |