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「文学会議」 ★★ |
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どうも南米作家は苦手です。 ストーリィ、そして作品が枠に嵌らないというか、縦横無尽に枠からはみ出している、というか。 本書もその典型的な一冊。 「文学会議」は、ベネズエラのメリダという街で行われる文学会議、今風に言えば文学フェスティバルにやって来た<マッド・サイエンティスト>にして作家という「私」=セサルが主人公。 有名なメキシコ人作家カルロス・フエンテスの細胞を手に入れ、密かにクローンを作成。そのクローンを使って世界征服を企てようと目論んでいます。 作家のクローンを使ってどうすれば世界征服ができるのは謎で、それ自体がセサルの妄想ということなのでしょう。 スズメバチを使って細胞採取に成功したセサルですが、その後の展開はもう破茶滅茶。ここまで至ると妄想というより最早ストーリィの暴走と言うべきかと思う次第。 「試練」の主人公は、太めの少女マルシア。 街中でいきなり「ねぇ、やらない?」と声を掛けられたのをきっかけに、マオとレーニンというパンク少女2人を振りきれず、そのまま3人で行動します。 その揚げ句が、試練は恋愛を正当化するという言葉に乗っての、試練=スーパーマーケット強盗を決行。 その強盗ぶりがとんでもなく凄い、ハリウッド映画のバイオレンスアクション並みの惨劇が展開されます。 その2篇から何かをくみ取れと言われても、とても無理。その暴走ストーリィにただただ、呆気に取られるのみです。 文学会議/試練 |