モリエール フランス喜劇の巨匠 1622−1673
               ここでは、
中央公論社版“モリエール全集”によりご紹介します

書 名

出版

読了

ひとこと

飛び医者

中央公論社
戯曲全集1

1980

 

ゴリ押し結婚

中央公論社
戯曲全集1

1981

 

ドン・ジュアン

中央公論社
戯曲全集1

1973

聖職者らの圧力により「タルチュフ」が上演禁止となった為、急遽ドン・ファン 伝説をもとに書き下ろされた劇

恋は医者

中央公論社
戯曲全集1

1981

 

いやいやながら医者にされ

中央公論社
戯曲全集1

1977

モリエールの医者嫌いは有名だったようで、医者を諷刺した中でも代表的な作品

病は気から

中央公論社
戯曲全集1

1973

登場人物が多彩で、ストーリィ内容も豊富。病気と思い込んでいる主人公、遺産狙いの後妻、健全頭脳の弟、機知縦横の女中、威張りくさった医者、娘の恋人。最後の落ちはこのうえなく愉快

ジョルジュ・ダンダン

中央公論社
戯曲全集2

1980

上流社会への憧れから、貴族の娘を女房にしたことによる不運

守銭奴

中央公論社
戯曲全集2

1981

金銭に執着する人間のあさましさ。結局主人公は守銭奴のまま何も変っていないのであり、人間はそう簡単に変り得ないということだろうか

町人貴族

中央公論社
戯曲全集2

1977

懲りずに、最後まで貴族の真似をやめない主人公

スカパンの悪だくみ

中央公論社
戯曲全集2

1977

 

スガナレル
疑り深い亭主

中央公論社
戯曲全集3

1980

恋人同士、中年夫婦同士の勘違いをネタにしたドタバタ劇。ばあやの登場等、シェイクスピアには多いが、モリエールにしては珍しい作品

亭主学校

中央公論社
戯曲全集3

1988

兄弟2人が、自ら育てた姉妹2人をそれぞれ女房にできるか否か、という劇。 当然の如く2人の育て方は対照的。登場人物がそれぞれ生き生きしているのが魅力。背景に、当時 40代のモリエールが20才も年下の女優と結婚しようとしていた事実あり

女房学校

中央公論社
戯曲全集3

1977

娘を自分の思い通りに育て上げるなど、所詮無理なこと、という劇

タルチュフ

中央公論社
戯曲全集3

1973

まとまりもテンポも良く、スマートな劇。ドストエフスキイ「スチェパンチコヴォ村」と似たストーリィだが、ここにあるのは偽善者、ことに聖職者に対する強烈な皮肉。主人公らの窮状を救うのが国王の明察、というのは阿り

シシリー人

中央公論社
戯曲全集3

1988

 

アンフィトリヨン

中央公論社
戯曲全集3

1988

 

粗忽者
或いはへまのしつづけ

中央公論社
戯曲全集4

1981

ただ単純に笑ってしまう作品。召使いが主人に恋する女をとりもとうと苦労するのに、その主人がことごとくその邪魔をしてしまう。主人のヘマは好人物故のことであり、だから憎めない

才女気取り

中央公論社
戯曲全集4

1981

才女ぶりたいという見栄を逆手に取った、気取り屋の娘たちへの見せしめ、という劇

ル・ミザントロープ

中央公論社
戯曲全集4

1971

「人間嫌い」とも訳されている劇。初めて読んだモリエール作品です

女学者

中央公論社
戯曲全集4

1981

登場人物の性格設定がはっきりしていて、それぞれが面白い。一方で強烈な社会諷刺もあるし、宮廷文化を讃美するという国王へのおもねりもある

 

 

私のモリエール観

 

 

シェイクスピア・ファンの私にとって、当初モリエール劇は馴染めないものでした。でも、訳者である鈴木力衛さんの 「日本人にはモリエールの笑いが必要である」 という言葉を頼りに読み進むうち、その面白さがわかってきました。
シェイクスピアの日本人好みに合う勧善懲悪の劇と異なり、モリエール劇には、本来人間はこんな欠点のあるもの、お互いに笑い飛ばしてしまおう、という楽天的な陽気さがあります。欠点を容認して笑いに変えること、それが日本人には必要なことなのでしょう。そう思うに至って以来、モリエール劇に大笑いすることができるようになりました。

 

 

 

モリエール全集
(鈴木力衛全訳)
全4巻

中央公論社

1973年3月刊行開始
各2500〜3000円(当時)

 


 

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