その8

その他いろいろ

あんまり取り上げられる機会のない(ということはその価値がない?)可哀想な本を紹介する。

Chariot Books 1961

表紙:不明

Chariot Books 1960

表紙:不明

Pike Books 1960

表紙:Albert Nuetzell

Belmont Books 1960

表紙:不明

Frank Belknap LongはWeird Talesの作家でラブクラフトとも親交が深かったらしいから、もっと名誉のある扱いをしてあげなければいけないが、経済的には恵まれなかったようだ。1960年代には2流のペーパーバック会社からSFを出しまくっていて、この2つはその中でもあまり上等でない方に属するもの。

Chariot Booksはポルノ中心の(といっても現在からすると大したことないが)ペーパーバック出版社。

これは別の(ちゃんとした)本を買ったらおまけについてきたもの。それまでこんな本があることも出版社の名前も知らなかったが、Donald TuckのEncyclopedia of SF & Fを見たらちゃんと載っていたのには恐れ入った。

1991年版のPaperbacks Official Price Guideを見たらF(ine)で$35とあって(儲け!)それに表紙はAlbert Nuetzellとあるではないか。NuetzellはAmazing誌やF&SF誌にもっと上品な絵を描いているのに本当かしらん?と思っていたら息子のCharles Nuetzellのホームページに以下の記述があり、本当だと判明した。しかも著者のAlec RivereというのはCharles Nuetzellのペンネームであった!

These two stories were based on earlier editions of the novels, for which my father did the cover art. "Lost City of the Damned" was not one of Dad's favorite covers, in fact he actually disliked it. Yet it was liked enough by the fans to have been reproduced as a Post Card by PC Jeffrey Luther of PC Design (PO Box 782 Palo Alto, CA 94301).

わざとLongに対してひどい仕打ちをしている訳ではない。どうしようもない表紙を選んだら偶々こうなっただけです。それにしてもアメリカ人は凄い。日本ではなかなかこうはならないと思う。

中身は1946年にArkham House(表紙画:Hannes Bok)から出たLongの代表的短編集から9編選んだものでそれなりに由緒正しいものです。

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