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3打音
last updated: 2001.5.1

3打音=真夜中のノック

真夜中のドアのノック(すなわち秘密警察による強制連行=収容所=死)を連想させるリズム。

弦楽四重奏曲第8番第4楽章冒頭

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長ニ度音程の和音が(真夜中の)ノックを連想させる。
弦楽四重奏曲第8番第4楽章

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映画「若き親衛隊」の「英雄の死(葬送行進曲)」も同じ短三和音の分散和音で始まる。「英雄の死」は、ワグナーの「神々の黄昏」の葬送行進曲を下敷きにしていると思われる。テンポをかえればチェロ協奏曲第1番の冒頭と酷似する。
チェロ協奏曲第一番第一楽章冒頭

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最初の4音が十字架音型。伴奏はこのテンポで聞くとウィリアム・テルのリズムに聞こえる。
交響曲第10番第3楽章第1主題

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交響曲第10番の基本動機である3音の順次進行で始まりジグザグに下降する。伴奏に短三度と短ニ度音程の3打音が入る。
ウイリアム・テルのリズム=密告

真夜中のノックの音を連想させる3打音は、それが(近くに)密告者がいることを仲間に知らせる合図としても使われていたという。 続けて「・・・,・・・,−−−」のように演奏するとウイリアム・テルのリズムとなる。モールス信号では、「・・・」が S、「−−−」が Oであり、「・・・−−−・・・」は SOS信号。

ロッシーニ「行進曲」より

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あまりに有名な「ウイリアム・テル」序曲第4曲。(無声映画等の)追跡シーンの伴奏音楽としてはもっともポピュラーといえよう。

このリズムを使用したショスタコーヴィチの作品

ベートーヴェンの「運命」のリズム
ベートーヴェンが中期に多用したリズム。特にベートーヴェンが「運命はかく戸を叩く」といったと伝えられるため「運命」と呼ばれることもある交響曲第5番ではこのリズムが中心的な役割を果たす。 モールス信号では「・・・−」が「V」を現すため、(やはり5であるとともに)勝利のサインとも受け取れる。
ベートーヴェン第5交響曲第1楽章冒頭

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ベートーヴェン以来、聴衆にとっても作曲家にとっても、このリズムを「運命」のリズムとして認識しないことは極めて困難である。枚挙にいとまのないこのリズムの「引用」の中からマーラーの例をあげておく。
マーラー交響曲第5番第1楽章(「葬送行進曲」)冒頭

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第2次大戦中包囲されたレニングラードで書かれた曲であり、序奏部でオーボエとホルンにより交互に演奏されるため、「運命」のリズムである以上に(来るべき勝利を告げる)モールス信号を意識させる。
交響曲第7番第4楽章より

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